漫画「オットに恋しちゃダメですか?」藤原晶 感想


<↑コミックの試し読み> Renta!

付き合った相手と長続きせず、性欲が強いことを真剣に悩む男女が出会い、お互いの体の相性の良さで結婚。体から始まり、結婚してから相手を好きになっていくラブコメ。
「Love Silky」(有料)にて連載中。
コミック7巻まで発売中(2019/01現在)。

だいぶ前に1巻無料とかで読んでおもしろかった作品で、マンガParkで7巻まで無料で読めるので読みました。(途中からボーナスコイン)
ラブコメなんだけど、意外とシリアスな部分も結構あって、シリアスとコメディが混ざってるお話だなと思います。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

とある会社のマーケティング部のOL、鳥居アカネは、エッチが好きだが世の中の基準を振り切ってるらしく(性欲が強い)、それが原因で彼氏と長続きしない。

バーで一人飲んでいると、会社でイケメンで有能で有名で「王子」と呼ばれる高橋拓也(27)が一人でやってきて、ヤケ酒してクダを巻き、アカネにも絡んできた。
会社で聞いた拓也の「彼女と長続きしない、ゲイなのでは?」という話が当たってたんだと勘違いして、「私も振られたばかり、いつか運命の人に出会えるって諦めてないから、あなたも諦めないで自分に正直に生きて」と声をかけたら、拓也に「君、イイ奴だな」と言われ、酔った勢いでホテルへ。

一晩中思う存分セックスをして、「こんなにやりたい放題セックスしたの初めてかも」とお互い初めての体験に笑ってしまう。
ホテルを出るとアカネは拓也から「本気なんで引かないで聞いてほしい 俺と結婚してほしい」と、いきなりプロポーズされ、一晩の関係と思っていたアカネはドン引きするが、拓也が「セックスするのがすごく好きなんだけど何かソレが世の中の基準を振り切ってるっぽくて」という言葉にものすごく共感。
拓也はそのことに本気で悩んで嫌になっていたところへ、アカネに出会った。
拓也は春から東京の本社に転勤することになっていて、「俺たちの間に恋愛感情はないけどもっと盤石な関係が築けると思う、だから東京で俺の妻として一緒に生きてくれ」と言われ、アカネは拓也の気持ちがよくわかり、彼の真剣な態度をみて、「わかった いいよ 結婚しよ」と、結婚を承諾する。

 

と、普通は女性マンガで結婚といったら結婚式&ウェディングドレス姿が描かれるもんですが、一切なしで、次のページは1ヶ月後、東京の社宅に引っ越しというところに続きます。
でもこのマンガの流れからいったらそれでOKだと思います。
(というか結婚式してなかったんですね、描くのを省いたのかと思ってました)

そしてお互い相手のことをよく知らず、体の相性で結婚してしまったので、ということからくるすれ違いなんかも描かれたりします。
最初は転勤して、夫は転勤先に慣れるのに忙しく、妻は仕事を辞めて友達もいない土地に来て寂しくて、ということからケンカして、アカネは実家(名古屋)に帰り友人と飲んでるところへ(アカネが出て10日経っている)拓也が迎えに来る話。
ここでアカネは拓也のことが好きになってることに気付きます。そして友人たちに「だったら好きになってもらえばいいじゃん」と言われ励まされます。

この実家の方でもあり、転勤前の場所でもある名古屋のアカネの友人3人(男1人、女2人)は、みんな独身で(彼らの間での恋愛感情は全然ない)、この後も何度も出てくるけど、ほんとにすっごくいい友達だなぁ〜と思います。

 

次に社宅に元々いた奥様たちとうまくやっていくため、アカネはホームパーティーを企画し、夫婦何組かを招待します。同じ会社の偉い人で、拓也は通したい企画があったのもあって拓也も喜びます。アカネは料理が苦手なので結局名古屋の友人に応援を頼み料理を作っておいてもらいますが、途中でそれがバレ、奥様に非難されますが、拓也がそれを男前にかばってくれるというお話。
専務の奥さんだったんだけど、後日、拓也が専務に謝ると、奥さんと日頃話をしなかったのが、話すきっかけになったと逆に感謝されました。

ここで、奥様はホームパーティー中に夫がアカネを褒めたりしてるのに焼きもちをやいてた部分もあったみたいだけど、それにしても、自分で作った料理じゃないからって、「騙してたのよ」なんて言い方して、みんなの前でバラすなんて、相当嫌な奴だなと思いました。
別に作ったもんじゃなくたっていいじゃん。作ったかのように言ってたって、もういい年なんだから、引っ越してきたばかりの若者のことを大目に見てあげるくらいの気持ちないのかよって思います。

