漫画「にぶんのいち夫婦」原作:夏川ゆきの 漫画:黒沢明世 感想(2)


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優しくてイケメンな旦那とラブラブで幸せな夫婦だと思っていたのに、ある夜、夫のスマホに表示された女からのメッセージを見てしまった事から、夫の浮気を疑い、夫を追求すべきか、知らないふりをして波風立てないでやり過ごした方がいいのか、悩む妻の話。

妻の友人達の夫、恋人の話も絡みながらの愛憎劇。

夫の不倫疑惑の真相がわかるクライマックス。

 

kindle unlimited ではコミック1巻が無料でした。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

 

「にぶんのいち夫婦」感想(1)
「にぶんのいち夫婦」感想(2)

 

 

26〜30話

文が無言で二人の側まで行くと、文に気付いた和真は驚いて席を立つ。

文は感情が高ぶって言葉がうまく出なくなってしまい、それをさやかに同情買うのがうまいと揶揄られ、悔しさに涙が溢れる。

それを見て和真が文に近づこうとするが、樋口が間に入り、みんなを用意した部屋に誘う。

先に部屋にいた高梨に和真は驚き、さやかにそそのかされて、文を襲ったが樋口が防いだと聞いて、高梨に非難が集中して、立川さとみと不倫している事もバラされる。

高梨の話は置いておいて、話を戻して、樋口はなぜさやかと会っていたのかと和真に聞くが、さやかが去年の11月から付き合っているんだと口を挟む。

なぜだと問う文に、さやかは、好きだからに決まっている、先に好きになったのは自分の方だと文に暴言を吐き、友人に向けられた酷い言葉にショックで倒れそうになった文を支えたのは樋口だった。

和真は文に一目惚れして近づいたのは自分の方だし、さやかからの告白はその前にきちんと断っていると答える。

どんな秘密があるのかと思えば振られた逆恨みだなんてくだらねー女だと樋口はさやかを挑発する。

 

もう一度、樋口はなぜさやかと会っているのかと和真に聞く。

途中、何度もさやかが口を挟んでくるが、それを省いて説明する。

11月の中頃、高梨と同僚の3人で飲んだ時にさやかが来て、たいして飲んでないのに和真は酩酊し、途中の記憶がなく、気付いたら知らないホテルにいて服が乱れていて、裸のさやかがいた。
混乱してホテル代を置いて逃げるように部屋を出て、終電で家に帰ったが、落ち着いて考えても、自分から何かをした記憶はないものの、何もしていないとも言い切れず、文に会わせる顔がなくて、残業して仕事ばかりしていた。

クリスマスイブはさやかに会いたいと言われ、最初は断ったが、浮気の証拠写真を消すと言われ、ホテルに行ったが、その頃、和真はEDだったので、さやかには触れていない。
バーで強い酒をさやかに飲ませて潰し、ホテルでさやかをベッドに寝かせ、和真はソファで寝た。

妊活で出来なかったのも、さやかの件が気になって気持ちが盛り上がらなかったためで、精力剤を買ったりもしたが、効かなかったら余計に不安になるので結局使わなかった。

大して飲んでないのに酩酊したのは薬を盛ったのではないか、妊娠したと言われても性交渉の記憶がないからDNA鑑定を頼んだらキレる態度はおかしいんじゃないかと樋口が指摘する。

 

 

妊娠していて酒を飲むのはおかしいと言うと、さやかは堕胎したというが、文にいつ堕胎して妊娠何週だったのか等を聞かれて答えるが、週数の数え方がおかしい事、12週を超えたら火葬と死産届けが必要になる事を知らない点を文に指摘され、嘘がバレる。

文が本当は子供もできてないし中絶もしていないんだろうと言って、さやかが言葉に詰まったところへ、菜摘と香住が乗り込んでくる。

菜摘はさやかに掴みかかって押し倒し、「友達を裏切って傷つけるようなやつは仲間じゃない、絶対に許さない」と叫ぶ。

菜摘に問い詰められてボコボコにされた、香住の彼氏の健も来て、さやかに言われて睡眠薬を飲ませた和真をホテルに運んで服を脱がせて写真をとる手伝いをした、和真がさやかに何もしてないのは保証すると土下座する。

