漫画「リンジー&リンジアン」作画:Achim 原作:Oh Yoon 感想

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ピッコマにて。土曜更新で連載中。

諜報活動を行っている組織で働くリンジー。
男装して男の使用人として伯爵家を探る任務を命じられる。
男の使用人リンジアンとして伯爵家で働く、リンジーのお話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

1〜4話 リンジーが伯爵家に潜入するまでの事情

12年前、ボロボロの服でうろついていたリンジーは、ユーシーゼンに拾われて以来、ユーシーゼンの率いる諜報組織で、忠誠を尽くして任務を果たしてきた。リンジー・アズベル20歳。

リンジーは同僚のキベルと共に、犯罪者達のアジトに潜り込んで情報を集め、王室騎士団に情報提供する目的で、わざと捕まったが、先に捕まっていた姫に自分たちのことを口止めして一緒に助けるが、キベルに惚れた姫がもう一度その男性に会いたいと話して記事にされてしまい、ユーシーゼンに怒られる。

そして次の任務は、伯爵家に男装して男性使用人として入り込み、伯爵の一挙手一投足を監視すること。
キベルが行けばいいじゃないかとリンジーは抵抗するが、キベルは彼にしかできない任務中で、人手がないので、リンジーがやるしかないと言われ、仕方なく行くことになる。

その伯爵家は訳ありで、
12年前、その伯爵家の邸宅の人間全員が突如消えてしまう不気味な事件があった。
主人だった貴族から使用人、騎士、飼っていた猫まで、命あるものすべてが幻のように消えてしまい、長い間ミステリーとして語り継がれていた。

そしてその血筋を受け継ぐルカカフローネ伯爵が突如現れた。
歩く彫刻と言われるほど美しく、王家と同等の財産を保有しているという話まで囁かれた。
高い学識を持ち、話術にも長けていたため、その完璧さは逆に訝しいほど。
12年ぶりに現れた館の主はどんな貴族より貴族らしい不思議な男。

 

そしてなぜ男の使用人かというと、その伯爵が相当な女好きのため。

ルルカフローネ伯爵は王国有数のプレイボーイで、貴族令嬢だけに限らず新人メイドにすら片っ端から手出ししており、その噂は絶えることがなかった。
そして伯爵家の執事はメイド雇用の打ち切りを宣言したため、新規雇用は男の使用人で入る必要があった。

キベルはリンジーのヤケ酒に付き合うが、キベルもリンジーは男勝りな性格はしてるけど身体は結局女だし、顔だってそこそこだし色気もあるし、主君(ユーシーゼン?)が何を考えてるかよくわからないと言う。

キベルと二人で港の眼の前が海の所で座って話していると、リンジーは隣町のリアンという女性に海に突き落とされる。キベルに捨てられたのはリンジーのせいかと嫉妬されたのだった。

海から上がったところで、傭兵団長に怒られて殴られそうになっている少年をリンジーは助ける。

リンジーにとって、ユーシーゼンは恩人だが、恋愛感情も少し持っているようす。
リンジーはユーシーゼンの為に今まで伸ばしてきた長い髪を切り、飲めば声がハスキーになる薬を週一で飲んで男装し、リンジアン・アルズベル18歳として伯爵家に潜入する。

 

1〜4話 感想

リンジーはユーシーゼンの事を兄さんと呼び、ユーシーゼンはリンジーの事を妹と言っているけど、12年前に拾ったようだし、血縁じゃないけど兄妹のような親しくしている関係ってことなんでしょうか。そこがイマイチよくわかりません。

リンジーがユーシーゼンに拾われたのが12年前、その伯爵家の人が消える事件があったのも12年前。
これ絶対リンジー関係あるんだろうなーと思います。
そして、ユーシーゼンは何か知ってて、わざとリンジーを伯爵家に潜入させたんじゃないかなと。
いずれ、その事件の真相とリンジーの出自が絡んでくるんじゃないかなぁ。

 

5〜6話 ルカカフローネ伯爵家

伯爵家に潜入して1週間。伯爵はずっと不在だし、メイド達に美少年ともてはやされているリンジアンは庭師の上司に嫉妬されて、きつく当たられ、仕事を無茶振りされる。
夜中まで庭木の剪定をしていたが、やってられるかと投げ出し、池の橋の近くに立っていると人の気配がする。