 

でも、社宅の他の人達との関係の話がでてくるのはここ(2話)までで、これ以降、全然出てこなくなります。1話ではエッチするたびに「うるさい」って怒鳴り声が壁から聞こえてきてて、「これをどうにかしないと」って言ってたのにね。それさえもホームパーティーの1件で解決?
まあ社宅の奥様との関係の話はあんまりおもしろくないからそれでいいけども。それにしてもまるっきりって・・・挨拶するぐらい社宅っぽさあってもいいんじゃと思いました。あれ?引越ししたのかな?とも思ったけど、途中でやっぱり社宅とか言ってたし。

アカネは拓也の誕生日にプレゼントを買うために、拓也に内緒で、週3で事務のアルバイトを始めます。大泉企画という立ち上げたばかりのデザイン事務所で、従業員は社長の大泉とアカネの2人だけ。大泉は若いイケメンですが、既婚で4人の子持ち。
大泉のところでの仕事は、拓也の誕生日が終わっても、この後ずっと続き、アカネは大泉には結構赤裸々に拓也とのことを話していて(後に拓也に「そんなことまで話してるのか」と驚かれる)、夫婦生活の良き相談相手でもあって、大泉との関係もずっと続きます。

4話で拓也は「子供が嫌い」「子供は欲しくない」と思っていることがわかり、それは拓也が母親(シングルマザー)にネグレクトされた過去が原因でした。

 

【拓也の打ち明け話】
8才の時に母親に捨てられ、施設で育ち、高1から施設を出て一人暮らしを始め、その頃からタガが外れて夜のバイトをしたり、不特定多数と寝るようになったり酒やタバコもやった。色々忘れたくて毎日セックスに明け暮れたけど慢性的な孤独感や虚無感はなくなるどころか増していった。19才の時にドラッグパーティーに呼ばれ、そこでさすがにヤバイと思って大きく人生の軌道修正をした。
あの毒女のせいで人生詰んでたまるか、絶対立ち直ってみせる、すべてを完璧にこなして出世して非の打ち所のない人間に。
俺は本当は「王子」なんかじゃない。「愛情」を学ばずに育ったから俺に人は愛せない。

その打ち明け話をして、「さすがに絶えられないなら離婚」と言うのをアカネは遮って、「言いたくない事、打ち明けてくれてありがとう それだけで充分 もう偽らなくていいから あたしは有りの侭のあなたが好きだから もう王子って呼ばないね 拓也 愛してる」と言います。
そしていつか拓也に愛してると言わせてみせると心に誓います。

という、拓也に意外と重ーい過去があって、拓也の闇というかトラウマはかなり重く深く、自分は人を愛せない、アカネを愛せない、という思いは、そうそうすぐには解決しません。
ここから長ーい時間をかけて、何話にも渡って、ちょいちょいそういう話がでてきて、やっと「アカネを愛している」と自分で認めて言えるようになります。
拓也も本当は既にアカネを好きになってきている、愛情を持ってきていると思うんです。
でも自分自身でそれを認められず、認めるのに時間がかかります。
そこら辺を、あっさり解決しないで、じっくり時間をかけて描いているところが、すごいなと思います。意外とそういうところはシリアスなんです。

 

拓也を置いて出ていってしまった母親は、後に末期がんで入院していることがわかって、拓也はアカネに勧められて会いに行きますが、そこで母親から反省の言葉等全く無く酷いことを言われ、母親とはキッパリ決別します。
そして、高橋の姓も捨てることにして、アカネと離婚&再婚をしてアカネの姓「鳥居」に変え、してなかった結婚式をしました。

どうしても虐待してたような母親でも子供は母親の愛情を求めてしまう、というのがあるようで、拓也も期待と不安の入り混じった複雑な心境でした。拓也にとっては辛い経験だったと思うけど、これでキッパリ気持ちの区切りをつけられたという意味でいいことだったと思います。母親の方の心情はあまり描かれてませんが、実は拓也が会いに来てくれて多少嬉しく思うところもあったようなんだけど、今まで虚勢を張って生きてきたから突っぱねてしまうみたいな部分があったっぽいのがチラッと描かれてましたが、7巻までではもうこれ以上出てきませんでした。

 

そして拓也のいた施設も出てきます。そこで一緒だったユウキ(女)とばったり再会し、ユウキがその施設で社会福祉士として働いていて、施設の経営が苦しいことを知り、拓也は自分の能力を生かして、施設に行って財政改革をします。
ユウキは昔から拓也の事が好きで、今も拓也に再会して結婚していることを知っても、やはり好きだという気持ちを抱えていますが、密かに想っているだけです。

