漫画「精霊王エルキネス」原作:イファン 制作:Nyarrr 感想(5)

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ピッコマにて。土曜更新で連載中。
家族から嫌われ虐待されていた高校生男子が事故で亡くなる。家族に愛されなかったのは生まれる世界を間違っていたためだとわかり、異世界に水の精霊王エルキネスとして転生し、幼い皇帝を助けて世界を巡るお話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

漫画「精霊王エルキネス」感想(1)
漫画「精霊王エルキネス」感想(2)
漫画「精霊王エルキネス」感想(3)
漫画「精霊王エルキネス」感想(4)
漫画「精霊王エルキネス」感想(5)
漫画「精霊王エルキネス」感想(6)

 

船旅、エルフのエンディール

79話

次にエンディールに再会したのは、次の船に乗るために到着した船着き場。

慈愛の女神イリヤの司祭が浄化儀式をするため呼ばれている
浄化儀式は不運を未然に防ぐために神のご加護を祈り悪い運気を払う儀式で、大事な行事の前に神殿に要請して行う儀式。

船長はケチでいつも浄化儀式を行わないが、エンディールが嵐が起こると予言したから呼ばれたらしい。
そしてエルはイリヤの司祭がエンディールにお金(ワイロ)を渡しているのを見てしまう。

トロウェルの固有能力は、慧眼。
そのため稀に強い大地の気を持つ者が未来を予知する能力を持つことがある

暴雨や荒波のような自然現象のほとんどは精霊たちによるもの
自分たちの王(エル)とその契約者が乗っている船をひっくり返すはずがない。

だから嵐が起こるはずはなく、エンディールの予言ははずれている。
それにエンディールが予言能力を持っているにしては大地の精気がほとんど感じられず、相性はむしろ水だが、それも微力なのがおかしい。

 

領主館の者がエンディールが町の人達を騙して扇動しているのではないかと調べに来るが、エンディールは予言じゃなく、豊富な知識で天候を予測しているだけだという。
エンディールは水の上級精霊シキュエルを出して見せ、これが予測の根拠だと言って、官僚たちを追い返す。

精霊そのものが自然界に与える影響が大きいため
最も密接した関係にある精霊士は季節や天気を読むことが出来る
特に上級精霊士は精霊との共感能力が非常に優れているため
数日後、数カ月後の天気を予測することは容易
つまり生きた気象庁のようなもの

上級精霊は最高級魔法に匹敵するほど破壊力が強く
契約者自体があまりいない
いろんな国が競ってスカウトするくらい

エルは、エンディールから感じられる水の精気はとても弱いのにどうやって上級精霊と契約したのか不思議に思う。
それに上級精霊士ならエンディールは嵐が来ないのをわかってて嘘をついていることになり、シキュエルが何も言わないのも解せない。

盲目的に主人に従う下級精霊ならいざ知らず
上級精霊は高いプライドと誇りを持つ存在

シキュエルに何か考えがあるのだろう、エンディールとはもう会わないし、と思って、とりあえずエルは干渉しないことにする。

 

80話

出港後、エルはエンディールも船に乗っていることを知る。
そしてエンディールが二日酔いの船員からお金を取って疲労回復してあげているのを目撃し、自分のマナを消費するから理解はできるが、エルは不愉快に思う。

水の精霊は肉体に活力を吹き込むことができる
シキュエルなら一時的な疲労回復だけじゃなく体を最高の状態にすることも可能

エル達はエンディールが「水の上級精霊と共にする海底探検」という商売をやっているのをみかける。
シキュエルが空気の膜を作ってその中に人が入り呼吸ができ、海底を探検するという仕組み。

今までエルが出会った人の中で自分の欲のために精霊を利用する者はいなかった
少なくとも精霊士ならそうするはず
精霊は一生を共にする同伴者であり家族だから

エルはエンディールが金儲けの道具に精霊を利用している事に不快さを感じ、その場を去ろうとしたが、エンディールが更に追加料金を取ってシキュエルに魚を捕まえさせる事もできると言うのを聞いて、我慢の限界を超え、ブチ切れた。

