漫画「捨てられた皇妃」漫画:iNA 原作:Yuna 感想(1)

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【2019.3.27更新】

中世のような世界のカスティーナ帝国という国で、皇妃だった16才の女性が反逆罪で処刑され、気付くと9才の頃の自分に戻っていたという、タイムリープするお話。
こういうのも「転生」ものとしてジャンル分けされてるっぽいですが、自分自身の過去に未来の意識を持ったまま戻るので、正確には転生とは違うと思います。が、とりあえず転生ジャンルに分類しました。

ピッコマにて。土曜更新で連載中。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

漫画「捨てられた皇妃」感想 1〜29話
漫画「捨てられた皇妃」感想 30〜37話
漫画「捨てられた皇妃」感想 38〜47話

 

プロローグ〜6話

他の作品では1話目ですぐに転生やタイムリープをすることが多いように思いますが、この作品ではタイムリープ前の話が7話かけて描かれます。 

主人公はアリスティア・ラ・モニーク。
この国では皇帝の妃=皇后は神のお告げで決められており、皇太子(ルブリス・カマルディン・シャーナ・カスティーナ)が生まれた4年後に皇太子の伴侶が誕生するとお告げがあり、程なくして生まれたモニーク侯爵家の女児=アリスティアは生まれた時から未来の皇后としての教育を受けて育てられた。

先の皇帝が崩御して皇太子が即位し、アリスティアが皇后になろうという時に、皇宮の湖に異世界から来た少女が現れ、その少女こそ神のお告げの伴侶だと判断され、その少女=美優が皇后となり、アリスティアは皇妃となった。
異世界から来て、この世界に慣れない美優の代わりにアリスティアが皇后の職務を行っていた。
アリスティアは皇帝のことを愛していたが、表面上はクールな感じだったので、皇帝はアリスティアが愛情を持っているとは思っておらず、美優が現れる前から皇帝はアリスティアに冷たい態度をとっていた。

アリスティアが懐妊しても皇帝の態度は変わらず、アリスティアの子を跡継ぎにすることはない、皇后の産んだ子から跡継ぎを選ぶと言われる。
わざとではないが皇帝に突き飛ばされ転んだのが原因でアリスティアは流産する。
アリスティアの父、モニーク侯爵は皇帝への忠誠心の厚い人物だったが、娘への皇帝の酷い仕打ちに、妊娠中の皇后を襲い、流産させてしまう。

 

父を助けてほしいと皇帝に進言をしに行ったアリスティアは、ひざまづいて靴をなめろと言われ、父のために自分のプライドを捨てて言われたとおりにするが、既に処刑してしまったからできないと言われる。
その皇帝の行為に怒りに我を忘れたアリスティアは髪飾りで皇帝を突き刺すが、致命傷は与えられず、すぐに取り押さえられ、皇帝を殺そうとした反逆罪で処刑されてしまう。


タイムリープ前のアリスティアは、ほんとにものすごくかわいそうです。
ちょっと感情表現に乏しく冷たく見られてしまっていたようですが、彼女は何も悪いことはしておらず、恋敵である皇后の職務をこなし、悪口にも耐えて、皇帝のためにいろんなことをしてきていたのに、皇帝には全くそれが伝わっておらず、「なぜそこまで?」というくらいに何故か皇帝には毛嫌いされて、ものすごく冷たい酷い態度を取られ続けます。
父親を殺しといて、助けてほしければ靴をなめろなんて、あまりに酷すぎて、この前世(めんどくさいのでタイムリープ前を前世と呼びます)での皇帝の酷い仕打ちの最たるものって感じでほんとーに酷くて酷くて、24話まで読んでも皇帝を許せません。
その前も美優が勝手に感情的になったりしただけなのに、美優に何かよくないことを言ったと勘違いして、アリスティアをぶつとか、とにかく皇帝のアリスティアへの仕打ちが酷すぎて、かわいそすぎる。

 

