漫画「愛犬の法則」原作:イ・ヒョンソン 作画:トダム 感想

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漫画「愛犬の法則」原作:イ・ヒョンソン 作画:トダム 感想
ネタバレありなので、ご承知の上。

女性誌の編集部に中途で入社したばかりの新入社員、片山理央と編集長、松永僚太の二人を中心にした恋愛と家族のお話。理央には子供の頃から病弱な双子の妹、未央がいて、理央の家族はこの未央を中心に回っていて、理央は子供の頃から未央のためにいろいろな我慢を強いられています。恋愛のみでなく、理央と編集長の家族の話もストーリーの内容としては大きな比重を占めています。

全106話で完結していて、ピッコマで読めます。最後の6話は有料ですが、私はクリスマスのビンゴイベントでゲットしたコインを利用して読みました。イベントでもらったコインは期限があるので先に有料分を購入して読んでしまいました。そこそこおもしろかったです。でも有料で実際にお金を払っても読みたいかというとそこまでではないかなと思います。

編集長は、狂犬とあだ名されていて、とても仕事のできる人で、ここの女性誌を数年で有名にした業界内では有名な人らしいです。とても真面目で厳しくて、職場の人に信頼はされているようですが、恐れられてもいます。
お話の中でも最初に言われてますが、女性誌の編集長には見えません。実際の女性誌の編集長がどんな人か知らないですけど。堅物すぎて、こんな感じで女性誌の編集者なんてできるのかな〜と正直思います。が、このお話の中では、仕事のできる真面目で厳しい上司、というだけで「女性誌の編集者」ということはあまり関係ないので、まあいいのかな、と思います。最初にフランスにインタビューに編集長と理央の二人で出張で行くということぐらいで、後は仕事の内容がどうというのはさほどストーリーに関係ないです。
理央の家は未央の病気の治療費にお金がかかって、両親共に働いているし、理央も働いたお金を妹のために家に入れています。子供の頃から、両親は病弱な妹優先で、健康な理央は洋服は妹にあげなさいと言われ、妹が遊べないから友達ともあまり遊べず妹の面倒を見たりと、何かと我慢させられてきました。本当は行きたかった大学にも行けませんでした。
それでも独学で勉強したり、仕事もがんばってキャリアアップしていったりと、がんばりやさんです。英語は日常会話に困らないレベルでフランス語も話せるということで、それって日本でいったらかなりすごい語学力だと思うんですが、それほどすごいーって感じに言われてないんですよね。作者の名前をみてわかるとおり、作者は韓国の人なので、元は韓国のお話だと思います。なぜ、韓国のマンガは日本名に直して翻訳されているのかなと思いますが、これもたぶん翻訳なので、韓国だと英語ペラペラでもそれほどすごくないんでしょうか?

 

両親のうち、特に母親の未央への優先の仕方がすごいです。いつ死んでしまうかわからないから、今のうちにいろいろやってあげたい、という思いが強すぎて、なんでもかんでも理央には我慢させ、未央にしてあげようとします。なので、理央は未央を大切に思う気持ちもあるけど、もっと自分の好きなことをしたい、両親から愛されたい、とも思ってます。
そして今までは妹にほしいと言われれば自分の物を妹にあげ、両親の言うことにも逆らわず、いい子でいましたが、そのことを周りの人に指摘され、徐々に自分の気持を出していくようになります。

