漫画「ぐるぐる音楽祭」櫻井リヤ 感想


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音楽祭を見に来る観客のちょっとしたエピソードが短編で綴られていくお話。
1つのエピソードの最後に次のエピソードの登場人物が出てきて、ぐるぐるとお話が続いていく。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

マーガレットBOOKストア!で無料連載されていた作品で、そこで見かけて読んでましたが、なんかちょっとおもしろいと思ったけど、こまめにチェックしてなかったので、しばらく忘れてて最初の方、読めなかった話もありました。(無料掲載されてるのは最初の2話+最新話くらいなので)

今は電子書籍のみで販売されてるようです。
全9巻ですが、1巻は普通のコミックの1話くらいの長さ。

電子書籍サイトで、ちょうど最初の5巻まで期間限定で無料で読めたので、読めなかった話が読めました。

全部、いろんな音楽祭、フェスに関わる人間模様が描かれています。
再会があったり、新しい恋が生まれたり、全体的になんかちょっといい話になってて、1つ1つの話は短いんですが、わりとおもしろいんです。

 

私が好きなのは、最初の1〜2話に出てくる小春と類の話。
類は、最初に出てくる夏フェスに出演する駆け出しのバンドのボーカル。

類は小春と付き合ってて、小春はまだ売れない類のバンドを応援してたんだけど、売れ始めた類のバンドのMVに出演したモデルの女の子の毒牙にかかって、写真を撮ることに興味があるから被写体になってほしい等とうまい事言われて、SNSに写真を度々アップされ、小春に浮気を疑われて破局したのが1年前。

小春が夏フェスで観客として見てくれてることに気付いた類が、今でも忘れられない恋があってその子の事を想って書いた曲を歌うと言って、小春に捧げた歌を歌う話。
ずっと後悔してる、君ほど好きになった人はいないという歌を聞いて、小春が涙して終わります。

確か最終話で、今までの登場人物がほぼ出てくるんだけど、そこで類と小春は一緒にいた気がします。

類は浮気してたわけじゃなくて、まだ若い純朴青年だったがゆえに、よくわかんないうちに、相手のモデルの女の子のSNSに写真をアップされて、付き合ってるかのような匂わせ記事に使われちゃってただけなんです。

 

たぶんこの類&小春の話が途中までしか読めてなかったような気がしたんだけど、読んでみると結局ここではよりを戻すとこまでは描かれてなかったので、違ったかも。読めてたのにもう掲載されてなくて確認できなくて、もっと先があったのかと思ってたのかもしれないです。

この類の見た目が超カッコいいのが、ズキュンときました。

絵柄は、わりと簡単めで、細かく描かれるタイプじゃない絵柄でシンプルなんだけど、なんかカッコいい人がすごくカッコいいんです。

タイプによっては好みじゃない人もいましたが、みんな男性がカッコいいです。
女の子は男に比べるとそれほど好みじゃないけど、でもOKな範囲内でそこそこかわいい。

あと、なまりのある地方出身者も結構でてきて、純朴な感じの人達で、そこも好きです。
すごくカッコいい、と思ったバンドのボーカルがしゃべったらなまりがあって、帰ろうとしたおじーちゃんに聞いてほしいと言うエピソードとか。

あとは、私は全部はわからないんだけど、実在のバンドやメンバーの名前をもじって作品中に登場させてて、マン・オン・ザ・ムーンがうさぎになってたりします。

すっごくおもしろいという程ではないんだけど、ちょっとイイ話な短い話が続くのが、わりと好きだなーと思いながら読んでたので、もっとずっと続いてほしかったです。

毎話、フェスに絡めて描くのが難しかったのかな。


私自身は、コンサートやフェスに行ったりしないし、フェスに行きたいとも思わないんだけど、音楽は好きなので、話として読むのはおもしろいです。
モッシュとか絶対ムリだし( ´ _ゝ`)