7〜24話

処刑されて気付くとティア(アリスティア)はベッドの上で目覚め、まだモニーク侯爵家にいた9才の頃の自分に戻っていた。突然の状況に驚くが夢でもいいからと処刑された父の無事を確かめにパジャマ姿のまま、外の練習場にいる父のところまで走って行って、父に抱きつき、生きていた父に会えた嬉しさにティアはわんわんと大泣きしてしまう。

ティアはなぜ自分が9歳に戻ったのか手がかりを探しに神殿に行く。
するとビタ神に話しかけられる。(他の人には見えない心の中での対話)
ビタ神によると、神の選びし子=美優は、次元の歪みにより本来この世界に生まれるはずだったのに他の世界に生まれてしまった。この世界に呼び戻したが、それによって、ティアを含めて、あまりにも多くの者たちの運命がねじれてしまったため、時間を巻き戻した。
ティアが皇帝を愛したのは、美優が他の世界にいた間に皇帝とティアの間に運命の糸が結ばれてしまったため、美優がいない間の代用品でティアの意志ではなく皇帝への気持ちも運命によるものなのだと言われて、テイアは憤る。神は償いをすると言うが、ティアはもう神なんて信じないと言う。
神はティアの言い分を認め「そなたは運命に背を向ける者、そなたは運命を切り開く者」だと言って、神託としてティアに新しい名前「アリスティア・フィオニア・ラ・モニーク」を授けた。

 

償いって時間を巻き戻したこと自体が償いなんじゃと思ったんですが、何か別にするみたいです。この後皇帝に呼ばれることを、償いってこのこと?とティアは思うんですが、皇帝に呼ばれるのが償いになるの?っていう、なんかいまいちよくわかりません。
それに時間を巻き戻せるくらいなら、別世界に生まれちゃった美優を最初からこの世界で生まれるようにすれば?と思うし、もしくは今からでもこの世界に戻せば?とか思うんですが、そこは前回と同じタイミングじゃないと戻せないんでしょうか?
それにティアが言うように美優が他の世界に生まれちゃってるけど戻すから、これからこの世界に神の選びし子が現れるよ、ティアじゃないよって、お告げをすればよかったのになぜしないの?できない理由としてティアと皇帝の運命の糸が結ばれたからだと言ってたけど、理由としては全く納得できないんですが?

新しい名前を神託することにどんな意味があるのかもよく理解できないんですが、ねじれてしまった未来がわかってるんだから、今すぐ戻せないにしても、ティアじゃない他の子が皇后になる予定で8年後?に現れるよって神託しておけばいいんじゃないの?なぜそれをしない、できないというのか理解不能です。
結局皇后になれないのに皇后になると思われちゃってたのが最大のネジレの要因なんだから、ティアじゃないって神託すればいいんじゃないの?
神託なら、この後、皇帝に呼ばれて話をする時に、すぐ婚約解消すると角が立つからとあれこれ考えないですむわけなんだし・・・。この神の言い分が全く理解できません。

 

ティアの名前が神託されたことで、ティアは皇帝に呼ばれて、宰相のベリータ公爵、第一騎士団長のラス公爵、ティアの父(第二騎士団長)と一緒に、皇帝から兵士の増強と増税についてどう思うかの意見を求められる。
この政策が前世で失敗したことを知ってるティアは、後に宰相の次男が提案した奢侈税を提案する。

名前を神託することにどんな意味があるんだと思ってましたが、神語のミドルネーム(フィオニア)は皇位継承権を意味するらしいです。それで皇帝はティアを警戒して試すために政策について意見を求めてみたようです。

皇帝はティアは皇帝になるには心が温かすぎるからふさわしくないと判断した。試されているとわかっていて聡明な返答をしてしまえば警戒され、皇太子を皇帝につかせるための邪魔者として処分される危険がある。皇帝だったらこの場では意見を言わず、後で凶年の兆しを知らせたり等の裏工作をするだろうとのこと。そしてティアにその座を脅かされるような弱い存在として皇太子を育てていないから、心配する必要はない、けれどもその聡明さや国を思う気持ちは皇后にふさわしいとも言われる。

