漫画「ガラスの靴は割れてもはける」都陽子 感想


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舞台俳優、巻貝の追っかけをしていた4人のアラサー女性が、巻貝の結婚報道をキッカケに婚活に乗り出す恋愛模様の話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

巻貝の追っかけつながりの4人、チカコ(34)、アイコ(30)、サユリ(28)、マイ(26)は、「巻貝が育み婚」というニュースを知って集まり、自分たちの人生を捧げていた巻貝の結婚で、自分たちの時間が止まっていた、自分たちも動き出す時なのでは?と婚活を考える。

アイコ、マイは恋愛が面倒で、運命の赤い糸で結ばれている人がすぐ目の前に現れて結婚できるようになっていればいいのにと言う。

アイコ以外の3人は、まず婚活パーティーに参加するが惨敗。
次にチカコは出会い系アプリを使い、条件を入力し自分に合う人を絞り、その中の数人に会ってみるが、写真と全然違って太ってたり、チャラかったり、ボンボンだったりとうまくいかない。
巻貝似のイケメンの医者と会うと、今までの男性と違って、なぜこのアプリを使ってるのか不思議なくらいのイイ男で、思わず出会ったその日に寝てしまう。

 

チカコはニセ巻貝(巻貝似のイケメン)と逢瀬を重ね、真剣に結婚を検討しようと思ったので、ニセ巻貝と同じ職場の知り合いに職場での様子を聞くと、ニセ巻貝が既婚者だったとわかる。
チカコがニセ巻貝にその事実を突きつけると、ニセ巻貝はあっさり認め、妻は家庭を持ち子供を育てるパートナーとしては満足しているが、仕事の話もできないし等、それ以外の点に不満があり、妻に足りない部分を他の女性で埋めることにしたのだと堂々と言う。

事の次第を他3人に報告し、ニセ巻貝に怒って別れるよう言われるが、チカコはニセ巻貝との関係をずるずると続けてしまう。

マイもチカコと同じ出会い系アプリを使って条件を絞り、よさげな男性と会って、とても合理的な考えで結婚相手を探すイケメン後藤と出会い、お互い考え方が似ているということで気に入り、会って数回で後藤からプロポーズされ、マイは結婚を決める。

 

他3人には急展開なのと二人の合理的すぎる考えに驚かれるが、着々と結婚準備を進め、会社も退職することになる。空いた時間に知り合いから小さい劇団の舞台の裏方のボランティアを頼まれ、参加するとマイはとても楽しく、周りの後押しもあって、自分のやりたいことはこれだと思い、後藤との結婚を辞め、劇団の裏方の仕事をすることにした。

アイコは他3人の婚活に加わらなかったが、彼女は、出版社で編集の仕事をしており、担当の年配の作家で、ずっと憧れていた男性と不倫をしていた。
あるパーティーで、初めて作家の妻と対面し、妻がその作家を支えてきて今の彼がいるのだということを目の当たりにして、作家との決別を決意し、アイコも出会い系アプリを使って婚活を始め、前と真逆の自衛官と出会う。

 

サユリは4人の中で一番影が薄く、エピソードも弱い感じで終わる。
サユリはHの経験がなく、出会い系アプリで出会った男性と経験を済ませようとするが失敗。
太った男性は条件外だったが、ぽっちゃり系の職場の男性と出会い、彼がオタク系の趣味があって、舞台の話と繋がる部分があり、ちょっと具体的な内容はあやふやだけど、とにかく共通の話題で盛り上がれる事があって、彼とうまくいきそうだなというのが、番外編で匂わされて終わる。

後藤が、今後のためにダメ出しの意見がほしいということで、会うのにマイはチカコを誘って意見してもらう。これをキッカケに、チカコと後藤はその後も何度か会うようになり、付き合うことになる。
チカコはマイのように結婚を合理的に考えてはいないが、忌憚ない意見をズバッと言うところを気に入られたっぽい。
が、マイとはすぐに結婚という話になったのに、後藤はチカコと半年付き合っても、チカコから同棲を提案され断る。
理由を聞くと、チカコが毎回のように後藤のすることにダメ出しをして、それがずっと続くのかと思うと地獄だなと思ったかららしい。でも別れたいということではないとのこと。

それを聞いてチカコは後藤の気持ちを思いやっていなかったこと、言いすぎていたことを猛省し、地獄じゃない道を探しましょうと後藤に言われる。

最後は、アイコと自衛官の彼との結婚式で終わる。

 


すごく美人なのに恋愛に興味のないマイとか、いろんな人がいるんだなーって感じで、それなりに楽しめたと思います。
ただ、後藤がチカコに言われる事を地獄だとまで感じていて、そんな相手と別れたいとは思ってないってのが、驚きで理解できなかったです。
そのまま続いてたら「別れたい」になっていったけど、まだそこまでいかない段階だったってことなのかな。

私は後藤はチカコよりもマイとうまくいってほしかったなぁと思いました。
後藤がダメ出しした、マイの劇団ボランティアの時の服装だって、こういう時はそういうもの、TPOがきちんとしてればOKってことで納得されたはずで、今は結婚するつもりがなくなったけど、マイが劇団関係の仕事をするのを後藤が認められれば、うまくいくってことになりそうな気がしたんだけど。
でもマイの方の気持ちが薄すぎるのか・・・。

 

チカコは「ねーさん」と呼ばれていたのにふさわしい、ちょっと姉御肌な感じの人で、いい人だと思うけど、恋愛ものの女性キャラとしては、私はあまり好きじゃないので。
後藤みたいな無口で素直なイケメン君は、もうちょっと可愛げのある女性とくっついてほしかった。

それほど深くも重くもなく、サラッと恋愛模様を楽しめる作品だったかなと思います。

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