漫画「彼女が公爵邸に行った理由」作画:Whale 原作:Milcha 感想(7)

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大学受験中の浪人生だった花咲凛子が、ある日、橋で誰かと話している時に突き落とされ、気付いたら小説の中の登場人物に転生していたというお話。

ピッコマにて。金曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「彼女が公爵邸に行った理由」感想(1)
「彼女が公爵邸に行った理由」感想(2)
「彼女が公爵邸に行った理由」感想(3)
「彼女が公爵邸に行った理由」感想(4)
「彼女が公爵邸に行った理由」感想(5)
「彼女が公爵邸に行った理由」感想(6)
「彼女が公爵邸に行った理由」感想(7)

 

 

57話

勘のいいシアトリヒは、そろそろ迎えに来る頃だと離れの警備を強化し、レリアナとの親交を誇示したいソロソには頻繁に呼び出された。

馬車は夜の12時に城の裏側に準備される予定。
離れと近いから外に出たら侍女のふりをすればいい。

ベランダから?降りようとして思ったより高く、ぶら下がったまま躊躇していると、誰かの声が聞こえ、落ちたところを受け止めてもらうと、それは墓で会った名前も知らない男性(ビビアンの兄ジャスティン)だった。

ジャスティンが落とした紙を拾い、書かれていた文章が見えてしまうがそこには「私は今もあなたのことを想っています 夜のジヨンナ(?)で待ってます」と書かれてあった。

ジャスティンは昔の女性だというが、夜遅くに昔の女からの手紙を見ているなんて未練があるのだろうかとレリアナは思う。

レリアナが侍女の格好をしていたので、城で働く侍女なのだと思ったジャスティンは、部屋に酒を持ってきてほしいと頼む。

レリアナが去った後、ジャスティンは指輪を拾う。

脱走失敗と思いながら、ジャスティンの部屋に酒を置き、メモを残す。
レリアナのメモを見て、微笑むジャスティン。

 

 

57話 感想

ジャスティンに見つかったとはいえ、その後すぐ離れられたんだから、頼まれた事なんてほっといて、さっさと待ち合わせ場所に行けばいいのにと思いました。
なんで諦めちゃうんだろう?
ジャスティンはレリアナの正体を知らないんだし、止められることもないのに。

58〜59話

レリアナはエリティール侯爵夫人と一緒のサロンにいる。

ビビアン・シャマルが結婚の日取りを早めたいと言っているという噂があると知る。

レリアナは「ベイラーナショートモーク」という建築様式についてどう思うかと他の令嬢から聞かれる。
この様式は王国が帝国だっときの芸術様式の事で、社交界に出たばかりの若い姫君にとっては、難しいテーマなため、新入りの鼻を折るためによく使われる話題だった。

だが公爵家の総括執事ギデオンが邸宅オタクであり、彼のつめこみ教育のおかげで、レリアナには立派な文化的教養が備えられていたため、難なく会話することが出来た。

エリティール夫人はレリアナを褒め、自分もクロエ・ラーキン伯爵夫人も同じ目にあったのだという。

 

 

ラーキンはノアが知りたいと思っていた人物。
(そのためにエリティール夫人を通じてサロンに招待されるよう画策した)

ラーキン伯爵夫人は没落貴族の娘でラーキン家門には後妻として入った。
恋人がいたが、権勢のために捨てたので、周りからは卑劣な妖婦と言われている。
ラーキン伯爵には新しく愛人ができたため、あまり幸せではない結婚生活らしい。


部屋に戻って、ウォールハーソンの侍女が、本日のサロンに参加する時に来てくるようにとドレスを持ってきたと、侍女姿のウィートンに知らされる。

「サロン ジヨンナ」とあり、行ってみると、薄暗く怪しい雰囲気の仮面をつける集まりだったので、すぐに帰ろうとしたが、またジャスティンに会って捕まってしまう。

城内を動き回る怪しい者をそのままにしておくことはできないと言われ、正直に話そうかと思うが、ジャスティンがクロエに気付いて、そちらに注意が向いたため、その隙に逃げようとする。

 

 