 

ティアは皇帝はおそらくティアを皇妃にと考えている(皇后では皇位継承権のあるティアを傲慢な皇太子が受け入れないだろうから)だろうけれど、皇太子には関わり合いたくないと皇帝に言う。
神託の解釈もティアが皇太子の伴侶かどうかはわからないと言い(ティアは神託のあった翌年に生まれているから。お腹に宿った年=神託のあった年と解釈されてティアだと判断されているが、美優はティアの1つ年上で、美優の生まれた年=神託のあった年だから。)、美優のことは信じてもらえないだろうから説明できないので、「解決策を考えるので時間をください、それまでは伴侶として過ごします」とティアは皇帝に言う。皇帝は皇太子の成人式まで待つと言ってくれる。

この後、ぼーっと皇宮内を歩いていると皇帝の庭園に来てしまったことに気付き、急いで出ようとするが、そこで皇太子に出会ってしまう。前世での冷たい仕打ちを思い出し、皇太子に話しかけられても何も答えられず固まってしまうティア。
皇太子には生意気な態度と思われてしまう。

 

この後も皇帝に呼ばれたお茶会で皇太子に引き合わされますが、そこでも前世でのことを思い出して震えてしまい、紅茶をこぼして皇太子にかけてしまって、またもや無礼な態度を悪印象を持たれてしまいます(20〜21話)。ここで皇太子は「僕は努力しても手にすることができなかったものを手に入れておきながらそれを覚えてもいないというあんな女と」(21話)とティアのことを言っていますが、皇太子が努力しても手にすることができなかったものは何なんでしょう。16話でティア父が言ってる皇太子と幼い頃に何かあったらしい事と関係あるのかな?
そして前世での酷い仕打ちを思うとティアが固まったり震えてしまうのも仕方ないと思います。
そういうところを理解してもらうために、7話かけて前世でのかわいそうなティアを描いたんでしょう。

ここで、公爵、侯爵と日本語だと同じ発音の爵位が出てきて、よくわからなかったのでちょっと調べてみましたが、公爵の方が上の爵位らしいです。爵位の名称とか意味は国や時代によって違ったりするようなので簡単に説明できませんが、とりあえずそれだけわかればいいかなと、架空の世界の話だけどたぶんそこは公爵、侯爵の順で合ってるんじゃないかなと思います。

 

唯一の後継者としてもてはやされて育ったせいか常に自分が一番じゃないと気がすまない性格、あの傲慢な子、と皇帝が言うように皇太子はプライドが高いようで、生まれた時から皇太子の伴侶と言われているティアについて、優秀だと聞かされてきて、父である皇帝もティアを特別視していて自分には厳しいと、ティアへの嫉妬の感情がどんどん積もっていってしまっているっぽい。
第一騎士団長、ラス公爵の妻になってる皇帝の妹=皇太子の叔母にもティアは優秀でという話をされ、叔母からも何故かわからないけど皇太子は冷たい態度をとられていて、いろんな人から比べられたりするのが、ティアへの悪感情をつのらせている要因っぽいです。そこら辺が、前世で必要以上にティアに冷たい態度をとっていた理由なのかな?という気がします。
この皇太子の叔母、ラス公爵夫人が、なぜ皇太子に悪感情を持っているのか、の理由は今のところわかりませんが、息子を皇太子の遊び相手にと言われて嫌がったり、皇太子に本を読んだだけで満足してるようじゃダメだと嫌味を言ったりしていて、明らかに嫌っている様子(17話)。

けれど、幼い頃の皇太子に優しくしてくれた女性のエピソードがあり(20話)、それがティアの母親で、皇太子はティア母を慕っていた様子。ティアの母親が亡くなる時も、「あの子のことをお願いします」と直接頼まれているのに、なぜそれがあそこまで冷たい態度になってしまったのだろう。
髪の色以外は母親にそっくりだと皇太子は思ったりもしているのに。
優しくしてくれたティア母の思い出よりも、他の人達に比較され冷たくされたことの方が勝っちゃったんだろうか。
ティア母が「殿下なら安心」と言っていたまさにその殿下にティアは酷い目に合わされ殺されたことを思うと、ティア母の思い虚しく・・・となってしまったわけで、やるせない。

