漫画「転生したら王女様になりました」作画:キム・レクナ 原作:ビチュ 感想

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ネタバレありなので、ご承知の上。

ピッコマにて。水曜更新で連載中。
25歳の女性が殺されて、現世と似たようで別の男尊女卑の激しい世界の王女に転生するお話。
これはおそらく韓国のマンガですが登場人物の名前が日本名に直されず、韓国名がそのまま使われてるみたいです。

1話〜50話 第一部

スヒはブリッコと思われ中高といじめられっ子でしたが、自分で無意識に男性に媚をうる性質のようで、大人になってからはすごくモテて、いろんな物を貢がれたりしていた。
そんなスヒがジンスという地味だけどスヒをとても愛してくれる男性に出会って幸せな日々を送っていたが、「好きになってくれなかった」という恨みをかって殺されてしまう。
ジンスにちゃんと愛していると言ったことがなかったと、殺された時に自分がすごくジンスのことを愛していたことに気付いた。

気がつくと、赤ん坊になっていて、前世と似たようで別の世界に転生していた。
そこはものすごい男尊女卑の社会で、コリョ王国の王様の娘、王女サンヒとして生まれた。
この社会では魔力、魔法が存在し、基本的には男性には魔力があって女性には魔力がない。
たまに男性でも魔力のない人、女性でも魔力のある人がいる。

サンヒには腹違いの兄が3人いて、姉は大量にいる(30人くらい?)。
男性の出生率がとても低い。

長男ヒョンソクは魔力がないが、女性であるサンヒにもとても優しい、この世界で珍しいまともな人。
次男ファンソクは無表情で冷たい。三男ファンソンは単純バカっぽい感じの体力系で魔力は強い。いつもサンヒに「取ってこい」と言って人形を投げて取りに行かせる。

 

サンヒはファンソク、ファンソンのことは心の中で悪ガキ1号、悪ガキ2号と呼んでいて、父のことは根性悪と呼んでいる。
この3人には、サンヒは幼い頃から媚をうり、冷たい対応をされてもめげずに笑顔で媚をうり続けた結果、徐々に徐々に彼らに気に入られるようになっていった。社会的に女性にいい顔をするわけにはいかないので、表面上は冷たい態度をとったり、表立って喜んだりはしないが、サンヒが成人する(15才)頃には、すっかり3人共、密かにサンヒを大切に思い大事にするようになっている。

サンヒが7才になった頃に、少女式というのがあって、他の王女達とお茶会をした。
他にもたくさん王女がいる中、父や兄からサンヒだけ他の王女に比べていい対応をされていたので、妬まれていた。王女達だけのお茶会で、挨拶の順番を飛ばされたと言い掛かりをつけられお茶をかけられ、お茶をよけたからと顔をひっぱたかれたりした。そこへ勘のいいファンソクがやってきて、サンヒをみて何があったのか聞くがサンヒは正直に言わずにごまかした。ファンソクはサンヒを退場させ、残った王女達に正直に何があったか言えと命令し、彼女たちがサンヒにしたことを知ると、今度何かあったらただじゃおかないと言って去った。

そしてサンヒと仲良くなりたいと部屋を訪ねてきたスヨン王女が、実は毒を(たぶん)手紙に仕込んでいたらしく、それに気付いたファンソクが、サンヒに気付かれないように毒を始末した。ファンソクは魔力を使い、サンヒが気づくとさっきの王女はいなくなっていて2時間位時間がたっていた。
ファンソクは父である王にこのことを報告し、スヨン王女とその母親は、この後、死刑になったが、サンヒは事情を知らない。

 

この世界にも顔がそっくりで同じ名前のジンスがいて、サンヒのように前世の記憶を持ってはいないが、前世のジンスの言葉を言ったり、サンヒのことがなぜか気にかかる等、前世のジンスの影響を受けている様子が伺える。この世界のジンスはサンヒの婚約者で10才以上年上。そして魔力も強くものすごく優秀な人。
ただジンス自身、なぜサンヒが気にかかるのか、自分でも不可解で、そう感じてしまうこと自体に苛立ちを覚えたりして、サンヒには結婚しても愛されると思うなと冷たい言葉をはいてサンヒを傷つけている。
サンヒも前世のジンスとは違うと思っていても、ジンスを恋しく思っている。

