漫画「猫の花嫁」原作:IP 作画:MA 感想(2)

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ピッコマにて。木曜更新で連載中。
ずっとイジメられてる犬みたいな高校生の女の子が、オッドアイの黒猫が車にひかれそうになったのを助けたら、人型の猫やネズミのいる異世界に行ってしまったお話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

漫画「猫の花嫁」感想(1)
漫画「猫の花嫁」感想(2)

 

13〜15話

注意事項に「顔に線のあるネズミに会ったらあの人の名前を呼んで」とあった「あの人」はエニス王子の事だったようで、ダメ元で花は「エニス王子は必死に自分を探している」と言うと、すんなりではなかったが、効果があって、「顔に線があるネズミ」だけでなく周りの人達もいなくなる。

エルはエニスがネズミ村に行ったと聞いて、「あの子」がネズミ村に行っててエニスと遭遇したら大変だと、エルもネズミ村に行こうとする。
エルは部下に、適齢期だから貴族達から要請があって結婚関連のパーティーをするという話を出され、猫に変身して逃げ出す。

ネズミ村にエニス王子がやってくる。花が言ったことは、「エニス王子が婚約者を探している」と誤解されていて、その噂話を耳にした王子が、怒りながら、詳しい話をきかせろという。

花は突然現れたクマに追いかけられ逃げる途中で、足元が崩れて崖から落ちそうになるが、青年に助けられる。青年は花が見て逃げたクマだが、花は彼がクマから変身したのを見ておらず気付いていない。

 

クマ青年は仲間を呼んだから待つように花に言うが、花はクマ青年がケガをして血を流しているのを見て、崖を登ろうとする。そこに足音が聞こえてきて、見上げるとそれは仲間ではなくエニス王子だった。

花は元いた世界でも、犬には好かれたが猫には嫌われていた事を思い出す。

クマ青年はエニスから隠れるように花の後ろに隠れる。
エニスはひらりと花達の近くに飛び降りてきて、花に名前を聞き、花はすんなり答えてしまう。
重要指名手配犯の居場所を教えろとエニスに言われるが花は何も知らないと答える。

エニスは、花に何か言いかけたが、花の後ろに隠れるクマ青年に見覚えがあるという。

クマ青年は小声で花に泳げるか聞くと、花をお姫様抱っこして下の川に飛び降りる。
エニスはそれを見て、「チッ」と舌打ちして、引き返す。

 

16〜18話

城に戻ったエニスはエルに婚約者の噂話でいじられる。
エニス「初めてだこんな屈辱。絶対に許さない覚えておけ 犬井花」
エル「ありきたりな悪党のセリフみたいだな」

花は、クマ青年に助けられて、クマ青年の働く場所でもあり住居でもある薬を作る施設に連れてこられる。
花はクマ青年に、こちらの世界に来てからの事情を話す。

ユキが自分のせいで捕まったりしてないか心配だという花に、「そいつのせいで追われているのに心配するなんてエニス王子のような男に嫌われるだけある。本当に強い。どんな状況でも他人を信じられる強さを感じる」とクマ青年は言う。
「どうりで この世界に必要な存在だと感じるわけだ」

クマ青年の手のケガは大丈夫だとは言うがやっぱり動かすのに支障があるようで、夜にしか取れない薬草を取るのを花に手伝ってもらう。
その光る薬草は、乾燥させて服用すれば精神安定剤、熟睡効果があり、光ってる時にエキスにして飲めば覚醒効果がある。

 

長時間の労働や学業に勤しむものに人気で奴隷草とも呼ばれている。
見てたらつらかった事を忘れられそうだという花に、クマ青年は、おそらく昔、エニス王子にこの薬草が一面に光る景色を見せた時に「わあ 不思議こんなの初めて見た ありがとう」と無邪気に喜んでいた少し幼いエニス王子を思い出していた。

クマ青年は、薬術師をしていて、今は不在な師匠と先輩とその館で暮らしている。
師匠とクマ青年はかつて城で働いていた。
だから城に忍び込むのも、ましてやエニス王子の物を盗むなんて無理だと花にいう。

クマ青年「俺なら他人のためにそんな危険なまねはしない」
花「深く考えて行動してるんじゃないんです ただ人が好きだから力になりたくてできることなら何でもしてあげたいだけなのに 悪いことなのかなって思ったりもしますけどね」
クマ青年「悪いことじゃない 何かを為すのに正解も善悪もない」

