漫画「ニコイチ」金田一蓮十郎 感想


<↑コミックの試し読み>

漫画「ニコイチ」金田一蓮十郎 感想
ネタバレありなので、ご承知の上。

コミック全10巻、完結してますが
comicoにて週一でコミックの1話分ずつ配信中。
comicoで読みましたがまだ全話配信されてないので、終盤ですが途中まで。
残り全部読めるまであと半年くらいあります・・・。

会社では普通のサラリーマン、家では女装して小学生の息子の美人ママをやっている男性のお話。
そんな彼に彼女ができたり、息子に実はお母さんは男だとカミングアウトしようとしてなかなかできなかったり、というのを主軸に、周りの人達との人間模様を描くお話。

 

主人公は須田真琴29才、普通のサラリーマンだが、わけあって、家では女装してお母さんとして血のつながらない息子(小5)を育てている。真琴が大学生の頃につき合っていた彼女が事故で亡くなり、彼女には息子(崇 たかし)がいたことが亡くなってからわかる。彼女には身寄りがなく、崇の引き取り手がおらず、真琴が引き取ることにしたが、2歳の子には母親が亡くなったことがわからず、一緒に暮らしてもなかなか真琴になつかなかった。
苦心の末に女装して女性になればなついてくれるかもと思ってやってみたらうまくいったため、そのまま女装して崇を育て続け、女装を極めてしまい、崇には全く気付かれていない。

真琴の実家の協力も得て、母子家庭として崇を育てているが、女装がバレないように、同級生の親ともなるべく付き合いをせず、それまでの自分の友人たちとの付き合いは断って暮らしてきた。

 

ある日、真琴は女装している時に電車で痴漢から助けたのをキッカケに菜摘(なつみ)という女性と親しくなるが、彼女が実は真琴と同じ会社に勤めていて、会社では別人のように愛想もなく同僚と人付き合いもしないメガネの女性だった。
菜摘は女装姿の真琴と仲良くなっていくが、真琴は同じ会社の人だと気付いてから、合コンで一緒になったり、会社で話しかけてみたりするが、男の姿の真琴はいろいろ勘違いされ、菜摘に嫌われてしまう。
菜摘は男性恐怖症なところがある。女装姿の真琴のことを好きになり、同性愛なのかと悩んだりもするが、それでもいいと思って告白、いろいろあるけど結局、真琴が同じ会社の須田さんだってこともわかって、真琴が女装してたり息子がいたり等の事情もすべて打ち明けて、それでも菜摘が受け入れてくれて、カップルになる。
菜摘は、真琴が女装姿のままでもOKだと思っている。

菜摘の家庭の事情も少し複雑で、子供の頃に今の両親が連れ子同士で再婚していて、母、弟は義理の家族。中高生の頃、新しい母親を受け入れられず、荒れていて母や弟に辛く当たった。
弟の智(さとる)は、実は菜摘に恋愛感情を持っているが、菜摘は全く気付いていない。真琴は智とも関わるようになり、智が菜摘を好きなことを知っていて、智も真琴にバレていることを知っている。
何度か、智の気持ちが菜摘にバレたのか、という場面があるが、毎回、菜摘は「智の気持ちに気付いていた、私のことデブだと思ってるでしょ」とか、「智が好きな人って結ばれない相手?二次元の女子なんでしょ」とか、明後日の方向に解釈していて、智が菜摘を好きとは全く思っていないようで、菜摘の方も智にそんな気は全く持っていない様子。

智は、菜摘に対する気持ちにはある程度、ケリをつけていて、菜摘が幸せになってくれればそれでいい、家族として関わっていければいい、結ばれたいとは思っていない、と言っていたが、全くその気がないわけではなさそう。菜摘が一緒のベッドで寝る時に、Hなことをするのに誘われていると勘違いするけど、照れながらもそれに応じようとする場面があったので(それは勘違いで菜摘にはそのつもりは全く無くスルーされた)、機会があれば、菜摘からそう言われればOKなんだねって感じなよう。
智はイケメンで、菜摘にそっくりなセフレとか、何人かセフレがいる。
(菜摘にそっくりなセフレを真琴にみられて菜摘への気持ちがバレた)