ジャスティンが昨日落とした紙に書いてあった「夜のジヨンナ」とはこのサロンの事で、昔の女はクロエ・ラーキンの事だった。

2人の事が気になって躊躇していると「新しく好きな人ができて、今日はそのことを言いに来ただけだ」とクロエに言うジャスティンに引き寄せられる。

もう私の事は忘れてしまったのかとクロエが泣き出すと、ジャスティンはオロオロと狼狽えてしまう。

こんなに優柔不断でどうやってこの先、王に仕えていくのかと思いつつ、恩人だからと、ジャスティンの手を引っ張って、走って外に出る。

ジャスティンはクロエとの経緯を説明する。

シャマル侯爵は欲深く、彼にとってジャスティンは政略結婚に使える最高ランクの商品なので、一族の助けになる高位貴族と結合する事を期待しているが、ジャスティンは一族や財産に何の助けにもならない女(クロエ)とつき合っていた。

 

 

しかしシャマル侯爵の反対は固く、二年経つと、ジャスティンを踏み台と考えていたクロエは、はっきりしないジャスティンを捨てラーキン伯爵を選んだ。

ジャスティンはクロエへの想いを断ち切るためにチェイモスを発ち、帰ってきてあの手紙を受け取り、今に至る。

まだ若いのだから執着せずに早く新しい恋をするべきだ、とレリアナはアドバイスする。

ジャスティンはそれに同意し、レリアナに名前を教えてほしいというが、レリアナははぐらかす。
縁があればまた会えるだろうと言ってレリアナは去るが、レリアナが落としたであろう指輪を持つジャスティンは、また会えそうだなと考える。

 

 

58〜59話 感想

ラーキン家門の事って、レリアナとノアが最初に契約の話をした頃の事なので、「ああ、そういえばあったな」な感じで、かなり前なので、すっかり忘れてました。

その目的の人物がジャスティンの昔の恋人だったのか。

でも、クロエの方はジャスティンを捨てておいて、結婚相手が自分に関心がなくなってしまったから、またジャスティンにちょっかい出してきて復縁しようとしたって事のようで、同情の余地なしな人でした。

そして恋愛においてジャスティンはだいぶヘタレっぽい。

王に仕える話をしてるからジャスティンの正体をレリアナは知ってるんだっけ?と思ったけど、貴族だから、みんな基本的に王に仕えるって意味で言ってたのかな。

ジャスティンが落とした紙にあった名前「ジヨンナ」ですが、全く聞き慣れない音の名称だったので、「ナ」は紙の折目でちゃんと表示されてないのか、韓国で何かを示す名詞なのかとか、考えてしまいました。

それでも結局、人名なのかなんなのかわかりませんが、サロンの名前だったってことですね。

 

 

60〜61話

レリアナはシアトリヒにゲームを持ち掛け、ゲームに勝ったら家に帰してもらえることになる。

ゲームは、仮装パーティーに参加し、ノアがレリアナを見つけることが出来たらレリアナの勝ち。
ただしレリアナからノアに近づいたり話しかけるのは禁止。

レリアナは魔法使いの扮装をさせられ、髪も緑色のカツラをかぶり、親でも見つけられなさそうなので、今日は帰れなさそうだと思う。

パーティー会場で、フルフェイスマスクの格好でキョロキョロしている人を見て、ノアだろうかとレリアナは思うが、その彼がレリアナの傍を通り過ぎてしまったので、見つけてもらうのは諦めて食べ物のところへ行くと、背中合わせにさっきの仮面の男が話しかけてくる。

「このまま気付かないフリをして庭園に来い」と言われ、なぜわかったのか驚いて問うと、「わからないはずないだろ」と言われる。

 

 

その様子を2階の階段の上から見ていたシアトリヒは「愛の力だ」と言って喜んでいるが、傍でオブライアンは「レリアナ嬢もできの悪い小姑に出会って大変ですね」という。

そしてシアトリヒはパーティー会場のみんなに向けて「今日は1つ余興を用意した」と言って、12時までに蝶の仮面をつけたレディーを連れてきた者には特別賞を儲けようという。

