漫画「フレンシアの華」原作:Rain 作画:Kim Lum 脚色:Seong Eun-Tae  感想

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飛び降り自殺をして目覚めたら、魔界フレンシアの純血の魔女になっていたという、異世界転生もの。

ピッコマにて。水曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

 

 

1〜3話

始まりは、自殺したら異世界で、4年間も意識のなかった貴族の娘として目覚めたという、異世界転生ものでよくある始まり方。

読んでみると、細かいところのツッコミどころが多すぎてビックリ。
そういう意味で、楽しめる作品・・・かもしれません。

主人公はレア・ブラシア。
何かの事故で4年間眠ったままだったらしい。

主人公のいるところは、魔界フレンシアで全大陸の中で最も強力な魔力を持つ王の守護を受けている場所。

と、目覚めて何も覚えてないと察した侍女がレアに教えてくれます。

記憶喪失になった人に、いきなり国の説明まで普通はしないよね、と思いながら、でも説明無いとわかりにくいから、説明的なセリフはないよりあった方がいいよねと思いながら読んでました。

けど、この後、説明なさすぎって思うところが多々出てきます。

母と、レア付きの侍女は優しいですが、父は愛情よりも利益優先タイプみたいで、王様のお妃選抜試験を受けることができてよかったと言い、4年間世話をした自分たちに恩返しする時だと言ってきます。

 

 

目覚めた翌日がその試験の日らしく、むっちゃギリギリで目覚めたんだねって思いました。
そして4年も寝たきりだったのに、普通に夕食一緒に食べてるし。
普通、ここで医師に診てもらうと思うんだけど、そういう言動が一切ありません。

記憶ないってわかっても、明日の試験に向けての説明もほとんどなし。
父は娘が王の妃になるのを家門のために望んでいるようなのに、純血の家門だって説明しただけなんだけど。父が説明するんじゃないにしても、もっとしっかり教えとくことあるでしょうに。

レアのブラシア家門はフレンシアでも珍しい純血の家門で、赤い目と髪が純血であることを示しています。

この魔女というのがどういうものなのかの説明がちゃんと無くて、いまひとつよくわかりません。
魔女は人間ではないらしいですが、フレンシアにいる人はみんな魔法使いなのかもいまいち不明。

つまらぬ人間とか言ってるから父は人間じゃないんだろうし、だとすると魔女と日本語だと女って字が入って女性だけを指すけど、もっと広く魔法使いって意味なのかな。

でも全ての魔女がお妃選抜試験を受けなければいけないって言ってるから、やっぱり女性限定なのか。
男女関係なくの言葉のあるのかもしれないけど、今のところ魔女という言葉しか出てこなくて、魔女は人間じゃない、じゃあ、父は一体何なんだろうってとこが謎です。

 

 

後の方の話に出てくる騎士が、魔法を使えるのか?って言ってるから、フレンシアにいる人全部が魔法を使えるという事ではないっぽい。

食事の後、侍女がレアに改めて明日試験を受けにいかないといけないと言うと、明日?とレアは驚くんですが、いやそれ父がついさっき言ってたじゃん。

それに侍女が食事中も、レアに忘れてないよねって無理矢理うんと言わせてたけど、でしゃばり過ぎもなにも、お妃選抜試験に行かないとみんな(どこまでの範囲か不明)死ぬなら、侍女が言うまでもなく、父が無理矢理行かせるでしょうに。

あそこで侍女がレアをかばう必要性をあまり感じないんだけど。
レアが行かないって言ったからって、行かせないと困る父がレアを殺したり痛めつけたりはしないだろうに。試験明日なんだから。

それにその前に、人間じゃない事を忘れてたってバレてるんだから、試験の事覚えて無くたって驚かれないと思うんだよね。

侍女ソーニャに地下がテレポート施設だと教わって、地下に行った時、「どう見ても」テレポート装置なんてないってレアは言うんだけど、テレポート装置がどんなものか知ってるのかよ。

試験とか王の事を考えてたので、王の寝室、ベッドの上に転送してしまい、王とちょっと会話した後、なぜか自分の部屋に戻ります。

 

 

そしてレアは地下全体がテレポート施設だったらしいと知るのですが、最初にちゃんとソーニャは「地下そのもの」がテレポート施設だと言ってるんですよね。

レアはちゃんと人の話を聞かない人なのかな。

それに、未知の世界の未知の装置なんだから、一人で確認しに行くなよ・・。
侍女と一緒に行けばよかったし、もっとちゃんと聞けばいいじゃん。
なんであんなハッキリわかんない程度で見に行こうと思うのか。

