漫画 高口里純「幸運男子(ラッキーくん)」感想

幸運男子(1) (高口組 BL系)

幸運男子(1) (高口組 BL系)

 

 漫画 高口里純「幸運男子(ラッキーくん)」感想
ネタバレありなので、ご承知の上。

このところスキマフリー(https://www.sukima.me/)で高口さんの作品を続けて読んでいて、今まで高口さんの作品はちゃんと終わりが無いか登場人物の気持ちやセリフがよく理解できないことが多くて、なんとなく面白いんだけどモヤッとするのばかりだったんですが「ななひかり」を読んで以降、「PINK」「骨まで愛して」と、わかりやすく面白いと思える作品を読むのが続いて、すっかり高口さんの作品に興味がわきました。「幸運男子」は表紙の絵柄が古そうなので敬遠してましたが、レビューをいくつか読むと切なくていいみたいな感じだったので、読んでみました。

 BL(ボーイズラブ)ですので男性同士の恋愛が出てきます。

Hなシーンは少なめですが、ご了承の上、お読みください。

親の再婚で、義理の兄弟になった同じ年の高校生男子2人の話です。
マンガではよくある設定です。
このマンガが描かれた頃の時代のせいもあってか、BLという言葉のない時代で、今で言う腐女子たちが出てきますが、そういう言葉は使われていません。


そして主役2人もゲイではなく、男同士の恋愛とかセックスとかの知識もなくて、今のようにネットで検索するっていう方法もないので、お互い、好きみたいだけど、これって何だろう、この気持は何だろうっていうところから始まって、欲情してもキスの次に何をしたらいいのかわからないので、ちょっとずつ関係が進んでいきます。

斑には彼女がいますが、彼女は腐女子で斑とすばるの関係をそういう目で見て楽しんでいます。
「ななひかり」の光の彼女みたいな存在だなーと思いました(ななひかりの方が後の作品ですが先に読んだので)。
なんていうか、彼女は本当ならヤキモチを焼いたり、斑は彼女に悪いと思ったりするべきだと思うんですが、そういうのと別枠というか、気にしないでいい存在になってます。

そして一緒に大学に行こう、という話が出た次の話、2巻の最終話、第8話で、衝撃の展開があります。
冒頭、今まで出てきてない人たちの会話が続き、これ誰?、黒髪の方、すばるなのかな、もう大学生になってるってこと?とか思ってると、サラリーマンが中田さんと呼ばれ、斑らしいとわかります。
えーそんなに一気に時間進んじゃってるの?と思っていると、すばるの叔父さんと斑の会話から、もしや、まさかと、いやな予感がしだし、すばると斑の過去の回想になり、ついに・・・。
まさかのすばる死亡で、えーーーー!!?そんな展開?!とショックで仕方ありませんでした。

大学に合格していて、まだ大学に通い始める前の頃に、交通事故ですばるは亡くなりました。
8話冒頭で斑が会っていた大学の後輩は、おそらくすばるに似ていたから斑がよく面倒をみていたということなのでしょう。星が近くに見えるからワンダーフォーゲル部にいたというのが切ない。
「ひとりじゃいられなくなって結婚もする」
上司への仲人のあいさつとか招待状とか、すごく普通にというかちゃんとしたまっとうな結婚の仕方で。
斑が商社マンで海外勤務してるとか、すっかりエリートサラリーマンになっているようなのが、すごいけど、高校の頃と違いすぎて、がんばったんだなと思う反面、なんだか寂しいというか切ないというか。

レビューであった切ない話ってこの展開のことだったのかと、納得しました。
すばるが亡くなる展開になるまでは、切ない部分あるかな?と思いながら読んでました。
別につまらないということではなく、素直じゃない部分はあっても、そんなにすれ違ったりしてないしなと思ってたので。

が、ですね、この展開はないよーと思います。
そりゃあ人が死んじゃうのは、ショック大きくて、心に刺さりますけど、そういうやり方で印象付けるのはどうなんだ。お互いどうしようもなく好きになった人同士を、片方を死なせて引き離すなんて酷い!
あんなこれからという時に相手が死んでしまうなんて、自分も死にたいと思ってしまうよ。
心に刺さらなくても、2人がラブラブで幸せに終わってほしかった。
死を使って心を刺すのは、いらない。

2巻の最後でその展開で、これでこの次に3巻ってどう続けるんだろうと思ったら、過去に戻って、7話の続きの話でした。元々は予定してなかったけど書き足したのかどうかわかりませんが、ここで描かれた時期が数年空くようで、絵柄も少し違っています。3巻の後半の方が絵が上手にキレイになったと思うので、私はこっちの方が好きです。ほんの数年なんですけどちょうど変化する時期だったんでしょうか。
(そんなにすごく違うわけではないんですけど)

2巻まではHなことはお互い触るだけでしたが、3巻では最後までHしてます。
でも直接的な表現はないので、たぶんそうだねって感じです。
斑が風邪を引いて高熱を出した時と、すばるに風邪がうつった時にホテルで。
そして大学の受験日、一緒に家を出て歩いて行くところで終わります。

8話のすばるが死んじゃう話はあまりに唐突というか衝撃的すぎるので、私の中ではそこはなかったことにしておこうと思いました。
「俺たちは答のでない感情と行動にとまどっていた」
2人共、男同士の恋愛感情に悩みつつも、お互いを好きで、これからも一緒に生きていくだろうってことでいいじゃないの。

 

ちなみに完全版として2冊になった文庫本版もでているようです。

 

 

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