 

それとティア父によるとティアは幼い頃に皇太子と何かあったっぽくて、それを今はティアは忘れているっぽい。思い出してないんらいいんだと言ってティア父は何があったかは教えてくれなかったけど。(16話)


それとは対称的に、前世ではあまり親しく接していなかったらしいティアの父親と、今世では仲睦まじいエピソードが出るたびに微笑ましく、前世でかわいそうだったティアが幸せそうな様子が嬉しいです。
皇帝に呼ばれて皇宮に行くときも前世を思い出して震えてしまうティアをずっと抱っこして連れて行ってあげたり、ティアにパパと呼ばれて喜んだりするティア父がとてもいい!
しかも若返って超イケメン。カッコいい!
若返ってといっても、元々目元に少しシワが描かれてただけでほとんど変わらないけど。
皇妃になりたくない理由として、パパとずっと一緒に幸せに暮らしたい、と言うティアに父はメロメロですが、それでもいいんじゃないかと思えちゃうくらい、ホッコリ幸せなパパとの様子に、よかったね、と思います。
このパパと言われて喜ぶのって原作が韓国のマンガでよく出てきますがこれも原作は韓国の方なのかな。そしてパパと言われて喜ぶのって韓国文化なのかな。(韓国ではパパという言い方かわかりませんが)

 

もう一人、今世でティアの強力な味方になってくれるのが、前世では関わることのなかった、宰相のベリータ公爵次男のアレンディス・デ・ベリータ(12才)、前世で奢侈税を提案した人です。奢侈税の話を父親(宰相)から聞いて、その場にいたというティアが提案したのではと思い、会いにきて、ティアのことを称賛します。
天真爛漫な天才といった感じで、同じ年頃の子たちと話が合わなかったので、ティアの聡明さを喜び、お互い名前で呼び合おうと言ってきます。ティアは奢侈税は図書館で読んだ本でみかけたもので自分で考えたわけではないと説明しますが、それでもアレンディスはあの怖い皇帝の前で堂々と意見を出したティアのことを気に入り、ティアに求婚します。

それをいつのまにか聞いていたティア父が初対面で求婚なんてダメと反対しますが、アレンディスはティアが今後皇太子と破婚した時の周囲の目からの盾になると言い、ティア父は条件を1つ出して友達として認めることにしました。
その条件とは騎士団全員に勝つほどの剣術を身に着けろというもので、代々運動音痴な家系のアレンディスには酷な条件でした。父や兄はダンスすら踊れないらしいです。
アレンディスは翌日から、ティア父の属する第二騎士団の練習場で騎士たちと一緒に訓練を受けます。それをティアは応援&見学に行き、前世では知らなかった騎士たちと接して彼らが優しいいい人達なことを知ります。

 

まだ父には認められていませんが、実質的にはティアはアレンディスと友達付き合いをしていくので、友達ができたことに喜びます。前世では友達がいなかったらしい・・・。貴族の令嬢の友人事情は知りませんが、「誰にでもいるのに私にだけは許されなかった友達」とティアが言ってるのでこの世界でも普通はいるものなんでしょう。なぜ許されなかったのかわかりませんが、友達すらいないって、前世はほんとにかわいそうな境遇だったんですね・・・。