エルは大きな波を起こして、エンディールに浴びせる。
シキュエルが波を起こした相手に怒気を向けるが、精霊王だと気付いて驚愕、ガクブル。
エルは黙っているように合図する。

エンディールは精霊士がやった事だと言って口汚く罵り、シキュエルは誰かの攻撃だとは認めるが、誰がやったかは、わからないふりをするしかない。

上級精霊士なのに、精霊の仕業だと気付く勘はあるけど精霊士の精気を感じられないのは変だと思うエル。
攻撃相手に罵り続けるエンディールに、エルはさらに大きな水の塊をお見舞いする。

エル、イサナ、カイの3人はエルの行動にスッキリして、笑い合う。

 

81話

カイが小耳に挟んだ情報だと、エンディールは中間停泊地のリットン港に向かっていて、2ヶ月に1回のペースで行っているらしい。
エンディールがやっていた海底探検は1日に2人ずつ10分程度のもの。
お金を上乗せすると言われても断っていたので、マナ量の都合なのかもしれないが、額の印章が4日に1回消えていて、その日は頑なに断っていた。

エンディールが「精霊の召喚呪文は知らない、召喚して契約したのではなく恩賜契約で、水の精霊王エルキネスからもらったんだ」と言っているのをエルは耳にする。
祈りを捧げていたら、綺麗な水のオオカミが現れ、「私の名はシキュエル、エンディールよ、そなたの切実な祈りに感動された水の王が私を君に賜われた」と言ったという。
後天的に能力を授かったせいか、使いすぎると体が持たないので定期的に休むという。

それを聞いていたエルの前にシキュエルが現れ、許しを請う。
エルがすぐにエンディールが精霊士だと気付かなかったのは正式な契約を結んだ精霊士ではなかったため。

 

平凡な人間が精霊契約できる方法は2つ
精霊王や神のような存在が精霊士にしてあげる方法と
精霊と接触し続ける方法

精霊との接触を続けると親和力が深まる
その場合は精霊が望めば契約を結ぶこともできる

シキュエルもこの2つ目の方法で、王からの贈り物と嘘までついて契約をした
シキュエルは上級精霊だから、かなり多くのマナと親和力を必要とするため、彼と地道に接触して契約を成功させたのはすごい。
生まれ持った資質のない者が上級精霊の親和力を維持するのはかなり困難で、体内に精気を貯めておく空間自体ないから契約もすぐ解除される。だから契約が解除されないようシキュエルがエンディールに定期的に力を与えてきた。
シキュエルは、エンディールと契約を維持するために自らの生命力を犠牲にして命を削っている。

精霊王の場合は契約者が誰であれ契約後も自らの力を使い続けられる。
でも精霊たちは契約者のマナに依存しないと能力が使えない

シキュエルとエンディールの契約は、長くて数年しかもたないだろう。
水の精霊は生まれてまだそれほど時間がたっていないのに、エンディールが既にかなり精霊士として活躍しているということは、シキュエルの力に頼りすぎているということ。
これが日常になった後に、シキュエルが消えてからの現実に、まだ幼い彼が耐えられるか。

 

エンディールのためにも今すぐ契約を解除するようにエルは言うが、シキュエルはそれでも彼の力になりたいので、今回の航海が無事に終わるまででいいので見守らせて欲しいとお願いする。

エルはシキュエルが王である自分よりも他人の味方をすることにショックを受け「気に入らない嫁候補を息子が連れてきた母親の気持ちだ」と思うが、今回の航海までと認める。

シキュエルはエンディールには事情があってそんなに悪い子ではない、責任は全て自分にあり罪を償うから、エンディールには罪を問わないでほしいという。


「精霊王の場合は契約者が誰であれ契約後も自らの力を使い続けられるけど、精霊たちは契約者のマナに依存しないと能力が使えない」ってとこら辺がいまいちよくわからなかったです。
エルもラピスと契約したらドラゴンの豊富なマナが使えるようになった、イサナだと少ないからあまり使えないみたいなこと言ってたと思うんだけど?
「自らの力を使い続けられる」っていうのは自分のマナも使えるってこと?
精霊王のマナってドラゴンより少ないの?
まあ、この文章だけで考えてもわからないので、またマナ等の説明があったらわかるかもしれません。

