漫画「酔っぱらリーマン。」ほたルイカ 感想

f:id:whitebluework:20191015213558j:plain

酔っ払うとイケメンになる謎な体質の地味なサラリーマンが、初恋の女の子に再会するお話。

comico にて完結済み。
レンタル、ポイントで無料で読めます。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 


地味でメガネな山下ハジメ(27)は、仕事帰りに高校の同級生で親友の相葉と一緒に飲んでいましたが、相葉が後から店に来た2人組の女性に声をかけ、4人で飲むことになりますが、ハジメはそういうのが苦手。

今まで彼女がいたことはなく童貞で、相葉のように初対面の女性と気軽に話したりできません。
そしてこういう場で、メガネを取ることを要求され、「メガネを取ったら実はイケメン」な事を期待されるけど、メガネを取っても地味顔なのを見て笑われるという目に合うのがすごく嫌。

今回も同じ目に合いますが、ヤケになってお酒をたくさん飲み、帰る頃、なぜか突然イケメンになってしまいます。他3人は先にお店を出ていて、なかなか出てこないハジメを迎えに来た女性の1人がイケメンなハジメを見て驚き、さっきは気付かなかったけどよく見たらイケメンじゃんって事で、ハジメと二人だけで次の店に誘います。

なぜかやたらとベタベタしてきてカッコいいを連呼して女性の態度が急に変わって驚きますが、ハジメがウコンドリンクを飲むと元の地味顔に戻り、それを見た女性がお酒に変なものを入れられてイケメンに見えていたのではと勝手に勘違いして怒り、ハジメをビンタして帰っていくというオチで終わります。

 

ハジメは鏡を見ていないので自分ではイケメンになってる事に気づいていません。
女性の態度の謎の豹変を翌日、相葉に話し、レア物の日本酒につられて、相葉と知り合いの女性が幹事の合コンに行くことになります。
ハジメは日本酒好きなのです。

合コンの女性幹事は、ハジメも知り合いだった、高校の同級生で学年トップだった優子。
今は大学で研究員をしていて、生物学系の研究をしているリケジョ。

ここではまだサワーとして割る前の強めの酒を飲んでしまってつぶれて寝て起きたらイケメンになっていて、女子達に騒がれます。
そしてここで相葉が初めてハジメのイケメンを目撃し、ハジメに鏡を見せてハジメにもイケメンに顔が変わっている事を自覚させます。

騒がれた後、酔って倒れたハジメは相葉と共に優子の家に連れて行かれ、優子に生物学的興味を持たれたハジメは、実験といって酒を計りながら飲まされて調べられます。

 

そしてアルコールを摂取すると、ハジメはイケメンになりフェロモンも発する事がわかります。酒が抜けると元の地味顔に戻り、特にウコンドリンクが効きます。

実はハジメは、子供の頃はイケメン化した顔に似た、西洋人ぽい顔立ちで色素も薄く、可愛いくて女の子にも見えるような顔をしていました。母も美形&フェロモン持ちで、子供の頃のハジメと似ていて、ストーカーや痴漢等の被害が酷くて煩わしく、今は父親の仕事をきっかけに外国の人里離れたところで暮らしているとのこと。

ハジメは会社の後輩と飲みに行った時、幼馴染で初恋の女の子のハルカに似た女性に会います。
この時、女性が飲みたかった日本酒の最後の一杯をハジメがさりげなく譲った事で、ちょっとした交流が生まれ、ハルカ似の彼女が気になったハジメが相葉と一緒にまた同じ店に来た時に、また彼女に会います。

結局、彼女はハジメの幼馴染のハルカでしたが、彼女には婚約者がいました。

彼女の実家は酒造をやっていて、数年前に経営が傾いた時に経営コンサルタントとして彼女の実家を担当したのが彼氏の木崎で、彼のおかげで経営を立て直し、父親にも気に入られて、結婚の話も進んでいます。

でもハルカは周りに勧められて結婚するつもりになってたものの、木崎と一緒にいても満たされないと感じていて、本気で好きになっているわけじゃなく、体の関係もまだなく、木崎とそういうことをする気になりません。

 

また木崎は、ハルカと本気で結婚するつもりはあるものの、ハルカは結婚にはいいけど真面目でおとなしすぎると思っていて、ハルカの他にも遊びのつもりで付き合っている彼女が2人いました。
木崎が他の女性とキスしているのを、ハジメは相葉と一緒に飲んでいた店で見てしまい、しかもイケメンになっていたハジメに木崎が迫ってきて更に驚きます。

バイなのか?と思われましたが、結局、うぶなハジメが「一晩付き合う」というのをHするという意味じゃなく、一晩中飲み明かすという意味だと思ってたことに木崎の気が削がれてか、「からかってゴメンね、普通に女の子が好きだ」と言って終わるんですが、ほんとにただからかっただけなのかどうなのか、わかりません。

そこでイケメンになっててハジメの正体に気付いてない木崎は、結婚と恋愛は別と考えてて、結婚しても今まで通りに女遊びは続けるつもりだという事を話します。

ハジメは女の子みたいに可愛かった子供の頃、男子達にいじめられてるのをハルカによく助けられていました。それが情けないのと、ハジメをかばうことでハルカも悪く言われるのが嫌で、ほっといてくれと言ってハルカを拒絶してしまうようになるんですが、その状態のまま、ハルカは家の都合で父親が実家の酒造を継ぐことになって、挨拶もできないまま慌ただしく引越してしまい離れてしまったため、ハルカはハジメに嫌われてしまったと思っていました。

 

