漫画「幼き王女が人生をリセットされる件」Dayu 感想

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 【2019.10.9更新】

ピッコマにて。月曜更新で連載中。
スラニア帝国の姫、ソフィアは不治の疫病にかかり、治療の甲斐なく16歳で命を落とすが、気付くと10才の自分に戻っていた。
ソフィアは再び疫病にかからないよう医者になると決め、疫病をうつした犯人を見つけようとするお話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

1〜10話

スラニア帝国の姫、ソフィアは不治の疫病にかかって治療の甲斐なく、父や兄達に囲まれながら16歳で命を落とす。

夢の中のようなところで「スラニア帝国はお前が護るべきもの、再び還るのだ」という声が聞こえ、気付くと10才の自分に戻っていた。

ソフィアは再び疫病にかからないよう医者になると決め、食事の席で、父に医者になると宣言するが、兄達にはフザケてるか冗談だと思われバカにされる。

ソフィアには、5人の兄がいる。

ソフィアは自分が病気になって死ぬ夢を見たと話す。
父は気の済むまでやってみるといいと医者を目指すことを許してくれる。

ソフィアは、城にいる医師のローレンス先生のところに教えてもらいに行くが、ローレンス先生はソフィアの本気を疑う。

 

ローレンス先生は、医務室には患者と医者、学生だけで、姫も特別ではないと言って、医務室に寝ていた傷のある患者の体に、日が沈むまでに薬を塗ることができたら医学を教えると条件を出す。

ベッドに寝ていた患者は、ソフィアと同じ年くらいの少年で、名前はヒューストン・ホーク。
胸と背中に大きな傷が有り、最初は従順に薬を塗ってもらおうとするが、ソフィアが姫だとわかると「MACIONER」と罵り「お前の家族は全員詐欺師だ お前らのせいで俺はこんな目に遭ったんだ」と言って、ソフィアに「出ていけ」という。

起きて怒鳴ったせいでヒューストンの傷が開き「傷口からバイ菌が入るか出血多量で・・」とソフィアが言うと、「出血多量で死ねれば奴隷にならずにすむからいい」とヒューストンが言い、ソフィアは「死ぬのがどんなことかもしらない知らないくせに」と怒る。

ヒューストン「俺の傷はラルキー(ソフィアのたぶん一番下の兄)にやられたんだ。演説はそのへんにしておけ。スラニア一家には信用できる人間は1人もいない」

「お前が薬に毒を混ぜるかもしれないのにどうやって信じろと?」とヒューストンに言われ、ソフィアはツボを壊して欠片で自分の腕に傷をつけ、それに薬を塗って毒が入ってないことを証明する。

 

それを見て、ヒューストンはやっとソフィアが薬を塗るのを受け入れる。
そしてヒューストンは「MACIONER」と言ったことを謝る。

MACIONERは、深い海の底に棲んでいる化け物で、触手で船を攻撃して沈没させる。
運良く触手から逃れられてもその触手で海を汚して呪われた海水で船員たちを疫病に感染させてしまう。
船員たちは、狡猾な死神と呼ぶこともある。

その疫病は、ずっと熱が下がらず、力がなくなり顔にはバラの花の傷ができ、咳をしただけで内出血して、あとは死を待つだけになるという。その症状を聞いて、ソフィアは自分が死ぬ前の症状と同じで、自分がかかっていたのはその疫病だと思う。

ヒューストンの国、ウエイス公国ではそれを深海の呪いと呼ぶ。
深海に起因する呪いで、船員たちだけがかかる疫病。
他の人に感染させないように呪いを受けた船員たちは海に身を投げて自殺する。

 

ウエイス公国の兵士たちは命をかけて海を守っている。
港で専門家が検査をしていて内陸には広がらないようにしているため、ソフィアのように城の外に出たことのない者は見たことがないはずの病。

それを知ってソフィアは、誰かが意図的にソフィアに感染させたのではないかと疑いを持つ。

無事、ヒューストンに薬を塗れたので合格になり、ソフィアは明日から毎日午後に医務室に来るようにローレンスに言われる。

とりあえず図書館に行って薬草図鑑を見て覚えるようにと言われ、早速、侍女のエミリーと一緒に図書館へ。
図書館には兄のアンシーがいた。

アンシーは、今年の女神節にウエイス公国の使者が来る予定で、案内役をするよう言われたので、ウエイス公国の事を知るためにウエイス公国の話が書いてある本を読んでいて、ちょうど「MACIONERって知ってるか?」と聞かれ、一緒にその本を読むことになる。