 

82話

シキュエルとの事で、自分が最善の方法をとったのかと思い悩むエル。
ため息ばかりのエルは、イサナ、カイに心配されて「もしも息子が条件に合わない人と結婚したいと言いだしたらどうする?」と例え話でイサナに質問してみる。

スワルト帝国では皇妃の選出は皇帝だけが関与できると皇法で決められている。
一生涯いろんな制約がついてまわる代わりに配偶者だけは自分で選べるように。
実際に歴代の皇帝達はみんな恋愛結婚。イサナの父も。
身分は問わず、皇妃になって身分が変わり皇族としての待遇をうける
だからイサナは自分の息子=次の皇帝の嫁選びには関わらないという。

名誉や財産の不足なら反対しないし、才能や能力の不足は教えたりサポートすればいい、性格に問題があるのは悩むけど、息子がそれでもいいというなら応援するし、息子を信じてみたい、とイサナは言う。

エルは確信を持って言い切るイサナをみているとなんだか自分がちっぽけな存在に思えてきた。

 

1人が我慢すれば2人が幸せになれる、でもそれが正しい道かわからなくて後悔するかもしれない、というエルにカイは逆に我慢しない状況を想定してはどうか?どっちを選んでも後悔するなら少しでも後悔しない方、気持ちが軽くなる方を選ぶのはどうかという。

慎重に下した決断だからといってうまくいくわけではない。
苦難のない人生なんて存在しない
どんな道を選んでも結局同じ
自分自身を信じてゆっくり前に進んでいくのが大事なのでは?

カイはエルリエンの精気を持つせいか、エルリエンが語りかけてくるような気がした。
「安心して自分の選んだ道を進め」と。

エルが夜の海を見ていると、エンディールが誰かと話している声が聞こえてくる。
エンディールは大金を出すから事故に見せかけて人を殺して欲しいと依頼されるが、金は必要だが、精霊士のプライドがあってそんな汚い真似はしないと断る。

精霊士のほとんどは待遇の良い国に帰属し、貴族にしてもらう代わりに国のために戦場で人を殺す。金をもらって人を殺すのと変わらない。お前こそ精霊を金稼ぎの道具にしている。精霊を金稼ぎに使う奴を今まで見たことがない、まさか殺人さえしなければ何してもいいとでも思っているのか?

エンディールは罵倒されてお金の入った袋を手につかまされてしまう。
「夜が明けたら計画を開始する。あとはお前次第だ」

 

83話

エンディールの海底探検ツアーは今回の航海の名物になって、1日2名限定なので大金を積んでもやりたい参加希望者が増えて予約満杯。

エルは人気のないところで、エンディールに「昨晩の事は聞いた、これ以上シキュエルを苦しめないで」と声をかける。エルは自分も精霊士だから君の力は通じないと言うが、精霊士と言ったことで水をかけたのがエルだとバレる。

エンディールは昨日の金は返すつもりだと言った後、「自分はクズなのかな?」とエルに問いかける。エンディールは昨日の男に言われた金儲けと人殺しについて一晩考えて、悩んでいた。
エルは「クズじゃない」と答える。
上級精霊は甘くないので精霊が同意したなら他人が何を言おうと関係ない。

戦争で人を殺すのは同じ条件で戦っているが、請負殺人は一方的に殺すものだから違う、だからやっちゃいけないとエルはいう。

 

エンディールはシキュエルの合意の上でやっているが、自分がシキュエルを利用しているということはよくわかっているという。
自分の力で精霊士になったわけじゃなく、水の精霊王に贈られたのに、その贈り物を利用してあの方も失望してるに違いない、だからいくら祈っても現れてくれないんだ。

