コミックノベル「恋のプローブ 拾ったカレは初恋の人でした」 寒竹泉美 感想

コミックノベル「恋のプローブ 拾ったカレは初恋の人でした」
寒竹泉美 (著)、秋月綾 (イラスト)
ネタバレありなので、ご承知の上。

マンガParkにて。
途中から先読みになりますが、マンガParkは先読み分がボーナスポイントで読めて、ボーナスポイントは1日2回、CM動画視聴でゲットできるので、無料で読めます。
コミックノベルとありますが、要はイラスト付きの小説です。
わざわざコミックノベルなんて書いてあって絵が多いのかとか思いそうですが、たまーにあるだけで全然多くないと私は思いましたが、紙の本に比べたら文字数に対しての絵の数は多い方なのかな?
1ページの文字数が少なくて、1話がさくさく読めてしまいます。
小説をよく読んでる人には1話短かって感じかもしれないです。

イラストのナオと高瀬がかっこよかった+お話がどうなろうだろうという気にはさせられてボーナスポイントを使って一気に読んでしまいましたが、読み終わってみるとサラッと読めるような内容のお話だと思います。
三角関係だけどドロドロしてないし、ボリュームも全部で紙の本だと1冊分くらいな分量じゃないでしょうか。
内容もそんなに深くなく、読後に特に残るものもないけど、適度に切なくなったりして、楽しくおもしろく読めるんじゃないかと思います。

ガンの研究に勤しむ27才、理系女子、リコの恋物語です。
序盤の展開はタイトル通りですが、最初は大学の研究室での様子、10年前の苦い初恋の話です。
そして家への帰り道、道端で泥酔して倒れている人がいて声をかけて顔を見ると、10年前の初恋の人でした。

 

リコは中学生の頃に白血病になり治療のため長期入院していました。その時に、母親のお見舞いにきていたナオと出会い恋に落ちます。退院したら絶対外でも会おうと約束してキスをしました。(10年前の17才)
ですが、その後、退院までの間にナオが病院に来なくなってしまったので、連絡先を渡そうとナオの母親の病室に行き、手紙を渡しますが、ナオの母親に、ナオはリコに同情して優しくしていたけど本当はつきまとわれて迷惑していた、もう連絡しないでと言われ、目の前で手紙を破られる、という酷い体験をしました。
ナオの母親は有名女優で、いかにもな感じの嫌な奴です。この後もナオに関わってきますが、ずっとそんな感じのいかにもな嫌な芸能人の親っぷりを表すだけの人でした。
言ったこともそこそこ嫌なこと言ってますが、高校生の女の子相手に、目の前で手紙を破り捨てるってなかなかすごい、いかにもドラマっぽいことしてます。

お互いの連絡先を交換していなかった高校生の女の子には本人を探し出して確認するとか、それ以上のことはできず、つらく苦い初恋の思い出になっていました。
なので、ナオはリコにとって二度と会いたくない相手でした。
ですが、一目でナオだと気づいたリコはそのままほうっておくこともできず、自分の家につれて帰ります。
ナオはリコに気づいてないようでしたが、何かの流れで、ナオはリコにキスします。
そしてリコの研究室にナオが見学しに来たり、介抱してくれたお礼にと言って、リコの洋服の買い物に一緒に行き、ナオが服を選んで買ってくれたりします。
ナオは洋服に興味があって、今はモデルをしていますが、モデルとしては年齢が高くなってきて最近はチラシのモデルとかあまりいい仕事がないらしいです。

話の流れはちょっと忘れてしまいましたが、ナオに付き合おうと言われてリコはナオに10年前に会っていることを言わなければ、あの時迷惑していたと言われたあれは自分だと告白しなければと思い、意を決してナオに告白します。すると実はナオはリコに再会した時に、ナオもすぐにリコに気付いていたということがわかります。
でもナオは10年前のあの時、リコは死んだと聞かされていたので、すぐには確信が持てなかったこと、はっきりリコだとわかってからも、リコがナオに言わないのは何故なのかを探っていて、もし10年前のことを言ってしまったら会えなくなる事情があるなら、そのままにしておこうと思っていた、ということを話します。
ナオがリコとのキスの後、病院に来なくなったのは酷い風邪をひいてしまって、完全に治ってからでないとリコが危険(治療で無菌室にいたりしたので)だと思ったからで、病院に行った時に、医師や看護師にリコが亡くなったと言われていました。ナオはリコにキスをしたせいで(バイ菌がリコに移って)リコが亡くなってしまったんだ、自分のせいだと思い、ショックで怖くなって人にそのことを話せなかったし、余計にリコの家族に確認をとる等、それ以上の行動をとれなかったのです。
そしてリコの方はナオの母親に連絡先を渡して破られたこと、迷惑だから連絡をとるなと言われたことも話します。ナオはリコが亡くなったと医師に言わせたのも、ナオの母親が買収してやらせたんだろうと言います。

リコも結構つらい思いをさせられていたと思っていましたが、ナオは自分とキスしたせいで好きな子が死んでしまったと思っていたなんて、リコ以上にかなりショッキングな初恋の思い出になってたなぁと思いました。なかなか克服しにくいくらいのトラウマになりそうです。
そしてそれをやったのがナオの母親というのが・・・、なんて親だ。
ナオがリコとキスしてて自分のせいで死んだと思ってたことは意図せずでしょうが、相当なトラウマを負わせてますよ。死んだと思わせて別れさせるなんて。何故そこまで?と思うけど、はっきり母親の言葉としては出てきませんが、白血病で先が短いかもしれないような女の子は自分の息子にふさわしくない、というような理由らしいです。え?そんなこと?って感じのたいした理由じゃない気がしました。息子を自分の思い通りにさせようとする、自分の芸能人としての話題作りに利用する(後に出てきます)ような、そんな最低の母親なようです。