試験の直前に父から魔法の杖を渡されますが、自動的に小さくなってレアのイヤリングになります。
ここでも、その杖の使い方を詳しく聞かず、父も抽象的な事を言うだけで説明せずなんですけど、なんでなの?もっと聞けばいいじゃん。
娘に受かってほしいならちゃんと説明しろよ。
記憶喪失なのに・・・。

そして今度は王宮にと言って転送されますが、転送されたのは王宮全体が見えるような位置の場所。
それって、そこそこ離れた場所だと思うんだけど、なぜ門の前とかじゃないんだろう。
そこまでドレス着て歩いて行ったんだろうか。

「あれがフレンシア王宮ね」って言って、王宮を外から見る絵を見せたかったんだろうけども。

 

 

4〜5話 

王宮の広間の様子を見てレアは「本当に魔界なんだなぁ」って思うんだけど、魔界ってどんなところか知ってるのかよ。
異世界なんだなぁとか地球じゃないんだなぁとかならわかるけども。

そしてこの後、レアは魔法の使い方がわからなくて困るんですが、そのくらいの事を確認して教えとくとかなんでしなかったんだよ、レアの父、と思いました。

試験を受ける魔女達が集められた広間が突然暗くなって、魔法を使える魔女達は小さい明かりを灯しますが、レアはできません。

やっぱできないんだーと思ってるとなぜか、王の妃になる手続きをしに上に行くんだよと、試験官の悪魔が近づいてきて言います。

自分の目的は家に帰ることだっていうとパァッと明るくなって、最初の関門に通過した事になるんですが、ここが何がどうなったのかわかりませんでした。

明るい光はレアが何かしたって事なのか、関門を通過した魔女達が転送されたって事なのか。

 

 

そして別の試験官の悪魔が、最初の関門を通過した事、王の妃になる運命の相手を探すためにやる1つ目の事は、魔力測定だと説明します。

最初の関門がなんだったのか不明だし、1つ目が魔力測定って、最初の関門は数えないんだ?っていう・・。

そして魔女の階級が魔力量によって3種類あり、ベイクルは80%、オクシクルは18%、アクティクルは2%だとあるんですが、アクティクルはこの50年現れていないという説明に、んん?となりました。

2%って100人いたら2人はいるってことです。50人で1人。
この後、レアが50年ぶりのアクティクルだと判明するので、50年に1人ってことになるけど、この50年の間に、50人くらいしか魔女生まれてないの?って思いました。

フレンシアの人口がわからないけど、国として存在してるなら、毎年人が1人しか生まれないなんてないよね?

「魔女」は毎年1人くらいしか生まれてないってこと?
つまり、大部分の国民は人間で、貴族だけ魔女とか魔法使いってことなのかな?
そんで、男は含めないで女だけ数えてるって事なのか?

レアの父とか貴族の男は魔法使えるのかどうなのか、男は魔女じゃないから数えないのかってのが疑問。

 

 

そしてレアは魔力測定の魔法陣に入るのを躊躇するんだけど、今さら、なぜそんなことでためらう?って思いました。

魔法を使ってなにかしろってんじゃなく、ただ測るだけじゃん、一族の命がかかってるから受けたくないけど試験受けに来たのに、そのくらいでためらうか?

「私には魔法を扱う能力なんてない」って、魔力は扱う能力じゃなくて、ただのMP、魔力量を測るって事だよね。そこら辺が混在してて、んん?ってなる。

レアは魔法陣に入ったら苦しくなって、こんなとこ消えちゃえって思ったら、何か爆発しちゃって、気付いたらベッドの上で寝ています。

そして目覚めて、「他の人達は?」って試験官の悪魔に聞くと、「魔女を人間だと言いたいの?」って突っ込まれるんだけど、じゃあ他に人間を意味しない一般名詞でなんていうんだよ。
今回の場合は女しかいなかったから、魔女なんだろうけど、父とかいた時はなんていうの?

 

 

そんな一般名詞で使った「人」を人間じゃないとか突っ込まれても。
この世界の一般的な言い方を教えてから言ってほしいよ。

「魔力がないどころか高級魔女アクティクルだなんて」

魔力がない魔女っていうのもいるのかな?
魔女がなんなのかわかんなすぎて、なんともいえない。

いるとしたら、たぶん魔力がない魔女は、最初の関門で家に帰らされてるんでしょう。

そして唐突に、試験は、次に学校の授業を受けるような形になります。

魔法とは何か、の授業から始まるようなんだけど、魔女なのに今まで家で魔法について習わないんだろうか?