シキュエルは、水の王は精霊王の中で一番美しい、水色の美しい髪と海のように青く透き通った瞳、彼の吐息で波が起き、指先で触れると病が癒やされる、と言っていたという。
シキュエルがあんなにカッコいいんだから精霊王はきっともっとすごいんだろうな。

エンディールは、殺人には興味ないから安心しろ、クズじゃないって言ってくれてありがとうと言って去る。

エンディールの海底探検ツアーで、お金持ちのお坊ちゃんぽいレナという少年が、2回めもやりたいと言って、大金を積んで2回目の権利も得る。
レナは13歳、エンディールの妹と同じ年。
レナにムースという男が話しかけるが、この男が殺人の依頼者っぽい。
嫌な予感がしてエルは霊体で海の中の様子を見に行く。

 

84話

エルが海底探検の様子を見に行くと、空気の泡の外に出ようとする少年をエンディールが掴んで止めようとしていた。少年がムースからもらったお守りのペンダントが光って、何か少年に作用しているらしい。
マナの限界がきてエンディールが血を吐き、シキュエルがペンダントをどうにかしようとするが、ペンダントの何かの力で?シキュエルは召喚強制解除されてしまい、エンディールは気絶する。

エルは少年とエンディールの顔の周りを空気で包み、浮上させる。
エルはペンダントの力を解除(たぶん。ペンダントがどういう作用の物なのかよくわからなかった)。

エルが船に戻るとムースがペンダントを奪おうとし、阻止されると短剣を投げて少年を殺そうとするが、魔族のルカルエムが突如現れて短剣を掴んで阻止。
ムースは捕らえられて倉庫に入れられ港で警備隊に引き渡される事になった。

あの少年レナは、ある貴族の隠し子で、母親と遠くに住んでいたが、事故で急に後継者を亡くした父親が呼び寄せたのを、正妻が殺そうとしてムースを送ったのだった。

エンディールの額の印章(精霊士の契約の印)は完全に消えていて、もう精霊を召喚できない。

 

85話 ルカルエムとの会話1

あの事件以降、エンディールは姿を見せなくなり、精霊を召喚できなくなったという噂が広まった。ほとんどの人がエンディールの日頃の言動が原因だと揶揄した。

それを見かねた船長が、エンディールの妹が珍しい病気で、病気の薬草がアルフォンフ帝国領にしかないため、2ヶ月に一度、船に乗って取りに行っているという事情を話した。
もう11年前からそうしていて、若く見えても彼は自分の祖父より年上だろうとのこと。
エルフは成人式を100歳の時に行う。

元々フードを深くかぶって人間のふりをしていて、正体を隠すために言葉遣いを悪くしていたのが染み付いてしまったのだが、ある日、精霊士になりエルフだと明かした。
収入が増えていろんな神殿や病院に行ったが治療費がかなり高額で、いくら稼いでも足りず、彼はそのために稼いで生きている。

エンディールは、おそらく病気が原因で親に捨てられ、妹と2人でエルフ村から出てきた。
親は生きているが会っていない。

 

エルはエンディールの事情を知り、シキュエルも説明しようとしていたのに言い訳は後で聞くと切り捨てて、今まで知ろうとしなかった事を後悔した。
エルは、前世の両親が出てきてエルを責め、「もしあんたが精霊王じゃなく、美しくもなかったらそれでも愛されてたかしら?」と嫌なことを言われる夢を見る。

悪夢を見て自分を情けなく思っていると、ルカルエムが現れる。
フードを取るとエルにすぐ魔族と気付かれ、黒髪に赤い眼は魔族の特徴だが私の目の色はちょっと濁っていて気付かない人も多いのに、さすが精霊王とペラペラと話し始める。
魔族全員が、黒髪赤い眼だが、昔からこうではなく、魔族があちこちで事故を起こすので神々が魔族を避ける方法を設けてくれと魔神に泣きついて色を統一させることになったらしい。昔はもっとカラフルだったとのこと。