そして妹の未央は、二卵性なので双子でも似ておらず、理央は美人系ですが、未央はかわいい系の女の子らしい子で、容姿でも理央は未央にコンプレックスを持っていたりします。みんな未央の方をかわいいと言う、と。
が、そんな未央は、病弱のかわいい女の子、を装っていますが、実は、健康で好きに外に出て学校に行き会社で働いてと普通に暮らせている理央をすごくうらやんでいて、理央ばかり褒められている、評価されていると思っています。理央は未央ばかり両親にかわいがられていると思っていて、二人はお互いをうらやましがっています。
そしてこの未央が実は結構、腹黒くて、理央への嫉妬から、病気を利用してわざと理央の物を自分の物にするよう両親に働きかけたりしてきたようです。そして理央の会社の大切な書類を隠してしばらくしてから見つかったことにして、それを利用して編集長を呼び出し、誘惑する気満々で、友人にこれから編集長とデートだと言ったり、なかなか痛い行動をとります。でも編集長は未央の本性を見破っているので、全くなびかず、それどころかバッサリと痛いところをつかれて冷や水を浴びせられて終わります。
終盤に彼女が改心するまで、理央の会社に押しかけて理央の同僚にバッサリ、友人のヒロにバッサリ、編集長にもバッサリと結構言われ続けますが、そのたびに、みんな理央ばかり評価して、と全く反省しないで理央への嫉妬を深めるばかりでした。
ずっと病気で家にいるばかりだったようなので、社会にあまり揉まれていないがゆえの世間知らずで、傲慢な部分があるのは仕方ないとも思うので、そこはかわいそうだなとは思います。最初は未央の言動はムカつくことばかりですが、周りからバッサリされてばかりになっていくので、スカッとする反面、ちょっとかわいそうな部分もありました。

 

理央には優介という彼氏と、理央を何かと助けてくれるヒロという男友達がいて、二人とも幼なじみです。優介とは4年つきあってたそうです。この優介もかなり最低なやつで、実は未央のことが好きで、でも未央は「理央の彼氏の優介」が好きだから理央とは別れるつもりはないと言うようなやつでした。大学生なのか、就活中だとか、勉強が忙しいとか言って、理央からの連絡は邪険にしてろくに返信もせず会う暇がないと言うくせに、未央にはしょっちゅう会いに行っていたようで(未央も理央も実家住まい)、未央から優介に花束をもらったとかLINEで連絡がきたりして、未央に会う暇はあるのか!とモヤっとしていました。
で、ある時、優介がヒロに「未央が好きだけど〜理央とは別れない」という話をしているのを理央が聞いてしまい、目が覚めた理央は優介と別れました。その前に未央と優介がキスしてたのを理央が見ちゃってたこともあったらしい。
で、じゃあもうストレートに未央と付き合えばいいじゃんと思ったんですが、理央と別れた後、なぜか未央と付き合わず、そのまま未央からも離れていってしまいます。ここらへん何故なのかよくわかりませんでした。未央との電話で、本当にすまない、と謝っていたのを最後に登場しなくなりました。優介は未央が好きだったんじゃないの?なんで未央への気持ちも冷めちゃったの?なんかそんなシーンあったっけ?と思ったけど、どこらへんの話で出てきたか、話数が多くて読み返すにも1日1話しか見れないし、面倒でよくわからないままです。最初は本当に理央が好きだったのかもよくわからないけど、本当に最低なやつというだけで終わった優介でした。

 

そして逆にすんごくいい人なのがヒロです。本当に理央が困ったときにいつでもすぐに来て助けてくれるといった感じで、友人でここまでしてくれるってすごいなと思いましたが、実はヒロは理央のことが好き、というのがわかって、やっぱりね、と思いました。単に友人でもそこまでしてくれる人はいるのかもしれないけど、でもやっぱり好きっていうのがあるからそこまで面倒見てくれてるんだよね、と思った。でもヒロは理央に告白せず、優介の時も編集長の時も理央の気持ちを思って、身を引いています。
編集長とちゃんと付き合う前の時はチャンスだったんじゃ、と思ったけど、もう既に理央は編集長が気になる存在になってるってことに気付いてて、諦めたのかな。言っても良かった気がするんだけど。ほんと、ヒロはいい人すぎる。編集長とうまくいかなかった時とか、家族とのことでもうまくいかないときとか、いつも支えてくれたのはヒロでした。

 

ただ、ヒロは優介が本当は未央が好きで〜という最低な奴というのに気付いていたり、未央の病気が実は治ってるんじゃないかと思っていたり、そういう確証はないまでも気付いてることをなぜ理央に言ってあげなかったのか、というのは思いました。優介のことは理央を悲しませたくないと思ったのかもしれないけどそんな状態で付き合いを続けさせるほうがかわいそうだし、未央が治ってるってはっきりとは知らなくてもそうじゃないかということぐらいは言ってあげればよかったんじゃ?と思った。理央の家族にとってあまりに重要なことだけど、そこが原因で理央は金銭的にも精神的にも我慢を強いられていたのだから、なんで言わないのって思う。
ヒロはこの物語の中で私が一番イケメンでカッコイイと思ったキャラです。僚太は誰もが認めるイケメンということになってますが、私的にはヒロの方がずっとカッコイイです。ヒロは最後まで理央をサポートしてくれるいい友人で終わります。

