小説「(仮)花嫁のやんごとなき事情1 離婚できたら一攫千金!」作者:夕鷺かのう イラスト:山下ナナオ 感想


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中世っぽい世界観で、孤児院育ちの女の子が、お姫様の替え玉として、すぐに離婚するミッションで隣国の皇子に嫁いでいくお話。
シリーズ化していて、全14冊出て完結しています。

ピッコマで読んでますが、最後の2巻+半分は有料で、どこまで読むかは、この後の気分次第。

1巻でお話のまとまりは一応ありますが、話が終わってる感じはないので、最初から長く続けるつもりで書かれてるのかなと思います。
そして2巻も読みましたが、1巻より2巻の方がおもしろいです。1巻ではよくわからなくて最後の最後にわかる事があって、それがずっと疑問でお話に入り込めなかったので。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「(仮)花嫁のやんごとなき事情1」感想
「(仮)花嫁のやんごとなき事情2」感想
「(仮)花嫁のやんごとなき事情3」感想
「(仮)花嫁のやんごとなき事情4」感想
「(仮)花嫁のやんごとなき事情5」感想
「(仮)花嫁のやんごとなき事情6」感想

 

主人公は、孤児院育ちで今も孤児院に暮らす美少女フェルディア、通称フェル、17才。フェルは孤児院の院長先生ガウェインと共に孤児院を支えるために、いくつもの仕事を掛け持ちして働いている。
そしてフェルはなぜか、フェル達の国、ユナイアの国王の妹、シレイネ姫にそっくりで、シレイネの身体が弱いため、シレイネの影武者の仕事も時々頼まれている。

ユナイアは昨年のエルラント国との戦争に負けていて、エルラントの第三皇子から婚姻を通じて友誼を深めたいという話があり、エルラントの第三皇子にシレイネの身代わりとして嫁いでいってほしいという依頼をエルラント国王、セタンタから受ける。
王侯の婚姻は夏の初めのペルティナ祭の前夜、ワルプルギスの夜までは「白い結婚」(それまで夜を共にしないおままごとの夫婦期間)なので、それまでに皇子に嫌われて離婚してくるというのが任務。

 

エルラントの第三皇子クロヴィス・クルヴァッハ・エルラント(通称クロウ)は、黒龍公、毒龍公とも言われており、戦に強いが、毒を好んだり、悪い噂もたくさんある人物。

シレイネの身代わりでクロウの元に嫁いだフェルが、最初いきなりクロウに剣を突きつけられたり、侍女達にボイコットされたりしつつクロウと円満に離婚に持ち込もうと奮闘する。

侍女たちに放置され、食事すら出してもらえなかったので、フェルは国王に非常時に使うよう持たされた召使いの変装をして、城内の召使いに紛れ込み、シレイネ姫と召使いフェルの一人二役で活躍する。
侍女たちシレイネの世話をボイコットしてたのは、戦争の敵国の姫であるシレイネに対する悪感情のため。

 

でも何日もシレイネのところに全く姿を見せず食事も何も渡さなかったって、本物だったら死んじゃいそうなんだけど・・。それにそこまでするつもりじゃなかったっとは言ってたけど、口にしたら死ぬかもしれないような毒になる植物まで与えようとしてて、ほんとに本物のシレイネだったらどうなってたことか、というのと、そこまでするつもりないと言いつつ、結構酷いことしてるのが、うーんって感じ。

これはクロウが知らなかったことで、クロウにバレて侍女たちは結構な罰を受けそうになるのをシレイネがかばったことで、シレイネは侍女たちに慕われるようになっていく。
フェルは召使いの姿で、この侍女たちと接して、彼女たちがなぜシレイネに意地悪するのかを知っていたし、クロウとも接して、シレイネには冷たい態度のクロウが召使いのフェルには優しく接してくれて、クロウが噂とは違う人物像だということも知っていく。

 

途中から、クロウの異母兄イグレックが来て、ユナイアを毛嫌いするイグレックがシレイネを殺そうとし、それをかばうクロウも殺そうとしてくるが、クロウが大怪我を負いつつも、フェルにも助けられ、逆転勝利する。

イグレックはユナイアを毛嫌いし、先の戦争でも捕らえたユナイア前国王を勝手に処刑してしまい、それをクロウがやったことにしていたり、ユナイア兵を装ってクロウの領地を襲わせていたりと、横暴な行動が目に余ってきていたため、クロウはイグレックを糾弾しようと考えていて、シレイネを妻にしたのもイグレックに行動を起こさせ誘い込むためだった。

イグレックが自分の城を手薄にしている間にクロウは部下に命じて、イグレックの不正の証拠を押さえ、皇帝に直訴して、皇帝の軍を引き連れて、戻ってこさせる作戦を立てていて、イグレックにクロウとフェルが追い詰められたギリギリのところで、部下たちが戻ってきて、イグレックを捕らえた。