それと別に拓也が夜のバイトをしたり悪いことをしていた高校の頃の親友、門所(もんどころ)も17話で登場。更生してからはいい子を演じてきた拓也にとって素を出せて、友達と呼べる人は門所くらいしかいません。
しかし高校以降、連絡をとっていなかったらしく10年ぶりの再会で、しかも最初は拓也は門所を避けようとしたので、門所はアカネを自宅に招き、レイプしようとして逆にアカネにレイプされる(手で)という、ちょっと不穏な再会でした。
がこれ以降、門所がちょいちょい拓也に会いに来て、拓也も素を出せる友人との付き合いが楽しくて、その様子にアカネは嫉妬してしまいます。

 

門所は拓也と同じ高校に行っていたけど中退、今は風俗店、ラブホ、ビジネスホテル等を経営して成功していて、お金がある。バツ3で子供も2人いるけど元嫁に会わせたくないと言われ会っていないような関係。門所も拓也と同じく機能不全家庭で育ち、相手の望む「普通の家庭」がわからないので、結婚してもうまくいかなかった、それを諦めた時、もう無理して頑張って苦しまなくていいんだ、もう誰も傷つけなくて済むと楽になった、という話を温泉旅行でアカネにした。
アカネに「門所はつまらない人間じゃない、拓也に好かれてる、拓也は門所のことをほんとに好きなんだー、かけがえのない親友って感じがして妬いてた」と言われ、アカネを見直す。
という感じで、3人で一緒に行くことになった温泉旅行で、門所とアカネはお互いの本音を語って和解し、これ以降は逆に、門所がアカネを好きなんじゃないかと拓也が嫉妬したりします。

お金の余ってる門所にユウキのいる施設への寄付の話を持ちかけ、門所とユウキが知り合います。
拓也は門所がアカネを気に入ってるらしいのが気になってるので、二人がくっついてくれればと思ってるのと、恋愛関係じゃなくても、お互いにいい影響を与えられればと思っています。
が、門所はそういう拓也の思惑をお見通しのようです。

 

ユウキは実父から暴力的な虐待に加えて性的虐待も受けていたため、門所が風俗を経営しているということに抵抗があり「汚れた金」は受け取れないと寄付を断ります。
門所はユウキを自分の店(キャバクラ?)に連れて行き、そこで働く女の子のリストカットの痕の残る腕をユウキに見せる。「彼女達が前に進むための金ならいくら出してもいい、それが俺の美学だ、金と覚悟さえあれば自由も未来も手に入る、お涙頂戴話で金をたかる独善的連中よりずっとまっとうに金を要求していると思ってる、金に汚いも綺麗もない、使う人間の心根の問題、今までどこ巡ってきたかじゃなく、これからどう使うかだ、人生と同じにな」という門所の話を聞いて、ユウキは寄付を受けることにしました。

その後、ユウキの施設にいた男の子に好意を持たれ、ユウキの自宅に来られてレイプされそうになる話がありますが、そこでも門所が関わってきて、ユウキを助けに来ました。
その前にユウキが説得できて思いとどまらせてたので、逆に門所から男の子を逃がす事態になりますが。門所が部屋に入る時に鍵を壊した関係で、門所がユウキの部屋に一晩泊まってあげることになり、ユウキの部屋が寒いので、別々に寝てたのに湯たんぽ代わりにユウキを抱きまくらにしてたり、寝起きにユウキにキスしたり、ということがあって、なんとなーく門所とユウキが近づいてきています。

 

恋愛関係になるかどうかは、微妙な感じですが、「お互いに良い影響を与え合う」という拓也の目論見は達成できているような気がします。特にユウキにとって、虐待された女も含めて夜の街で女をたくさん見てきた門所の指摘、言葉は、結構ためになってると思います。
(つっても結局、作者さんの経験や考えの内だけど)

私的にこの二人がくっついてほしいかっていうと、そんなにくっついてほしくはないなーと思います。拓也の闇のように、徐々にって感じで描かれてはいるけど、ちょっと安易な感じがしてしまう。
「お互いに良い影響を与え合う」だけでいいんじゃないかな。恋愛関係にならなくて。

今のところ、門所はユウキが拓也を好きなのを応援?していて、奪ってしまえと言ってて、ユウキには全くその気なしっぽい。ユウキは門所は実はユウキに好意を持ってるってアカネに聞かされてて(だったような?)、ちょっと意識しちゃってるとこはあるけど、やっぱり拓也のことが好きなので門所にはあまり恋愛感情はないかな。今のところ、門所の破天荒さに振り回されて、時々いいこと言われて、そのおかげで前向きな考えになってくるっていう影響を受けてるだけって感じかな。
おもしろいので、関わってはほしいけど、くっついてほしくはない。