帝国と呼ばれるたぶん一番力のある国があって、ジンスは帝国の魔力学院に留学しているので、サンヒとジンスはサンヒが成人するまでの間に数回しか会ったことがない。

50話までで、第一部完了。
サンヒは何か重要な能力を持っているらしく、それに目をつけた皇帝が自分の近くに置いて見張るため、サンヒを帝国の魔力学院に留学するよう勧めてきて、サンヒとファンソン(サンヒと離れたくなかったため)が帝国の魔力学院に行くことになったところでおしまい。

 

51話〜 第二部

第二部はサンヒが帝国の魔力学院に行ってのお話。
ジンスは魔力学院を卒業後、コリョ王国に戻らず、プリオンナイト(帝国で一番すごい兵士)になった後、サンヒの魔力学院入学と同じ時期に教官になった。

魔力学院には、帝国の皇女、元魔力学院の学生で今は教官になったフリージアがいる。
フリージアは女性には珍しい魔力を持った女性。
フリージアはジンスに婚約者にしてくれるよう頼んでいるが断られている。
一夫多妻制なためかフリージアはサンヒにライバル心はなく、立場の弱い同じ女性としてサンヒに優しく接してくるし、ジンスに好かれるにはどうしたらいいかといったことも聞いてくる。

魔力学院は各人の能力によって学科を振り分けられるため、サンヒは解読、ファンソンは武術系のクラスになり校舎も離れている。
魔力学院にはサンヒの他に女子生徒はおらず、またブリッコでクラスの男子を懐柔していこうとするが、あまりうまくいかない。クラスの中で、ウィリアムとクリス(二人とも別々の他国の王子)だけサンヒに優しい態度をとってくれる。

ウィリアムがフリージアを見る時にいつも顔が赤くなっていることに気付いて、ウィリアムがフリージアのことを好きなのかと思い、ウィリアムに協力を申し出る。
サンヒはウィリアムのいいところをフリージアが見かけるように工作し、適当な時期にフリージアに告白するよう勧めるが、ウィリアムはすぐにフリージアに求婚してしまい、断られる。
サンヒは言うのが早すぎると思いつつ、フリージアへの告白がうまくいかなかったことを残念だという話をするが、ここでウィリアムが豹変し、次はお前だ、俺の子供を産めと言い出す。
実はウィリアムはフリージアを好きだったわけではなく、妻として考えてはいたがそれは、彼女に魔力があるため魔力の強い優秀な子供がほしかったから。
サンヒに優しかったのもフリージアと仲が良かったのでフリージアに印象を良くするためにやっていた。
フリージアがだめならサンヒにすればいいと考え、サンヒを襲おうとしてきたのでサンヒはウィリアムにビンタをしてしまう。女に殴られたことで激昂したウィリアムはサンヒを殺そうとして、魔力を使いサンヒを中にあげ屋上から落とそうとする。

 

サンヒが悲鳴をあげ、宙に浮いているサンヒが見える位置にフリージアとジンスがちょうど歩いていた。それを見るとジンスは一瞬で飛びサンヒを抱きかかえ助ける。
その後、怒りに震えるジンスはウィリアムをボコボコにする。
ジンスの発した強力な魔力を感じて、ファンソンはモンスターが出たかもと喜んで(本来、ファンソンに魔力学院で学ぶことはなく相手が弱くて退屈だった)駆けつけ、ジンスと気付かずに攻撃(ジンスは魔力で防いでいて無傷)。
事態を理解し、サンヒがウィリアムに酷い目にあったとわかるとファンソンもウィリアムを攻撃。
駆けつけた学院長等にファンソン、ジンスは止められる。
死ぬところを助かってほっとして力の抜けたサンヒをジンスが受け止め、「遅くなってごめん、サンヒ」と言い抱きしめるが、すぐに何故抱きしめているのかと思ってサンヒを突き放す(ファンソンが魔力で受け止めた)。