理央の母親が未央に車を買ってあげようと理央に言ったのがキッカケで、とうとう理央は母親に反抗し家を出ました。この時の会話でも母親は理央に言われたことを全く理解せず、逆に未央がかわいそうじゃないのかと理央に怒ります。理央は好きなことができているんだからと言ってしまう母親の言動にはムカつきます。そして理央が家を出て2ヶ月ぐらいたってから、家計簿をつけている時に、理央がいなくなっても生活費がほとんど変わっていないことに気付いてやっと理央には何もしてあげてなかったことに気付きます。車のことでケンカした時の理央の言い分もやっと理解できて、子供の頃からずっと理央に我慢させてきていたことにも気付きます。離れてみてやっとわかったようです。

そして未央ですが、終盤になって、数年前にうけた手術が成功していて今ではすっかり健康になっていたということがわかります。医師の話だと手術後3年、様子をみたけど大成功だったと、最近の通院はよく眠れないからと睡眠薬を処方していただけだということでした。手術が何年前かわかりませんが、少なくとも4年以上、数年の間、未央はまだ病弱なふりをして家族を騙していたわけです。
そして治療費やお小遣いとしてもらっていたお金を貯めていた額が、ビックリするくらいの大金だったらしいんですが、それで何故気づかなかったのか、というのが正直驚きです。治療費を親が負担しているなら病院についていかなくても領収書はもらうんじゃないの?韓国の医療制度はよくわからないけど、日本だったら、そこそこ治療費がかかってるなら、医療控除とか確定申告するのに領収書は必要だし、そこで治療費を把握していないってのはあり得ない。それなりの金額の医療費がかかってるなら普通は申請する。それに、手術後の経過がどうかとか、病院がはっきりしたことを言ってくれないとか言ってたけど、親が気になるなら病院についていくなり電話するなりして、聞けばいいんじゃないの?というか聞かないの?完全に未央まかせで、病院とか医師と親は連絡取ってなかったの?っていう、親が未央が治ってるのを知らなかったってのがすごく疑問でした。
物語の最初でも未央の容態が急変して病院に連れて行ったために会社に遅刻して怒られるシーンでしたが、ああいうのも仮病だったってこと?でも連れて行ったなら診察してどうだったかの結果は聞くよね?と思うんだけど、そういうので今までバレなかったっていうのがとても疑問です。
それと未央の方も、普通に生活できてる理央をうらやんでたなら、普通に生活できる体になったのに、家にこもってばかりの生活で何年も無駄に過ごしてそれでよかったの?って思った。若い時期の時間を有効に使わなくていいの?
そういうのは第三者だからそう言える、という部分もあるけど、単純に、今まで外に出たかったのが出れるようになったのに出ようと思わなかったの?っていうのがすごく疑問です。未央はちょっと精神的に病んでる感じの部分もあったから、病弱で親の気を引く状況を変えられなかったのかもしれないけど、それより外に出たい欲の方が強かったりしなかったのかなーと思いました。
あと未央が理央の職場に行ったことを知った母親が、ただ行ったということを知っただけで(何を言ったかしたか聞く前に)、すごく未央に怒ってたのが、ちょっとびっくりでした。男と同棲している、家出した、とかいう話をしたのを怒るのはわかるけど、職場に行っただけなら、いきなりそこまで怒ることなのか?と思った。
そしてかなり最後の方になってやっと、理央と未央はお互い思っていたことを言い合い、両親も加わって、みんなで本心を言い合って、やっと未央は改心しました。それまで理央への憎しみや嫉妬を露わにしていた未央の最後の変わり様がすごいです。

母親、未央、優介、と理央の身近にいたムカつく最低な人たちは、一人は去り、あとの二人は理解し合えたことで、やっと終盤になって、いなくなりました。

 