ティアも剣を習いたいと父に言いますが、体が弱いから無理だと反対されます。そして習いたい本当の理由は皇太子と関わりたくないと言っていたことと関係があるんじゃないのか、なぜ関わりたくないんだと聞かれ、前世の話はできないので、結婚したくない、これからもずっとパパと一緒に幸せに暮らしていきたいと、これも本心だと思いますが、そう答えます。
それを聞いたティア父がティアを抱っこして、まだまだ子供だったんだなと言って、剣術の訓練を許可してくれます。またティア&父の甘々なシーンで、ホッコリするんですが、なぜこの会話の流れで、剣術の訓練OKになったのか、よくわかりませんでした。
剣術を習いたい本当の理由は皇太子と関わりたくない事が関係あるんじゃないかってことを聞いておきたい、ティアの答えを聞いてそれと剣術を習いたいことは関係ないんだとわかったから、聞きたかったことの答えが聞けて満足、皇太子のことと関係ないならそれでいい、その前に言ってた体力づくりとかの理由で納得して、そんなにやりたいならまあいいかって思ったってことなんだろうか。

 

そしてティアが剣を習いたいと思ったのがなぜなのかもいまいちよくわかりません。
アレンディスの訓練を見学していて思うことがあって、なんでしょうが、単に体を鍛えるため、父の仕事してる場に触れたい等の理由なのかなーとか思ってましたが、9話の神との対話シーンで、今世での成長した姿っぽい絵があって、そこで騎士団の青い制服を着て剣を持ったティアの姿が描かれてるので、もしかして本気で剣術をやっていくつもりなのかな?

ティアも一緒に剣の訓練を希望して受けることになり、ティアはティア父の部下達にアイドル扱いされていきます。ケガをした騎士を心配するティアを天使だと思ったり、アレンディスがティアに親しげに接する姿に嫉妬したり、アレンディスに対抗してティアにプレゼントをあげたり。ここら辺も、ティアを暖かく見守ってくれる人達が増えて、よかったねって気持ちになるほっこりエピソードです。

アレンディスともいい関係が続きます。
剣の訓練で手袋がやぶけ手のひらも皮がむけてしまったティアにアレンディスが自分の手袋をあげたり、ティア父からプレゼントされた子供用の剣に喜ぶティアの様子に、ティアがティア父を大好きなことにアレンディスが嫉妬したり。
雪が降る日、アレンディスがティアに好きなものが何かを聞くと、ティアは白く温かみがありふわふわしてて甘そうだからと、雪だと答える。(19話)3ヶ月後、アレンディスは白いチョコを開発し、ティアにプレゼントする。プラス、色白で心は温かいのを通り越して熱いくらい、甘いマスクの僕をあげると。そして「あーん」してアレンディスがティアにチョコを食べさせてあげる甘々ぶり!

 

その様子を見ていた騎士団のみなさんも、負けじと各自が思う「白く温かみがあり甘い物」を各々がプレゼント。プレゼントの山ができる。ティアの侍女のリナはメイド達一同から綿あめ、他の召使い達もそれぞれプレゼント攻撃、ティア父は照れながら白茶をプレゼントされる。
そしてどれが一番嬉しかったかを聞かれ全部はダメと言われて、ティアは数ヶ月かけて作ってくれて好みを最初に聞いてくれたアレンディスのチョコが一番と答える。

(20〜21話)皇太子とティアのお茶会でティアはまた固まって震えてしまい、皇太子にお茶をかけて不機嫌にさせてしまうエピソード。過去のトラウマから逃れられないのかと落ち込むティアに、アレンディスは僕はいつでも傍にいることを忘れないでと優しく声を掛ける。

ティアは騎士団員の一人、リーグ卿にアレンディスにあまり心を開かないように忠告される。ベリータ家とは同じ派閥だが、文官なのでモニーク家とは意見が食い違うことも多々あり、政治的利害関係の観点から気をつけるようにとのこと。
それを聞いていた侍女のリタがリーグ卿にも訓練が厳しいことから警戒するように口を挟まれ、リタとリーグ卿の言い合いになる。
今までもリタとリーグ卿は何かと言い合いになっているけど、ケンカップルっぽくて、後にカップルになるんじゃないかという気がします。

リーグ卿のいうような背信行為がアレンディスにあるとは思えないけど、アレンディスは今は剣術を習っているけど将来は文官になりたいようなので、一緒に過ごせるのは今だけで社交界にデビューしたら遠い存在になるんじゃないかと思い、少し距離をとろうと考える。

 