そうしてお互い告白して、10年前の誤解も解け、二人は付き合うことになります。
それまで研究に没頭して休日でも研究室に通うほどだったリコなので、基本的に忙しく、ナオはリコのペースを考慮して、週に2回くらい?会っていましたが、そのうちナオのモデル業が急に忙しくなります。
そしてナオはパリに行くことになり期間がまだわからないということで旅立ちますが、それきり連絡が取れなくなります。

表紙絵からも推測されるようにリコの周りにはもう一人の男性がいます。
それが大学の准教授の高瀬で、リコは高瀬のブログを読んで、ガン研究をしている高瀬のいる研究室に興味を持ち、必死に勉強してその大学の研究室に入りました。そして8年もの間、高瀬と一緒に研究してきました。
リコは高瀬を好きになっていましたが、出会った頃から高瀬には彼女がいて、その彼女と結婚していたので、高瀬への恋心は秘めたものでした。
リコがナオを研究室に連れてきたりしてたのを見て、彼氏できてよかったね、みたいな発言をしていたんですが、実は高瀬もリコのことが好きになってたのです。ナオがパリに行く前、高瀬は離婚します。そしてナオが不在のこの間に、高瀬がリコにアタックしはじめ、高瀬はリコに告白します。高瀬はリコを好きになっていたけれど離婚していろいろ片付いてから告白するつもりだったといいます。ナオとリコは全く違う環境にいて、きっとうまくいかない、自分も妻と大学1年の頃に出会ったけど、妻とはお互い違う方を向いていて一緒にいても結局憎み合うようになってしまった(妻は高瀬が研究留学するのに反対していて高瀬にとっては足かせになっていた)、だからナオとリコも同じだろう、今はナオと付き合って楽しく過ごし今までどおり今は論文を書いて博士号を取得して研究留学を目指していればいい、結局は俺のところに戻ってくる、ということを言います。
年末、二人で忘年会(クリスマス会?)ということで、研究室でつまみを食べながらお酒を飲んでいるところに、ナオが1ヶ月ぶりに帰ってきます。喜ぶリコ。二人でリコの部屋に帰り、ナオはパリに着いてすぐに携帯を無くし、リコの連絡先がわからず、ずっと忙しくてパソコンの使えるようなところに行かせてもらえなかったために連絡できなかったとこれまでの事情を説明します。
ナオのいない間に日本ではナオがあの女優の息子だという話題がマスコミの間で騒がれていました。リコは携帯がなくなったのは事務所の人がわざとしたことではないかと言い、ナオにその記事の載っている週刊誌を見せるとナオは全く知らなかったようでショックを受けています。
そしてこれはナオの母親が話題性ほしさにやったことで、今までナオの母親が女優だと知らなかったナオの事務所にも連絡を取り、事前にナオにいい仕事を回してどんどんやらせ、ナオの株を上げた上で女優の息子だとリークしたんだろうと推測します。最近いきなりいい仕事がどんどん入って忙しくなっていた理由も、パリに行かされた理由も、パリで携帯がなくなったり日本と連絡が取れないようにさせられていたのもそれをナオに知られないためだろうと。
リコの部屋に泊まっていくつもりでいたナオですが、このことを知って、しばらく一人にさせてくれといい帰ろうとします。ナオのつらい時に一緒にいたいとリコは言って引き止めるのですが、それを振り切ってナオは帰りました。ナオを心配してヤキモキするリコ。2日くらいして、ナオがリコに会いに来ます。
今契約している仕事が全部終わったらモデルの仕事を辞めることにした、弁護士を連れて事務所に行って話をつけてきたとリコに報告します。そしてナオは元々洋服を作る仕事がしたくて専門学校に行っていたのが頼まれてモデルをしているうちにそれが仕事になっていたけど、ニューヨークに行ってまた洋服を作る仕事をやってみようと思うと言います。リコにはニューヨークへ行って研究留学する話があるんですが、その資料を目にして思いついたと言うと、そんなことでナオの将来を決めていいのかと言いますが、元々やりたかった仕事でもあるし、海外に行けば母親ももうちょっかいをかけてこられなくなるし、マスコミに騒がれることもなくなるし、すごくいい考えだと思ってるとナオは言います。
そして二人は将来一緒にニューヨークに行って暮らすことになるのかな、という感じを匂わせて、また元に戻ってカップルになりハッピーエンドです。

ニューヨークの研究留学は高瀬も一緒に行くというか、元々高瀬にきている話でリコも一緒にと誘われているので、行くとしたら高瀬も一緒なんだろうなーって感じなので、そうすると三角関係はまだ続くのかも、という部分もありながらのエンドです。

他に同じ研究室?の見た目チャラい女の子が意地悪キャラかと思ったらさすがに頭のいい人らしく実はしっかりしてて、高瀬やリコの気持ちにも気付いていて、何故かリコを応援してくれるいい人がでてきたり、リコの研究室関係のお話もあったり、高瀬ももっとたくさん登場していますが、基本はナオとリコのお話です。

高瀬はもうちょっと早ければ、ナオとリコが再会する前に告白できていれば絶対うまくいってのにね、と思うとタイミングが悪かったって感じですが、高瀬と付き合った後にナオと再会してたらリコは悩んじゃっただろうなと思うし、これでよかったんだろうな。というか、そういうふうに作られたお話なわけですが。
でも高瀬の言うようにこのままうまくいくかどうかはわかりません。結局リコとナオはまだ付き合い始めたばかりですから。でも初恋の純粋な二人の想いが叶って結ばれたんだというキレイな形で、物語としてはお終いでいいんじゃないでしょうか。