編集長、僚太は、実は昔、理央が飲食店でアルバイトしていて僚太もまだ出版社に入る前の貧しい頃、理央に会っていて理央に笑顔と優しい言葉をかけられ気になる女性だと思っていたのでした。なので僚太は最初から理央のことを気にかけていて、理央にやたらと細かいことを注意してくるのは、僚太が理央を気にかけていることの現れで、新人イジメをしていたわけじゃなかったのでした。
僚太の好意はわかりにくかったんですが、僚太の優しさに気付いた理央が徐々に僚太を好きになりなんとか付き合うことになりました。会社の上司のしがらみでお見合いをしなければいけなくなったのに、お見合いをすることしか理央に伝えず、その事情や断るつもりでいることなどを全く説明しなかったため、理央を悲しませたりもしましたが、周りの人のおかげでなんとかなり、僚太と理央はだいたい順調にお付き合いしてました。こういう時、誰もが僚太の説明不足が悪いと思っていますが、それに気付かないような、人の気持ちのわからなさ加減の人が、よく女性誌の編集長なんてできるなと思ってしまいます。
が、僚太が誰とも結婚するつもりがない、というのを知った理央が、それを受け入れられず別れることになり、会社も辞め、傷心旅行でフランスに行きます。旅費は未央が貯めていた貯金を提供してくれます。
僚太が結婚するつもりがないのは、僚太の母親が父親を捨てたからでした。母親は父親に文句を言って怒ってばかりで、そういう両親の姿しか見てきませんでした。母親が出ていった後、しばらくして父親は自殺しました。結婚して失敗した家族の実例が自分の家族だったので、結婚は絶対しないと思っていたのです。僚太には兄がいて兄は結婚していますが、兄嫁は美人だけど気の強い人らしく、しょっちゅう僚太の家に嫁から逃れるために遊びに来ています。そういう兄の姿もいい見本とはいえなかったかもですが、理央と別れたことを知った兄が僚太を諭します。そして僚太には言わないように言われていた父から聞いた話を教えてくれます。父は昔、母を無理矢理犯し妊娠させ、当時は世間体があって堕胎できず、母は仕方なく父と結婚したそうです。つまり愛し合って結婚した両親の愛情が冷めてあんなケンカばかりの状態になったわけではなく、母は最初から父を憎んでいたのでした。父は母に負い目があるので母に何を言われても我慢していたとのことでした。
僚太は理央に嫌われたくない、嫌われたら生きていけない、と言いますが、兄はそれなら今の状態はどうなんだ、理央さんと離れていて生きていけるのか、最初から廃刊を恐れて創刊しないようなものじゃないのかと雑誌に例えて話しました。

兄の話ですぐに考えを変えたわけではないですが、いろいろ考え、理央に会いたい、と思います。
理央の方もフランスで贅沢にのんびり3週間過ごし、結婚にこだわる必要があるのか等考えます。そして理央も僚太に会いたいと思い、日本に帰ったら僚太と話をしようと思います。
理央がフランスのエッフェル塔に行ったところで、僚太が立っているのを見つけます。僚太も理央に気付いて理央のところに走ってきます。3週間前からずっと理央がくるのをエッフェル塔の近くで待っていたとのこと。そこで二人は和解し、キスをして終わります。

3週間もフランスで理央を待ってたなんて、仕事はどうしたんだろう・・・と思いました。ずっと理央が来るのを待っててくれたなんてロマンチックだけど、実際問題、編集長という立場の人が3週間も急に休みなんてとれないだろうと思うし、滞在費も結構かかるだろうし、理央が帰国するのを待って、になるよね、普通は。と思いました。しかも理央が来るまでまだ待つつもりだったみたいだし、仕事辞めてきたの?って思っちゃうよ。ほんとにどうしてきたんだ仕事。

全体を通して、なんか妙に敬語での会話が多いなと思いました。特に職場での会話が。職場だから敬語、丁寧語でおかしくないんだけど、なんか、妙に敬語すぎる気がしました。そういう人だったってことかな、僚太が。

恋愛の部分は、お見合いとか結婚観とか多少のトラブルはあったものの、お互い好きという気持ちは揺らいでいないので、ほとんど順調な感じでした。どちらかというと理央の妹や母親との確執の方がゴタゴタしてた気がします。

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