(22話)この後、アレンディスとティアはレディーと騎士の誓約物語の本について話をして、チェスをしますが、ここで二人が話してることがいまいちピンとこなくてよくわかりませんでした。
が、とりあえずそこは置いといて、アレンディスはティアに「永遠に僕だけのレディーとして迎えます。僕と一緒に誓いを交わしてくれますか?」と騎士の誓いをしてきます。ティアは戸惑いますが、どうせ子供のお遊びだろうから今は自分が失ってしまった無邪気さや純粋さをあどけない彼の傍で感じていたい、と思って「誓います」と答えます。
これでティアは僕のレディーだから一緒に騎士とレディーとしてがんばろうと言います。

この世界では男の成人は17才、女の成人は15才だそうで、アレンディスはあと4年、ティアはあと5年。

(23話)明日はティアの誕生日、ということでティア父が誕生日プレゼントにお人形をプレゼントしてくれます。去年は剣だった、ということですが、ここでもうティアが剣の訓練を受けたいと言った頃から1年以上経っているとはわかってなくて、「ん?」と思ったんですが、剣の訓練を受け始めた頃にもらった剣が去年の誕生日プレゼントで、あれから1年経ってたみたいです。
ティア10才。

(23〜24話)この国では成人前に誕生日を祝う習慣がないらしい。去年の剣のプレゼントは初めて父からもらった物ということで、ティアはすごく喜んでいたんですが、ティア父は騎士団員や第一騎士団長ラス公爵に女の子に剣のプレゼントなんてと言われて、今年はお人形にしたらしいです。
ティアは前世でもお人形遊びをしたことがなかったらしく、一瞬戸惑いますが、成人前なのに父が2回も誕生日プレゼントをくれたことに喜び、大切にしようと思います。
前世でのティアの子供時代って一体どんな窮屈な環境だったんだろう・・・。

 

ティア父に一緒に出かけようと言われついていくと、皇宮への出勤だった。
すぐに父は部下につかまって忙しそうで、先に政務室に行っているように言われる。
政務室に行く途中、またもや皇太子に出会ってしまう。皇宮に行くたびに皇太子に会ってしまうティア。皇太子はティア父のところに視察に来たらしく、ティア父が戻ってくるのを一緒に政務室で待つことになり、気まずい。
人形を持つティアを見て、もっと幼い頃に同じように人形を抱えていたティアの姿を重ねて見る皇太子。そして「今でも」人形が好きなのかとティアに聞きますが、ちょうどティア父が戻ってきて、なぜ「今でも」と聞いてきたのか、わからないままになります。
ティアと皇太子がもっと幼い頃に会ったことがあるらしきことが匂わされるエピソードが今までにもチラチラ出てきてますが、いつ全容がわかるんでしょう。
政務室に来る前に皇太子にぶつかって、挨拶の途中で人形が落ちそうになって中断してしまった時は怒られると思ったのに怒られませんでしたが、政務室ではベリータ公爵がティアを婚約者として優秀だと褒めたせいか、またもや冷たい笑顔を向けられますが、ティア以外の人(ティア父、ベリータ公爵)は気付きません。そしてまたもや皇太子の冷たい態度にティアは青ざめてしまい、それに気づいたティア父が視察を中断してティアを抱っこして帰ります。
皇太子はなぜそんなに自分を敵対視してくるのか、憎みたいのは私の方なのにと思うティア。

 

そりゃそうだよねー。憎む理由にティアが忘れてる皇太子と幼い頃に会った事も関係してるのかな?チラチラ出てくるけど、いい加減そろそろ明らかにしてほしい。

皇室との関わりを断つには自立するしかないと思って剣の稽古に励むティア。
剣術の訓練は自立のためだったのか。
っていうか、他に自立の手段ってないんだろうか。
女性には自立は難しい時代なのかもしれないけど、体が弱いのに剣術とか体を使う方向で考えるのはなぜ?と思ってしまう。父の仕事がそうだから?
それと結局、剣を習いたい理由は皇太子と関わりたくない事と関係あったのか。