「待ってたのかい?悪かったね、仕事が遅れてさ、へぇ髪切ったんだ、でもよく似合うよ 見ない間に綺麗になったね、知らなかった、ここまで美しかったなんて」と言って、現れた銀髪の男性に後ろから抱きすくめられ、キスされてしまう。

リンジアンは「何すんのよ、痴漢、最低」と言って頬を殴るが、自分が今男なのを思い出し、もしかしてバレたのかと、自分の部屋に逃げ帰る。

翌日、ファーストキスを奪われた事にショックを受けて庭に立っていると、いきなり庭師の上司カジュタンに殴られるが、蹴りは思わずかわしてしまう。避けたことを怒られ、もう一度お願いしますと殴られそうになったところで、執事が「何をしている」と止めに入る。

 

騒ぎにならないようにとリンジアンが「割り振られた仕事をしなかったせいで自分が悪い」と執事に説明すると、この伯爵家では、新人は一定期間研修を受けて知識を得ることになっており、仕事を任せてはいけないのが規則だと執事はいう。

執事は、規則を破った上に勝手に体罰を与える権利はないと言って、カジュタンの使用人頭の資格を剥奪、謹慎部屋で相応の罰を与えられるまで沙汰を待てと言う。

伯爵とメイド達とのすぎた接触があったため、今この伯爵家ではメイドを採用しておらず、伯爵の身の回りのお世話をする男の使用人を候補者の中から伯爵が直接選ぶことになっていて、執事はリンジアンをその候補者の一人に入れる。

リンジアンが候補者として、とうとう伯爵と対面すると、伯爵は昨夜、リンジアンにキスした男だった。
(そうだろうと思ってたけど)
伯爵の名前は、フィアン・デ・ルカカフローネ。
伯爵はリンジアンを自分の身の回りの世話をする使用人に決める。

 

7〜11話リンジアン 伯爵に振り回される

リンジアンは「正直者だな 何を考えているのか全部顔に出てるぞ」とユーシーゼンに言われたのと同じことを伯爵に言われる。
伯爵はとても気安くリンジアンに話しかけ、昨夜は女性と橋の上に待ち合わせをしていてリンジアンが似ていたから間違えた、ファーストキスみたいな反応だったと言った後のリンジアンの反応で、ファーストキスだったんだとバレ、自分も男とキスしたのは初めて、ファーストキスだよという。

フィアンは、男には興味ないから心配しなくていいよとリンジアンに言うが、リンジアンがすぐ顔に出てわかりやすい反応をするので、いろいろとからかって、おもしろがる。

リンジアンがフィアンと仲良さそうな様子なので、伯爵の護衛騎士であり一族の騎士団長のイェルシカ(女)に、フィアンとの関係を聞かれるが「伯爵が言わなかった事を召使いの私が勝手に言うことはできない」と断ると、生意気だと威嚇される。

朝、フィアンを起こしに行くと、フィアンは全裸でベッドに寝ていて、何度呼んでも物音を立てても起きず、近寄るとベッドに引き入れられてしまい、後5分と言われる。リンジアンは夜中の2時まで特訓され5時起きだったため、居眠りしてしまい、もう5分経ったからと、逆にフィアンに起こされ、平謝りする。

 

フィアンは楽しかったからと全く気にせず、「肌が綺麗だね、ツルツルで、ご婦人方の嫉妬を書いそうだ」とリンジアンに言う。そして一緒にお風呂に入ろうとからかわれ「冗談だよ、思ったより鈍いやつだな」と言われる。

フィアンの朝食は野菜ばかりで、リンジアンは毒味した後、おいしいと言うが、正直に言ってと言われて、鶏胸肉があった方がたんぱく質が摂れていいと言うと、僕の食事だからケチをつけるものじゃないと言われ、「オメーが聞いたんだろ」という顔をすると、フィアンに冗談冗談と言われて、またからかわれる。

フィアンが、そこに立ってないで隣に座りなさいというのを断ると「命令なんだけど?」と真顔で言われる。
緊張しないで楽にして、自己紹介をしてといわれる。
フィアンに「剣を握ってた手だ」と手を捕まれ、これは質問じゃなくバレてると思ったリンジアンは剣術は習ったが騎士志望ではないので身上書には書かなかったと答える。なぜ騎士を目指さないのかという問いに才能に限界を感じ体格にも恵まれなかったからと答えるが、フィアンが疑っているのを感じて、両親の死が剣によるものだったので剣が嫌いでもうこれ以上剣を振るいたくなかったからだと説明する。

 