 

門所は、この作品に出てくるキャラの中で一番好きかもしれない。
もちろん拓也&アカネの絡みは大好きなんだけど、個人でいったら門所かな。
みんなイケメンだけど、見た目が一番好きなのは門所。超カッコいい!
まあイケメンキャラは顔の中身はほとんど同じなんだけど、たまにある黒く描かれる顔とかすっごくカッコいいんだ(17話でアカネの上に覆いかぶさってる時とか)。
それに中身もわりと好き。実際に付き合うのは嫌かもしれないけど、見てるのはカッコいい。

そしてアカネのアルバイト先の大泉さん。
いつもはアカネ達より先輩の夫婦として、アカネがアドバイスを受けてるけど、大泉の妻が5人目を妊娠して、大泉に相談せずに堕胎手術の予約をしてしまっていた話では、拓也が大泉に「人んちに来て愚痴ってないで奥さんの傍にいて奥さんを大事にしろ」とカツを入れます。
大泉は奥さんに「自己中だった、お前にいろいろ背負わせてるのにお前の大変さをわかろうとしないで、ごめん、反省してる」と謝罪し、そのおかげで奥さんは思い直し、5人目を産むことになりました。

 

そして、7巻までのエピソードの中で一番ショッキングだったのが、大泉が線路に落ちた息子を助ける話。その直前に、駅のホームで息子とケンカして、息子が「死んでまえ」と言ってかけていって、ホームから落ちてしまいます。電車は来てるもののまだ余裕があったんですが、落ちたショックで息子はホームから「こっちにおいで」等と声をかけられても動けません。
大泉はおそらく息子が落ちたのに気付いてすぐにかけていき、線路に飛び降りて電車が迫るギリギリのところで、ホーム下の空いている空間に息子と一緒に飛び込みます。
息子は無傷で助かったものの、大泉は足(膝下)を切断されていました。
この時、拓也は一緒にいて、拓也は飛んできた大泉の足を見るというショッキングなシーンがあります。

大泉は一命は取り留めるものの、足はくっつかず、片足が膝下で切断されてしまいました。
これにはすごくビックリして、「マジで?こんなにシリアスな展開なの?」って思いました。
親が命をなげうって子供を助けるというのを描きたかったのかもしれないけど、死んじゃうよりマシだけど、でもある意味、足を切断っていうのは事故で死ぬよりショッキングかもしれない。

 

片足の膝下だから、切断された部位としてはマシな場所で、義足をつければ自力で歩けるし、あまり不自由なく生活は送れるということで、その後、義足を付けてる姿とか、切断された足とかが描かれることはなく、退院してからはもう普通に、義足とか何も意識せずに描かれますが、足の切断はショッキングでした、本当に。

そして、大泉の会社は個人のデザイン事務所で、デザイナーは大泉しかいないので、退院して仕事再開まで数ヶ月かかるような状況で、代わりに仕事をする人がいない状況では、受けていた仕事をすべて断るしか無く(数ヶ月も待ってくれるところはない)、会社をたたむことになってしまいます。
大泉は、このままここに残っても、一家心中するハメになると妻に言われ、妻の実家に戻り、実家の弁当屋で働くことになり、子供たちはしばらく施設に預けることになりました。

大泉の勤めていたデザイン会社の仕事仲間も呼んで、大泉の送別会をやっているとき、大泉の会社を締める事務仕事をしていたアカネが来て、半年くらい前に出したコンペに選ばれたと伝えます。それはすごく大きな仕事で、それを指揮するデザイナーを大泉がやることになり、アカネが大泉の事情を話すと事前にお金ももらえることになって、一気に大泉家のお金の問題が解決し、大泉は妻の実家に帰らず、デザイン事務所を続けられることになりました。

 

うまくいきすぎ?って感じはちょっとするけど、落ちて上がるっていう、すごいジェットコースターだなーって思いました。その落ちた時の、長期の入院で仕事ができなくなって生活がままならなくなるっていう事があるっていうのが、すごく身につまされるというか、そうなったら怖いな〜って思いました。

そしてこの後は、大泉の立場は、この足切断事件の前と同じような感じに戻って、今まで通り、アカネのアルバイト先、兼、よき相談相手って感じに戻ります。
が、あの結構大きそうなプロジェクトの仕事やってたら、自分の事務所にいるより、そっちの仕事の関係でいろんなところに行くことが多くなりそうな気がしたんですが、その話は全く出てこないし、出てくる時はいつも通り大泉は事務所にいるって感じでしかありません。