ここら辺までの一区切りで1巻は終了。

 

プロローグに、フェルがシレイネの替え玉でパーティーに参加して、肉をスカートに詰め込んでいるところを見初めるクロウの話(クロウと名前は出てこないがそう推測できる)があって、クロウは替え玉をしていたフェルに惚れてたってことなんだろうなーと思ったんだけど、嫁に来たシレイネにいきなり短剣を首に突きつけてすごんだり、召使い姿のフェルには優しいのにシレイネにはあくまで冷たかったり、でも毒やイグレックからかばったりしていて、クロウの気持ちがわからなくて、いまいち話に入り込めませんでした。

イグレックに対しては、ユナイアの姫であるシレイネを嫌っているので、大切にしているような態度を取るとかえってシレイネが危険だから、あえて冷たくしているのかなとは思いましたが、そうだとしても、最初に会った時のあのセリフはなぜなのか、プロローグのエピソードは一体何だったのか、と思って、クロウはフェルをどう思ってるのか、ずーっと疑問なままでした。

 

クロウがどう思っていたのかというのは、エピローグの「後の」話でクロウ視点で語られてわかります。
クロウはプロローグのエピソード(5年前)でシレイネの替え玉をしていたフェルに惚れました。
けれどその後、3年前に本物のシレイネに会い、前と全然変わってしまったと思い絶望します。
なので、今回、フェルが嫁に来た時は、本物のシレイネを想定しての言葉だったようです。

が、どうも3年前とは違う様子で、召使い姿の変装も途中でシレイネが返送して召使いをやっていることに気付き、その言動からおかしいと思って部下に調べさせ、彼女が本物のシレイネとは別人で孤児院育ちのそっくりな女の子というのを知ります。
そして自分が5年前に惚れたのは、シレイネ姫の替え玉をしていたフェルなんだということ、3年前に会ったのは本物の方だという事に気付き、諦めていた初恋の女の子に再会できたことに喜びます。

 

という事情があって、最初はクロウもフェルの事がよくわからず混乱していて、そもそもはイグレックをどうにかするための作戦で妻にしただけで、5年前のエピソードからの流れで惚れたから妻に望んだというわけじゃなかったってことだったんですね。
間に本物に会って、幻滅するっていうのがあったんですね。

で、気になるのが本物のシレイネの人物像。
フェルは優しいとかしか言ってなかった気がするけど、クロウが会ったシレイネは何か裏があって嫁に来るような人物らしく、ただの優しいおとなしい姫なんて人ではなさそう。
本物のシレイネは全然出てこないので、今のところ謎のままです。

1巻ではクロウの気持ちがわからず、恋愛面では全く感情移入できなかったので、いまひとつでした。
最後の最後に明かすんじゃなくて、途中でもクロウの気持ちがわかるように書いてくれた方が、感情移入できてよかったなぁと思いました。
イラストのクロウはすごくカッコいいのに、残念。

 

フェルはかわいいですが、銀髪に赤みがかった色だと思うけど、私が思うよりイラストのフェルの髪の色が赤みがありすぎて、もっと淡く色がついて、ほぼ銀髪の方がいいなーと思うので、残念。
それとフェルがシレイネを演じてる時の言葉遣いがあまり好きじゃないです。
貴族の令嬢の言葉遣いって、作品によっていろいろですが、「〜ではなくて?」「〜してますわ」って感じの口調なのが、やりすぎな感じの違和感があって、いまいち。

クロウは最後にフェルに初恋してたってのがわかるし、イグレックは片付いて冷たいふりをする必要もなくなったので、クロウからフェルへの気持ちははっきりするけど、フェルが替え玉なのをクロウ達が知ってるということをフェルはまだ知らないので、なかなかストレートにはいかないのか。

 

フェルの方もクロウにひかれてきてはいるものの、離婚して戻るのが仕事だし、身分も違うから、好きだと自覚しても、それをクロウに伝えるわけにはいかないもんね。

まあこの後たぶん最後でやっと結ばれるんだろうから、後10冊以上も、うまくいくまでに何かしらあるわけだね。

クロウが、貴族の娘にあるまじき行為をしているようなフェルに惚れるっていう、そういう感じなところが好きなので、それを最初に期待したのに、その通りだったってのが最後になるまでわからなくて「あれれ?」って感じだったのが、ほんとに残念。
1巻終盤、フェルが傷だらけの下着姿でクロウを助けに突撃してきた姿を見て、クロウが「魂が震えた」と言っているところが好きです。

「(仮)花嫁のやんごとなき事情2」感想

 

 

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