エルに誰だと聞かれて、魔界の公爵だと言って名を名乗り、公爵といっても庭師のようなものと言って魔界の植物の話をペラペラと話しだすが、途中で自分で気付いて、ここに来た理由を説明する。
魔王に水の王が守っている少年を殺せと言われて来たが、魔王の命令に従う気はないから安心してという。

そしてエルを間近で見て「美人」だと言い、美には厳しく「あなたは私が認めた二人目の美人」だという。
ルカルエムの勢いに押され気味のエル。

二人目の美人!一人目は誰だろう?魔神かな?

 

86話 ルカルエムとの会話1続き

魔族が精霊王に挑むなんて無謀で、魔王だってそれはわかってるはずで、死ねと言われているようなもの。それは私が魔王に嫌われているからで、他の魔族は喜んで従うだろうが、私は自分の命のほうが大事なタイプ、だから命令に従わない。

ここにいるのは従うフリをして、がんばったけどダメだったという事にするため。
そして失敗しただけじゃ、疑われそうなので「正体を隠して精霊王一行に近づいて隙を見て攻撃しようとしたけどバレた」という事にしたいので、一行に入れてもらえないかとエルにお願いする。

エルに「今から戻ってそう言えばいいのでは?」と言われてしまうが、至るところに魔王の密偵がいるのですぐバレるかもとルカルエムは答える。どっちにしろ嘘だとエルは言うが、受け入れてもらってから追い出されたら少なくとも嘘ではないから全然違うとルカルエムは答える。

エルは「そういうお芝居するくらいならいいか」と受け入れようとするが、そこで以前エルリエンに言われた「頭悪そうな奴が近寄ってきたらとにかく警戒するんだ」という言葉を思い出す。

ルカルエムは急すぎるだろうから、とりあえず今日はこのへんでお暇する、粘り強いタイプなので考える時間をあげる、気配を消さないし許可なく連れに危害を加えることもないから安心でしょ、という。

エルが「うん、いや、僕は・・」というとルカルエムは「え?一行にいれてくれるんですか、ありがとうございます、一緒にいて損はさせません」とエルが承諾してくれたかのように言ってくるので、エルは「はいはい、もう好きにして」と返事をする。

するとルカルエムは「少しは気分がよくなったみたいですね、精霊王が悪い夢を見るのは滅多にないこと、相談相手が必要だったらいつでも呼んでください」と、エルが悪夢を見た事を心配したかのような事をいう。

エルは、余計なお世話と言おうとするが、既にルカルエムの姿はなかった。

 

エンディールと船員たちが揉めているような声が聞こえる。
ムースがエンディールに金を渡して殺人を依頼したと言ったらしく、エンディールが加担していたのではないかと疑われていた。エンディールの顔は殴られてボコボコになっている。助けようとしたんだとエンディールは言うが船員たちは信じようとしない。船長は「人を傷つけるような奴ではない」とエンディールをかばっていたが、エンディールの船室からムースに渡された金の袋が見つかると、船長も信じてくれなくなった。

停泊地に着いたらムースと一緒に治安隊に引き渡す、裁判は2〜3ヶ月かかると言われ、「港に着いたら薬草を買ってすぐ家に戻らないといけない、妹は1日でも薬を飲まなかったら危ない、薬草がもうすぐ切れるんだ」とエンディールが訴えるが、聞いてもらえない。

「神様、お願いです、助けて。シキュエル、水の王エルキネス様、俺じゃない、どうか信じてください」というエンディールの切実な叫びに、エルは答えずにはいられなかった。


一行に入れてくれるんですかと喜んでたのに、姿を消してそのまま一行に加わってないようなので、ルカルエムは一体なんだったんだろう?エルが悪夢で落ち込んでた気分を浮上させるために話をしにきただけだったのかな?