先生が男性で、自分を魔法使いと言ってました。
やっぱり男は魔法使いで、男で魔法使える人もいるんですね。

あと悪魔も当たり前のように出てきましたが、何なのか全く説明がありません。
まあこの世界の人にとっては当たり前な存在なんでしょうけど、レアは驚かないんでしょうか。
そしてレア(と読者)のために誰かが説明してくれないのか、悪魔については。

 

 

6話

突然、偉い人達に転送で呼ばれて、公用語のフランシア語で書かれた文書をレアが読めなくて、本当にアクティクルなのか疑わしいって言い出すんだけど、魔力測定は魔女の内面を試すもので間違いなどあり得ないんじゃないのかよ。

そもそも、誰かが判断したとかじゃなくて、魔法陣で測定してる機械的なものなんでしょうに、なんでそれを疑うんだろう?偉い人達側が作ってるものだろうに。

それにその後で、レアが自分はアクティクルじゃないと言うと、みなが認めているんだというときに、さっき疑わしいと騒いだ人もうなずいていて、なんだそれって感じです。

レアはテレポートすらまともにできないって言うけど、あれって自力でやったんじゃなくて装置がやったんじゃないの?
純血じゃないとか言っても、体は純血らしいからね。

大魔法使いじゃないって言っても、魔力量がそうなだけであって、使い方が上手いってわけじゃないよね。

なんかこの偉人達の扱いも、魔法が上手な事と魔力量が多い事をごっちゃにしてるような気がするんだけど、魔力測定って、魔法が上手になるだろう才能も測ってるの?

魔力量を測定するだけなんだとしたら、レアの転生前の魂関係なく、レアの器の体が純血で魔力量がたくさんあるって事なだけなんだから、そこを否定はできないと思うんだよね。

魔法が上手な事と魔力量が多い事がごっちゃになってるようなので、魔力測定が何を測ってるのかハッキリ説明してほしい。

そして考え事をしながら歩いていると、また王の寝室にテレポートしちゃうんだけど、「またテレポート失敗」っていうか、テレポートしようとしてしたわけじゃないよね?

それは失敗っていうんじゃなくて、あれテレポートしちゃったの?って驚くところじゃないの?

 

 

7〜8話

「アクティクルになるつもりはない」

なるとかじゃなくて、魔力量で自動的に分類されるものなんじゃないのか、アクティクルとかっていうのは。

「このイラって名前、本当にただの名前だと思ってたの?」

ただの名前じゃなくて何だって言うんだろう?
これは翻訳のせいで変なのか?

「魔女だの魔法だの全然わからない」

魔法とは何かの授業受けたはずなんだけど。
基本的な事を説明してくれたんじゃないんだろうか。
またレアは人の話を聞いてなかったんだろうか。

試験の間は王宮で過ごすようで、レアの身の回りの世話をするエリカという人が付きます。

その人に「家事手伝いのアルバイト的な?」ってきくんだけど、当然意味が通じません。
家に同じ役目のソーニャいたじゃん、なぜここでそれを尋ねる?

というか、転生して翌日にいきなり王宮に連れてこられたわりに、王様と話す時の言葉使いとかわりとちゃんとしてる気がするんだけど、普通の敬語じゃなくて、中世西洋貴族社会っぽい感じで「どうかお許しください」とか。

 

 

現代で、目上の人に対してだって「お許しください」なんて言わないよね。

そこはできて、なぜここは急にアルバイトとか言い出すんだろう。
現代から来た人っぽさを出したかったんだろうけど、ソーニャがいたのにと思うと違和感を感じます。

そしてまた「魔力なんてないのに」とか思っちゃうレア。
いやだから、その体には魔力があるって測定されたんだって。

それにエリカが、想像してみてください、そうすれば勝手に魔力が部屋を変えてくれるみたいな説明してるじゃん。

そしてエリカが部屋を変えるのを実際にやってみせてくれるとなぜか魔法って悪くないかもと納得してしまいます。

やってみてくれたっていっても、呪文を唱えたとかじゃなく、エリカが説明した通り、想像しただけだから、外から見て何してたかなんもわかんないからね。

なのになぜそこで納得する?

