漫画「君の膵臓をたべたい」原作:住野よる、作画:桐原いづみ 感想

 漫画「君の膵臓をたべたい」原作:住野よる、作画:桐原いづみ 感想

ネタバレありなので、ご承知の上。
小説が原作で、漫画化された作品。私は漫画しか読んでません。
今、ピッコマで1日1話ずつ最後まで無料で読めます。

タイトルだけみるとサイコパスな感じの話なのかとか思ってましたが、もう助からないことがわかっている病気になっている女子高生と今まで交流のなかった人に無関心な男子高校生が出会って、のお話でした。
たまたま無料で読めるのに気付いてなんとなく読んでみました。
ほとんど期待せず読んで、最初の方はわりとざっくり適当に読んでしまいましたが、この作品のピッコマのシステム上、無料期間が終わると有料になってしまい読み返せません。
途中からおもしろく感じるようになりました。

サクラ(桜良)は明るくて友達も多く、クラスのみんなからも好かれている人気者の女子高生。
彼女は、膵臓の病気でもう余命が短いことがわかっていますが、そのことを友達には隠しています。
そのサクラが書いていた共病文庫と名付けた日記のようなノートをたまたま見てしまった男子高校生は、物語中、【】付きで【◯○な◯◯君】等といろいろな呼び名で呼ばれ、最終話まで名前が出てきません。
僕はサクラとは正反対で人に関心がなく、クラスメイトとも交流せずいつも一人でいて、読書が好きな男子高校生でした。今までサクラと僕は交流が全くありませんでしたが、僕に共病文庫を見られたことをキッカケにサクラは彼にだけ自分の病気のことを打ち明け、唯一病気のことを隠さずに過ごせる友人として、多くの時間を僕と一緒に過ごそうとしていきます。サクラの一番の親友、キョウコにも病気のことは打ち明けず、キョウコを始め、周りの友人たちは、なぜ急にサクラが僕と一緒にいるようになったのか怪しみます。
そして徐々に人に関心のなかった僕がサクラと過ごすうちに笑ったり感情を表に出すことが多くなり、少しずつ変わっていきます。僕と過ごすようになって4ヶ月たった頃、サクラは病気ではなく、通り魔によって命を落とします。サクラの葬式にいかなかった僕ですが、共病文庫を見せてもらいにサクラの家に行き、サクラの遺言を読み終え、僕は号泣します。僕の名前は春樹。サクラと意味的に通じる名前でそのことについても何か会話してた気がします。

期待しないで読んだので、意外と面白かったなと思いました。
全部を理解したり共感したりしたわけじゃないけど、二人とも深くいろいろな物事を考えているなというやり取りが多いのが、面白いです。ハルキがすごく冷静に物事を言う感じなのも好きです。
サクラのおかげでいい方向にかわったハルキだけど、サクラの元彼にどつかれたり、クラスメイトたちに変に噂されたり、キョウコに嫌われたり、サクラのせいでちょっと大変な目にもあってたなと思う。
特に、キョウコは最後まで好きになれなかった。このこはサクラのことを思って、ハルキを警戒していたんだけど、サクラが事情をちゃんと説明しないので、キョウコはハルキを悪く思ったままでした。
でも急に仲良くなったように見えるとは言え、なんでキョウコってハルキを嫌ってたんだっけ。
ただ急に仲良くなった理由がわからないというのと、だから何かよからぬ意図でサクラに近づいているんじゃないかって勝手に疑ってただけ、だった気がするんだけど、それにしては態度が悪すぎないだろうか。
サクラの死後、勇気を出してキョウコを呼び出し、サクラの病気や遺言のこと等を話そうとした時も、最初から怒っているような態度で、病気のことを知らなかったから驚いて余計に興奮状態になったのかもしれないけど、平手打ちは酷すぎるでしょ。ハルキはなんにも悪くないのに。
この時のキョウコの態度は八つ当たりでしかない。病気のことをサクラが自分に教えてくれず、ハルキにしか教えなかったことが悔しくて。サクラが生きてた頃の態度も、結局、急に仲良くなったハルキへの嫉妬じゃないだろうか。どうして病気のことを教えてくれなかったのかとハルキに怒ってたけど、そりゃあ病気の本人が黙っててほしいと言ってるのに、直接親しくもないキョウコには余計に言えるわけないよね。それなのに平手打ちして、教えてくれなかったことをなじって無言で帰るって酷すぎ。
次の場面は1年後で、1年かけて友達になって、一緒にサクラのお墓参りをする場面で、普通に会話してたけど、あの時のこと、サクラが生きてた頃の態度のことを謝る、という場面はなく、そこがものすごく不満。ハルキに謝れ!
ハルキの対局にあるような感情で突っ走って話を聞かないタイプのキョウコみたいなこは、いくら友達思いでも好きじゃない。好きになれない。サクラがそうなってほしいと思ってたからって、話の流れ的にもそうなる感じだろうけど、キョウコと友達になりたいってハルキが自分の意志でそう思うかなぁ・・・。そこには違和感を感じました。他者と関わるようになりたいって思うのはいいよ、でもキョウコは合わないでしょ、そんな合わなそうな相手と友達にならなくたっていいでしょ、誰とでもじゃなくて相手を選んでもいいよね、と思ってしまう。
前にサクラと行った場所に(旅行で行ったとこ?)日帰りでキョウコと行ってきたらしいですが・・・、そこまで仲良くなれたの?なんだかハルキには苦行のように思えちゃうんですが・・・。

サクラは一人でいられるハルキに憧れていたらしい。サクラは他の人がいないと自分の魅力が成立しないと思っている。そんなハルキに本気で心配され生きててほしいと言われるくらいにまでなって、初めて自分は私自身として必要とされてる、自分がたった一人の私であるって思えたそうだ。ここら辺のサクラの考えはそんなに共感はできなくて、ハルキのように一人で成立する魅力とか、彼女の魅力は周りの人がいないと成立しないとか、ハルキに必要とされたら私自身として必要とされてると思えたとか、それはそれでサクラの感じ方なんだろうなって感じだけど、私にはいまいち理解できない。ハルキに認められて成立したならそれは一人で成立してないんじゃないのとか、結局魅力を感じる他者がいて魅力ということになるんじゃないだろうかとか考えると、彼女の求める一人で成立する魅力って何なのかがピンとこない。人気者の彼女が孤高の人に憧れるってのはなんとなくわかります。でもそれの説明として彼女が言ってることにはピンときませんでした。まあ言ってしまえばサクラのキャラもそんなに好きじゃないです。

それでもお互いがお互いに出会うために生きてきたんだって感じたこと、そういうのは好きです。
お互いが唯一の人みたいに感じてるカップルの片方が死んじゃう話は悲しすぎて読んだ後、つらいんですが、この作品はサクラにそれほど感情移入できなかったせいか、つらさは感じませんでした(^_^;)

思ったより面白かった、けど、すごく面白かった、よかったってわけじゃない作品でした。

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

 

 

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