コリョ王はサンヒにスペシャルナイトを一人、隠れ身の術で密かに常に側で監視するよう命令していて、サンヒが殺されそうになった事の顛末を知っているので、ペンリル王国(ウィリアムの国)に謝罪するよう大臣たちに言われても、謝罪どころか、結局、ウィリアムがファンソンとサンヒに謝罪するように要求し、1週間の期日までに謝罪しないとペンリル王を殺すと宣戦布告した。

コリョ王は表立って「サンヒを殺そうとしたから」とは言わないので、他の人達はペンリル王国との貿易問題のせいだと思っている。

 

ウィリアムは納得いかないものの国のためと言われ、ファンソンには謝罪に行く。ファンソンはコリョ王が謝罪を求めていることを知らないので、俺じゃなくサンヒに謝れと脅す。
ウィリアムは女であるサンヒにはなかなか謝れず、コリョ王がスペシャルナイトを連れてペンリル王国に乗り込み、王の首を切るカウントダウンをしてやっとギリギリでサンヒに土下座して謝罪した。

ペクチェ王国の王子、クリスがサンヒに優しく接してくるが、ウィリアムのことがあったのでサンヒはなかなかクリスの態度を本気とは思えず、ウィリアムのように裏があるのではと疑ってしまう。フリージアは自分が勘がいい方でウィリアムは悪い感じがしていたと言い、クリスにはそういうことは感じず、クリスはサンヒに気があるのだろうと言われるが、サンヒは信じられない。

ペクチェ王国では男女平等で女性が幸せに暮らしているらしい。
他の国ではこの世界では恋愛という概念がない。
クリスの変わらない優しい態度に徐々にクリスを信じてもいいのかもと思うサンヒ。クリスは本気でサンヒのことが好きで、一目惚れなのだとサンヒに告白する。
ジンスがいなければクリスを受け入れていただろうと思うサンヒ。

男尊女卑が激しい世界で生きているだけになかなかクリスのことを信じられないんだなぁと、もうちょっと受け入れてもいいんじゃないかと思ってましたが、クリスにもどうやら秘密がある様子なのが1回だけ出てきてました。姿の見えない誰かと会話してて、何を話してるのかまでは秘密が明らかになってないのでわからなかったですが、やっぱりサンヒの警戒する姿勢は正しいのかもっていう感じの何か怪しい部分がありそうです。ただウィリアムみたいなのじゃなくて、クリス自身葛藤しているような感じ。

そしてコリョ王がペクチェ王国を調べるために送ったスペシャルナイトが行方不明になりました。死んだと思われて葬式をしていたところへ実は生きていたーってことで帰ってきましたが、ロボットか何かっぽい偽物な様子。ペクチェ王国は男尊女卑のないいい国かと思ってましたが、何か秘密がありそうです。

 

魔力学院で一次昇級試験というのがあり、良すぎず悪すぎず適当な目立たない成績を取るつもりでいたサンヒだが、クリスが勝手にサンヒがいい成績をとると賭けをしてしまったので、本気で挑み、サンヒはクラスで一位になる。

3人で組むグループ学習で、サンヒはクリスとドルーと組むことになる。ドルーは魔力学院に入った頃からサンヒを女だからと侮辱してきていたクラスメイトだが、ドルーは成績があまりよろしくなくいい成績を取らないと退学させられると実家から言われていて、サンヒが一位を取って成績がいいので、いい成績のために一緒のグループでやりたいと言ってくる。
が、実はウィリアムに、サンヒの一次昇級試験が一位だったのは不正があった証拠を見つければ爵位をやると言われて探るためだった。(だがウィリアムは本当に爵位をやるつもりはない)
ウィリアムはコリョがサンヒに謝るように言ってきたのは貿易問題のせいだと思っているので、サンヒへの態度は改めておらず懲りてない。サンヒが一位を取ったのは絶対に何か不正があったせいだと思っている。ウィリアムに言われてドルーはサンヒのノートを取ってウィリアムに渡すが、ドルーはサンヒと一緒のグループにいるうちに徐々にサンヒにほだされてきている。