うーん、今後出てくることがあるかもしれないけど、社宅のこともそうだったけど、話が一段落すると、今後に関係ない話は全く出てこなくなるのかな・・・。

 

それと大泉の入院の際に、子供たちはとりあえず奥さんの大阪の実家に預けることになりますが、長男だけは自分のせいなところもあるし東京に残って父の傍にいたいと駄々をこねます。
それでアカネ達が長男を預かると申し出て3ヶ月以上長男を預かるんですが、最初に預かった時はたった一晩だったけど初めて子供を預かっていろいろ大変だったってことが描かれてたけど、今回はその辺り全く描かれません。

大泉のケガの方がメインなのはわかるけど、そんなに慣れてるわけでもなく、3ヶ月も子供を預かるなんて、よっぽど大変だったと思うんだけどなぁ。
数日預かるのと違って、長ければ余計に大変だったと思う。それにアカネと拓也は最初に預かった時に子供がいるからとHを我慢してたと思うんだけど、3ヶ月もの間そこどうしてたんだっていうのが全く触れられてないのがなー、ちょっと納得いかない感がありました。

アカネの友人が結婚して一戸建ての家に遊びに行って影響されて、アカネは持家一戸建て派、拓也は賃貸派という話になり、拓也は借金はしたくないからローンは嫌だと対立。アカネの友人夫婦の離婚騒動を挟んで、アカネも愛があれば家はいいやと思うが、拓也も折れてアカネの30才の誕生日に家を買おうと提案する。10年ローンなら許容するのでそれまでがんばってお金を貯めることに。

 

そしてアカネの子供欲しい問題はちょっとずついろんなことを経て、大泉のケガ事件の後、拓也は大泉の子供を預かってみて自分にも父性はあると思い、子供を持つことを承諾します。
アカネは早速、妊活に乗り出しますが、妊活本を参考に、締め付けないように緩めのブリーフ、Hは3日に1回等、行き過ぎた行動になってしまい「今のアカネといるとすごく疲れる、今のアカネは抱きたいと思わない」と拓也に言われ反省する。

その後も、妊娠したかも違うかもで一喜一憂して、妊娠中の友人マイと一緒に大騒ぎ。妊娠検査薬を3種類も使って試すけど、あれってそんなに安くないし不確かだしと思うと、そんなに使うより病院行ったほうがいいじゃんってケチな私は思ってしまう。
若いと産婦人科に行く敷居が高いだろうけどアカネは何年も通ってる行きつけの病院だったっぽいし。病院に行ってまでのぬか喜びは嫌なんだろうか。子供を作るつもりがなくての妊娠だったらコッソリ確認したいのはわかるけど、望んだ妊娠だったら病院でいいじゃんって思うんだけど、世の人はそうでもないのかな。
マイは旦那さんが医者で金持ちだし、アカネもあれば使っちゃう人みたいだから、妊娠検査薬を3種類も使ってもったいないって感覚はないんだろうな。

 

妊娠後もあまり喜んでない様子の拓也をマイの旦那と比べてケンカしたり、つわりを偽って優しくされようとしたり、ケンカしたりお互い反省したりというドタバタを繰り返していきます。

私はあんまりアカネのこの子供欲しい、妊活に関してギャーギャー騒いで、拓也を翻弄してるのはあんまり好きじゃないです。アカネも本当は子供欲しいのを拓也に合わせて我慢してたってのはあるけど、それでもやっぱり拓也の闇の方が重いと思うから、もっと拓也に寄り添ってほしいし、「アカネはまたしょーがないなー」って感じにおもしろくは思えず、めんどくさいなーと思ってしまいます。

アカネの妊娠は確定なようなので、今後、流産ということはあり得るけど、子供を持つ話になるのかーっていうのが、ちょっとどうなんだろうと思ってしまいます。
子供を育てる話になるとだいぶ内容変わってくるんじゃっていう気がして。

 

最初はコミカルな感じで始まるものの、拓也の背景が重く設定されてたので、始めから重い話を描こうとしてたんだろうなと思うと、シリアスな話を明るく描いてるマンガなのかなと思いました。
拓也だけじゃなく、同じ施設出身のユウキの設定も重いし、門所も二人ほどじゃないけどまともな家庭じゃないし、大泉のケガも経済状況も深刻なのだったし。

最初の方はおもしろかったんだけど、特に妊活でギャーギャー言い出してからは、あんまり好きじゃなくなってきました。
とりあえずどうなるのかなーとは思うので、また続きが配信されたら読むと思いますが。

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