漫画「仰せのままに」KWON 感想(6)

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侯爵家のお嬢様セレニーを慕う侍女のディアンが、セレニーの政略結婚を阻止し、身分違いの恋を成就させるための逃亡を助けるために、お嬢様のふりをしてエフェンハルト辺境伯の家に滞在しようとするお話。
エフェンハルト辺境伯がむっちゃカッコいいです。

ピッコマにて。木曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

「仰せのままに」感想(1)
「仰せのままに」感想(2)
「仰せのままに」感想(3)
「仰せのままに」感想(4)
「仰せのままに」感想(5)
「仰せのままに」感想(6)

 

 

48〜52話

エフェンハルトが買ってきたエプロン等の物が並べられたのを見て、不思議に思うドロテアに、ここにいる間、侍女として働くことになり、そのための道具なのだとディアンは説明する。

それを聞いてドロテアはおままごとみたいだと大笑いした後、笑ってお腹が空いたといって、ディアンにガレットを作ってもらうことになる。

料理をしながらロウェン侯爵邸のシェフ、フィリップや侯爵邸での仕事の話をする。

そこではスラム街の子が時々雇われたが、他の使用人に馴染めずに殆どの子が辞める事が多かった。
ある時、厨房に入った侍女の子をフィリップが「使えない、スラム街から来た子の中ではディアンが一番だ」と言ったのを聞いて、ディアンは初めから仕事ができる人なんていない、これまで飢えに苦しんでいた子が厨房に入ったことがあるわけがない等と反論した。

それ以降、フィリップはスラム街出身の使用人に優しくなった。

 

 

ディアンは真正面からぶつかる性格なので、すぐケンカになる。

人はそれぞれ自分らしく自分の人生を生きるのが一番だから、自分の生き方を自分で選べる社会は、健全な社会につながる。

話しているうちにガレットは出来上がるが、ドロテアはそれをエフェンハルトに持っていくようにいう。

さっきピリピリしてたからお腹が空いているんだろう、だから気持ちを落ち着かせるために持っていってあげてほしい、彼にもう少しいいことがたくさん訪れるのを願っている、ディアンがかわいいエプロン姿で手作り料理を届けるのが彼には生きる糧になるんだからと、なんだかんだ説得されて、ディアンは料理を届けに行く。

エフェンハルトは、暗い室内でソファに横たわりながら、ディアンがまた死ぬのだろうか、と考えていた。

今度はいろいろと状況が違う。

宝石の冷気は一週間で消える。
魔法使いも一週間後にここを去る。
その時にディアンも一緒に帰そうと考える。

 

 

ドアを叩く音が聞こえて、ドロテアだと思って寝てるから帰るように言うが、声を聞いてディアンだとわかると慌てて起き上がって、応対する。

渡された料理がディアンの手作りだと知って、頬を染めて喜び、感謝の気持ちを伝えるエフェンハルト。

去ってからも顔と体が熱く、気分を落ち着かせるために、ディアンは温泉に浸かりに行く。
温泉に行くとドロテアが先に浸かっていた。

正体がバレないように協力してくれるなら、間に入って自分とエフェンハルトが顔を合わせないようにしてくれればいいのにとドロテアに言うと、ドロテアは真正面からぶつかることが解決策になるとは限らない、道は私達が思うよりずっといろいろあるんだという話をする。

ドロテアが先に出ると言って、立ち上がって裸が見えてディアンは驚愕する。

 

 

ドロテアは男性だった。
レディー・ドロテアはあだ名で、正式な名前はヘモン帝国の第二皇子テオドアだという。

ディアンはキャーと何度も叫び声を上げるが、ドロテアは防音魔法をかけてあるから気にせず思い切り叫ぶようにいう。

なぜ女装しているのかとディアンが聞くと、ドロテアは、せっかく美しく生まれたのに男性の服ばかり着るのはもったいないと思ったからと答える。

それに種なしだから。

性欲を抑制するとその反動で魔力が高まるという説があって、魔法使いは自ら進んで種なしになる者が多く、ほとんどの魔法使いは種なしらしい。

ディアンは、ドロテアの衝撃の事実に、キャパオーバーで頭がパンク寸前になり、とりあえず部屋に戻って寝て、それからまた考えることにした。

 

