漫画「爛爛」いくえみ綾 感想

漫画 いくえみ綾「爛爛」感想
ネタバレありなので、ご承知の上。

爛爛 (マーガレットコミックスDIGITAL)

爛爛 (マーガレットコミックスDIGITAL)

 

ネット上でみた評判はあんまりよくなさそうだけど、私にはわりと面白かった。
いつもとちょっと絵柄が違って丸っこいかわいい感じになってるけど、琥珀がカッコイイし私的には全然OK。

 


1人は触ると人の心が読めちゃって、もう1人は帽子をかぶってないと宙に浮かんじゃう双子の女の子、あずきとちまき。中2。
3つ隣に住むイトコの有平は、彼女たちの理解者。
お隣に琥珀というカッコイイ男の子が引っ越してきて、琥珀と有平は同じ高校で同じクラスだった。高1。

あずきとちまきは、不思議な力のせいで、学校には試験の時しか行ってない。
あずき、ちまき、有平と琥珀はだんだん仲良くなって、琥珀に力を打ち明けてみたら、すげー超かっけーと受け入れてもらえた。
琥珀にも不思議な力があって、いやな女にキスすると猫が全部めんどくさいもの吸い取ってくれる、一人につき一匹。
琥珀は容姿がいいせいで女の子にもてるけど、女の子はうざったくて嫌い。
だから猫を使って消去してきた。
消去された女の子は、ロボットみたいに感情がなくなったみたいになってしまう。

それを危惧したあずきとちまき(と有平?)は、琥珀が悪魔なら空から落としてしまおうと思う。
琥珀が消去した女の子は、数カ月から1年でロボットみたいな状態から元に戻って、消えるのは琥珀への感情だけだったらしい。
それが消える頃、猫も消えてしまうらしい。
もうそんなことやめようって言ったら、琥珀はやめると言ってくれたので、喜ぶ二人。
でもこれまで曖昧なところはあんまりなかったけど、その後のラストはどういう意味なのかな〜と曖昧な感じで終わってしまう。
意味深な笑みを浮かべる琥珀。琥珀と手をつないで心を読んだあずき、でも何を読んだかはわからないまま。

「覚悟はいつでもできてるの だって空をとべるなんて それこそが魔女だもん」
「ね こんな話ふつうにあると思った?」

という、ちまきのモノローグで終わる。
うーん、覚悟っていうのは、さっき琥珀が悪魔なら空から落とそうとした、その覚悟なのかな。
あずきに聞いて、琥珀の心がやっぱり悪魔だったらってこと?
魔女だから覚悟があるよってこと?

最後のこんな話〜は、このお話が本当かどうかに疑問をなげかけて、いたずらっぽく言ってるってことなのかな。
最後の最後で、意味深な感じで終わってしまいました。

なんかもっと続きを読みたかったなぁ。
琥珀がかっこよくてよかった。
琥珀が好みじゃなかったら、いまひとつだったかも。

 


・今日はまっすぐ帰らない
最後に全部カラーページのとても短い短編があります。
かわいい女の子、恵利ちゃんと1つ年上のかっこいい男の子、学くんの、ちょっと切ない感じのお話。

2人は幼馴染でしたが、学くんのお母さんは教育ママで中学は私立に行くため、受験勉強で小5くらいから疎遠になっていました。ある日、学くんに今日だけ一緒につきあってと言われます。
恵利ちゃんは学校が終わってから学くんと一緒にどこへともなくずーっと歩き続けます。
学くんは進学校の高校に入学してましたが、勉強についていけてませんでした。
学くんのお母さんは食べ物にも気を遣ってオーガニックの物だけ食べさせるとかするような人でした。
お母さんがやり過ぎてて自由がない感じだったんですね。

恵利ちゃんが学くんに「死ぬの?」と聞きます。
学くんは朝、お母さんと口論して殴ってしまい、倒れて頭を打ったお母さんが動かなかったので、殺してしまったと思い、今までできなかった好きなことをして、死のうとしてたのです。
が、そこへお母さんから電話がかかってきて、死んでなかったことがわかります。

数年後、学くんから海外のボランティア活動をしているらしき様子を伝えるハガキが届きます。
学くんと恵利ちゃんが結ばれたらいいな〜と思ったけど、安易すぎますかね。
とても短いけど、ちょっと切ない感じのいいお話でした。

 

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