漫画「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」作画:AhBin 原作:Nokki 感想(5)

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交通事故に遭い、気付いたら異世界で10才くらいの少女になっていて、そこは自分が読んだことのある小説の中の世界だったという、異世界転生もの。
舞台は中世の西洋のような世界。

ピッコマにて。金曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(1)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(2)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(3)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(4)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(5)

 

 

29話

セザールはベッドに寝転びながら、戦場の事、カナリアに今日言われた事を思い返す。

一瞬の油断で命を失いかけた
それでも俺は
死ぬわけにはいかなかった

何があっても
生きて帰ると約束したから


もう少し肩の力を抜いてもいいんだよ


何だか 休みを許された気がするな。


令嬢達とのお茶会の場に、セザールからカナリアへの贈り物が届く。
それはカナリアの好みにぴったりなネックレスで、他の令嬢達にセンスの良さを褒められるが、セザールのこういう物へのセンスのなさを知っているカナリアは、間違いなく他の人が選んだ物だなと思う。

セザールは、いつもお店で一番高いのか、一番ダイヤが大きいのを選ぶ。

「何となく目にとまったから買った」というメッセージカードを見て、可愛くて思わずプッと笑ってしまい、令嬢達に見せてとせがまれるが、セザールのイメージを守るために「二人だけの秘密」と言って断る。

 

 


その前日、宝飾品店で。

貴族社会の万屋で女性の好みを知り尽くしているマーシャ・ピエールを伴って、カナリアにプレゼントするアクセサリーを選ぶセザール。

カナリアの予想通り、セザールはその店で一番高く大粒のダイヤのついた太いチェーンのペンダントを選ぶが、ピエールにダメ出しされて、最近の女性が好むネックレスはこれですと、カナリアに贈られたネックレスを指し示す。

そしてピエールの提案で、明日のお茶会の時にプレゼントを届けることにする。
そうするとカナリア妃の顔を立てる事ができ、愛される旦那になるための秘訣だとピエールに教えられる。

 

 

29話 感想

ピエールはセザールが選んだペンダントを「もらった直後に払い戻したくなるデザイン」って言ってたけど、それが実物として存在してるわけで、それを作って商品にしてしまったこのお店(デザイナー)は、どうなんだ?ダメなのか?と思ってしまいました。

若い女性には好まれないけど、それ以外に需要がある商品なんでしょうか。

そして、最後に小さい字でですが、「こんな物を贈るような大人になっちゃって〜」とセザールの事を考えてるカナリアがやっぱりなんか達観してる。

 

 

30話

ノアがカナリアと3人でよく一緒に来た崖にセザールを呼び出す。
ここから見える赤い廃れた宮殿で、幽霊を見たことがあるとノアは話し始める。

そこは先皇帝の妃達が幽閉されている宮殿で、本来男は入るのが禁じられているが、ノアは遊んでいて迷い込み、ある美しい女性に会った。
彼女は西部で暮らしている遊牧民の長の末っ子で、彼らが帝国に従属する過程で、12歳で嫁入りした人質のような存在だった。

女好きだった先皇帝はたくさんの美女に囲まれていたから、彼女の事は先皇帝が亡くなる時まで忘れられたままで、あの宮殿に幽閉された。

セザールは家族との面会を皇帝に申し出ようと提案するが、彼女は何年も前に自殺したという。

 

 

ノアは彼女の事を思い出すと、同時に母(皇后)の顔が浮かんでくる。
皇后は彼女のようになりたくなくて必死なんじゃないかと考えるが、セザールとは争いたくない、皇位継承で争うくらいなら皇宮を去りたいとノアは言う。

セザールも逃げ出したくてたまらなかったが、守りたい人がいるから逃げなかったという。

セザールは、お前にも守りたいものがあるはず、それを考えれば自ずと答えは見えてくる、とアドバイスする。

その話を木の陰で、皇后の部下(白髪の人)が聞いていて、ノアが話していたことを皇后に伝える。
ノアが思っていた通り、皇后はセザールが皇帝になっても殺されないだろうが、幽閉される事を恐れており、それくらいなら殺された方がマシだと考えていた。