 


エフェンハルトはあの手料理を持ってこさせたのはドロテアだろうと推測し、礼ぐらい言っておこうとドロテアのところへ行く。

「昼寝をしたせいか寝付けなくて」というエフェンハルトに、寝る必要なんてないじゃないかと驚くドロテア。

老い先短いということじゃないかとからかうが、望むところだとエフェンハルトは答える。

ドロテアは、エフェンハルトがいないとバゼルライトが手に入らなくなるから困るという。

しかしエフェンハルトは、ドロテアが魔塔の元老会の一員になったと聞いたので、もう私の役目は終わりだ、最近見つかったバゼルライトに似た鉱物を代わりに使えばいい、と言って、宝石を渡すのはこれが最後、もうここには来るなと言う。

ドロテアは、新しく見つかった鉱石はテスト済みで、バゼルライトとは比べ物にならないような物だから困るという。

 

 

エフェンハルトがドロテアに協力しようと思ったのは、皇室における彼の立場が弱かったからで、今はそれなりに足元を固めているから、これ以上は自力でどうにかするようにいう。

ドロテアは話題を変えて、エフェンハルトとディアンが恋人同士ではないかと思って聞いてしまうくらいだから、今の状況はまずいのではないかというと、エフェンハルトは彼女を一週間でドロテアと一緒に帰ってもらうつもりだと答える。

それを聞いて、本物のセレニーの手続きは早く終わっても10日はかかるだろうから、困ったと思うドロテア。

皇子であるドロテア(テオドア)がいれば、ディアンの悪い噂も打ち消されるだろうから、好都合だろうとエフェンハルトはいう。

本当に自分がディアンを一週間後に帰せるとでも思ってるの?

 

 

48〜52話 感想

ディアンは相変わらず、ゴダゴダといろんな事を考えてますが、それは置いといて。

重要な事実が明らかになりました。

ドロテアは男でした!

でも男性でも女性でもどっちでもおかしくない、どっちでも通じる感じの顔立ち。
どっちにしても美形だけど、やっぱ女装じゃない方がカッコいい美形さんで好きだなぁ。

それとエフェンハルトはディアンを帰せないだろうと考えてるみたいだけど、ドロテアはどの程度、エフェンハルトの事を知ってるんだろう?

そして準備がまだとかあと1週間とか言ってたのは、エフェンハルトがドロテアにバゼルライトを渡してた事だったんですね。
バゼルライトが採ってから触って大丈夫になるまで1週間かかるから、なんですね。

 

 

53〜54話

ドロテア(テオドア)視点のお話。
以下、ドロテア改め、テオドアと表記します。

2日前にセレニーに頼まれた時は、エフェンハルト城になんてディアンは入れてもらえるのかと心配してたが、行ってみるとディアンは中に入れていたし、エフェンハルトはいつもと違って様子がおかしかった。

テオドアは13歳の時に初めてエフェンハルトに会い、知り合って10年になるが、今まで一度も彼のデレた顔を見たことはなかった。

初代皇帝のヘリオスが平民出身であることを強調するために苗字を持たなかったため、ヘモン帝国の皇族は苗字を持たない。
(統計によると苗字を持つ平民の方が多い。特に都市で働く平民。)

 

 