 

MACIONERは、致命的な疫病を伝染させるため、死の神とも言われている。
船員たちがいつもMACIONERから逃れるために歌う歌が、ソフィアが習ったスラニア女神に捧げる歌の楽譜と7割以上合致する。

ソフィアが楽譜を見ると、リズムとメロディは似てるけど最後の部分が違う。

本の中の「伝説に寄るとMACIONERの疫病は(  )呪いで起こるとされている」とあり、肝心の部分が消されていた。アンシーが見た時には既にそうなっていたらしい。

その本を借りた者のリストにラルキーの名もあった。

ソフィアは、医学書と薬草図鑑をアンシーに渡してもらって部屋に戻る。

前世の女神節で異邦人たちをたくさんみかけた。
女神への祈りの歌を歌ったら異邦人達に冷たい目を向けられたのは、MACIONERに歌う歌と似ていたからなのか。
アンシーが異邦人達と接していたから?アンシーがソフィアに疫病をうつした犯人なのかだろうかと考える。

エミリーに、ソフィアが午後医務室に行っている間にアンシーが何をしているか見ているように頼む。

前世で、アンシーは父の右腕だった。
全てにいい評価を受けていた完璧な人。
ソフィアが病気の時に毎月末に来て慰めてくれた。
あまりに完璧だったが、改めて考えるとソフィアはアンシーの性格すらよく知らなかった。

 

11〜14話

ソフィアは病気で死ぬ悪夢に悩まされ、泣いているのを見て、エミリーはローレンス先生を呼びに行く。
ローレンスはヒューストンも連れて、ソフィアの部屋に行くが、先に入ったヒューストンをエミリーと間違えて、ソフィアは抱きついてしまい、ヒューストンは顔を赤らめる。

ローレンスは、書物にある体と魂が合致しない症状に似ているという。

ヒューストンに薬草を取ってくるのと、皇帝陛下にソフィアの症状を伝えるよう指示する。

すぐに父と兄たち全員がやってくる。
父と上の方の兄達は優しく接してくれるが、年の近い下の方の兄達はソフィアに文句を言う。

父&兄達は様子を見に来ただけ?
ローレンスに後は自分に任せて休むように言われて、父&兄達は退出。
去り際、ラルキーはヒューストンに肩をぶつけ「運がいい野郎だ」と暴言を吐く。

 

ローレンスが薬を作り、毎晩飲めば1週間ほどで良くなるだろうと言われる。
そのおかげで、その後は悪夢を見なくなる。

だがその後、疫病の事もMACIONERの事も、それ以上の手がかりは見つからなかった。

ソフィアはローレンスのテストを受ける。
治療法は合ってるが、薬剤の名前が全部間違っていた。

次に紙を渡され、そこに書いてある薬剤を揃えて薬を作るように言われる。
その薬はヒューストンのもので、飲むのはヒューストンだとローレンスに言われ、自分の命を守るためにヒューストンはソフィアがやることを全て監視するという。

ヒューストンは薬草をつむソフィアに「それはギリシャ草じゃないぞ」等と口出しをし、ソフィアが反発して、じゃれ合う。

 

城の庭?を走っていると、ラルキーが誰かを鞭打ちしているところを目撃する。
「俺の体の傷もラルキーにやられたんだ」というヒューストンにソフィアは謝るが、「お前とラルキーは違う。謝ることはない」というヒューストン。

ラルキーは「お前のような下賤の分際で母上を侮辱するとは」と母親の事で怒っている様子。

ラルキーが誰かが潜んでいるのに気付き、「たまたま通りかかっただけだ」とヒューストンが出ていく。
ラルキー「ウエイスを追われたオス犬か。盗み聞きして国の奴らに話してやろうとでも?」

ラルキーは鞭打たれていた者に、ヒューストンを死ぬほどいたぶりつければお前を解放してやるという。
鞭打たれていた者がヒューストンに襲いかかり、「皆やめて」とソフィアが声を上げる。

 

1〜14話 感想

「今日から狐王の寵愛受けます」と作者さんが一緒のようですが、「今日から狐王の寵愛受けます」よりは、まともな感じがします。

でもこの作品も「狐王」ほどじゃないにしても、全体的に微妙な感じがします。

自分自身の6年前に戻るという、いわゆる転生ものと呼ばれるジャンルだと思いますが、タイムリープです。

今のところ謎に思うのは、ソフィア達の母親が全然出てこない事。
皇帝の父は出てくるのに、ソフィアが亡くなる時にも、食事の時にも父と兄だけで母がいないのはなぜなんだろう?

