漫画、小説「失恋未遂」原作:イアム 作画:高宮ニカ 感想2

 

羽鳥&三浦菜乃花編に続く、彼らの話の方でも登場している南条&小宮の恋愛話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「失恋未遂」感想(1)
「失恋未遂」感想(2)

 

 

 

南条&小宮 編

南条&小宮は会社で出会った二人なので、羽鳥&三浦菜乃花編のように過去の話と行ったり来たりはありません。
ナノカの話より少し前の時間軸から始まります。

そして切なさもありますが、ナノカの話のようにすごく泣ける感じではなく、わりと楽しく読めるお話です。

南条は仕事のできる超絶イケメンですが、ものすごく淡白で鉄皮面、無表情な人で、今まで誰かに恋愛感情を抱いたことはなく、女子社員達からアプローチされても、ことごとく断ってきた人です。

小宮は若くみえるけど33才で、小太りで見た目も美人ではなく、恋愛経験も10年前に少しお付き合いをしたことがあるだけの、腐女子(BL好きな女性)。

小宮は南条の補佐を担当していて、会社では羽鳥&ナノカのような関係。

仕事は有能で、コミカルで明るいキャラなので、みんなを和ませているような感じの人。

小宮は南条を王子様だと思っていて、恋愛対象というより、アイドルのような憧れの存在です。

仕事絡みでは普通に会話できたが、仕事が絡まないと南条がイケメンすぎて照れて、普通に話せなくなってしまっていました。

小宮はお酒を飲んで酔うと、南条が相手でも饒舌に話ができました。

ある時、小宮は会社の飲み会でそこそこ飲んで、南条と帰り方面が一緒だったので、南条がタクシーで送っていくことになりましたが、タクシーに乗る前に、酔った小宮に「1杯だけ」と誘われて、2人でお店に入ります。

 

 

小宮はこの時、夢を見ているのだと思っていました。

夢なので、自分のやりたいと思っていることを思うままに南条にしていきます。

南条の手をとって自分の頬に当てたり、頭をなでてもらったり。
彼女はほしくないが猫のような癒やしはほしいと思っていた南条は、小宮の頭をなでて猫をなでているような感覚になります。

この日はそのままタクシーで送って帰っておしまい。

小宮は南条と二人でお店に入ったことや話したことを全く覚えておらず、他の人に南条に送られたことを聞いて、翌日、謝罪とお礼の言葉を伝えました。

こんな感じで、小宮が酔って南条と照れなく話せる状態になり、南条が小宮を送って、公園で話をしたり、小宮をなでたり、小宮が南条に抱きついたりをして、南条は徐々に小宮を好きになっていくけど、小宮は翌日になると南条と話したことを覚えていない、もしくは夢だと想っている、というのを何度か繰り返します。

南条は小宮と話せて嬉しいし、どんどん好きになっていくんですが、小宮は翌日には覚えていないと思うと虚しくもなってしまいます。

 

 

南条は、今まで彼女はいたことがなく、高1の時から6年間、5才年上のバイト先の先輩と、呼ばれれば行くセフレのような関係だったことがあるだけです。

初めて好きだと思ったのが小宮なんですが、最初は猫みたいな感じって思ってたのから、どう好きに変化していったのかっていうのが、イマイチわかんなかったです。

南条&小宮は南条視点と小宮視点が交互に語られるので、南条視点でも結構語られていはいるはずなんですけど、猫みたいな癒やしの感覚からキスしたくなるようなところまでの変化がよくわからず、「あれ?いつからそうなったの?」って思ってしまいました。

という部分はありましたが、南条が徐々に小宮の周りの男に嫉妬を見せていくのとかはよかったです。

小宮は「まさか王子が自分となんて」と思っているので、キスされた記憶があっても、夢だと思ってしまいます。

そして、南条が取引先のハーフ美人からアプローチされていたのと、同じ会社の別の課の課長からの誤報もあって、南条に彼女ができたと思って、年末年始の休み中に失恋の痛みで痩せてしまいます。

 

 

そして、小宮が記憶を無くすほどには酔っていない時に南条からアプローチされ、キスされるのですが、他に彼女がいて自分にキスしてきていると思ったので、「それはできない」と南条にビンタして「帰って」と言ってしまいます。