魔法使いが生まれるのは妖精女王の祝福を授かったヘリオスの血筋のみ
しかし皇族の正系から生まれたことは一度もなかった

最初の3人の魔法使いも位の低い貴族や平民出身だった

魔法の才能を持つ者は、皆ヘリオスのような赤い瞳を持って生まれ
皇族の正系は主に青緑の瞳を持って生まれる

テオドアは青緑の瞳だったため
彼に魔法の才能があるとは誰も思わなかった。


36年前、皇帝はぶどう園で働く娘に恋をし
周りの反対を押し切って皇后の座につけた

だが国民は平民寄りの皇室は支持したが
平民出身の皇后は毛嫌いした

平民も貴族も帝国中から冷たく扱われ、
子供もなかなか生まれず
皇帝はそれでも皇后を愛し続けたが
彼女は病んでいき、8年目に離婚した。

新たに貴族出身の皇后がその座につき
娘エカチェリーナと息子ベルグが生まれた

けれど皇帝は前皇后との逢瀬も重ねていた
しばらくして前皇后との間に生まれた男の子に
皇帝はテオドア(紙の贈り物)と名付けた

 

 


新聞よりもっと簡単に手が届く娯楽があったらと考えたのが
テオドアが「通送」を作ったきっかけ


男児の健康を祈って女児の服を着せる伝統にならって
皇后から贈られた女の子の服をテオドアはよく着ていた

前皇后と現皇后の仲は悪くなかった

姉エカチェリーナ、兄ベルグとも
テオドアはそれなりに仲が良かった

それらは、テオドアが愛らしく、周りのみんなから愛されたお陰だろう

テオドアの母が亡くなると
皇帝はテオドアを第二皇子に即位させようとしたが
それを巡って人々が対立する様子をみて
テオドアは魔塔に行って魔法使いになり
種なしになる処置も済ませてきた

父である皇帝は相談もせずに決めてしまった事を嘆いたが
父が頼りないから、テオドアは行動したのだった

こうしてテオドアは皇室の一員として受け入れられた

 

 

「変わってる」と思わせれば、出来ることの範囲が広がる

テオドアは持ち前の賢さと楽観的な性格で皇室での生活に慣れていった

けれど、母の事を不幸と評価されるのは耐えられなかった
テオドアの思い出の中で母はいつも幸せそうだった

人の生涯は一時の不幸で評価されてはならないのだ


テオドアは先入観のない人が好きだ
その点において魔塔はとても居心地が良かった

魔塔の外で心を許せる相手は
最も公正な人であるセレニー
最も興味深い人であるエフェンハルト


老いることも食べることも眠ることもなく
まるで凍てついた宝石のように変わりない彼は
本当に人間なのか、正直私もわからない

 

 

53〜54話 感想

さすが皇族なだけあって、テオドアにはいろいろと複雑な過去があったんですね。

継承権争いになりそうな空気を読んで、自ら種なしになって、さっさと争いから身を引いたっていうのが、なんか切ない。

ただ、彼の立場だともっと酷い状況にもなり得たと思うけど、母には愛されてたし、父にも愛されてただろうし、義母や異母兄弟からもイジメられたりはしてなかったようなので、わりと平和に生きてこられたのかなと思います。

それに彼自身、皇帝になるより魔法使いの方が興味あることだったんだろうし、彼がそのために不幸にはなってないかもしれないけど、それなりに魔力があって種なしにはる必要はなかったらしいので、それがなければ自分の家族を持つこともできただろうにと思います。

ただ、彼が結婚や子供を望んでいたかどうかはこの過去話からではわかりませんが。

元々それほど興味がなくて魔法の研究に夢中なのか、もうできない事を考えないように研究に夢中になっているのか、どっちなのかはわかりません。

 

 

エフェンハルトの事を人間なのかわからないって言ってる事や、彼の過去話からして、それほどエフェンハルトの事情をよく知ってるわけじゃないみたいですね。

テオドアが「通送」を作ったのは母親の噂話を広めた新聞の事がきっかけだって感じでちらっと描かれてますが、通送と娯楽の関係性がよくわからなかったです。

テオドアの立場が弱いために助けてあげてたみたいだけど、それでなぜエフェンハルトがテオドアを嫌ってるのか、テオドアが握るエフェンハルトの弱みってなんなのかは、まだわからないのか。

それと「最初の3人の魔法使いも位の低い貴族や平民出身だった」の意味がよくわかりません。
魔法使いはみんなヘリオスの子孫だし、最初の魔法使いってヘリオスの子供だよね。
つまり皇族だと思うんだけど?
またなんか翻訳が違うのかな?

