漫画「ある日、お姫様になってしまった件について」漫画:Spoon 原作:Plutus 感想(1)

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ある日、睡眠薬を飲んで寝ただけのはずが、目を覚ましたら、以前読んだ事のあるロマンス小説の世界で、皇帝に殺されてしまうお姫様になっていた、という異世界転生もの。

ピッコマにて。日曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「ある日、お姫様になってしまった件について」感想(1)
「ある日、お姫様になってしまった件について」感想(2)

 

1〜8話

ある日、仕事帰りの女性が睡眠薬を飲んで寝ただけのはずが、目を覚ましたら、金髪、水色のキラキラな瞳の赤ちゃんになっていた。
前世では孤児で、働いてはいたが、どちらかといえば貧しい生活をしていた。

自分の名前アタナシアと父親である皇帝の名前クロードが、以前読んだことのあるロマンス小説と同じで、小説の世界に来てしまったのだと気付く。
前世では自殺したわけではなく、寝るために睡眠薬を飲んで寝ただけなので、睡眠薬の飲みすぎ等で死んでしまったのか、自分がどうなったのか不明。

「かわいらしいお姫様」というタイトルのその小説は、ネット上で人気のロマンスファンタジー小説だった。
物語の主人公は、オベリア帝国の2人の姫のうち、次女のジェニット。

父親の皇帝クロードは、国民から帝国を救った英雄として称賛されているが、正式な皇位継承者で皇帝だった兄を殺して帝位についた地も涙もない男。
そんな冷酷な人間の心を溶かしたのはジェニットだった。

 

クロードの婚約相手だったジェニットの母親は彼を怒らせて婚約を解消され、お産の時に亡くなった。
ジェニットの叔母はジェニットをクロードから守るため、彼女の出生を隠して、アルフィアス公爵家に彼女を頼んだ。

アタナシアはクロードから放置されて後宮で育てられ、人目を気にする気弱な姫になる。
9歳の誕生日に初めて庭園で父親のクロードと顔を合わせるが、クロードは彼女を無視。
アタナシアは父親から愛されようとあらゆる努力をして才芸に秀でた優雅な姫に成長した。

14歳のアタナシアのデビュタントで、自分と同じ年のジェニットに出会う。
明るいジェニットと暗いアタナシア。

クロードもジェニットが娘だという事を知るが、最初は冷たく接していたものの、明るくかわいらしいジェニットはクロードの氷のような心を溶かした。

アタナシアはジェニットを妬まず宮に慣れるよう手伝いもしていたが、ジェニットに毒を盛った罪を着せられ、クロードはアタナシアを処刑してしまった。アタナシアの18歳の誕生日だった。

真犯人はジェニットの叔母で、アタナシアをはめてジェニットを第一位の皇位継承者にするための陰謀だった。後に真相が明らかになっても、クロードはアタナシアを殺した事に罪悪感も後悔も感じなかった。

ジェニットは罪悪感を感じていたが恋人、アルフィアス公子(公爵の息子)の腕で慰められながらその事を乗り越え、結婚して一生幸せに暮らした。

というお話。(3話)

 

アタナシアのフルネームは、アタナシア・デイ・エルジェア・オベリア。

今、アタナシアが住んでいるルビー宮は元々皇帝の妾達が住む場所、ハーレムだったが、アタナシアが産まれた日に、アタナシアの父親である今の皇帝、クロード・デイ・エルジェア・オベリアが、ルビー宮の人々を全員殺してしまった。

アタナシアの母は皇宮の宴会に招待されたシオドナの踊り子で、皇帝に気に入られ一夜を共にした後、捨てられ、アタナシアを生んで死んでしまった。

アタナシアという名前は、不滅を意味し、産みの母が自らつけてくれた名前。
アタナシアの容姿は母親にそっくりだが、瞳だけは父親譲りで、直系の皇族だけが受け継ぐ宝石眼。
この世界の人は固有の魔力を持つが、直系皇族の波長は特に独特で、そんな瞳になる。

そのルビー宮で皇帝から放置された状況なため、リリアン・ヨルク(リリー)以外のメイドは、アタナシアの面倒をきちんとみず、ルビー宮にある金目の物を盗んでいる。

 

リリーは小説の中で唯一アタナシアの潔白を主張して、アタナシアと一緒に処刑されてしまった人。

リリーは、アタナシアの母である、鳥のように自由な魂のダイアナに憧れていたため、志願して宮に入りアタナシアの保母となった。

ルビー宮のものが盗まれている事は、リリーがメイド長を問い詰めて解決。

アタナシアは、5歳になった。
メイド達に愛想を振りまいて接するように努め、優しく接してもらえるようになっている。

アタナシアは、18歳になる前にここから逃げるための逃走資金に使えるようにルビー宮の宝石等を少しずつ盗んで袋に貯めていた。

ある日、庭を散歩していて迷子になり、ルビー宮以外の誰もいない宮を見つけ、貯めた逃走資金をここに隠すことにする。

ルビー宮を抜け出して逃走資金を隠しに来ている時に、クロードと護衛騎士のフィリックスに出会う。
アタナシアが発見して誰もいないと思っていた宮は皇帝クロードの暮らす皇帝宮だった。