 

ウィリアムといつも一緒にいるのはハルというドレックス王国の王子。
サンヒはみんながやるように計算で古語を読んでいるわけではなく、そのまま普通に読めてしまっているので、ノートに計算式等が書いてなかった。そのためサンヒのノートを不正の証拠としてハルが告発する形で、懲戒委員会にサンヒは呼ばれてしまう。
サンヒはコリョには公にできない古語の解読法があり、そのために計算式を書けなかったのだということにして、ファンソン相手に芝居をうって姿を見せずに近くにいるはずのスペシャルナイトに見せ、緊急の用件だということを演技でコリョ王に伝え、懲戒委員会に急遽、アレックスが送られてきて公にできない解読法がある事などを説明し、ジンスも加わり、なんとかサンヒは助かる。

ウィリアムはそれでもまだ懲りず、今度は直接手を下そうとして、ドルーにサンヒを誘い出して連れてこさせようとする。ドルーはサンヒにほだされてきているので、呼び出しに行きつつも、別の道から逃がそうとしていたが、ウィリアム&ハルに見つかってしまう。
しかしサンヒの護衛を任されているスペシャルナイト(ジュヒョン)が見ていたので、ウィリアムがサンヒを殺そうとするのを見て止めに入り、ブチ切れる。ジンスも加わってウィリアム&ハルはボコボコにされる。

 

ジュヒョンはなかなかできるスペシャルナイトなのだが、能力はあるけどあまりやる気はないタイプの人。最近はサンヒの護衛というよくわからない仕事を任され、24時間はりついていないといけないため、野宿したり、食事もまともにとれず、辞めようか等と考えたりしているが、ジュヒョンも徐々にサンヒにほだされつつある。
91話の表紙絵のジュヒョンはかわいくてすごく色っぽい絵になっていて、キレイで魅力的。
サンヒの絵は微妙なことが多いけど、ここら辺りからのジュヒョンとかジンスの顔はキレイになってる気がします。

フリージアとクリスは正式な手段でウィリアム達を懲らしめる方法を見つけたと言って、ファンソン、ファンソクに協力を仰ぎ、サンヒのノートには王家の角印が押されていて、それを奪うのは重罪、ということで懲戒委員会を開かせた。
ファンソクも貿易会議のついでということで懲戒委員会に顔を出し、王家の角印が広まったら危険、この学園への財政支援について考え直す必要がありそうだと言って、ウィリアム&ハルの二人を退学に追い込んだ。

 

それとは別にコリョ王はペンリル王国とドレックス王国をスペシャルナイトを引き連れ1日で制圧して、2つの国を潰し、コリョ王国の属国とした。が、後にこの2国は帝国に捧げたようす。
コリョ王からの宣言等にはなかったが、皇帝と部下の会話からそれらしきことが伺える。

コリョ王はサンヒはコリョの貴宝でありサンヒへの侮辱はコリョへの侮辱であること、サンヒは帝国の皇帝が実力を認め学院に入学したのでサンヒの実力を疑うというのは皇帝陛下を疑うことである、再三に渡る警告を無視しペンリルとドレックスはこの2項目に反したためコリョは処罰を下した、というのが正式な発表。

帝国に無断でコリョが他国を制圧したことは問題になりうるが、おそらく帝国にこの2国を捧げたため、コリョ王の表向きの理由を皇帝が信じた?ようで、問題にならなかった。
皇帝には、黒い姿でしか見えない誰かが常に側にいる様子。
また皇帝はサンヒが覚醒して能力を発揮するようになると思っているが、覚醒しなくても古語が読めるなら、サンヒが罪を犯して処刑したことにして匿ってしまおうとする。サンヒは古文書が読めないことをうまく認めてもらい難を逃れる。

コリョ王の公式発表でサンヒに危害を加える者はコリョの制裁を受けるということが明らかになったため、学院でサンヒを侮辱しようとする者はいなくなる。

 