 

 

55〜57話

テオドアに、ディアンに自分が本物のエフェンハルトだと明かさないのかと聞かれるが、エフェンハルトは、あえてそれを明かす理由もないし、明かさない理由もあると答える。

手作り料理はテオドアが仕向けたと知って少しガッカリするが、テオドアにお礼を言う。
テオドアは面白そうだからやっただけと答えるが、テオドアの楽しみが私の喜びになるなら私達の仲は結構良かったのかもしれませんといって去る。

門からオットーの乗ったセレニーの白馬車が来るのが見え、テオドアは迎えに行く。


ディアンはすっきりして目覚めて、これから何をしようか考え、掃除をしようと思いつく。

部屋を出るとすぐにテオドアに会い、気まずい気がしてしまうが、普通の対応をしてくるテオドアにほっとする。

テオドアに今日の格好は少しズレてる気がすると言われて、髪を結われる。

 

 

テオドアに美の秘訣は何か聞くと、ディアンが知っている人の中で私が一番念入りにお化粧をしていると断言できる、女装は私にとって一種の戦闘服、だから生半可な態度で挑みたくないんだと答える。

テオドアは「その清楚な姿で辺境伯を口説きに行こう」と軽い調子で言うが、ディアンはエフェンハルトに惹かれてはいるが気持ちを打ち明けるつもりは全く無いんだから、そういう事はやめてほしいという。

歩きながらディアンは、第二皇子なのになぜ魔法使いになったんだろう等とゴタゴタ考える。

エフェンハルトの執務室に着き、最初はテオドアが声をかけたので、ぞんざいな態度だったが、ディアンが一緒にいることに気付くと、慌てて立ち上がって丁寧な態度で出迎える。

 

 

ディアンは掃除をして自分が使う部屋を整えることと、エフェンハルトの部屋も掃除することを告げる。

最初は断られるが、侍女として働く約束だというと、自由にしていいと言われる。

テオドアがエフェンハルトに、今日はディアンがいつもと違う感じがしないかと問いかける。

エフェンハルトは髪を結って美しい、とても似合っているとディアンにいう。

テオドアは昨夜、客が来たので離れ(執事の家)に案内した事をエフェンハルトに告げる。
エフェンハルトは、これから追い出しさえすれば別に構わないという。

テオドアはまた温泉に行って朝まで過ごしたらしい。

テオドアは、客はディアンの馬子(オットー)だから追い返すのは難しいと言い、「でも辺境伯はいつも通り会わないつもりですよね?」と何度も確認してくる。

 

 

55〜57話 感想

ディアンが侍女として働く約束の話を持ち出した時に、エフェンハルトが赤くなって顔を隠してるのが、なぜなのかイマイチわかりません。

え?そこそんな顔赤くするような話だった?

翻訳が違うんだろうか・・・。

まあ、なんか他のとこでも、こうでこうなったの理屈がよくわからない話の展開は所々あるんですが、だいたいの言ってることがわかればいいやと思ってます。

心の声が結構いっぱい書かれてる作品なので、心情がわかりやすいかと思いきやそうでもないという・・。

 

 

そしてテオドアが何度も客に会わないのかとエフェンハルトに確認するのはなぜなんだろう?
(この先の話も読みましたが、よくわかりませんでした)

56話でテオドアがディアンに「仰せのままに」と、タイトル通りの言葉を言うんですが、タイトルの言葉を言った!って感じがあんまりしない。
そうか、そういう意味でタイトルになってるんだねーって感じが特に無いな、と思いました。

前にもヘリオス、エフェンハルト、ディアン(妖精女王)の回想の時に「仰せのままに」のセリフがあって、どっちもディアンのだったので、「ディアンの仰せのままに」ってことではあるようですが。