聞いてはいけないことを聞いてしまったと謝るフィアン。
許してくれとも言うフィアンに「私はあなたの使用人です。なぜ私ごときに謝罪を?使用人の気分などどうでもいいことではありませんか」とリンジアンが怒鳴るとフィアンは大笑いし、「キミってやっぱり変わってるよねぇ、よく言われない?」とヘラヘラして言われる。

リンジアンの心の声(それは私のセリフですけど)
フィアン「キミのような人間に会ったのは初めてだよ」
リンジアン「それは私も同じです」
フィアン「えっ?今なんて言った?」

リンジアンは、フィアンが使用人にいちいちお礼を言うことも貴族らしくないと思い、貴族の中で育ってきたわけじゃないのか?いやあの気品とたたずまいは生まれながらのものだろう、と考えるがわからないので、もっと様子を見ることにする。

イェルシカ(女護衛騎士)はリンジアンの生意気な態度を思い出し、フィアンに使用人の交代を進言するが、その心配はないと却下される。
「昔のようにフィアンと呼んで。僕たちの間柄で水臭い。」等とフィアンがイェルシカに言ってることから、昔からの知り合いらしいことがうかがえる。

 

リンジアンがフィアンの使用人になって1ヶ月が経ち、朝起こしに行くと、ベッドに裸の女性とフィアンが寝ていて、リンジアンは驚く。
女に、ここはいいから出ていくように言われる。
執事に「女が一緒にいても驚かないことだ!わかったな!」と言われていた事を思い出し、「伯爵は起きなければいけない時間なので」と言うものの、女は生意気だと言って更に出ていくように言ってくる。

そこでフィアンが起きたので、とりあえずリンジアンは出ていこうとするとフィアンに呼び止められる。
フィアンは女に「今日はここまでだ」と言い、他の女と約束があるんでしょ、と言う女に、リンジアンとこれからやることがあるんだよ、という。
リンジアンの心の声(こいつ、何言ってんだ!)
フィアン「リンジアン君、おはよう、よく眠れた?今日も可愛いね、よーし今からお風呂に行こう、今日も背中を流してくれるんだろう?」
リンジアンの心の声(こ・・・こいつ!!)

女はリンジアンを睨みながら部屋を出ていく。
なぜあんな言動をしたのかとフィアンに聞くと「ルイシャ(女)とはもう会いたくないんだ、何度言ってもしくこく訪ねてくるからさ、このくらいすれば諦めてくれるかなって思ってね」と答える。
それならどうして夜を共に過ごしたのかと聞くと、「いきなり部屋に美しい女性が夜這いしてくるのに拒否できると思う?キミも男なら分かるだろ?」と答えるフィアンにショックを受け、女たらし、女の敵だと思うリンジアン。

 

12話

メイド3人が1人のメイドを囲み、無理な仕事を押し付けようとし、1人のメイドが口答えすると、3人のうちの1人がぶとうとしてるのを見て、リンジアンは腕を掴んで止める。
体罰をしようとしているように見えた、執事の耳に入ればただじゃすまないでしょうね、とリンジアンが言うと3人のメイドはそそくさと逃げていく。

リンジアンが助けたメイドは、レイラと言い、お礼にリンジアンの洗濯を手伝ってくれる。
レイラはメイド歴3年、この屋敷では4ヶ月の25歳。リンジアンには10代にしか見えなかったので驚く。
リンジアン18歳と同じ年の妹がいる。

二人で話しているとカジュタンが絡んでくる。
カジュタンは以前からレイラに絡んできてた様子で、レイラはこれ以上私に関わらないでと言うが、カジュタンが腕を掴んで無理矢理連れて行こうとするので、リンジアンはカジュタンの腕を捻り上げ「今度またレイラに変なことしたら本当に腕をへし折る」と脅しをかける。

 

13〜14話

フィアンはアルリンという令嬢に水をかけられるが、平然としながら、今はそこまで好きじゃないと言って令嬢を振り、令嬢は泣きながら出ていく。
リンジアンの心の声(こいつ何人の女を泣かしてきたんだよ、キベルだってここまで酷くない)
フィアン「リンジアン君、僕の悪口言ってるの聞こえてるよ。声には出てないけど顔に全部出てるから」

その後は、フィアンは本を読んで勉強。
また心の中で思っている悪口をフィアンに見透かされ、本が面白そうだったからと誤魔化すと、錬金術の本を貸され、読み終わったら感想文も要求されてゲッソリする。