南条も本当はちゃんと今までの事(小宮は記憶を無くているが話をしたりしていたこと)を説明して告白するつもりだったのが、焦って強引にキスしてしまったのでした。

小宮は南条の彼女だと思っているハーフ美人とたまたま会って一緒に飲むことになり、本人からつき合ってないことを聞きます。

そして次には、南条が前に話していた高校の頃につき合っていた(ような)彼女と南条が再会するかもしれない、ということになって、小宮はやっと玉砕してもいいから自分の気持を伝えようと思い、南条に電話して留守電に「南条さんが好きだ」と伝えます。

でもそのすぐ後に後悔して取り消すという留守電も入れるんですが。

それを聞いた南条が、急いで仕事を済ませて帰社して、資料室で小宮に迫り、小宮が好きだという自分の気持を伝えます。

ここでやっと夢じゃなく本当なんだということが小宮に伝わり、お互いの気持を確かめあって、付き合うことになりました。

 

 

高校の時の彼女とは、会ったけど、彼女から謝罪されたとのこと。

彼女は、まだ10代の南条を振り回して歪んだ関係を続け、彼を傷つけたとずっと気にかかっていたらしく、そのことを南条に謝罪したかったらしい。

今はスイーツ店の店主とつき合っていて結婚する予定とのこと。

ここでちょっと気になったのが、彼女と南条がお互い誤解を解いたというところ。

誤解って?どこが?彼女も南条も何を誤解していたのかがよくわからなかったです。
実は彼女は南条に気持ちがあった=好きだと思ってたってこと?

彼女が南条に謝罪したのはわかるけど、その時のお互いの気持ちにあった誤解ってのが何なのか。本当は南条が好きだったにしても、他に彼氏がいたのは本当みたいだし、歪な関係を持って振り回してたってことだと思うので、本当は南条が好きだったってわかってたとしても何か変わったんだろうか?って思っちゃうんだけど・・・。

そして彼女側の誤解は?南条は別に彼女のことを好きだったわけじゃなく、何とも思ってなかったってこと?ぐらいしか思いつかないんですけど。

両思いになったけど南条がすぐ翌日から2週間出張の予定だったので、すぐに離れ離れ。

そしてその間、南条から連絡がなかったため、小宮は落ち込んでしまい、もしや夢だったのかと思ってしまうことになりますが、ちょっとしたすれ違いで、戻ってくればすぐ解決で、ラブラブになります。

 

 

感想

小宮はオタクっぽいところがあったり、南条の恋愛感覚がちょっと変わってたりで、お互い驚いたり疑問に思ったりがありつつも、見てて微笑ましい面白いカップルです。

ナノカの話のように、ものすごく切なくなって泣ける事はなかったですが、明るく楽しい感じで読めてよかったです。

小宮がBL好きだってわかった時、南条はどんな反応をするんだろうとか、社内で南条の彼女が小宮だって広まった時にどんな反応をされるんだろうとか、いろいろまだこの二人の様子を見たかったなと思いました。

 

 

読めるサイト

一番最初は電子書籍サイトの1話試し読みで、その後comicoで配信されてるのに気付いてマンガを読みましたが、その頃、週一連載で無料で読むには羽鳥&ナノカ編だけでもあと数ヶ月かかるようだったので、エブリスタで小説を読みました。でも今はエブリスタは無料で読めなくなってしまいました。

エブリスタがリニューアルして1日1話無料が無くなりました

今は、マンガの方も小宮&南条編は完結していて、その後、時峰と泉という二人の話が続いて完結したようです。

今は1巻100ページ前後にまとまった形で配信されているようで、たいがいの電子書籍サイトで読めます。

途中まで無料で読めるのは、comicoとピッコマ。

どちらも南条&小宮編までは無料で読めますが、comicoはタテコミ形式になってるのと、話数の区切りが他と違ってます。
それにcomicoは配信が止まってるようで、先行配信の有料話の無料への移行が未定なままです。

前は1話毎の話読みの配信だった気がしますが、今現在(2021年8月)、南条&小宮編だけ話読み配信がありました。
時峰&泉編は完結したから話読み配信は終わっちゃったのか、どこかの雑誌で連載してたのか、よくわかりません。

ピッコマは14巻まで無料で(待てば¥0)読めるので、時峰&泉編も途中まで読めます。

マンガはのんびり読もうかなと思ってましたが、まだ読んでません・・。

時峰&泉編を試し読みで最初の方、読んでみましたが、今までの中で一番、見た目が好みです。
(南条も好きですけど)

やっぱりこの二人もすれ違いが続く話っぽいですが、おもしろそうだったので、機会があったら読みたいです。