漫画 仲村佳樹「スキップ・ビート!」感想

漫画 仲村佳樹スキップ・ビート!」感想
ネタバレありなので、ご承知の上。

マンガParkにてコミック40巻まで配信されてます。
途中から先読みでボーナスコインが必要、毎週1話ずつフリーコインで読める話が増えていきますが、最新話の公開予定が2022年です・・・。マンガアプリってルール変更になるとか結構あることなので、その頃どうなっていることか。
まだ雑誌で連載中だそうで15年以上続いているようです。
マンガParkの話数で483話なので、うわー長〜いと思ったけど、絵柄は好みじゃないのに結構おもしろくて読んでしまいました。
マンガParkで読んでるので今何巻目という意識は持たずに読んでましたが(巻の区切りがわからない&あとがき等ないことが多い)、最新話あたりだとオーディションのエピソードだけで2巻使ってます。そのくらい全体的にお話の時が進むのが遅く、実時間で15年以上かかってるけど、お話の中では1年位な感じです。
当然?絵柄も結構変わっていて、主人公の女の子はそれほどではないけど、準主役の男2人はだいぶ違います。男性キャラの顔の尖り具合が、顎が尖りすぎ、顔が細すぎ、逆三角すぎで、好みじゃなく、ちょっとかわいく丸く描かれてる時の絵柄の方が顔の配置のバランスもいいしカッコいい、絵が上手いって思っちゃうんですけど、作者さん的には、シリアス顔の輪郭と顔の中身のバランスが悪いとは思ってないのかなぁ、なんて思っちゃうくらい、丸顔の絵はバランスいいのになぁ。

主人公、最上キョーコが幼馴染の不破尚(ふわしょう、芸名)に誘われて家出のような感じで中学卒業後に上京、高校にも行かずに働いて、尚がミュージシャンとして成功する夢を実現するために生活面で支えてきたのに、芸能界で売れてきた尚はキョーコを捨てて一緒に住んでいた部屋を出て、マネージャー兼恋人のところへ行ってしまう。

 キョーコは小さい頃から尚のことが好きで将来は尚のお嫁さんになるのが夢と語っていたが、一緒に住んでいても恋人関係ではなかった。
そして尚がキョーコを家政婦代わりに連れてきたとマネージャーと話しているのを聞いてしまい、怒りに震えて自分の中のパンドラの箱が開き、尚への復讐を誓い、尚より売れて尚を見返してやると宣言、尚への復讐のために芸能界に入ることになる。
キョーコが芸能事務所に入るのもすんなりいくわけではなく、断られても執念で食らいついて相手の心をつかんでいきます。根性といえば根性だけど、努力と根性って感じではなく、ギャグなところもありの執念?とか、いろいろ激しい感じがおもしろいです。
尚に対抗するため、尚の芸能事務所と同じくらいの大手ライバル芸能事務所にキョーコは入りますが、そこでもう一人の主人公とも言える敦賀蓮(つるがれん)に出会います。蓮はモデルもこなす俳優で、既に有名人、人気者のスーパースター。

キョーコは最初は尚への復讐のためという動機を、俳優を真剣にやっている蓮に不快に思われ、嫌われて冷たい態度をとられたりもしたので、蓮は尚に次ぐ憎い相手になるんですが(女優になって蓮を見返してやろうと思う)、徐々に恐ろしくも尊敬する先輩になっていきます。
蓮もキョーコの動機は不快に思いましたが、キョーコが演技に真剣に取り組む姿を見て徐々に見直していき、キョーコのことを好きになっていきます。
キョーコは尚に捨てられた後、二度と恋はしないと思っていましたが、蓮のことを好きになりそうな自分に気付き、度々そうならないよう自分を戒めていましたが、結局好きになってしまったのをなくすことはできず、決して気付かれないようにして密かに好きでいようと思うことにしました。
キョーコを家政婦扱いでいいように利用して捨てた尚は、私も絶対に許せねーと思ってましたが、キョーコが天使役で尚のPVに出演したくらいから、キョーコを捨てた時の完全にキョーコのことはなんとも思ってない感じとは違って、キョーコのことを気にしだしてキョーコを心配したりキョーコに対する独占欲を見せたりしていき、ながーい物語を経て、最新話あたりではもう尚許すまじという気は削がれてきてました。
キョーコも前のような気持ちになることはなさそうですが、尚は自分を気にかけてくれる幼馴染という感じで認めてきている気がします。

尚が、昔の自分がないキョーコに興味が持てなかったっていうのもわかる気がします。尚ちゃん大好きだった昔のキョーコよりも、尚とケンカップルみたいな言い合いをしている今のキョーコの方がおもしろいし、役者として七変化しちゃうキョーコはすごいし、そういう個性のある中身のある人のほうが好きっていうのはわかる気がします。
尚はキョーコのことが好きだなんて言いはしませんが、尚の行動をみてると、今は尚の方はキョーコが好きなんだろうなって感じです。おそらく恋人関係でもあるマネージャーさんとは一緒に暮らしてはいるものの、マネージャーさんの方も、尚の世話をやいているお姉さんというかマネージャーとしての気持ちの方が強くなっているようで、「キョーコちゃんとくっついてくれれば」とか思っちゃうくらいで、全く嫉妬とかそういう次元ではなくなっているようです。