錬金術はその昔、存在していたという常識を凌駕する学問だが、今は錬金術師たちは違法な実験で金を得る犯罪者に他ならない。

 

そこへカルティルス侯爵が、突然訪ねてくる。
カルティルス侯爵は、賭博、麻薬、放蕩三昧、人を苦しめることを趣味とする凶悪なサディストと言われる人物。
リンジアンがお茶を淹れて戻ってくると張り詰めた雰囲気だが、何の話をしていたかはわからない。
カルティルス侯爵がリンジアンを見て、メイドじゃないのか、新しい趣味なのかと挑発してくるが、フィアンは趣味は変わってないと答えると、カルティルス侯爵は自分は性別に拘らないのでリンジアンを譲ってくれないかと言うが、フィアンが「私から侯爵にお譲りできるものは何一つありません」と冷たく言うと、後で後悔しても遅いからなと言ってカルティルス侯爵は帰る。

フィアンにスッキリしないから外で食べようと言われて、庭でサンドイッチを食べる。
フィアンに勧められてリンジアンも一緒に食べるが、とてもおいしくて喜んで食べていると、おいしそうに食べる様子を見て、少年が好きな貴婦人、老婦人から好かれそうだとか、肌がきれいでスタイルもいいし女たちから人気があるのかも、でも鈍感だから泣いてる女の子が多そうだ、等とリンジアンをジーッと見ながらフィアンはいろいろ考える。

 

雨が降ってきて、フィアンを樹の下に入れてリンジアンは荷物を片付けようとするが、フィアンに抱きしめられて一緒に雨宿りすることになる。
イェルシカが傘を持って迎えに来てくれるが、リンジアンも一緒にくっついているのをみて、文句を言われる。

13話で、お茶を持ってきた後、フィアンに外に出ているように言われて、はいと答えているのにリンジアンは外に出ないし、リンジアンは二人からわりと離れた所に立っていたのに急に後ろにカルティルス侯爵が立っててリンジアンの腰を抱き寄せて来たりして、たいしたことじゃないけど、変なところがあって気になりました。

 

15話 リンジアンがカジュタンに売られる

すっかり風邪を引いてしまったリンジアンをレイラ(メイド)が看病してくれる。
レイラの持ってきた薬湯を飲むと視界がグラグラして意識を失うリンジアン。
実はレイラが持ってくる途中で、カジュタンが何か薬を入れていたのだった。

カジュタンは、リンジアンを荷物に見せかけて外に連れ出し、人身売買をしている男?にリンジアンは意識を失ったまま、売られてしまう。
カジュタンが相手の男に「この稼業に出戻ってきたのか」と言われてるので、カジュタンは前にこういうことしていたらしい。
しかし、その様子をイェルシカが見ていた。

 

5〜15話 感想

15話はリンジアンがピンチ!な場面で終わってしまいました。
でもイェルシカが見ててくれたので、早々に助かりそう。
カジュタン、出てくる度に、嫌な奴でしかないけど、犯罪までしてたのか。
そんな奴雇って、しかも使用人頭にしてたなんて、執事すごそうなのに人を見る目がないじゃんって思ったけど、こういう世界じゃちょっと悪いことしてるくらいは仕方ないのか、いやでも嫌な奴すぎるでしょ、カジュタンは。
でもさすがにこんなことしちゃ、もうクビになるだろうな。

あと、雨に濡れると風邪をひくのは、マンガでよくあるお約束みたいな展開ですが、いつも思うけど、雨に濡れたからってすぐ風邪引く?リンジアンは体を鍛えててむっちゃ健康そうなのに、寒い季節ってわけでもないのに・・・。

今のところ、伯爵フィアンは、ひょうひょうとしていて、女たらし、リンジアンをからかっておもしろがってる面しかわかりません。完璧と言われる有能さは、今のところよくわからず、まだまだ何を考えてるのかわからない謎の人物です。

リンジアンの男装は全然バレてないようだけど、シャツ1枚で抱きしめられちゃったら、サラシ巻いてるのバレそうだけど・・・。

この作品もおそらく翻訳なので、微妙に「ん?」って思うことがあるけど、翻訳ものによくある程度。

絵柄はわりと好きですが、キリッとさに欠けるので大好きまではいかない感じ。
銀髪美形さんは好きなんですけど、フィアンはちょっとやさ男って感じかなぁ。

でもコミカルな面も結構好きなので、今後が楽しみです。