 

「俺の宮で何をしていた」と問われ、持ち上げられるが、アタナシアは恐ろしくて何も答えられない。
しばし見つめられた後、「迷子になったようだな」と言われ、アタナシアはクロードとお茶をする事になる。

本来オベリアでは不死と関わる名前は後に皇帝となる正式な皇位継承者だけに許されており、その名は皇帝だけが直接授けることができる。

ルビー宮で殺人が起きた日、クロードはアタナシアを殺すつもりだったが、アタナシアの名前を聞いて「面白い 名前の通りしつこく生き残れるか見ものだな」と言って殺さなかった。

「己の子に それも女にその名をつけるとは
 生きていれば八つ裂きにしても足りぬほどだ」

クロードは皇后の実子ではなかったため、持つことのできなかった帝王の名前。

クロードからの話でリリーが5年前にクロードの前に出てアタナシアの面倒を見たいと願い出た事を知る。

「俺の前に立ちふさがって死ななかったのはお前の母親とその女だけだ」

「お前は俺が誰かわかっているのか?」というクロードの問いかけに
アタナシアは内心震えながらも「お父様? パパ? パパ!」と最後は笑顔で答える。

クロードからジーッと冷たい鋭い目を向けられ続けた恐怖のお茶会をアタナシアは、愛想よく明るい演技でなんとか乗り切った。

 

アタナシアは皇帝宮に近づかず、小説で出会う予定だった9歳の誕生日もクロードに会わずに、死ぬまでおとなしくルビー宮に閉じこもって生活する案をプランAとして考えていたのだが、今日小説の予定よりも早くクロードに出会ってしまったため、そのプランはダメになった。

今後は、18になる前に逃走資金を集めて宮から逃げるプランBと、クロードに一生懸命愛想を振りまいてクロードのハートをゲットするプランCの同時進行でいこうと決意する。

 

9〜10話

リリーとアタナシアはクロードに呼ばれ、「これからは俺が姫の全てを管理する。今日からアタナシアは姫としてふさわしい待遇を受けるのだ」と告げられる。

それからは、アタナシアは時々クロードと父娘の恐ろしい時間を共に過ごした。

そしてクロードはアタナシアが大胆にぶしつけな事を言っても彼女を殺そうとせず、むしろ子供のように怖がるほど、型にはまった返事をするほど、機嫌が悪いようだと、アタナシアは感じた。

アタナシアはクロードと2人で小舟に乗る。
アタナシアは蓮の花を取ろうとして乗り出して湖に落ちてしまうが、助けを求めても、クロードが冷たい目で見ているだけなのを見て、アタナシアは助けてもらえないと感じる。

おそらくクロードがアタナシアを引き上げ、岸について、クロードはフィリックスに明日からアタナシアに水泳を教えるように言う。

5歳の子が湖に落ちたのにあんな眼で見ているだけなんてサイテー野郎だ、プランCなんて無理、プランBだとアタナシアはベッドの中で考える。

 

11〜12話

ルビー宮に、アタナシアの護衛騎士としてフィリックス・ロベインと、大量のメイドが送られてくる。
正式な護衛騎士をクロードが熟慮中で、フィリックスはそれまでの仮の護衛騎士。

送られてきたメイド達は、今までいたメイド達と交代させられてしまい、今までアタナシアが苦労して信頼関係を培ってきたメイド達がいなくなってしまった。

フィリックスによると、アタナシアが取ろうとした蓮の花は魔法の生物で、人を誘惑して湖に落としてから養分を吸い取る恐ろしい植物らしい。

今日の晩餐をクロードがアタナシアと一緒にとりたいと言っていると伝えられ、フィリックスに抱っこされて皇帝宮に行く。
クロードは、何でも自分ですることを好むので、メイドや他の騎士がいないらしい。

 

クロードはまだお昼寝中らしいというので、アタナシアは帰ろうとするが、フィリックスに「姫様が直接起こしてさしあげれば陛下も喜ばれますよ」と言われてクロードの部屋に一人で入れられる。