エリカも魔法を使えるって事は、魔法を使えるのは貴族だけじゃないって事なのかな。
それとも、ソーニャよりは身分が高そうだけど、エリカは貴族の子弟なんだろうか。

 

 

9〜11話

社交性の授業で、王宮にいる人達から紋様をもらってくる事になります。
王宮を歩き回って、出会った騎士にレアは絡まれるんですが、ガラがものすごく悪い。

王宮にいる騎士なんだよね?
チンピラかよっていう態度なんだけど。

こんなガラが悪い騎士がいるようなところを歩き回らせたら、試験で授業受けてる魔女達危ないじゃん。

レアが誰か助けてって強く念じると、呼ばれた気がするといって王様が来てくれるんですが、騎士達は王様の顔を知らない様子。

そこはレアも驚いてるので、たぶん何らかの事情で王様の顔はあまり知られてないって事なのかな。

で、王様がそこにいる騎士達をさして、あの者達なのか?ってレアに再三聞くんだけど、なかなか答えないレアにイラつく。

 

 

王様が現れてからも、騎士達のチンピラっぷりはすごくて、王宮の建物内で、相手は見習い魔女だってわかってるのに、剣を抜いて振りかざしてきます。

マジかよ。

この王宮の騎士ダメダメだね。

レアの手首に痣ができてるのに気付いた王様はブチギレて、騎士達を魔法で消してしまいます。

たぶん、王様最強そうだから絶対大丈夫なんだろうなとは思ってたけど、やっぱりそうで、やっとスカッとしますが、この後、レアが確認した所によると、騎士達は死んだそうで、そこまでしなくてもよかったんじゃ?とレアと同じく私も思いました。

そりゃあチンピラすぎたけど、自分のとこの騎士なのに、殺しちゃっていいんか?

読み返してみると、「魔界フレンシアで全大陸の中で最も強力な魔力を持つ王」なんですよね。
最強だとちゃんと説明されてました。

でも「名前を詠唱せずに」ってレア言ってるけど、魔法の使い方よく知らないんだから、それがすごいことなのかわかんないよね?

そしてその後、王様が騎士を殺した事について、王様の心情を結構長く検証しています。
罪悪感を感じるような感情が欠如してるわけじゃなくて、彼の中では人を殺して生きることが普通なんだろうとか。

 

 

そしてその後、王様の目からいろんな感情が読み取れるようになったってレアは思うんだけど、いろんな感情って言っても、今その事に気付いたばっかなんだから、王様はまだ「いろんな」感情みせるほどのいろんな事ないと思うんだけど。

王様がテレポートで消えると驚いて「夢じゃないよね」って思うけど、王様、現れた時も同じように突然だったよね。

まあ追い詰められてて、考える余裕はなかったかもだけど。
でもテレポートか、ぐらいはもうわかるでしょうに。

テレポートは自分で何度も経験してるんだから。

部屋に戻って、エリカに杖が自分の思い通りに使えないのがなぜかを聞くと、杖は使い手の内面を表すという曖昧な答え。

なんで、もっと具体的に教えてくれないんだろう?
というか、それは魔法の授業をしてくれる先生に聞けばいいんじゃないの?

エリカに会った後に、紋様の課題が出た授業の続き。

なんか授業の時間割がよくわかんないけど、課題の時間が長かったからお昼休憩とか部屋で取ることになってたんだろうか。

紋様の課題の順位は、首位がレアと発表されたところでお終い。

まあ王様の紋様だから驚いたんだろうし、一位なんだろうね。
でも社交性だったら、より多くの人にじゃないのかな。
理由が説明されてないのでなんともいえないけど。

 

 


気になるところを、いちいち書いてたら結構な量になってしまい、途中で面倒くさくなりました。

翻訳がおかしいせいなところもあるだろうけど、内容から判断してそれだけではないと思う。

いちいち細かいところで、んん?ってのが多すぎる。

最初に、ここは魔界フレンシアってソーニュアが説明してくれたけど、それだけでそれ以降あんまり説明がなくて、フレンシアがどんなとこなのか、謎が多いです。

魔女の事もよくわかんないし。

「魔力量」と「魔法が上手な事」がごっちゃになってるのも気になります。

王様はレアを好きみたいだけど、なんでレアを好きになったのかもよくわかりません。
最初の時のレアの反応が珍しくて興味を持ったとしか。

騎士があまりにチンピラすぎて、思わず書いてしまいましたが
正直、この作品のストーリーはおもしろいとは思ってません。

きっとよくわかんない理由で王様がレアを好きになってくっつく展開なんだろうなと思いますが、王様も今のところ、最強なとこと、まあまあ美形なとこ以外、面白味がないし。