フリージアはジンスに求婚していたが、それは皇帝の娘であり魔力のある自分にふさわしい相手として優秀なジンスが適任だと思ったからで、フリージアはジンスに恋愛感情を持っているわけではないことがわかる。サンヒはジンスの事でフリージアに対するわだかまりを持っているが、フリージアは同じ女性としてサンヒに優しく親しくしてくるので、徐々に仲良くなっていった。

ウィリアム&ハル達の件が一段落した頃、ジンスが部屋の窓からサンヒに会いにくる。
そのジンスは時々現れていた前の世界のジンスで、ジンスによるとどちらもジンスなのだが、前の世界の記憶を持つジンスは何かの力に押さえつけられていて、思うように表に出てこれないらしい。
けれど最近、徐々に表に出てこれるようになってきたので、サンヒに会いに来たとのこと。
そしてそこからしばらくは毎日、他の人達から隠れて二人で会ってラブラブな幸せな日々が続いた。

ジンスのところにプリオンナイトの准将が訪ねてきて、皇帝の側にいる黒い姿の者っも一緒にいて、その力かなにかで、本来のジンスを封じ込められてしまう。そもそもジンスが帝国に来てから、封じ込められるようになってしまっていたようで、何かの力は皇帝達のせいなのかもしれない。ジンスはサンヒとは一度会っただけですぐに帝国に行ってしまったし、コリョにいた頃に本来のジンスはまだ現れていなかったし、本当のジンスが覚醒したのはいつなのか等よくわからないが、帝国に行ってから頭痛を感じる(=封じ込められている)ようになった気はする。
皇帝はジンスを自分の駒として使おうとしている様子。

 

ジンスとサンヒの結婚まで1ヶ月になっていたが、本来のジンスが封じ込められてしまい、皇帝の駒になってしまったので、結婚は延期され、学院の教師も辞めてプリオンナイトに復帰してしまう。

ある時からジンスがサンヒに会いに来なくなったので、サンヒは何かの力に負けてしまったのかと心配する。結婚の延期&プリオンナイトに復帰するため今日が学院最後の日だと聞いて、サンヒはジンスに会いに行くが、本来のジンスが封じ込められたジンスに前以上に拒絶されてしまう。

連休に、サンヒはフリージア、クリスに誘われてコリョの観光旅行に行く。ファンソンも一緒。途中で、女奴隷を引き連れた一行に出くわし、女達への酷い仕打ちに心を痛めたサンヒを見て、ファンソンが仮面をつけて「お兄ちゃんマン」として奴隷商をやっつける。
この奴隷商は密輸していたらしく、ファンソン王子スペシャルナイトのお手柄となる。

観光旅行中のサンヒ達の前に白い仮面をつけた白髪のプリオンナイトが現れ、サンヒを襲う。
107話のサムネイルでわかってましたが、正体はジンス。
すごく強いので、ジュヒョンもファンソンも倒されてどうなるのってところまで。
仮面が半分割れて、サンヒの名前に反応して、正気を取り戻すのかどうかってところ。
(〜106話)

 

感想

なかなかおもしろいです。
サンヒのブリッコとか媚びを売る言動があまりにわざとらしかったりしますが、それが功を奏して父、兄をはじめ、周りの男達に効果を発揮していくのもおもしろい。
そして男尊女卑具合があまりに激しい。
サンヒが宮殿?の外に行った時に見た場所で働く女性たちは、ムチを打たれながら労働しているのはやりすぎだなと思うけど、わかりやすい奴隷描写はムチが使われるのかなと思いました。こういうのって失敗しなくても意味なくムチ打ってたりするけど、働けなくなって非効率的なんじゃ?と思う。
そしてここまで女性を蔑視するって、妻にして子を産ませたりしているのに、愛情を感じることが全くないんだろうかと疑問にも思います。

そして絵が、特に嫌いでも好きでもない絵柄だけど、かわいいとかカッコいい絵の時と、バランス悪いなと思う時があって、結構バランス悪い絵のことが多くて、そこそこな話数書いてるのにまだ上達しないのかなと思ったりしてしまいます。
最近の絵はジュヒョンとかジンスの顔はキレイだなと思うのが多いけど、この顔立ちは描きやすいのかな。サンヒの見た目は私的にはどうにもいまひとつ。フリージアの方がキレイ。