前世のティアがほんとにかわいそうで仕方なかったので、今世ではいろいろと周りの人達と前世でよりも接することが多く、いい人たちに囲まれていて、幸せな環境になっているので、よかったね、ってすごく思います。パパも強力な味方でずっと仲良くしてほしいし、アレンディスという新たな味方も現れて、今世ではアレンディスと結ばれてくれるといいなーと思います。

この後、まだまだ先でしょうが、美優も現れるんだろうし、神託の皇太子の伴侶は美優っていうのは変わらないだろうと思うので、今世で皇太子とティアが結ばれることはないだろうし。
皇太子にもいろいろ辛い事情があって、ティアを憎むようになってしまったっぽいですが、そんなのは周りからの話だけでティア自身は何も悪いことしてなかったし皇太子に愛情を向けていたのに、あれだけの酷い仕打ちを皇太子がしたのは、今のところまだ「皇太子も仕方なかった」とは思えません。
ただ、皇妃にはならないとしても、今世では皇太子がティアを憎むようになってしまった経緯が描かれて、誤解が解消される流れになるんじゃないかなーと思ってます。

 

25〜29話

剣の稽古をするティアを見て「何をそんなに焦っているの?」と聞くアレンディス。
ティアは何も答えないがアレンディスは「努力すれば必ず結果を得ることができるから、いつでも僕を頼ってね」と言う。
ここの「◯◯だから」のところと「僕を頼ってね」がつながらない気がするんですが。

ティアは「かつてここまで私に親切にしてくれた人はいなかったし、私も自分のことしか考えてなかった」と思う。

年が明けてミルカン皇帝の即位25周年記念オペラが開かれた。
ティアは皇帝、皇太子と一緒の席に座っている。
ティア父は一人で別の場所に座っているのを見て、皇帝がティア母が早く亡くなったことを惜しむが、ティアは母のことを覚えていないので何と言っていいかわからない。

ここで前世で同じように母のことを誰かに言われて何て返答をしたっけ?と考えている時の絵で、背後に皇帝(皇太子)がいてそれを聞いている風なのは、ティアがその時母について言ったことを皇帝が聞いていてティアに悪印象を持つ要因の1つになったってことなのかな。

ティアが先日ぬいぐるみを抱えて皇宮に来た話を皇帝が出して皇太子に聞くと「かわいらしかったです」と答えるのを聞いて、ティアはどんな意図でそんなことを言うのかと驚くが、前世でも美優が来る前は、無関心ながらもそこまでティアを嫌ってはおらず、今と似た表情をしたのを見たことがあるのを思い出し、なぜ歯車が違ってしまったのかと思う。

 

オペラの内容は皇太子とティアを模したものだったようで、二人が手を取り合う場面で、突然シャンデリアが落下し、それは二人は結ばれるべきじゃないという暗示、運命から逃れようとしても無駄、ということを現すのではないかと不吉な予感を感じる。
皇帝と皇太子も不吉な予感がしたか気になるが、今の皇太子がティアを嫌っている以上同じことを繰り返すだけ、彼と人生を共にすることを何がなんでも拒み続けなければと思う。

というかティアは既に皇太子とは一緒にならないって思ってたんじゃないのか。まだ揺れてたの?って、逆にまだそういうこと考えてたんだっていう方が驚きです。絶対イヤだったんじゃないのかい。

ティアは前世で父と最後に交わした会話「急用で出かけることになった、すぐに迎えに戻って家に連れ帰る」の夢を見て、真っ青な顔になり嫌な予感がする。
起きてみると朝から家にラス公爵が来ていて、今年から凶年が始まりそうで、一部の領地で暴動が起こっており、その鎮圧のため、ティア父と第二騎士団全員が遠征に行くことになったと聞く。
ラス公爵の長男、第一騎士団の一部、宰相ベリータも同行し、ベリータ長男も宰相補佐として行くのではとラス公爵は言う。