蓮は、実はキョーコが小さい頃に森で出会って一時期一緒に過ごしたコーンという少年(キョーコは妖精だと思っている)でもあり、本名はクオン・ヒズリというアメリカ人で、金髪碧眼(正確な目の色は忘れた)。
ハーフかクォーターだと思ったけどよくわからない。父親は日本でも活躍したハリウッドスター。
普通の子供では有り得ないようなつらい経験をして負の感情を溜め込んで荒れた過去があり、一から出直すために、名前と容姿を変え別人として日本で俳優をはじめた。事務所社長が父の知り合いで蓮の事情をすべて知っている。が、蓮のこのトラウマになってるような過去の事情というのがまだちゃんとはっきり出てきていない。未だに!つらい子供時代ということで親の愛情を受けなかったのかと思っていたら、蓮の父親の登場で、両親からものすごく愛されているらしいことがわかって、余計に謎が深まった。どうやらおそらく断片的に出てくるイメージからの推測ですが、蓮がアメリカで子役で演劇をしていて、日本人の血が入っているから等の理由で暴力も含めた酷い差別を受けたようなことと、荒れていた蓮を諌めてくれていた親友が蓮のせいで亡くなってしまったらしいこと、がなんとなくわかる。ただはっきりは描かれていないので、あれだけ両親に愛されていて、そんなものすごい酷い子供時代って一体どんな状況なの?ってすごく謎に思う。

キョーコの方も子供時代、父親はおらず、母親に愛されず、尚の家に預けられて育てられたという過去を持つ。キョーコの両親の事情も長らく詳しいことがわからなかったが、38巻あたりでやっと母親が登場してなぜ母親はキョーコに愛情を持てないのかといった事情がわかる。
キョーコの母親は弁護士で、一流大学を主席で入学卒業したような真面目で堅物な秀才。そういう人にありがちな、感情面に疎くコミュニケーション能力の低い人。男性とも付き合ったことのない28才だったが、そういう初で堅物なところを狙われて、付き合っていた男性が実はキョーコの母の担当していた裁判の資料を盗むために近づいてきた産業スパイで、資料を盗まれて姿を消されてしまう。そのせいで大事な大きな裁判で負け、職場の上司はクビになる。そしてその産業スパイの男性の子を意図せず妊娠してしまっていて生まれたのがキョーコで、キョーコはその母親の苦くつらい失敗の象徴のような存在だったため、愛情を持つことができなかった。妊娠中に自殺未遂もあったし、生まれた後も虐待しそうだったので尚の家に預けられたらしいが、小学生くらいの頃、成績のことで母親に叱られている回想シーンがあるので、生まれてすぐ預けられたわけじゃなさそうで、いつから預けられてたのか、預けられた後も時々会ってたのか等はよくわからない。
子供に全く優しい言葉をかけることもなく、つかんだ手を振り払うくらいのことを毎回するくらいなら、中途半端に接触しないで預けた後は会わないとか、会っても顔を見る程度とか、産んですぐに養子に出すとか、すればよかったのにと思う。子供を傷つけ続けてただけ。キョーコはそのつらい経験を今は演技の糧にしているわけだけど、相当なトラウマを負わせる行為だったと思う、そこまでの否定は。
そしてキョーコの父親はいつか出てくるのかなぁ。ほんとにいつか、出るとしてもいつになることかって感じだけど。本名もわからない人だからキョーコ達の側から探すのは無理だろうけど、父親の方が気になってキョーコの母親の様子を探ろうとすればできるだろうし、偶然とかマンガなのでなんとでもできる。

キョーコが昔会っていたコーンが蓮だということは、蓮の方は気付いているがキョーコは気付いていない。
好きになるに理由はないかもしれないけど、蓮がどうしてキョーコを好きになったのか、というのはちょっと疑問だった。キョーコの明るさ、くじけないところ、強さとかにひかれたってことなのかな。昔会ったあの女の子っていう要素もプラスされてるんだろうけど。
ただ、その前に結構冷たい態度をとってたので、そこから転じたのが、ちょっと謎というか、まあ、動機を不快と思うのも、キョーコの仕事への姿勢をみて考えを改めるのもわかるような気はするけど、そこの変化はいまひとつ、しっくりこなかったというか、納得いく感じがあまりしなかった。
が、蓮がキョーコを好きになってからが長いので、そこの変化はいまひとつ納得いかなかったけど、もう蓮はキョーコを好きってことで、だけど全然キョーコに伝わらないってのをおもしろく読んだ。最近はもしかしてとキョーコが思ったりすることもあるけど、最初の方は連が最初にキョーコにとった冷たい態度のせいで、蓮はキョーコに恐れられていて、蓮の好意的な態度もキョーコには普通に優しい先輩という以上の意味では全く伝わっていなかった。