皇后は白髪の人、オスカー・ハインデルにノアの傍で私の耳と目になるようにと命令する。

 

 

30話 感想

セザールとノアは周りのせいで皇位継承を争うことになってるけど、本人同士は仲良しで争いたくないんですよね。

でも、ノアのその言葉を聞いて、「じゃあ俺たちは争わないでいよう」みたいな事をセザールは言わないんだなぁと思いました。そういう感じの言葉が来るのかと思ってたけど。

ノアがそう思ったとしても、争おうとしてるのは皇后だから、安易にそう言えないってことなのかなぁ。

ノアが守りたいものを優先した結果、自分と争う事になったとしても仕方ないってことなのかなぁ・・・。悲しい。

そして皇后に仕えている白髪の人の名前が出てきました。
今まで出てなかった気がするけど、どうかな。

 

 

31話

皇宮に戻ってから、皇帝に興味を示されたせいか、前より命を狙われる事が多くなったセザール。
自分の弱点を狙われるかもしれないと考えて、カナリアに護衛をつけることにした。

セザールの側近の1人、イーサン・ターナー、18歳。

小柄でかわいい美形のイーサンを見て、喜ぶカナリア。

そこへカナリアの兄シェパードがまた勝手にやって来て、手紙の返事が来ないことを怒ってカナリアを叩こうとするが、イーサンがかばって頬を打たれる。

イーサンは可愛い顔をしているが、敵陣に乗り込み1人で部隊を壊滅させた天才剣士で、キレると理性を失いがちな事を心配されているような人物だった。

イーサンはすぐにシェパードに剣を向けるが、カナリアが止めに入る。
殺されかねないと察したシェパードは捨てゼリフをはなち、すぐに退散。

カナリアは、ああ見えても兄は貴族の男爵で皇室の姻戚だからケガをさせたら、イーサンが騎士の爵位を奪われて皇宮から追い出されるかもしれない、皇子のいるここで勤められなくなるから、これからはむやみに抜刀しないように言って、兄のことを謝罪する。

イーサンは、おそらく子供の頃にセザールに拾われていて、皇子のために生きると心に決めている。
カナリアの護衛を命じられ、カナリアが誰の味方なのか見極めるいいチャンスだと思っていた。
だからどんな手段を使ってでも探り出そうと考えている。

 

 

31話 感想

イーサンはカナリアの傍にずっといるなら、きっとカナリアの良さをわかってくれる人になるはず。
最後の、小さい絵のイーサン歓迎会がかわいい。

そして相変わらずのカナリアの家族。

32〜34話

オスカーが、セザールとカナリアのところにつけているスパイの報告を聞いている。
カナリアが前の世界の言葉で書いたノートを持ち出され、誰も読めない文字で記録をとっている事にオスカーは警戒し、本人に直接聞こうと考える。

皇后はペルセネ伯爵家の令嬢、ユリア・ペルセネをノアの結婚相手に考えており、ユリアに会いに行くようにカナリアに勧める。

カナリアは第一皇子の妻が第二皇子の妻になる娘のご機嫌をとる場面を演出したいのだろうと、皇后の下心を感じたが、皇宮でのサバイバルのため、皇后の命令に逆らえるはずもない。

 

 


セザールが呼んでいると言われてイーサンは、代わりにサボっていたジャックスをカナリアに付けて、セザールのところに行くが、セザールは呼んでいないという。

セザールは皇帝が結婚の話をまた切り出す前に解決策を見つけようと本をたくさん読んで、グレイシーと結婚せずにランカスター家と手を組む方法を探していた。

イーサンは今からカナリアのところに行くかどうか迷ったが、カナリアが自分の事を心配してくれたことを思い浮かべ、嫌な予感もして、急いで向かうことにした。


カナリアはユリアと会話が続かず困っていたが、ユリアの方が自分に社交性がなくてごめんなさいと言って泣き出してしまう。

カナリアはユリアに、他の人を楽しませる必要はない、社交界なんて建前の世界で役者が演技するようなもの、誰も社交界を楽しんでなどいない、私も仕方なくつき合っているだけだという。

