漫画「恋の罪、愛の罰」漫画:羽生シオン 原作:アビー・グリーン 感想


<↑試し読み> Renta!

 

ハーレクイン・コミック。
「ファム・ファタールの息子たち」という3部作シリーズの1作目。
ファルコーネ・モーターズのCEO、ラファエレ・ファルコーネと、研究員で恋人だったサマンサが再会しての恋のお話。

renta!の試し読み↑はページ数多くて約50ページ読めます。(2019/10現在)

ピッコマにて。完結。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

まず冒頭は「ファム・ファタールの息子たち」シリーズの主役たちが登場します。
彼らの母親エスペランサの葬儀で、3人が顔を合わせます。
年齢順に、

セサル・ダ・シルヴァ
ラファエレ・ファルコーネ
アレクシオ・クリスタルコス

の3人は、全員父親が違う異父兄弟。
ラファエレとアレクシオは一緒に育ちましたが、セサルはこの葬儀で初めて2人に会いました。

同じ作者(漫画の)の羽生シオンさんが書いた「大富豪の結婚の条件」4部作シリーズと同じく、みんな大富豪です。

彼らの母親エスペランサは、金の切れ目が縁の切れ目で、男を乗り換えてきた女性。
ラファエレ・ファルコーネは幼い頃、実父が会社を倒産させた時に、エスペランサが父を捨て、ラファエレを連れて、ギリシアの資産家の男と再婚しました。

再婚先の父は、実子のアレクシオだけをかわいがり、連れ子のラファエレには辛く当たったので、18才で家を出て、身一つで働いて、実父が倒産させたファルコーネ・モーターズを再興し、世界的なモーター会社にして成功しました。

 

4年前、そのファルコーネ社で働いていた研究員、サマンサとラファエレは付き合っていましたが、ラファエレは軽い関係を望んでいたため、サマンサはそれに合わせていました。しかしサマンサが真剣な交際を望むと「愛や結婚を望むならそれには応えられない」とラファエレに別れを告げられました。

この時、サマンサは妊娠していましたが、結婚を望まないラファエレにそれは伝えられず、ファルコーネ社も辞めて、地元に戻ってロンドン大学の研究員をしながら、息子を産んでシングルマザーで育てていました。

そして、ファルコーネ社の研究施設がロンドンに作られた記念パーティーに、元研究員のサマンサのツテで研究資金の提供を頼めないかと、学部長に連れてこられた時に、ラファエレに再会します。

 

再会時はクールな対応でしたが、パーティーでサマンサが男にちょっかい出されているのが気になったラファエレが、サマンサを連れ出して車で家まで送ります。
その際に、家から息子のマイロが出てきて、マイロの瞳の色が、エスペランサ、ラファエレと同じだった事から、あっさりラファエレに気付かれ、サマンサもラファエレの子だと認めます。

するとラファエレは跡継ぎでもあるのだからマイロの親権は自分がもらうと言い出します。

「実は妊娠してて別れた後で子供を産んで育てていた」っていう設定は、ハーレクインではよく出てくる設定ですが、現代が舞台の話だったら「避妊しないのかい?」っていつも思ってしまいます。
まあ、したつもりで失敗ってこともあるでしょうしね、ハーレクインのストーリー展開上はお約束な展開みたいなので、そこはツッコんでも仕方ない事なんでしょうけど、今回の場合、ラファエレは遊びのつもりで付き合ってたらしいので余計に避妊に力入れなきゃだめじゃんって思います。

 

あと瞳の色がキーになってくるのは、西洋人ならではだなぁといつも思います。
でも親子の場合、両親の色が混ざらず、片方とだけほとんど同じ色ってよくあることなのかなぁ?っていうのもいつも思うんです。原作は外国の方なので、そういうことなんですかね。

この後、ラファエレは、サマンサの上司と話をつけて資金提供をする代わりにサマンサの研究をファルコーネ社の研究施設でするよう条件をつけてサマンサを自社に引き込んだり、マイロが自分に慣れるようにとサマンサの家に一緒に住み始めたりします。