キョーコが事務所に入った最初の方で、既に決まっている女優と役を張り合うことになるエピソードがあり、そこでキョーコの演技やガッツがそれなりに認められるものの、結局やっぱり元々決まってた女優さんにとってかわることはなかったし、その後も、それでいきなり認められてガーッとどんどん次の仕事が決まっていく、みたいなことはなく、最初の方は下積みっぽい仕事をさせられて、うまくいきすぎないのがいいなと思いました。キョーコの同僚の琴南奏江(ことなみかなえ)とも、一緒に仕事してすぐに仲良くなるんじゃなく、しばらく嫌われてる期間を経て、奏江が心を開いてくれるようになるし。
というのと同時に、こういうストーリー展開は最初から長期連載を見越してのものなんだなぁとも思いました。

あと最近読んだWジュリエットと同じように古いマンガだけど(といっても調べてみるとWジュリエットの方が5年古かった)Wジュリエットで感じたしっくりこない感じをスキップビートでは感じなくて、いろいろコミカルな部分とかがしっくりきて素直におもしろいと感じた。感覚が合ったってことなのかな。
なので、全体的にぶっとんでる感じのマンガだと思うけど、それを素直に受け入れて、おもしろく読めたんですが、多少ツッコミをいれたいと思ったところもあります。

本当の役者さんたちがどうなのか知りませんが、役を自分で理解して、役になりきってセリフも動きも自分で考えて役を演じてみるという部分が多すぎる気がしました。演技の勉強をしているキョーコには必要なのかもしれないし、それだけ真剣に挑んでいるということなんだろうとも思うけど、「しまった、◯◯(役名)だったらこんなこと言わない、しない」とかものすごい失敗って感じで思っているのが、そこまでしなくてもって毎回思っちゃったんですよね。というのと、なんかみてて気恥ずかしい感じがしてました・・・。このマンガで描かれてる演技シーンは台本のセリフを言ってるのより、自分で考えての部分が描かれてる方が多いような気がする。そして長い。蓮がドラマの嘉月役でやったアドリブ演技シーンはえらい長かった。

蓮がドラマの嘉月を演った時に、少ない練習期間で、難しい曲を弾けるようになっちゃうんですが、プロ級の演奏とまでいかないまでも譜面どおりに弾いただけでも、それはいくらなんでも無理だろー!と思いました。
確か一日2時間ぐらいで2週間とかだったような。曲名忘れたけど、あの曲はクラシックのピアノ曲の中でも難しいと言われている曲だったと思うので、ピアノ習ってた人でもすぐ弾けるとは言えない曲なんだから。
子供の頃習ってたならまだわかるけど、全くの初心者だったら、いくら天才的になんでもできちゃう人でも無理だと思う。ピアノはいくら天才でも練習量が必要だよ。いくらなんでもそれは無理でしょ!と思いました。

キョーコが蓮の妹役をやった時に、外国人の兄弟という設定だったので日常会話を英語でこなし、監督等の説明を通訳することまでしてたんですが、キョーコはなぜそんなに英語ができるんだ?と思ってしまいました。
尚の実家の旅館でお客さん向けの英語が必要で習ったとのことでしたが、それだけで日常会話できる?
自分が思ったことを英語でスラスラ言えるようになるの?しかも通訳しちゃうって相当じゃないですか?
まあ間違ってても蓮が本当はどっちもできるので問題ないんですけど、他の人達にバレないためには母国語が英語な人の発音が必要だよね。しかも英語でしゃべってて、この妹役ではこんな言い方はしないかもとか、また考えてるんですけど、英語での言い方まで考えるほど英語できちゃうの?とか、かなりハードル高いと思う英語力に、そこまでなぜできる?という疑問がわきました。

で、蓮(外国人俳優としての扮装)と妹役のキョーコが二人で外を歩いた時に、キョーコがたちの悪い奴らにナンパされ、役に入り込んで挑発するようなことを言っちゃって、蓮まで絡まれて、暴力沙汰になる場面があるんですが、ここで蓮が実は強かったからよかったものの、普通の人だったら暴行をうけて大変なことになってたよなぁと思う。キョーコもそこは反省してたし失敗したってことではあるけども。

それと最近は出てきてなくてまた出番があるのかわからないけど、尚を真似っ子して売れて尚を脅かしていたバンドのレイノが、なかなかいいキャラクターでわりと好きだなと思いました。いい人ではない。でもいいキャラ、面白味のあるキャラです。霊能力があって、キョーコの怨念たちも見えちゃいます。バンドのボーカルをやってますが、そのバンドのメンバーである友人に誘われてやっているだけで音楽には興味なしだったり。

おもしろかったけど、続きを読む機会があるのか、いつになるのか、また機会があれば続きを読んでみたいです。
今現在雑誌で出てる分までのストーリーはネットで調べました。
数巻分ありますが内容的にはオーディションだけって感じで、オーディションの結果が出るところまでくらいです。