レリアナの仮面は蝶の仮面。
ノアはレリアナを担いで走り出す。

その様子を見て大喜びするシアトリヒを見て、「なぜ頭の中は子供のままなのか」と思うオブライアン。

「世の中は飛躍的に発展し謎と呼ばれるものは少なくなったのに
 人間は愛というとても原始的な感情1つさえ調整の仕方を知らない」

「一時の感情に酔い人生を棒に振る選択を自らしてしまうのは すべて繁殖のため」

「君から感情を奪った者は誰だ?セイントベルにぶちこんでやるぞ」

「殿下です」

 

 


時計台に登り、12時になるのを待つノアとレリアナの二人。

ここに登る道を知っていたのは、昔シアトリヒと一緒によくここで遊んだから。

昔から気取ってて大人からたくさん可愛がられて、だけど友達にはいじわるをする、とても利口であざとい子供だったんじゃないかというレリアナにノアはその通りだと答える。

私はいつもどこか気取っている大人しい子供で、私をどこかに連れて行ってくれるのはシアトリヒしかいなかった。そんな兄上ともう時計台に登ることができないとわかった時は本当に悲しかった。

そしていつも元気のなかった母親が、初めて笑いかけてくれた日は、兄上が毒を飲んだ日だった。
だからその日、私は兄上を王にすると決めたんだ。

「自分のせいだと思ってるんですか? あなたのせいではありません」

そなたはなぜ私だとわかったとノアに聞かれ、ノアと同じように「わからないはずない」と答える。

12時の鐘が鳴り、やっと家に帰れると思うが、レリアナはクラっとして急に目の前が暗くなる。

 

 

60〜61話 感想

最後、レリアナは倒れちゃって不穏な感じで終わりますが、これでやっと王宮から戻れる事になります。
長かったなぁって感じがしました。

そして、なぜ帰ろうと思って帰れないのかがよくわかりませんでした。
シアトリヒとノアは仲が良いんだし、ノアが迎えに来て帰るじゃだめなの?

夜中に馬車を準備してもらって抜け出して帰ろうとするのも、途中でジャスティンに会っただけで諦めてて、それもなぜジャスティンと別れた後に馬車に乗らないのかわからなかったし。

普通に昼間、迎えの馬車をよこしてもらって乗って帰れるんじゃないのかなって思うんですけど。
見られたとして、一体誰がどういう理由で引き止めるっていうんでしょうか。

 

 

シアトリヒとオブライアンはいいコンビで、甘い感じは全くないけど、この2人の気持ちの通じ具合というか、絆の強さは、実はお互い好きなんじゃないかと勘ぐりたくなります。
そういう感じは全くしないですけどね、表面上は。

本当にただよく理解し合ってる上司と部下なだけなのかもしれませんけど。

なんといってもシアトリヒが登場してシアトリヒの人柄がわかると、なぜシアトリヒがビビアンと結婚するんだろう?って思ってしまうので。

政略結婚だからビビアンの人柄は無視してるのかな?

だからこそ、オブライアンがと思ってしまうんですが、でもそういえば、47話のシアトリヒ初登場で、女性とベッドで寝てたシアトリヒの部屋にオブライアンが行くっていうシーンでした。

シアトリヒはそういう方面は奔放にやってるみたいですね。
王様だからこそ恋愛結婚は難しいのかな。
オブライアンがどうなのかは今のところ、勝手に推測する以上の事はなんともいえません。

 

 

ノアの母が継承争いで兄を殺そうとした話は、王族でありがちな話ですけど、やっぱりドロドロしてますね。
そして、兄弟が仲良くても、親がそれを邪魔するっていう悲しい状況になってしまうんですね。

でもそれで親の争いに巻き込まれないで、兄を王にできて、今も協力関係にあるって事は、うまくいってよかったなと思うし、ノアはその賢さを活かしてがんばったんだろうなと思いました。

つい最近だって、図られた落馬事故に遭ったし、まだまだシアトリヒは命を狙われてて、政権は安泰じゃないんですね。

ノアの母が公爵家の人で、ノアが公爵家を継いだんですよね。
そこら辺の政治的な話は最初の方のレリアナとノアの婚約者のフリの契約の頃に出てきた気がしますが、忘れてしまった。

でもこの作品の魅力は、随所に散りばめられてる、コミカルなとこだと思います。
ちっちゃい単純キャラで描かれるツッコミとか間がうまくて面白いです。