 

87話

エルがエンディールの前に立つと、エルに掴みかかって「俺は本当にやってないし助けようとした、信じてくれ」というエンディールに「知ってるよ」「信じてくれるのか」「うん」とエルが答えると、ポロポロと涙を流してエンディールは「ありがとう」という。

エンディールが依頼されて断ったのを見ていたと説明するエル。
けれど、エルが証拠品のペンダントを手に持っていたのを覚えていた船員がいて、グルじゃないかと疑われてしまう。

そもそもエルはいつも顔を隠してボロボロの服装で怪しく、薄汚い小僧の言うことなど信じられない、誰もが知ってるような大物なら信頼すると言われ、エルはフードを取り、額の紋章を見せて自分がエルリエンの教皇だと正体を明かす。

エルがフードを取った時点で、急に船員が敬語になり、前回エルが夢で見た両親の「人は見た目で態度を変える」というのを体現している。

だが、教皇であるエルの証言は信じるが、エンディールはその後で心変わりした可能性もあるからと、彼の無罪は信じてもらえない。
そこへカイが、教皇にしかできない良い方法があるという。

 

88話

教皇には神罰を下す事ができるという特権がある。
前提条件は下記の2つ。
紋章を見せると同時に自分が教皇であることを明かすこと
神罰を下す条件を定め罰が下る可能性について事前に警告すること

エルは「今から質問することに正直に答えない場合、あなたは神罰を受け目が見えなくなるでしょう」と言って、2人は共犯なのかと問う。エンディールは違うと言うが、ムースはエルが教皇だという事を疑う。

魔神の教団と戦争が起きる噂もある状況で教皇が神殿に留まらないわけがない、神罰が下らなければお前は宗教裁判にかけられ、教皇を詐称したら火刑だと脅してくるが、エルがとにかく質問に答えろというと、ムースは「共犯だ」というが何も起こらない。

紋章はもらったけど僕は本当の教皇ではない。
でもエルリエンが教皇の紋章をくれたから特権も与えられているかもと一縷の望みにかけていたが、神罰は下らなかった。

みんなはざわざわし、ムースは大笑いし調子に乗ってエルをあざける。
刑罰の神は魔神とのいざこざで忙しいのかもな、でも代理人の管理もできないのか、と。
「他の神罰も下すのか、やれるもんならやってみろ」と更にあおってくるムースに、エルが「歯が全部抜けてしまえ!」と叫ぶと「まったく、何をしてるかと思えば」とエルリエンの声が聞こえる。

すぐにムースの絶叫がして、歯が抜け目から血が流れて気絶する。
神罰を目の前にして、船員一同は「教皇陛下、エルリエン様、失礼いたしました!」とひれ伏す。

「もうこの船には乗れないな・・」と思うエル。

 


エルは本当の教皇じゃないんだ?って思いました。
精霊王だからか。
元々、神官のふりをするために印だけほしいってお願いしようとしてて、エルリエンがただの神官じゃなくて教皇の印章をくれちゃったんだけど、精霊王だから教皇じゃないってことなのかな?
でも印章を通じてエルリエンと会話できるようになるって言ってたし、ただの見た目だけじゃなく機能もあるみたいだったから、異例なことだけど、精霊王で教皇になったってことなのかと思ってたけど、違うのね。その辺、説明がないとよくわからないなぁ・・・。

とにかく神罰については、特権を与えられてはいなくて、今回はエルリエンが直接神罰を下してくれたっtことなんですね。

あと、ムースが意外といろんな事情通な事に驚きました。
魔神の教団と戦争が起きる噂もあるとか、刑罰の神が魔神とのいざこざで忙しいとか。
悪者としてはわりと格上の存在だったんですかね。
魔神とのいざこざって言っても本当にエルリエンが魔神に煩わされてる事を知ってるわけじゃなく、刑罰の教団と魔神の教団の戦争の噂から言っただけか、と考えるとそうでもないか。

漫画「精霊王エルキネス」感想(6)