 

いろいろ激しいなと思いますが、特にウィリアムの豹変ぶりはスゴかった。
いいヤツだと思われていた時の、フリージアに恋していると思われた表情は、ただフリージアが自分の子を生んだ姿を想像して恍惚としていただけだったらしいし、フリージアと仲がいいからフリージアへの印象を良くするためにサンスにも親切にしていたらしいけど、本性がバレてからの女卑ぶりの凄さから思うと、よく女に親切にしていたなと、あまりの違いっぷりにビックリする。
本性を現してからのウィリアムの顔の悪い奴加減が物凄いな。
その後は最初の方の可愛げのある感じが微塵もなくなるし。

サンヒの教育係のアレックスはゲイということになってますが、そもそも恋愛感情がないらしいこの世界にゲイっていう概念があるんだろうか?と疑問に思います。女卑がものすごく進んで、表向き女性への愛というのは存在しない、そういう言葉も使われなくなってしまっただけで、みんな認めてないだけで実は好きって気持ちがあったりするんだろうか。
本能的にそもそも存在しなければ、いくらサンヒがブリッコをがんばっても、父や兄がサンヒに懐柔されることはなかっただろうから、人としての機能的には存在してるんでしょうね。表向き、愛とか恋愛はないことになってしまっただけで。

 

とはいえ、表向き恋愛は存在せず、女性はただ子どもを生むための存在であるだけ(+労働力等)なんだとしたら、恋愛というものがないなら、恋愛対象が同性という意味のゲイっていう概念も存在しないのでは?と思ってしまうんですが。だって恋愛がないなら男だろうが女だろうが好きっていう概念がないってことなわけだし。
まあ、そこはアレックスがゲイだからサンヒの教育係に選ばれたという最初の方にしか出てこない設定で、アレックスの言葉使いがたまに女性っぽいことがある程度で、あまりツッコんで描かれていないので、気にしちゃダメなのかな。
アレックスは、サンヒに対するコリョ王や王子達の反応やサンヒに関わった男性達の反応を恋愛についての研究対象として密かに観察しているらしいだけで、アレックス自身、恋愛感情をわかってるのかどうか、よくわからない感じな部分もあるし。
ただ、コリョ国内ではサンヒにとって重要なサンヒの理解者の一人ではあります。

サンヒがファンソンのことを「お兄ちゃん」と呼ぶと喜んだり、親しくなったフリージアを「お姉ちゃん」と呼ぶと喜んだりというのがあるんですが、日本だとこういうのがあまりピンとこないんですけど、韓国文化で、そういう家族以外の人に対しても使う、親しみを込めた呼び方っていうのがあるのかな、と思います。他の韓国のマンガでも時々出てくるので。
たぶん日本語のお兄ちゃん、お姉ちゃんとは違ったニュアンスの言葉があるのかなと推測してます。
調べてみてませんが。日本だと小さい頃から親しんでいる年上の人に、本当の兄弟じゃないけど、◯◯お兄ちゃん、◯◯お姉ちゃんって言うことはあっても、サンヒのようにある程度大きくなってから兄弟じゃない人に仲良くなったからといって「お姉ちゃん」と呼ぶことは普通ないですからね。

皇帝の側にいる黒い奴とか、クリスの側にいる姿の見えない相手とか、ジンスは転生なのかとか、まだ謎な部分があって、それが何なのか気になります。

それといろんなキャラが出てきて、みんな激しいなと思いつつ、だんだん愛着が湧いてきたりして、なかなかおもしろいです。父、兄やサンヒの周りの男がサンヒのブリッコに翻弄されるのが、オイオイ随分チョロいなって思うし、ジュヒョンがコリョ王とか王子に翻弄されちゃって「お願いだからもっとわかりやすくして!」って心の叫びをあげてるのとか、いい味だしてておもしろい。