ハジメはその後、自分の何代か前の祖父が今のハジメのような地味顔で昔の警官で強かったという話を聞いて、自分も強くなりたいと思い、体を鍛え、彼のような顔になりたいと強く願いながら成長したことで、顔が地味顔になっていった、というのが地味顔になった理由でした。

ハルカは最初は地味顔になったハジメに最初は気付きませんでしたが、それでも交流を重ねるごとに、徐々にハジメにひかれていきます。ハジメは幼馴染だと言うかどうか悩みますが、ある時イケメンになってしまってハルカにばれ、「早く言ってくれればよかったのに、ハジメちゃんはハジメちゃんでしょ」と言われます。

ハジメは勢い余って思わず「ずっと好きだった」と告白してしまいますが、ハルカはハジメの胸に頭をつけた後、顔を上げて笑顔で「嫌われてなかったんだ、よかった」と言って、友達としてこれからもよろしくという言い方をして誤魔化しますが、顔が赤くなっていて、ハルカも実は嬉しく思っていて動揺していた様子が伺えます。

 

ハルカが実家の父が作った新しいお酒の試飲をハジメに頼むという形で会ってるのを、木崎がかぎつけて乗り込んできて「浮気者」とハルカを詰りますが、木崎が女遊びをしてる事を知ってるハジメは黙っていられず、人のこと言えるのかとハルカを庇います。

でも木崎は地味顔のハジメとイケメンのハジメが同一人物だと知らないので、ギクリとするものの証拠はあるのか等と言って、地味顔なのに生意気だとハジメに頭から酒を浴びせかけた事で、ハジメがイケメンに変身。

木崎は驚きつつも強気でいましたが、ハジメのフェロモンにひかれて集まってきた人たちの中に、木崎の彼女二人もいて、二人とも木崎に声を掛けてきたことで、動かぬ証拠が自らやってきます。

形勢逆転して木崎はハルカに下手に言い訳&説得を始めますが、「私の人生にあなたなんていらない」と言ってパーンと木崎の頬を平手打ちして、別れます。
木崎はそれぞれに「彼女」と言って付き合っていたようで、彼女2人と木崎の修羅場になります。

 

これで邪魔者の木崎は消滅して、ハルカは婚約解消し、ハジメと両思いになれるんですが、ハジメのネガティブ思考のせいで、ハジメが尻込みしてしまい、すぐにうまく進んでいきません。

警官だったハジメの先祖が、ハジメにだけ見える幽霊みたいな感じで、活を入れてくれたりして、自分にできることをやろうと、なんとか前向きになり、まずはハルカの父に酒造りを教えてもらいに行きます。

ちょうどその時、テレビカメラの取材が突然来て、イケメン化したハジメが見つかって、騒がれますが、ウコンを飲んで逃れます。
そして、ハルカと一緒ならがんばれる、一緒に添い遂げてほしいと言ってプロポーズ。
無事にハルカと結婚し、ハジメは脱サラして酒造の仕事を始めます。

テレビ取材の時の撮られた映像がネットに流れて話題になりましたが、ハジメはウコンを飲んで逃れ続け、幻のイケメン等と呼ばれて、ハルカの実家の酒はイケメンになれる酒というイメージで人気銘柄の仲間入りをしました。

 

そしてずっと陰ながらハジメを応援してくれていた相葉と優子もいい感じになっているらしいというところで、幸せなハッピーエンドです。

結局、ハジメのイケメンは、イケメンで定着する事はなく、基本は地味顔、お酒でイケメンになる体質というままで終わりました。

ハジメのイケメン顔の美形さん具合がとても好きです。
ハルカも好みの美形さんで、見た目もいいし、中身も好き。
そんな二人の純愛なところがすごくよかったです。

ハジメの友人の相葉と優子もずっといい人で、助けになってあげてて、すごくいい人たちでよかったです。優子は実験対象として〜みたいな感じで最初怪しかったですが、変なことする事はなかったです。

 

ハジメとハルカにまとわりつく男女はクズでしたけど。
ハジメのイケメン顔にだけ反応して寄ってきて、イケメンがバレて他の人にバラすと脅されて付き合う事にまでなった会社の女性がいましたが、ハジメがイケメンになれないってなったらあっさり振ってくれて消滅しました。

お酒でイケメンに変身するなんてバラすって言っても、普通は誰も信じないから脅しのネタにならないと思うんだけど、それで脅されちゃうのがハジメのヘタレなところって事なんでしょうか。

地味顔がイケメンになるけど、実は子供の頃、美形だったっていうのがなかなかおもしろかったです。そこで、イケメンに固定されることを期待しましたが、そうはならず、そこはちょっと残念。
でも、内面的にはその方が面白みがあるのかもしれないですけど。

 

ハルカが引越した後、鍛えた割に、力はそこそこあっても、内面は全然ヘタレなまんまなところが、だいぶ残念だなと思います。
うーん、なんかものすごくもったいない気がしちゃいます。
あんな美形だったのが、地味顔を願ったせいで地味顔になっちゃうなんて・・・。
元に戻ってほしかった。

ハルカのお父さんも、頑固親父とかでは全然なくて、人のいいおじさんで、最後の方で、テレビ取材が着た時にあたふたした後、ハジメのイケメン姿を見て「これはイケる!」と思って「婿です!」って言っちゃうのが面白かった。

二人の純愛なところがよかったので、最後はちゃんと二人が結ばれてほのぼのハッピーエンドになってよかったです。

作者さんはまだ新人さんなようで、つたない感じなところもありましたけど、美形さんの絵が好きだし、話もそこそこ面白かったです。