 

 

皇宮の宴会場の2階北側の一番端にあるテラスが隠れて休むのにいい場所だと二人の意見が一致して、笑顔になって、仲良くなる。

カナリアはノアと結婚するかもしれない娘がすごく優しそうで、ほっとした。

帰る途中で、ユリアに会いに花束を持ったノアとオスカーに会う。

「あんな小さかったノアがもう結婚をするなんて」等とノアにいう。
時の流れって本当に早いものだと思って、ノアが昔、カナリアに房事をしようと言った話を持ち出してからかうが、それを耳に挟んだジャックスに聞かれ誤解されてしまう。

オスカーはわざとジャックスの誤解を増長するような事をいうが、ノアとカナリアには聞こえておらず、気付かれていない。

あの日の思い出が、あれ程大きな波乱を呼ぶとは予想だにしなかった。

オスカーは馬車の御者に、面白いことが起きそうだから今回の計画は保留だと告げる。

 

 

屋敷に向かう道は色々あるため、イーサンはカナリア達がどこを通ったのかわからず、適当に道を選んで進んでいると、馬車を待つ盗賊っぽい人達を見つけて、声をかける。

イーサンの見目の良さに、盗賊達はイーサンを捕まえて奴隷商人に売ろうとするが、すぐにイーサンに降参する事になる。

盗賊たちに話を聞くと、待ち伏せして、馬車に乗ってる人がこのノートに書いてある文字を読めるから内容を探り出せと指示されていただけで、ターゲットが誰なのかは知らないという。

指示を出したのは誰か聞こうとすると、矢が飛んできて盗賊たちは殺されてしまう。


ジャックスがセザールの皇子宮に帰ってきて、ヤバい話を聞いてしまったと言って、カナリアがノアに「私と房事しようって言ったの覚えてる?」と言った事を話す。
ノアは真っ赤になってカナリアは大笑いしていた、と話しているとセザールに聞かれてしまっていた。

セザールはジャックスに、騎士の称号に誓って嘘ではないと言われてショックを受ける。

他に聞いていたのはオスカー・ハインデルだという事を確認し、この事は決して口外しないようにいう。

 

 

セザールは外に出て剣を振るって気を静めようとする。

カナリアとノアは兄弟同然だから度が過ぎる冗談をよく言い合っていたと考えるが、噂話が本当だったとしたら?、お前を信じ続けてもいいのだろうか、とセザールの気持ちは揺れてしまい、ガックリと跪いてしまう。

そんなセザールの様子をオスカーが木の陰から見ていて、ノートを奪われたのは残念だったが、3人の関係がこれからどうなるか楽しみだと思う。


カナリアの宮に戻ったイーサンを心配して寝ずに待っていたカナリアが出迎える。
イーサンは、盗賊から手に入れたカナリアのノートを後ろ手に持っていた。

 

 

32〜34話 感想

房事は皇族夫婦が月に一度、共寝するというルールのこと(6話より)。
何も知らないちびっこの頃の話なんだけど、そんなことまでわからないジャックスには、噂通りの不貞なのかと誤解されちゃうよねぇ・・・。

カナリアとノアは、ただ本当に兄弟のように仲がいいだけなのに、いろんな思惑のある周りにはそう受け取ってもらえないのが、皇族の辛いところですね。

オスカーは何かを企んでカナリアの馬車を襲わせようとしていたみたいだけど、「本人に直接聞こう」っていうのがこれだったのか。
自分で聞くんじゃなくて、悪者に聞かせるなんていう、随分手荒い方法なんだね・・・。

房事の話ってノアとカナリアの間だけで、セザールは知らない事だったんだっけ。
子供の頃の話って知らなかったら、まあ疑心暗鬼にもなっちゃうよね。

絆があるとは思ってても、実際に4年間も離れてて再会したばっかりなんだし。

大きな波乱って言ってたから、まだすぐには解決しなくて、もうちょっと大事になるんだろうなぁと思うけど、二人のすれ違いを見るのは辛い。

そしてオスカーって何者なんだろう。
ただの皇后の側近ってわけじゃなさそうな雰囲気なんだけど。