今までこういう花の言動は「いいカモ」だ等と言われてきたため、非難されない事がとても嬉しかった。

ユキの家に帰るには遅くなりすぎたのでどうしようかと花が思案していると、クマ青年がよければ部屋を貸すと申し出る。
ケガが治るまでお手伝いという立場でお世話になる事にして、クマ青年のいる家に花はやっかいになる。

 

研究室から爆発音が聞こえる。
この回では明らかになってないが、それはクマ青年の先輩が薬の調合か何かを失敗してやったもの。

城で、エニス&エルのところに手紙が来て、何がどうしてか不明だが、花がネズミ村の森にいることがわかる。
その森は原因は不明だが、猫たちは近づくだけで不快に感じて避ける場所。

エルはエニスに「巻き込まれただけでお前を助けようとしてくれたんだから許してやって、むしろ助けてあげるべきじゃないか」というが、エニスは「あのときは助けてもらうような状況じゃなく勝手に首を突っ込んで状況を悪化させた奴に恩を感じる必要がどこにある?」と言って取り合わない。

エニスは花と一緒にいた青年は城で薬術師をしていた「あの野郎」の弟子のジョンだと思い出す。
エニス「ジョンが「あの野郎」の行方を知っているはずだ」
エル「だったらあの森もあの者の策略の可能性が高い」

その森に花がいることに偶然にしては何か奇妙なものを感じるエル。

エニス「あの森に入る方法がないわけでもない 時間が少しかかるだけだ」

 

13〜18話 感想

なんだか回を進むごとに、どんどんわけわかんない感が増していく気がします。
いろんな謎が何なのか、匂わすだけ匂わしておいて全然明かされないまま、どんどん次々と新たな謎が出てきて、何がなんだかわからなくなっていってる感じです。

花がこの世界に来るキッカケになった「車に轢かれそうになったエニスを助けた」件も、読者目線ではそう見えたままなのに、エニスからすると邪魔して事態を悪化させただけで助けられていないと思っているようで、それがなぜなのか、いい加減説明してくれてもいいんじゃないだろうか。

エニスが子供の頃はもっと素直ないい子っぽかったのが、変わってしまったのはなぜなのか。
これはすぐには明かされなさそうだけど、匂わされてることの1つ。

エルは花を気にかけているようでエニスに口は出すものの、決定的な強いことは言わず、やんわり言うだけで何もしないのも、何かもどかしい。
エルはこの国の指導者らしいし、やろうと思えばもっとちゃんと助けられそうだし、エニスを止められそうなのに、いまひとつエニスに強く出てこないのはなぜなのか?

 

クマ青年の名前がジョンだというのも16話でクマ青年の家に連れてこられてるのに、18話になってやっと、しかもエニスの口からジョンという名前が出てきてわかるという、回りくどさ。
花が連れてこられた時点で名前くらい明かしてもいいよね。

薬術師だってのはジョンから花に説明してるんだし、ジョンっていう名前が何かをしたすごい人とか何とかで今までに出てきてるわけでもないんだから、もったいぶってエニスに言わせる必要性はないと思うし、何なんだろう、あの名前の出し方は。

そしてジョンが崖から落ちそうになった時に呼んでいた仲間はどうなったんだろう。
川に飛び込んで逃げたから必要なくなったのはわかるけど、仲間を呼んでいた事、仲間って誰なのとか、その件に何も触れないのが不思議。

 

奴隷草って呼ばれている花の使い道も、なかなか酷い事だと思うんだけど、それについては二人共何も触れないのかよ。

「この世界に必要な存在だと感じるわけだ」とジョンが花の事を言うのも、なんかわりと唐突に感じてしまった。そういうのって普通、それより前にジョンが心の中で思ってたシーンがあって言うとかじゃない?

それにここでそんな大層な事を言ったのに、その発言に対する花の反応はお礼を言うだけで、終わっちゃうのもなんかなー、なぜ?って感じ。
「この世界に必要な存在」ってだいぶ重い言い方だと思うんだけど、なんでそこまで言うのって思うんだけど、その言葉についてはそれで終わっちゃうんだ?