14話でラルキーが母の事を話題にだしてるので次回、母について出てくるかもしれません。
ただ、14話も進んでやっと母の事に触れるシーンがちょこっとあるだけなのも、なぜ今まで出てこないのかと不思議に思います。

 

それと兄の人数が多いけど、みんな母親は同じなのか、異母兄弟なのか。

それとヒューストン・ホーク。
彼は、ウエイス公国の一般市民なのか、貴族なのか。
ラルキーに傷つけられたのはなぜなのか。

これも14話でラルキーと対峙してるので、次回出てくるのかなと思います。

なんとなくラルキーは訳ありっぽいような。
ソフィアが亡くなる時に父&兄達が会いに来るけど、ラルキーは姿は見えるけど、ラルキーだけ何も言葉を発していません(双子は2人で一緒と考えて)。

14話で、まだ子供なのに大人に鞭打つなんて、いくら身分が高いとはいえ、それを許している環境なのが、おかしい。

父は今まで出てきた感じだとまともそうだけど、この家族には何か歪みがあるのかな?

 

ソフィアはウエイス公国の人達の案内をしたのがアンシーだからというだけの理由で、今のところアンシーを疑ってますが、まだそれほど深刻に疑うほどの理由はないと思うので、いちいちシリアス顔になってるのが、おかしく感じます。

ソフィアが悪夢にうなされるのをローレンス先生が診た時に、書物にはそれしか載ってなくて、どうしたらいいかわからないと最初は言ってたのに、とりあえず作ってみたとか、薬がわかったとか何もなく、薬を調合してソフィアに処方していました。

わからなかったんじゃないんかい。

そして、それが効いて悪夢をみなくなります。
わからないとか言ってたのに、ちゃんと効く薬を作れたんだね。

単に前世の嫌な思い出を夢に見た、ように見えたけど、体と魂が合致しないのが原因てことだったり、それが薬で改善されるっていうのがちょっと驚きでした。

 

そしてソフィアが、16才だった時の記憶があって今10才だけど、ほとんどそのままの10才の子と言ってもおかしくないような子供っぽい言動なとこが、もうちょっと前世の記憶の影響で大人っぽい対応とったりしないんだ?、と思いました。

16才というのも微妙な年齢で、それほど大人ともいえないだろうし、城の中にいただけの皇女だったら、物知らずだったり、いろんな経験がないのもおかしくないし、10才とたいして違わないのかなという気もしますが。

ソフィアが聖女だと出てきますが、セリフの中でさらっと言われるだけで、聖女が何なのかの説明がなにもないままなので、よくわかりません。

ソフィアが死んで10才に戻ったのもそれと関係あるんでしょうが。

そして14話最後のシーンは、そこはソフィアが出ていくべきところじゃないの?って思いました。
ヒューストンはラルキーに傷つけられたくらいなんだから、見つかったら嫌な事をされるのはわかりそうなもので、兄弟であるソフィアなら嫌味は言われたとしても、暴力的なことはされないだろうから、ソフィアが出ていけばいいのに。

まあたぶん、2人の間に何があったのかとかの話を展開させるために、ヒューストンを出て行かせたんでしょうね。

今のところは、母親、ラルキー、ヒューストンのことが気になります。
あとは兄たちが多彩なキャラなので、それぞれ個性を生かした動きをすれば面白いかもと思います。

 

15話

ヒューストンに襲いかかった人は、ヒューストンに避けられて倒れる。
そして出てきたソフィアに血が付き、ラルキーに姫を襲えと言ってないと怒られる。

襲いかかった人はソフィアに「妻も子供もいる、助けてください」とお願いする。
ソフィアは、自分の護衛じゃないから私には解放する権利がないと最初は断るが、再度自分が死んだら家族が路頭に迷うと懇願され、あなたが生き延びるための手伝いをするといって、聖女として祝福と守護を与える。