ティアは父と数ヶ月、下手すると数年会えないかもしれない、前世のように帰ってこないかもしれないと不安になるが、不吉な考えは不幸を呼ぶので「パパは無事に帰ってくる」と強く思う。

 

ベリータ公爵邸で送別会が行われることになり、父と一緒にティアも行く。
ティアはアレンディスの部屋に案内されると、部屋から侍女が大きな音と共に飛び出てくる。ティアと一緒に来た年上の侍女に大丈夫なのか聞いても冷たい表情で対応され、部屋に入った瞬間のアレンディスも暗い雰囲気で、アレンディスには何か秘密があるのかと思わせる。
ティアに気付くといつもの明るいアレンディスになるけど怪しい、きっと何かある。

アレンディスの兄は身体が弱いのでアレンディスも父の補佐で遠征に一緒に行くと聞き、親しい人がみんな行ってしまうのを寂しく思うティア。
ティアには聞こえなかったが「よすべきとわかっていたのに かえって心に穴をあけてしまった」と意味深なことを言うアレンディス。
アレンディスは転生の事を知っているんだろうか?
「辛くても少しの辛抱だから元気にしているんだよ 他の男と仲良くしちゃダメだからね」と言ってティアの額にキスをする。

翌日、出発する父に、自作の無事を祈るお守りとして剣につける房(?)みたいな飾りをティアは渡す。お返しに父はティアにカフスボタンを渡してくれる。
騎士団員のみなさんもティアにカフスボタンを渡そうとするが、ちゃんと渡せたのか不明。

剣の飾りは、剣からだいぶ長く紐が垂れているのを見て、実際使う時に邪魔そう・・・と思ってしまった。

みんなが行ってしまって数日後、侍女のリナに誘われて気分転換に街に出かける。
ティアは剣を見たくて剣のお店に行くと、赤毛の男の子が注文した剣を取りに入ってくる。
ティアがパパの剣に似ていると思って銀の装飾の剣に手を伸ばすと、赤毛の男の子も同時に手を伸ばしていて「お前も剣に興味があるのか?」と話しかけられる。
そして剣を習い始めてどのくらいか聞かれ1年半だと答えると、ティアに合う剣を選んでくれる。さっき触ろうとした剣ではティアには重いと言われ、選んでくれた剣は父がくれた剣と似ていて軽かった。

 

女子なのに剣を習うとは珍しいと言われ、父が騎士なのだと言うと、赤毛の父も兄も騎士で、第一騎士団に入るつもりで帝国最年少騎士の記録を功臣できそうなんだ、と自慢される。
その話を聞いて彼がラス公爵の次男、帝国の天才騎士と言われたカルセイン・デ・ラスだと気付き、思ったよりずっとちゃらんぽらんだな、知性が欠落してそう、と思う。
カルセインに「剣術の練習で困ったことがあればいつでも俺を訪ねてこい」と言われる。

ティアは一人での練習はうまくいかず、カルセインに会いにラス公爵邸に行く。
公爵夫人に応対されるが、公爵夫人は前からティアに冷たいらしい。皇太子に冷たいのと関係あるのか?
ティアを見てカルセインは喜ぶが、ティアが挨拶して名前を名乗ると(前回は名乗る前に別れた)、カルセインの態度は一変。「モニーク、そういえば銀髪はモニーク一族以外にいなかった、つまりお前、皇太子妃か」と言われる。

銀髪そんなにレアなのか。モニーク一族しかいないって、少なすぎじゃ。
ラス公爵家の子は長男は、父そっくりの髪と目の色、カルセインは髪は父、目は母のようです。

ティアを守ってくれる父もアレンディスもいなくなってしまって、ティアに何かありそうで心配。アレンディスのいない間に今度はカルセインと仲良くなるのかなーと思ってたら、なんか態度一変で仲良くはならないのかな?
でも恋仲になるのはアレンディスであってほしい。

そしてアレンディスも何か秘密がありそうで、皇太子と過去に何かあった件も何もわからないまま、新たに謎が増えました。

 

漫画「捨てられた皇妃」感想 30〜37話

 

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