健は去年浮気していた女に貢ぐお金のために、さやかを手伝ったのだという。

樋口は和真に、恐喝、詐欺、脅迫などで彼らを訴えるかと聞くが、俺には彼らを裁く権利はないという。

和真は途中で騙されているとは思っていたが、さやかは文に執着していて、和真にちょっかいをかけるのは文を傷つけたいからで、和真が避ければ矛先が文に向かうんじゃないかと思っていたからだが、今思うとそれは建前で、本当に怖かったのは文に信じてもらえず嫌われる事だった。

 

 

嘘をごまかずために嘘を重ね、それが文を不安にさせるって気付いていたのに見ないふりをしていた。
同意書に署名したり慰謝料を払ってでもなかったことにしたかった、事なかれ主義が招いた結果で、彼らは許せないが、バカな自分も許せない。

だが、そういう和真に樋口は、「あなた何歳ですか?吐き気がするほど激甘っすね」という。

自分のヘタレぶりを後悔するのとこいつらを警察に突き出すのは別問題、痛い目にあわせないと同じ事を繰り返す。

さやかは訴えられるならやってみろ、民事不介入で警察は動かないと余裕の態度で、和真とキスした証拠写真もあるから逆に性的暴行を受けたと訴えるという。

和真は目を覚ましたばかりでよけられなかっただけで、したくてしたわけじゃないと弁明する。

「ごめんね文、旦那さまの唇奪って、でも和真さんはその気はなかったそうだから 許してやりなよ」

と、高校生の時の王様ゲームの時と同じようなセリフを吐くさやかに文は何も言えないでいるが、「いい加減にしなよ」と香住がさやかの頬を叩く。

 

 

さやかは健とも浮気をしていたが、許すのが優しさだと思って、今まで許してきた。
自分が傷つくだけなら我慢できたが、文や和真も巻き込むなんて許せない。
健もさやかもやってことは償ってもらう。

それでも民事不介入だからと言いかけるさやかに、過去に他の人にも同じような事を繰り返してきた証拠写真を見せる。健が持っていた睡眠薬、盗んだ財布、時計も保管してあるという。

窃盗は立派な刑事事件で警察が動くのも時間の問題、樋口の地元にも被害者がいて、さやかの事を教えたら被害届を出すと言っていたという。

そして証拠にはならないかもしれないが、この部屋での会話も全て録音していて、刑事の心証には大きく影響するだろうと言われ、やっと青ざめるさやか。

改めて樋口は和真に、こいつらを断罪できないのは優しさじゃなくて自分が責任を撮りたくないという逃げだという。

そう言われ、和真はさやかと健を訴え、必要な証言もすると宣言する。

健は警察だけは勘弁してくれと泣きつくが、さやかは、和真が自分を選んでいればこんな事にはならなかった、和真のせいだと喚き散らす。

菜摘達の名前をあげて、みんな好きじゃない、みんな消えればいいと叫んだ後、どうして私は誰かの一番になれないのかと泣くさやかに、菜摘は「誰かの一番になりたいなら自分より大切にできる人を探せ、あんたは他人の外側しか見てない、幸せだけで固められた家なんてない、問題を乗り越えて家族をやってる」という。

 

 

1〜30話 感想

とりあえず、どうなるのかものすごく気になったので、真相がわかるところまで読めてラッキーでした。

先に26〜30話辺りを読んじゃったんですが、気になってしょうがなかったので、それでよかった。

だって物語の構成としてはうまいのかもしれませんが、ずーっと和真は浮気をしているのかどうなのかと気を持たされるようになってて、浮気をしているように見える部分と、浮気してるにしてはどうなんだこれ?っていう部分を見せられ、読者のミスリードを誘いながらの展開になってるので、順番通りに読んでたらヤキモキしちゃってしょうがなかったと思います。

結局、文は和真を怪しいと思った最初の時からずっと和真には怖くてズバッと聞けないままで、途中、妊活に逃げて追求を諦めちゃう感じになったり、文の友人の話になったりの展開もあるので、和真の浮気問題はどうした!?って思いそうです。

