漫画「私がいてもいなくても」いくえみ綾 感想

 

高校卒業後、フリーターで実家ぐらしの晶子が、アルバイトをクビになって街を歩いてたら、偶然高校時代の同級生で、今は漫画家の真希に再会して、アシスタントとして働くことになる。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

 

真希の彼氏の「ひーさん」は売れない漫画家で真希のアシスタントもしている。

晶子は、両親と兄の4人家族なんだけど、母親は兄に異常なくらいべったりで、晶子のことには無関心。
晶子は、母親から愛されてこなかった、愛されたいというトラウマを抱えている。

ひーさんも実は実家がお金持ちだけど家族の中で浮いた存在で、馴染めないと感じていて、家族と縁を切っていた。
晶子とひーさんは、お互いの家庭環境の共通点から、通じ合うものを感じたりする。

晶子はそれなりに見た目も悪くないし、普通の子なんだけど、母親との問題がたぶん原因で、いまひとつ、何かに一生懸命になれなかったり、うまくいかないことを周りのせいにして、パッとしない感じの人生を送ってる。

 

 

いくえみ綾さんの作品にでてくる男子が「いくえみ男子」と呼ばれていたりするらしい。

そして、この作品に出て来る、ひーさんもわりと人気らしい、ということで、試し読みでは全然かっこよくなってるひーさんが載ってなくて、話にそれほど興味は持てなかったけど、ひーさんが見たくて中古で安かったので買ってみた。

期待しすぎたのか、思ったほど、ひーさんに惹かれなかった。それなりによかったけど。

それより、晶子のお兄さんが超絶美形でよかった。

出番は少ないし、お兄さんはお兄さんで、お母さんに構われ過ぎてダメになってる人で、最後は母親から離れて自立するんだけど、そんな感じなので中身は微妙だけど。
中身がどうかってとこまで出番がないし。
私はこのお兄さんがすごいカッコイイと思った。

晶子が小さい時(小学生ぐらい?)のエピソードで、晶子がお腹が痛いと言っているのに、夕食を用意して晶子を一人家に残して母親は兄を塾に迎えに行き、兄と2人でご飯を食べてくると言って、出かけてしまうというのがあって、これはヒドイと思った。これは親としてあまりに酷すぎる。

どうも母親は兄を恋人のように思っているようで、かなりダメダメな母親。

妹は愛されてる兄をうらやましく思ってるけど、兄は兄で異常な愛情を向けられてかわいそうな状態っぽい。

晶子はひーさんに惹かれるけど、結局、真希とひーさんはゴタゴタはあったけどヨリを戻して別れないし、晶子とひーさんはどうにもならずに終わる。

晶子は引き続き真希のアシスタントをするから、ひーさんとも会うだろうし、今後なにかあるかもしれないけど、とりあえず物語の終了時点では何もない。

晶子は、母親に期待するのはやめて、家を出て自立する。
母親とのことをどうにか諦めて前向きになるっていう感じかな。

 

 

母親も父親もあんまりきれいじゃないのによくあんな美形の兄さん生まれたな。
まあ父親はあんまりよく見えないから父も母も昔はもうちょっと美形だっとかあるのかもしれないけど。

お話の内容は、つまんなくもないけど、それほど面白くもなかった。

一番最後のページは、一番下のコマはなんとなくわかるけど、上の方のコマで過去の一場面がいくつかあるのは、意味がよくわからなかった。

この作品をもっといろいろ解説して、よかったと言っているブログも見つけたので、あたり前だが、感じ方は人によって違うのです。

私にはあまり響かないお話だったのだろう。