 

そしてマイロが祖父がいることを知って祖父に会いたがったので、ラファエレが成功してから買い戻したミラノの邸宅に連れていって実父に会わせます。
ここでラファエレはサマンサを乱暴に抱き、みんなの希望にそうには結婚するしかないと結婚を申し込みますが、サマンサは都合がいいからと結婚しても虚しいだけだといいます。

サマンサは、子供の頃に母が亡くなってから父と二人暮らしでしたが、父は研究しか頭にない人で、父が自分を見てくれるように一生懸命勉強して研究者になりましたが、結局、父は自分を見てくれることの無いまま亡くなりました。

その経験から、サマンサは二人でいてもひとりぼっちなのは、一人で暮らすよりも孤独だと言います。

そんな環境でマイロを育てたくない、ラファエレが会いたい時に会いに来ていい、マイロがある程度大きくなって跡継ぎを望めば親権を譲るからそれで文句はないでしょう、と言ってサマンサは結婚を断ってマイロと二人で帰ります。

 

父と二人残った屋敷で父から、ラファエレは成人して我が道を行くと思っていたのに、ファルコーネ社の権利を自分にくれと電話してきた時、その場に泣き崩れてしまった、なんて誇らしくて愛情深い子なのだろうと、言われてラファエレはサマンサを追いかけてロンドンに会いに行きます。

ここでラファエレはサマンサから結婚を断られて諦めてたのに父の言葉で奮起して、素直な気持ちを伝えに、もう一度アタックしに行くんですが、どういう気付きだったのか、いまいちピンときませんでした。

自分に愛はないと思っていたのに、実は愛ある行動をしてたってことに気付いたって事なんでしょうか。
父に屋敷を買い戻したのも「当てつけだ」と言ってたけど、それもそうは言ってるけどやっぱり父のためだったってことなのかな。

 

ラファエレはサマンサに再会した夜からの自分の行動は、マイロの親権がほしいというのは口実で、全部サマンサが狙いだったと言います。
「君に本気になって失うのが怖かったんだ」と本心を打ち明けて、改めてラファエレはサマンサに結婚を申し込み、サマンサは今度は承諾、結婚式をあげてハッピーエンドです。

最後は、シリーズの次の話がアレクシオなので、アレクシオの話に繋がる感じで登場してます。

 

母親の影響で愛を信じられなかったけど、彼女と出会って本当の愛を得られたって感じのお話でした。
彼女が何かしたってわけじゃなくて、彼女自身が自分にとってそういう存在だった、そういう女性との出会いが頑なだった自分の心を動かしたって感じです。

やっぱり羽生シオンさんの絵は好きだなぁと思いました。
でもこのシリーズの主人公の中ではアレクシオはあんまり好みじゃないですけど。

ラファエレみたいな見た目と無口でクールな羽生シオンさんのキャラは、すっごくかっこよくて大好きです。サマンサもかわいくて美人だし。
主役カップルは「眠れぬ夜の情熱」のカップルと雰囲気が似てます。

サマンサは研究員だったけど、この話の中では研究員らしさとか特になかったですね、性格とか行動とかには。別にいいんですけどね。

 

ハーレクインの話は、小説はたぶんもっと細かい部分があるんだろうなと思いますが、漫画は大概どの作品も同じくらいの長さにまとめられてて、結構あっさりしてるので、キャラの見た目と雰囲気が好みっていうのが重要です。私にとっては。

なので、羽生シオンさんの作品は、ピッコマで配信されたら全部読んでます。
残念ながらシリーズものの全部が配信されてはいないんですが。

「恋の罪、愛の罰」はまだ最近配信され始めたので、他のもこれから配信される可能性もあると思いますけど。ぜひ配信されて欲しい。特に最後のセサル・ダ・シルヴァの話。
「大富豪の結婚の条件」シリーズも最後の作品だけまだ配信されてないので、ぜひ配信されてほしいです。

最近、わりとハーレクイン作品もどんどん新らしく配信されてるようなので、そのうち配信されないかなーと思ってます。