7話くらいまでは順番通りに読んで、その後は先に真相を読んだので、さやかの言動は、「コイツー、騙してるくせによく言うよ」って思ってました。

まず、最初読んでみて、メガネをとった和真がイケメンで、おぉーっと一気に興味を持ちました。

 

 

あと、樋口も超イケメンで、すっごくカッコいい。
最初はチャラいっぽい感じというか、若者っぽい言葉遣いはあるけど、ずっと若い割に落ち着いてて、中身もカッコいいです。

和真の浮気の真相がわかるのも、ものすごーく樋口のおかげで、樋口がいなかったら、もっとこじれていったんじゃないかと思います。

香住がさやかの悪事の証拠を持ってたので、最終的には暴かれたのかな。
いやあれは、文の連絡をうけて、健を菜摘が問い詰めたから出てきた物か?

あと菜摘もすっごく頼もしいキャラです。
菜摘の過去はちゃんと描かれてないのでよくわかんないですが、元ヤンなのかな?
でも美人で、男前な頼もしいおねーさんで、優香の旦那の件も間に入って旦那に活入れてくれてたし、むっちゃ頼りになって、カッコいい!

そして、悪の根源だったさやかは、よくこの人と友達やってたね・・っていうくらいの、クズな女でした。
犯罪レベルとしては低いかもしれないけど、友人としては最低。

気に入らないから意地悪したではもう済まない事をしています。
他にも余罪があって証拠もあったから、刑事事件にできることになってるけど、和真と文にやったことだけでも、許せないですよね。

警察が動かなかったとしても、民事裁判でどうにかしてやりたくなるんじゃないかなと思います。

 

 

自分の方が先に好きになってたって何回も言ってるけど、恋愛は早いもの勝ちじゃないんだよ!!
イマイチそこを突っ込んでくれる人がいなくて、不満が残ります。

完全にただの逆恨み。
文の方がもててるとか、文を妬んでるだけ。

文は高校時代に彼氏に王様ゲームでキスされて、ゲームとはいえ、表立って責められないにしても、内心この子嫌だなって思わなかったのかなぁ?

菜摘が言ってた二度目はないって、文の彼氏の事なのかな?
香住も時計を盗られてって言ってるけど、その話あったっけ?

グループでだと、友達って事になってるけど、自分とはそんなに話したことないとか、全員と仲良いわけじゃないって事あったりしますよね。私はありました。

菜摘の言ってる事も考えると、香住がかばってたから、友達付き合いしてたけど、今までにもちょいちょい、不信を招くような事があった人っぽい。

友達付き合いはしてるけど、さやかはちょっと苦手って思ったりしてなかったようで、そこが文のいいところなのかもしれないけど、人を妬むさやかの性格からしたらそういうのがにじみ出て、嫌な感じを感じなかったのかなぁと思ってしまいました。

 

 

最後の、真相究明の場面でも、何度も口を挟んで和真に話をさせないようにしたり、文を罵倒したり、あんまりな事を言いまくるので、ムカついてしょうがなかったです。

健は、弱いダメ人間みたいですが、和真に睡眠薬を盛って、ホテルで浮気を偽装する工作をさせられている事を犯罪だと想わなかったのが、もうダメなので、ちゃんと罪を償うしかない、同情の余地なしって感じがします。

途中、文は子供ができればうまくいくんじゃないかと思って、強引に妊活に走って、文がいろいろ大変な思いをしてたから、そういう考えになっちゃった気持ちもわかるけど、この件に関しては、和真がかわいそうだなと思いました。

和真に優しくなれなくなっちゃったのは仕方ないけど、文の方が検査が大変だとはいっても、和真も精神的な負担が大きかったのはすごくわかる。

そもそも和真はちゃんと同意して始めたわけじゃないから、事前にその場で精子をとる事になるとか、覚悟もなくやることになったら、戸惑うだろうと思います。

メンタルがすごく関係するだろう事を、タイミング法で今日やらないとだからっていくら言われたって、無理なもんは無理でしょうよ。

ちゃんと和真がその気になるように誘導してあげないといけないところを、文の方もそんな余裕がなかったわけで、和真だけを責められないことだったと思うから、この妊活の話は文の勝手な行動で、和真がかわいそうでした。