ジョンが花を追ったのは花が悪いネズミに襲われそうになった時にエニスの名前を出してるのを耳にしたからだと思うんだけど、なぜ花を追ったのか、しかもなぜクマに変身して追ったのか、というのが謎のままです。

さらにジョンの師匠もエニスが探している人物らしくて、新たにエニスが追う人物として追加になったし。
もちろんその理由の説明はないし、師匠の名前も出てこない。

 

ユキの家を出てから、話数的にはそこそこ進んだけど、まだ同じ1日のうちで、しかも花が城に薬を取りに行ってその日のうちにユキの家に戻るつもりだったみたいなのが、驚きでした。
そんなすぐ取ってこれると思ってたのかい。

ユキの事とか全部話したなら、そもそも薬を取ってくる理由がユキの母親の病気で、ジョンが薬術師なら、ジョンが薬を作ってくれるとか調べてくれるとか、そういう話にならないのかなと思いました。

くずれた崖も、何がどうなったのか、ジョンが花をどう助けたことになるのか、正直、絵を見てもよくわかりません。

なんか、いろいろ謎なまま、どんどん新しい謎出されても、いろんなことが頭に入ってこないし、1話での話の進みも遅いから、この人今何してるんだっけって、話を見失いそうになります。

 

19〜21話

ジョンの家に住んで数ヶ月が経った。
ここにいる理由はもうないけどここでの事が役に立ちそうでずっと居座り続けている。

先輩が何かをまた爆発させてしまう。
花は薬術師の勉強をしているらしく、花の世界では普通だという勤勉さに、ジョンも先輩も驚く。

爆発の汚れを落とすため、花は師匠の部屋の浴室を使い、そこにあった入浴剤を使ったら髪が伸びてしまう。師匠が作った秘薬らしく、解毒剤はあるが、材料を探してきて調剤しなきゃダメらしく、先輩に面倒くさそうにされる。

髪は切ってもすぐに伸びてきてしまうらしい。

そこへユキが訪ねてくる。
ユキ「手紙を送ってくれてありがとう もっと早く来たかったんだけど事情があって」
花「大丈夫だよ 私の方こそずっと気になってたの」

ユキの母の具合は、力になってくれた方がいて良くなりそうになっているらしい。
歩きながら話そうとユキに言われ、森の外に出るのは危険だと言われていたがユキと一緒なら大丈夫だろうと思ってついていく。

 

先輩「怪しくない?事情はどうあれ花は利用されてるってことじゃない。1人で生き残るのも大変な状況なのに」
ジョン「俺は花の判断力を信じる」

花は元の世界で虐められてた事から逃げ出したかったから、ここに来てよかったと思っているとユキに話す。
花「だから帰りたいって気になるまでは ここでできることをやろうと思う」
花「王子の薬を取ってくるのもその内の1つ。この世界について勉強だってたくさんしたんだから」
ユキ「ごめん、本当にごめん」

エニス王子が現れ「そんなに何を勉強したんだ、俺を毒殺する方法でも学んだのか」という。

 

ごめんと謝るユキに「謝らないで、何か理由があるんだよね」という花。
それに対してエニスは「あのネズミ野郎に利用されて捨てられたんだ」とひどい言葉をあびせる。

ここの決まりで、ユキも花も、あちらの世界を知っている者を生かしておくわけにはいかないという。

ユキがジョンの家に「助けてください エニス王子が」と言って駆け込む。

花の入浴剤の香りの影響を何か受けたらしいエニスが「貴様一体何をした・・」と言って花に近寄ってよろける。

花はエニスの前に馬に乗せられ、一緒に城に連れて行かれる。
城に着くと花のことは部下たちにまかせて部屋に入る。
エニスは花の香りで妙な気分になったらしく顔を赤らめる。

 

19〜21話 感想

さらにわけわかんない感がすごくなっています。

まずジョンの家であれから数ヶ月も経っているという事にものすごくツッコミを入れたい。
ジョンの家に来るまでが、この世界に来て数日だったと思うのに、そこからいろいろ気がかりな事をそのままにして、ジョンの家で数ヶ月も過ごしたのはなぜなのか理解できません。

ユキは?ユキに薬取ってくる件はどうなった?

ユキの家からジョンの家まで1日かからないで来れたんだから(川で流されたけど)、数ヶ月もの間に、まずユキの家に一旦戻って、事情を説明して、ジョンの家にしばらくやっかいになることにするのだってできたはず。

それならわかる。
ユキに会いに行って、そこをちゃんとしてから、ジョンのとこで数ヶ月過ごしたなら、それはそれでもいいと思う。
でも、手紙を出しただけ、そのままユキに会わないままなのはなぜ?

