正解するカド Blu-ray Disc BOX 1(完全生産限定版)
- 作者: 村田和也
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2017/07/26
- メディア: Blu-ray
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2017年4月〜6月に放送されたアニメ。
髪の白い人がヤハクィザシュニナという難解な名前で異方(異世界みたいな別次元の世界?)からきた人。人類に革新をもたらす物を持ってきた。本当は人類と同じ姿はしていないが、対話のために人類に合わせた姿になっている。
そのヤハクィザシュニナが人類と対話をするための人類代表の交渉官が髪の黒い真道幸路朗(しんどう こうじろう)。
ヤハクィザシュニナは無尽蔵にエネルギーをとりだせるワムという、人類の文明が一変するような物等を次々に紹介していった。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。
最初の方は、ヤハクィザシュニナの達観した感じの物事に動じないキャラクター、真道の固定観念に縛られない感じの同じく物事に動じない感じのキャラクターや、次々に出てくるオーバーテクノロジーな異方の物にわくわくして、おもしろかったが、終盤はつまらない終わり方でガッカリした。
まず序盤からだが、もう1人の主要人物のサラカ(耳慣れない名前で聞き取れなかった)が、真道と同じ交渉官のくせしてものすごく感情的で嫌だった。この人よく交渉官やれてるなと思うレベルで感情的すぎて鬱陶しかった。
そしたらこの人が実はヤハクィザシュニナと同じ異方存在で、地球を含むこの宇宙を監視する担当者なんだけど、人間を体験するために人間として生まれてきていた存在だった、というのが更になぜこんなに感情的?って思う。
最初は異方存在というのを忘れてたか何かで、途中で覚醒して異方存在としてのちからが使えるようになるけど、それでもその感情的な感じは最後まで変わらなかった。
見た目がかっこいい衣装になっただけ。
終盤、ヤハクィザシュニナに勝つために真道とサラカで異方と人間のハーフの子供を作る。異方の力を使って時間の流れの違う空間を作り、真道の部下の花森という男性にその子供を16才まで育てさせるのだけど、ちょっとしか出てこないけど見た感じ1軒家分ぐらいの空間しか無い世界で子育て経験も知識もおそらくない若い男性がたった一人で子供を育てるなんて地獄だと思う。
子供がある程度大きくなるまでは話し相手もいない、ほぼ一人と変わらない状況だし、イライラの多い子育てを閉鎖的な空間で一人で、精神的におかしくなってもおかしくないような状況でまともに子供を育てられるのかなぁ・・虐待してどうしようもない子供が育っててもおかしくないと思うよ。
それに何で花森くん?サラカがやればいいんじゃないの?異方とのハーフで異方存在の部分って花森じゃ指導できないでしょ。時間の流れはどうにでも操作できるんじゃないのかな。こちらの世界で一瞬の間に16才にしちゃえば問題ないよね。サラカが16才年をとっても、異方の力で見た目はごまかせるんじゃないの?とか思うとたった2人で16年も閉鎖的な空間で過ごさせられた花森くんがかわいそうで仕方がない。
最後の方で花森くんが、全然言うこと聞かないし大変だったって言ってるけど、言うこときかなくて異方の力を使われちゃったら花森くんどうしようもないよね。
とか、いろいろ考えて、かなり無理があると思う。
そして一番残念だったのは、ヤハクィザシュニナの変貌。
真道のことを好きになっちゃったっぽいのが単に気に入ったのを超えて恋愛感情っぽいのもどうなんだと思うけど、そこはまあいいとしても、ものすごく感情的になってしまったのが残念でならない。
最終話なんてすごい感情的になってあれこれ言ってて、すごく陳腐なキャラクターになってしまった。
そして陳腐でつまらないセリフ、言動がアチラコチラに出てきていた。