 

 


そして真相がわかって、この後、和真と文がどうなるのかってとこですね。

文は和真が浮気してたなら、もう無理だって思ってたけど、真相は浮気はしてなかったし、和真も薬まで使われて騙されてた被害者なので、文は別れないんじゃないかなと思います。

でも、文がものすごく傷つけられたのは事実なので、その心の痛みをどう解消するか、どう決着させるのかなぁというのがすごく興味があります。

和真も反省してはいるけど、結局、騙されている事に気付いてたのに言われるがままになってたのは、文に嫌われたくなかったから、らしいけど、文に嫌われたくなくてやってた行動で文をものすごく傷つけていたわけで、そこの気持ちのやり場をどうするんだろう。

嫌われたくないための行動が、文が和真をどんどん嫌う方向になっていってしまってたというのが、なんともいえない。

嫌いになりきれなかったんだけどね、和真の行動に優しさがあったから。
本当は浮気してなくて文を嫌ってたわけじゃないから、そりゃそうだよね、優しいよね。

 

 

ただ、やっぱりあのクリスマスイブ前の和真の言動は、酷いよなぁと思う。
イブは無理だと言ってたのを、一旦は文の言うことを聞いて、終電で帰ると言ったのに覆したのはどういう事だったんだろう。

最初から文に言い訳をして行けないと言うつもりで、部長に頼んでみるといったんだろうか?
さやかに会う予定だったのは、イブは無理って言った最初からだと思うんだけど、それとも、最初はさやかに会う予定じゃなくて、ほんとに部長の世話だったけど、さやかに言われて会うことになって、部長がつぶれてと言い訳したんだろうか?

最初からわかってて一旦は終電で帰ると言ったんだとしたら、上げて落とすほうが酷いので、すごく酷い。

うーん、和真がなかった事にしたくてデータを消してくれる方をとりたくなるのも仕方ないような気もするけど、でもあれだけイブにこだわりを見せた文との約束より、データを消す方を選んだっていうのがなぁ、それってどうなのって思うなぁ。

 

 

その頃には薄々、騙されているんではと感じていたんだろうし。
それで、文との約束を選ばないっておかしくないか?

あの後、文が家にいなかったのと、帰宅してからの文の反応を見て、相当怒っててまずいと思って、その後、和真は優しい態度をとるようになったんだろうか?

和真が文に何も言わず、なかったことにしようとしたのもよくなかったけど、文も和真に浮気を疑っていることを何も言えなかったので、お互い様だなと思います。

文はすごく精神的に辛い目にあったけど、文が和真に、立川さとみの事を聞けてれば、クリスマスイブは立川さとみと会っていたのか?とでも言えていれば、和真も本当の事を話したかもしれません。

文に嫌われたくないのが一番にあったんだから、文に浮気を疑われているとわかれば、和真の対応も違ったんじゃないかなぁと思うけど、どうだろう。それでも誤魔化して、さやかの事は言わなかっただろうか。

ただ、どちらも言わなかったという点ではお互い様だなぁと思いました。

 

 

結局自分では和真に追求できないままだった文だけど、私だったら、イブのあんな辛い気持ちの後に、何も言わないなんて、無理だなぁと思います。
文は浮気だったらそれを暴くのを怖がってたけど、私はわからないままモヤモヤする方が嫌だなぁ。

そして、文に全然気付かれてないけど、絶対文に好意を持ってると思う樋口は、このままただ文の夫の不倫疑惑の真相を暴いてくれる手伝いをしてくれただけで、終わるんだろうか?

ものっすごいカッコいいと思うけど、きっと文が樋口を選ぶ結末にはならないだろうと思います。
もしそうなったらかなり驚きです。

でも、このまますんなり引き下がって終わらなそうな気もするので、この3人のこの後の展開が楽しみです。

私はメガネかけてる人は男も女も好みじゃないので、和真はメガネかけてない時はカッコいいけど、普段はメガネが多いから、樋口の超美形さんぶりがほんとにカッコよくて大好きです。