するとラルキー配下の他の人たちも、「女神よ、われらの罪をお許しください」といって集まりだす。

ラルキーが怒って、自分で手を下すとムチを持つが、ラルキー配下の他の人たちがわらわらと逃げるのにソフィアがぶつかって、池みたいなところに落ちてしまう。

ヒューストンがすぐに助けに飛び込む。

ラルキーは「俺じゃない俺は何もしてない」と尻もちをついて怯える。

 

15話 感想

なんかとてもわけわかんない感いっぱいの回でした。
やっぱ「今日から狐王の寵愛受けます」と同じ人が書いた話なんだなって感じで、「今日から狐王の寵愛受けます」に近づいたような・・。

ツッコミどころが多すぎてツッコミどころしかないという感じです。( ´ _ゝ`)

次でわかるかなと思ってた、母親の事もラルキーとヒューストンの関係も全くわかりませんでした・・・。
全く触れられることなく終わり、ソフィアが水に落ちて大変という全く違う方向に展開していったので、もうその話にはしばらく触れられないのかなという気がします。

 

ソフィアは「ヒューストンに襲いかかった人」に護衛じゃないからと言い、ラルキーは奴隷と言い、この同じ服を来た人達がなんなのかよくわかりません。
ソフィアが祝福と守護を与えたら、「女神だ」と言って「自分も」みたいな感じで、わらわら集まってきたのは何だったんだろう。
やっぱ自分も祝福と守護をもらいたいってことだったのかな。

ソフィアが聖女だから祝福と守護を与えられるんだろうけど、祝福と守護を与えるとどうなるのかがわからないので、この人達も与えられたがってるのがなぜなのか、よくわかりません。
この人達は奴隷で、奴隷から開放される、もしくは死ぬことはないってことになるんでしょうか。

鞭打ちができちゃう状況も酷いと思いますが、単に罰を与えてるだけだと思ったら、死ぬかもしれないようで、勝手に殺す権利まであるっていうのが、この国の王族はどうなってんの?って思います。

まだ子供なラルキーにそんな権利があって、周りにいる人が誰も止められないっていうのが、おかしいと思うんですが。

 

あと、細かいことを言うと、14話最後では、「皆やめて」と飛び出したソフィアは離れた位置にいたのに、15話ではヒューストンと襲いかかった人のすぐ隣になっています。
血がドレスに付いてるけど、背中の血が飛び散って付くなら、よっぽど大量にしたたって血が出てたってことでもないとつかない気が。

まあなんか、動きを描くのがあまり上手じゃなくて、わかりにくい&変になってるのかなと思います。

ソフィアが「やめて」と言って出てきたのに、ラルキーにそれ以上何も言わず、止めようとしないのも、なんなんだっって思いました。
ソフィアは思わず出てきたものの、ラルキーには強く出れないんでしょうか?
父に言うぞとかなんとか脅せないのかなと思うんですが。

そして今までソフィア&ヒューストンの近くに水場なんて全然描かれてなかったのに、急に現れた池みたいな場所。完全に人工的に作られたっぽい感じなのに、そんなに深いの?っていうのが驚きです。

急にそんな深い池作ったら危ないでしょ。境目むっちゃ低くて柵みたいなのないし。

 

ラルキーの慌てっぷりもすごすぎる気がします。
「違う、俺じゃない、俺は悪くない」っていう、ものすごくよくある言動の王道を体現していました。

「この池(みたいなの)なぜそんなに深いの?」っていうのはあるんですが、自然の海や湖じゃないんだから、なんでそんなにすぐ命の危機みたいな反応するの?って思っちゃって「はぁ?」って感じです。

深くても狭そうだし、ヒューストンが助けに飛び込んだんだから大丈夫でしょって、わりと楽観視できる状況な気がするので、ソフィアもラルキーも命の危機っぽい雰囲気になってるのが「えぇー?」です。

ソフィアは急なことで反応できなかったのかもしれないけど、意識があるなら、もうちょっともがいて上昇しようとするとかしないのかよって思いますし。

あえて書きましたけど、この作品は細かいとこスルーしないと読めないヤツですね。
細かくないとこもわりとアレなので、とりあえず、誰がソフィアに疫病を感染させたか、ヒューストンは何故ラルキーにやられたのか、ヒューストンの素性、王妃とか母親はどうなってんのか、っていうとこだけ気にしてもうちょっと読む・・と思います。