 

智は超美形ってわけじゃないんだけど、でもなんかカッコいいんだ、見た目が。
そしてなんか色気があるなーと思う。モテちゃうのがわかるって感じ。
見た目は好みです、カッコいいです。この他の登場人物と比べてそんなに造形がすごく違うってわけでもないのに感じるカッコよさ、色気はなんだろう、この微妙なそういう部分を出せるってスゴイなと毎回、智がでてくると思ってしまいました。まあ私の好みだから、そう思うんでしょうが。

最初は真琴のライバルって感じでちょっと嫌なヤツで、その後も特に性格は変わらず、ちょっと嫌なヤツな感じなんだけど、菜摘に全く恋愛対象としてみられてなさすぎて、ちょっとかわいそうになっていきます。
セフレがたくさんいて性生活は乱れてる感じだけど、菜摘には健気な感じです。

息子の崇は、すっごくいい子で、天真爛漫な性格のいい少年です。
愛耶ちゃんという同級生の彼女がいますが、この子が崇と正反対のものすごいマセガキでこんな小学生いないでしょ、いたらやだなっていうレベルで、大人でもそんなことわかってる人あんまいないよって感じで、人間関係を察したりしちゃいます。
全然好きになれない、超わがままな子で、いつもなぜか登場するのはお母さんじゃなくてお父さんなんだけど、お父さんが愛耶の言うことをなんでもきいちゃう、ある意味ダメなお父さんです。
愛耶が男の姿の真琴を好きになっちゃってデートする話の時に、愛耶のお父さんが愛耶のわがままをなんでも受け入れすぎる、それが愛情だと勘違いしている、本当はちゃんと叱らないといけないんだ、というのを愛耶がわかっていて(愛耶のお母さんもそう言っているらしい)、お父さんには他の人へよりわがままにふるまっている、という話を聞いて、それまで全然好きになれなかった愛耶への感情がちょっとだけ、和らぎました。でも、自分の息子の彼女がこんな子だったら絶対イヤだネ。

崇は愛耶とつき合ってるけど、恋愛感情は持ってないみたいだね、まだお子様なんだね、ってことみたいです。

真琴はもういい加減、崇に実はお母さんは女装してて男なんだってことをカミングアウトしようとするが、何度もカミングアウトしようとして失敗を繰り返す。
最初、いきなり男の姿で家で待っていてカミングアウトしようとするんですが、崇が不審者だと思って警察に通報して失敗。
これは、男の姿で待ってるのを見て「えーなんでそのやり方?」って思いました。案の定失敗。
そりゃそうでしょ。なぜこのやり方でうまくいくと思ったのか知りたいくらいだ。
失敗する話にしようとして、この方法にした、失敗するための話だと思いました。

その後もタイミングが合わないというのを何度も繰り返し、一体いつになるんだ、って感じになる。

 

終盤になって、同窓会&カミングアウトの相談をすることになって、真琴の高校の時の友人3人が出てきますが、この友人たちと真琴の関係がすごくいい感じで、この友人たちになら連絡を断たずに崇のことや女装の秘密を共有しててもよかったんじゃないのって思いました。
いいなぁ、こういう友人。

そしてとうとうついに、ちゃんと女装姿で菜摘さんと一緒にカミングアウトすると、真琴の予想と違って、崇はすんなり受け入れてくれる。崇はほんとにいい子だ、と思う真琴だが、実は崇はお母さんは女装で実は男性ということ自体は受け入れたものの、ずっと男の姿のお母さんと暮らすことは受け入れられなかったため、数日後に家出してしまう。
結局、今までどおり、女装したお母さんと一緒に暮らして、たまに男の姿のお母さんとお出かけするという生活スタイルで落ち着く。