コピーの真道が小さいカドに取り込まれた時、同僚の女性がカドの方に走り出そうとしてそれを止められ、「離してぇー、いやー、真道くーん」とすごいベタな言動をしていたが、もうその時点で小さいカドは消えてるし、そっちに行っても湖に入っちゃうだけだし、カドの傍まで行ったとしても入れないのはわかってるはずだし、離しても真道のところに行けるわけじゃないのに、ナニコレ?って感じで冷める。それまではサラカよりずっと落ち着いた感じの女性だったのに急に感情的で、しかもあれで真道がどうかなったのかどうかもよくわからないのに。
真道が死んだのか、みたいな反応してたけど、ただ取り込まれて逆さになって動きが止まっただけだし。そもそもただ回収するだけならわざわざ足だけ出してジタバタさせるなんていうわかりやすいおかしな感じにする必要はヤハクィザシュニナの側としてはないはずなのに、視聴者向けにやってるよね、あれ、っていうのが嫌。
真道とサラカの間に子供ができたのを見て、そんなまさか、とヤハクィザシュニナが動揺してたけど、サラカは中身は異方存在でも人間の体で生まれてきているんだから作ろうと思えば作れるのはおかしくないだろうと思う。
まさかそんなことをするなんてという、驚きは与えられたんだろうけど。
真道との対決もわざわざヤハクィザシュニナは走って真道にぶつかって行ってたけど、本当は走る必要とかなかったよね。そこは相手に合わせてあげたと解釈してもいいけど。
その後、真道とサラカの子供、ユキカが登場して、ハーフだからヤハクィザシュニナより高次の存在だと言って(ここの理屈は、そうなんだ、と思うしか無い)、ヤハクィザシュニナを力で圧倒して消滅させる。
サラカが、もう手は尽きたと思わせてうんぬんと説明してるけど、結局、異方としての力の差で、力勝負だったよね。このタイミングとか別に関係なかったと思うんだよね。真道に勝負させる必要なかったと思うんだけど・・・。
最初からユキカつれてきてヤハクィザシュニナと力勝負させれば真道死ななかったんじゃないの?最初は真道と一応対話したとして決裂したらその時点でユキカにすればよかったよね。先に真道と対決させる必要全くなかったと思う。ただの視聴者向けの演出なだけでしょ、これ。
そして人間とのハーフのユキカが最初の方のヤハクィザシュニナみたいに感情に乏しい感じなのに、ヤハクィザシュニナは人間に近づいて、やけに感情的なキャラになっているというのが、なんだろうなぁ。
そしてユキカとヤハクィザシュニナの力対決で、ヤハクィザシュニナがワープして階段を登りながら真道に向ってたけど、ここも無駄に視聴者向け演出だなと思う。ヤハクィザシュニナは好きなとこに移動できたでしょうに。わざわざ真道から少し離れたところから向かわなくてもすぐ隣に行けたでしょ。ただただ「真道のところへ行こうとして行けなかった」っていうことにしたかっただけの物語的演出だなと思うので、そこも何だこりゃだった。
最後のユキカのセリフ。「うん、そんなに悪いやつじゃなかったよ」って、いや悪いヤツとか思ってなかったけどね、っていう反発をすごい感じてしまいました。
人類を異方に連れていきたい、っていうヤハクィザシュニナの意向と真道たちの意向が合わなかっただけだからね。
ヤハクィザシュニナは人類を異方に連れていきたいと思ってたのはわかったけど、最終回で彼が何をしたかったのか、よくわからなかった。
ユキカの存在は想定外だったとして、存在することがわかった時点で、一瞬でものすごくいろんなことを考えられるんだよね、異方存在は人類と比べて。だったらその後、あんな浅はかな感じの感情的行動はとらないんじゃないの?
ユキカとの対決中に瞬間移動できるなら、真道のとこへ向かおうとしないでそのままどこかに消えて避けられたよね。
それから真道を無理矢理連れて行ったんでは意味がないんだったら、長く対話して説得すればよかったんじゃないの。ヤハクィザシュニナには時間は無限にあっただろうに。
そしてヤハクィザシュニナは本当に消滅したのかなと疑問に思う。
それから異方の他の存在は、ヤハクィザシュニナのこの行動の結果、異方存在が消滅させられてしまったのだとしたら、何か行動を起こしてこないのかな?と思う。
異方存在がどんなのか謎が多いので、ここら辺は、どうなんだろうと思う以上のことは推測するしかありません。
と、いろいろと最後の展開は納得いかないことだらけで、残念でガッカリな終わり方でした。サラカがとにかく嫌いだった。
ヤハクィザシュニナや真道みたいな達観した感じで物事に動じないキャラクターはすごく好きなんだけどなぁ。