漫画「初恋の世界」西炯子 感想

 

恋愛から遠ざかっている結婚歴なしの独身40歳女性、小松薫を中心に、彼女の高校時代の同級生女性4人の群像劇。

連載中。既刊9巻。
ピッコマで3巻まで読んでの感想です。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

 

 

薫と小鳥遊

薫は、ゆったり落ち着ける贅沢空間でおいしいコーヒーをという、ちょっとお高いコーヒーを出すカフェの店長をしています。会社はコーヒー豆や器具の販売がメインで、カフェはいわば実験的な感じのライフスタイル提案型カフェ。

都内ではそこそこ成功しているけど、薫の実家のある地方の、経営がうまくいってない店舗を立て直すために、そこの店長に任命されます。

そのお店では、バイトなのにお客からは店長だと思われてる男性、小鳥遊がお店を仕切っていて、本来ここのカフェのコンセプトからは外れる、ランチを提供してたり、マンガや雑誌を置いてたり、喫煙可だったりしています。

薫が徐々に軌道修正しますが、実際、ランチのおかげで集客でき、なんとか経営できてる面もあって、他は変えられてもランチはなかなか無くせず。

この小鳥遊が、何を考えてるのか、わからない。

ずーっとなんなんだろう?何が目的なんだろう?って不思議な人なんです。どうも、素人じゃなくて、実は腕のある料理人らしい事が読者にはわかってきます。

そして小鳥遊は薫をホテルに誘ったりちょっかいかけてくるんですけど、恋愛するつもりじゃないとか、一緒に暮らしてる女性がいたりとか、「こっちも仕事なんだけど」と言ったりで、薫へのこのアプローチがなんなのかも、よくわかりません。

3巻の最後で、この店を狙っていて、薫達を追い出そうとしているんだと目的を明かしますが、なぜこの店をそこまで気に入ってるのかってのも謎です。

この先、試し読みで読んで、小鳥遊と薫がいずれカップルになるというのは、知ってるんですが、3巻までの時点で全くその気配がありません。
まあ薫の方は小鳥遊が本気ならおちてただろうなって感じで、心揺さぶられてましたけど、小鳥遊の方にその気がなさそうで。

3巻でもいまだにまだ小鳥遊が何考えてるのかよくわかんない状況なので、これでほんとは薫にひかれてたとかだったら、かなり驚きです。

そうじゃなくても、このあとこれでどうやってカップルになるんだろう?っていうのも、今の時点で全くそう思えないだけに、興味深くはあります。

そして、薫の友人達3人ですが、薫よりも友人3人の方が複雑な状況だなーと思います。

特に大浦と中松香織。

 

 

黒岩

黒岩は、離婚歴ありで、離婚原因は不明ですが、子供がほしかったのに妊娠しませんでした。

元旦那は再婚してて、妻&子供3人と一緒のところにばったり出くわしてしまうというのが、3巻で描かれます。

今勤めている会社の同僚の竹下に好意を持っていますが、竹下は薫と中学校の同級生で、薫に好意を持っているという三角関係です(薫には全くその気無し)。

黒岩は、自分が求めたものを他人に持っていかれる、求めたものを得られない、という経験ばかりだと感じていて、竹下の事は今度こそは手に入れたいと思っています。

竹下は薫に対して、好きな子をいじめちゃう態度をとってたんだけど、黒岩を介して再会した時に、その当時のことを謝りました。

竹下はなんとか薫にアプローチしたいようだけど、それが無理なのはわかってるので、黒岩とうまくいくといいけどねぇ・・。

今のところ、全く黒岩の事は眼中にないようなので、どうなんだろう。

 

 

大浦

大浦は35才の時に出会ったカメラマンの既婚者男性と不倫をしています。

3巻での出会いエピソードを見ると、それってなんか流されて体の関係持っちゃったって感じでは?って思うんだけど、心から愛している相手らしいです。

相手は出会った時の時点で結婚生活がうまくいってなかったようですが、(詳しい事情は不明ですが)それでも子供が成人するまで離婚はできないという話になってるらしい。

それまであと10年。それでも好きだから一緒にいられるだけでいい。
ということでしたが、この先の巻で、その気持にゆらぎが生じる様子。

それもさもありなんって思います。
大浦が子供をほしいと思ってるとするなら余計に。

10年後じゃ子供はもう無理だろうし、教師という職業柄、未婚で子供生むのは厳しいだろうし。

相手は、妻子の方と行ったり来たりだから、向こうの家庭の影を感じる事は多々あって、今だって向こうの家庭の柔軟剤の香りを消すために洗濯し直すとかしてるようじゃ、精神的にきつそうだなぁと思いました。

 

 

 

香織

香織は、お見合い結婚で、夫は医師で経済的な余裕があり、子供も2人いて、周りからはうらやましがられるような幸せな家庭を持っている、はずだったんですが、夫には結婚前からの付き合いの愛人と子供がいました。

なぜその女性と結婚しなかったのかというと、その女性は夜の仕事をしていたし、孤児で家柄が良くないから、結婚はできない、結婚するなら香織のような女性(香織の実家はお菓子会社の社長)じゃないとダメ、っていう結婚観を夫が持っていたからでした。

香織は恋愛結婚じゃないけど、それなりに夫に愛情を持っているつもりだったのに、夫は香織に体裁を求めていただけで、愛情は他の女性に向けていたんだと知ってショックを受けます。

夫からは香織も好きに恋愛して構わないと言われます。

そう言われても、すぐに、じゃあってわけにはいかないわけですが、この先の巻で、香織は別の男性と恋愛関係になるようです。

3巻では香織は大浦が不倫してると知って、しつこく不倫はよくないとやめるように言ってるんですけどね。
これは香織の夫の事があるから余計にそういう言動をしたのかなぁと思いました。

 

 

 

まとめの感想

絵柄は、薫はあまり好みじゃないんですが、小鳥遊はカッコいいです。すごく。
大浦、香織は美人でかわいいし、黒岩は痩せたら美人だろうなと思います。

それぞれの人間関係がどうなるのかなぁーという興味はありますが、買ってまでして続きを読みたいってのはないかな。