菜摘さんにプロポーズして、真琴実家に挨拶に行く。真琴の母親には以前に真琴の家で会っていて、真琴の家の方はこんな(女装するような)息子をもらってくれるなんてありがたいスタンスなので、特に問題はない。
菜摘の実家の方も、以前に真琴(男の姿)を連れて挨拶に行ったことはあるが、真琴が子持ちなことを気にして、反対されている。
が、それは、菜摘の義母が連れ子で再婚して、菜摘に反抗されて大変だった経験をしていて、最近、普通に接するようになっていたものの、義母の方はその頃のことがトラウマのようになっていて、まだしこりが残っていたから、というのが大きな原因だった。
真琴は菜摘と義母の問題をどうにかしようと、女装姿で義母に会いに行き(智に仲介を頼んだ)、菜摘と以前つき合っていて、自分は母子家庭で子供を育てているが、菜摘がそのことにすごく協力的だったのは、お義母さんの姿を見て大変さを理解していたからだ等と説明し、実は男で女装していることもカミングアウトする。菜摘の義母は真琴の言い分を理解してくれ、菜摘にあの頃のことを一度ちゃんと謝るように伝えてくれと言って去り、言われたとおりに菜摘は義母に謝り、やっと和解することができた。
が、真琴の女装姿をみて、やはり真琴との交際は考え直すよう言われたらしい。

 

菜摘と義母のわだかまりの話は、菜摘がちゃんと謝ってないからだろうなーそうすればシコリが取れるんじゃないかなーと思ってました。そして思ったとおりの結末。

真琴は、男の姿の時は、ちょっと気弱な感じの普通の人で、女装姿だと頼もしいお姉さんって感じになります。女装のときの方が、中身はカッコよくなるみたいです。
だけど・・・ものすごく流されやすい性格みたいです。
菜摘の元彼に女装姿で会った時に、流されてホテルの部屋まで行ってしまったり、高校の同窓会で元カノに誘われて彼女の家に上がってしまいキスされちゃうとか・・・。
いやいやいや、ホテルの前まで連れて行かれちゃったとして、そこから部屋に入るまでの間に気が付かないか?それに女の子の部屋に入っちゃダメっていい年なんだからわかるよね?っていう・・・。
そこら辺、流されやすすぎてダメダメです。
高校の時の元カノも、当時、彼女に告白されたからつき合っただけで(高校の時の3人の友人に相談して)、崇と同じで真琴は彼女に恋愛感情がなかったね、って感じのお付き合いで終わってます。

基本、コミカルな感じで楽しいんだけど、真琴の流されやすさとか、パシッと物を言えない部分にはやきもきするし、崇へのカミングアウトもなかなかできないのもちょっとヤキモキします。
菜摘の弟が最初に出てきてライバルっぽかった時が一番、どうなるんだろう〜って感じだったかな。
あとは、愛耶が出てくるとイライラ。

それとお付き合いの中の一部としてHシーンもたまにでてきますが、Hな感じじゃないです。
でも胸はちゃんと描かれてるようですがcomicoだと白くなって隠されてます。

 

とりあえず、今(comicoの最新話)は最大の難関で目標だった崇へのカミングアウトが無事、終わって落ち着いたので、後は菜摘と真琴の結婚へ向かってゴーってとこなのかな。
先行配信のサムネイルとタイトルが見れるので、結婚してハッピーエンドで終わるんだろうなと思ってますけど。

まだまだ半年ぐらい先なので、またしばらく置いて何話か続けて読めるようになってからか、最終話までいってから続きを読むだろうと思います。
途中、ちょっと気が削がれて最新話に追いつく前にほうっておいた時期もあって、それほどすっごくおもしろいっていう程の興味を持ってないので、コミックで買って読むという気はないです。

 

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