 

何日か旅してきてたどり着いた先がジョンの家ってわけじゃないんだよ。
1日で行けるんだよ。なぜ気になってるならユキの家に会いに行かないの?
っていうか、最初に助けてもらって、しかも薬を取りに行くって約束した相手なんだから、気にならないわけないよね。
なぜすぐ行ける距離なのに、行かずに数ヶ月も過ごせるのか、理解できません。

ユキがエニスに協力して花を森の外におびき出したのは、母の治療をしてくれる代わりになんだろうと推測できるけど、ユキも花も生かしておかないというエニスの言葉から、母の治療は力を貸すけど、その代わりユキも助からないという条件になってるのか。

推測はできるけど、そこの交換条件等が、はっきりわからないまま、花はエニスと一緒に馬で城へ行き、ユキはジョンのところへ駆け込むという状況。

 

あの状況から、なぜ花だけがエニスと城へ行くことになったのかは、たぶん次回でわかると期待してるけど、謎が謎なまま、更に謎が増えていくという展開に「はぁ?」と思うことばかりで、わけわかりません。

細かいことを言うと、もっといろいろあります。

秘薬の効果って、髪が伸びるだけなの?
そのわりに前髪とか前方の髪は伸びてないので、ぱっと見わからなくて、どこが?って感じ。
切っても切っても伸びてくるというから切ったのかもしれないけど、キャーと悲鳴を上げてジョンに会ってすぐの時点でも前髪は伸びてないので、絵的に伸びた感を出すなら最初は前髪も伸びたままにするべきでは?

最初にユキと再会した時にユキが「薬術で見た目を変えることもできるんだ」って言ってるのは、髪の長さの事を言ってるの?
花って後ろは縛ってたと思うし、数ヶ月経ってたら、そんなに髪だけで気付くかな?と思ってしまう。

 

「歩きながら話そう」で、花はすぐに森の外に出ることを考えてるけど、森の中を歩きながらでも話せるよね?なぜ最初から森の外に出る前提?外が危険なら森の中だけ歩くように言えばいいんじゃないの?

エニスがユキを使って花をおびき出したけど、元々追ってた重要指名手配犯のユキに接触してたってことは、もう捕まえられたってことなんだよね。
エニスがさらに花もってそこまで執着するのはなぜなの?

もっと言えば、ユキの事だって、行ってはいけないあちらの世界に行ったとはいえ、殺すほどの重罪ってあまり思えないので、なぜエニスがユキも花も殺そうとまでするのか、なぜエニスはそこまで極悪非道な言動なのか、理解できません。

 

花についていえば、花はあちらの世界の人なんだから、こちらの世界のルールで殺そうとするのはおかしいんでは?
「あちらの世界を知っている者を生かしてはおけない」って、花はあちらの世界の人間なんだから知ってて当たり前じゃん。花はこちらの世界を知られた事って意味なんだと解釈したとしても、来る方法がないなら問題ないと思うから、花はあちらの世界に送り返しちゃえばいいんじゃないの?

それをあえて殺すっていう方法をとろうとするのが、エニスが子供の頃から変わって極悪非道になったからってことなのかな。

花がユキと出ていった後、先輩が言ってることも意味不明。
「花は利用されてる」って言ってるのは何のこと?
ユキのために薬を取ってこようとしたこと?
それをジョンが話したの?
そこら辺、ぶっとびすぎてて、わかりにくい。

 

「俺は花の判断力を信じる」ってジョン!花の判断力信じちゃだめでしょ。
数ヶ月一緒にいたなら、花があまりよく考えないで行動しちゃうのわかるでしょ。

エニスが顔を赤らめてるのは、花の香りにマタタビ的な効果があるんだろうか。
まさかこれで、エニスが花を好きになっていく展開じゃないよね?
エニスの黒い部分とかいろいろ明らかにならないと、この状況で恋愛話になっても全く気持ちはついていかないですよ。

エニスの花への執着は何なのか、ユキの裏切りの理由、エニスと花だけ城に来たのはなぜ、という謎てんこ盛り状態で、頭がハテナなまま、21話は終わってしまいました。

最初に思ってたのと違って、この作品は、わりと描き方が下手でツッコミどころ満載なのかなと思いました。まともに読んでると疲れるヤツなのかも。
ここに書いてない細かい部分もいろいろと「んん?」と思うところが多くて、ちゃんと理解しようとしてはいけないのかなと思いました。