部屋を見ていると、ジェニットの母親の肖像画があることに気が付く。

クロードがベッドで寝ていると思い、アタナシアはベッドを避けて、壁の方の絵を見ていたが、気付くとすぐそばのソファでクロードが寝ていて、驚愕する。

ぐっすり寝ているクロードを見て、1発殴ってみようかと考え、殴ろうとするが、手にずっと持ったままだったチョコ?が落ちてクロードの顔に当たり、クロードが目覚める。

焦ったアタナシアは誤魔化すために、悪い夢とバイバイする歌だよと言って子守唄を歌う。

部屋に運ばせて二人で晩餐。
肉がうまく切れずにナイフを落としたりして内心戦々恐々としつつ、愛想を振りまく。

 

夜、アタナシアはベッドで眠る前にリリーに子守唄を歌ってもらう。

クロードはアタナシアが落としたチョコ?を手に見つめながら、アタナシアとダイアナを思い浮かべる。

クロード「ダイアナに似てるからか 無礼じゃないか?」
フィリックス「確かにダイアナ様は簡単に忘れられる方ではありませんでしたね」

クロード「あと1年過ぎれば あんな女の顔なんて完全に忘れられたはずだ」

アタナシアを本当にかわいらしい姫だというフィリックスに
クロードは「そんな感情はとうの昔に忘れた」という。

クロードの部屋を去り、フィリックスは思う。

そうおっしゃっても
その中にまだ残っているはずです

いつか あなたにも
明るい光が差し込む日が来ますように

1〜12話 感想

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とにかくクロードがむっちゃカッコいいです!
色気のあるかっこよさ。

でもすごく謎に思うのは、なんでクロードの服装は、一人だけ古代ギリシャの服みたいな、ものすごい胸がはだけた服なんだろうってことです。

全体的に中世西洋世界みたいな服だし、フィリックスもそうなのに、一人クロードだけ、そんな服装。
写真?とか回想では軍服とか西洋貴族っぽい服を来てるのに、登場してから毎回同じ服。
色っぽいけど、なぜ一人だけそんな服なの?とすごく疑問です。

アタナシアもかわいい。
まだ現在のお話の中には登場してきてない主人公のジェニットよりもアタナシアの方が見た目好みだし、かわいくてキレイです。

それとクロードとアタナシアの直系皇族の水色のキラキラした瞳がすっごくキレイ。
光ってるようにも見える瞳がキレイだし、暗い中で浮かび上がるクロードの瞳は凄みが効いてる。
7話とかコワイです。カッコいいけど。

これはデジタルな色を生かした瞳だなぁと思います。

 

アタナシアの母、ダイアナはクロードに捨てられたと最初の方の説明では出てきますが、クロードやフィリックスの反応を見ると、実際はクロードもダイアナの事をとても愛していたんじゃないかと思いました。

ルビー宮の虐殺も、愛していたダイアナが出産で亡くなってしまい、ダイアナの死の原因になったアタナシアを殺そうとしたのかな。

ルビー宮の他の人達が全員殺されてしまったのは、ダイアナに辛く当たっていた、酷い仕打ちをしていた、そのために弱っていたダイアナが出産で亡くなる事になってしまった等が、ダイアナの死後にわかって、怒り狂ったクロードがルビー宮人達を皆殺しにしちゃったのかな。

・・と思いました。

あと1年でダイアナの顔を完全に忘れられたはずということは、ダイアナの死から5年経った今も、まだダイアナを忘れられていないということ。

クロードとダイアナの関係が実際どうだったかというのは、追々出てくるんだろうなと思います。

 

アタナシアが湖に落ちた時、アタナシアはクロードが助けてくれなかったと思ってますが、岸にいた時にクロードの腕が濡れているのが描かれているので、たぶんクロードがアタナシアを引き上げたんだろうと思います。

それにアタナシアが湖に引き込まれてたんなら、自力で上がってくるのは無理っぽいし、フィリックスや他の人が濡れてないから他の人が助けたわけでもないようだし。

氷の表情のクロードに、愛想よく笑顔で受け答えしつつ、実は内心恐怖でのたうち回ってたりするのが、コミカルに描かれてて面白いです。

いまのところクロードの心情はあまりわかりませんが、あんなに冷たい表情になったのはなぜなのか、とても気になります。

それとまだ出てきていないジェニットはどんな子で、どんな風に絡んでくるのか。
キレイな子ということになってるけど、茶髪で水色の目っていまいちなんだよなぁ。
茶髪に映えるのは緑とか、黄色かな。

魔法のある世界みたいですが、日常的に使われてるわけじゃないようで、今のところ出てきません。

アタナシアという名前、どうもアナスタシアという名前を先に知ってるせいか、まだ慣れなくて、ついアナスタシアと読んでしまいそうになります。

クロードとアタナシアがカッコいい&かわいいのと、コミカルな感じがおもしろいので、続きが楽しみです。

 

「ある日、お姫様になってしまった件について」感想(2)