漫画「才川夫妻の恋愛事情」漫画:烏丸かなつ 原作:兎山もなか 感想(2)


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広告会社に勤める同期の才川千秋と花村みつき。
実は結婚している事を会社では隠していましたが、無事公表して周りも公認の夫婦として振る舞えるようになりました。そしてそれぞれにライバルが現れて嫉妬する展開です。プラス、子育て編。

 

「才川夫妻の恋愛事情」感想(1)
「才川夫妻の恋愛事情」感想(2)

 

 

kindle unlimitedで、雑誌「無敵恋愛S*girl」のバックナンバーで読みました。

 

7〜12話 ライバル登場編

この話の区切りはコミックの2巻以降の区切りとは違います。
話の内容的な区切りとして、12話までで一区切りかなと思って分けています。

7〜12話は、普通の恋愛ものでよくある、お互いライバルが現れて嫉妬するっていう展開です。

最初はミツキで、二人の同期の後藤が、ずっと海外赴任していましたが、日本に戻ってきます。
新人研修の頃、後藤はミツキの事が好きだったので、日本に帰ってきて、才川と結婚した事にショックを受けます。

この後藤はマンガのみに出てくるオリジナルキャラクターなようです。

後藤はミツキと人事部長が話しているのを聞いてしまい、ミツキ達が実は入社時から結婚していたということを知ってしまいます。

再会して今でもミツキが好きだと思った後藤は、配属前にミツキに告白していればと後悔していましたが、その時既に結婚していたという事を知って、やるせない気持ちになり、自分の気持ちのぶつけどころがなくて、会議室でミツキと二人になった時に、7年前に結婚していた事をみんなにバラしたらどう思われるかと脅して、関係を迫ろうとしていまいます。

 

 

ミツキは後藤をビンタし、その後に才川もちょうどやってきて、何事もなく終わるんですが、いやーこれは、もしここでこれで屈してたらダメすぎるでしょうと思いました。

冷静に考えたら、結婚してたことを隠してたのをバラされるのと、浮気してしまうのと、どっちがいいかっていったら、バラされた方が全然マシでしょう。

そもそもずっと才川夫妻とか言われてた二人なんだから、実は最初から結婚してたってバレたところで、知られた時は「えーなんで言ってくれなかったの?」とか言われるとしても、それで信用を失うみたいなことにはならないと思います。

素直に「新人で結婚してたら生意気だと思われるかと思って」と理由を言えば、それなりに納得されるんじゃないでしょうか。

その程度の内容の脅しで、屈してたらヤバいと思いました。
動揺しちゃうとその場では判断を誤ることもあるかもしれないとは思うけど。
でもやっぱりキスされそうになったら、そんなの無理な相手だったら、拒絶しますよね、きっと。

 

 

まあでも、後藤もカッコいいんですよね。
才川がいなければ、後藤も断然アリですよ、私的には。

でも、ほんとにミツキが好きだったんなら、7年海外行きっぱなしじゃなくて、帰省とかで日本に戻ってくる事もあっただろうに、そういう時に連絡とるもんじゃないの?

7年なんにもなしで、今さらって間空きすぎじゃない?って思いました。
7年も経ってたら、彼氏いても結婚してても、おかしくないよね。

その間、後藤もそれなりに恋愛してきて、再会してみたらやっぱ好きだと思ってしまったって事なのかもしれないけど、そういう感じに描かれてない気がします。

研修の頃好きで、海外に配属されて離れちゃって、戻ってきたら結婚してた、もっと早く告白しとくんだったって感じで、ずっと好きだったっぽく描かれてるんだけど、その間が7年て長すぎじゃない?ってツッコミたくなる長さです。

あんたその間、恋愛どうしてたんだよって思います。

 

 

この後、社内コンペ?みたいな感じで、才川チームと後藤チームで企画を争うことになり、ミツキは才川から後藤の補佐に替わります。

会社でも離れて、お互いその仕事で忙しくてすれ違いになってしまいますが、今まで我慢してたのがなくなったおかげか、7話以降、Hシーンは今までの話より、しっかりある気がします。

コンペは才川が勝ち、後藤はミツキの事は諦めて、普通に同期の同僚になって終わります。

次は才川で、出張先の仕事の取引相手として、元カノの碇に再会します。
元カノとは高校出てすぐに、数ヶ月つき合っただけ。

仕事相手として挨拶を交わした時に、碇に「才川の元カノ」と自己紹介されて、仕事仲間にバラされてしまいます。

碇は2億のCMの仕事をあげる代りに、一晩寝てほしいと才川に迫りますが、才川は「奥さんしか燃えないから無理」と断ります。

小説だと才川は出張じゃなくて転勤だったり(でもすぐ戻る事になる)、碇との会話がもうちょっと長かったりしますが、マンガだと碇の出番はほんとにあっさりで終わります。

 

 

電話した時にミツキが普段どおりで元気そうだったので、大丈夫だと思って元カノと再会した事は言わないことにしたんですが、本当はミツキは他から元カノの話を聞いて気にしていて不安なのに、平気なフリをしていました。

帰ってきた才川とHの最中にミツキがボロボロと涙をこぼして、「信頼してるからって何でも平気なわけじゃない」と言った事で、ミツキが心を揺らしていたことを知り、それを才川は喜んじゃうんだけど、不安にさせた事を反省します。

才川も後藤とミツキが一緒にいるのが嫌だという事を素直に伝えます。

二人とも、嫉妬する相手は登場してもこじれず、あっさり終わります。

なので、内容的には、どうってことない、よくある話なんですが、二人の関係はラブラブなので、私はこの作品で読んだ中では7〜12話が好きです。
理解不能な心情もないし、ちょっとしたスパイス程度の嫉妬で、ジレジレする事もなく、心安らかに読めるので。

私がこの作品で好きなのは、カッコよくて色気のある才川とかわいいミツキの二人のキャラなので、その二人がラブラブなのが一番いいです。

 

 

13〜18話 子育て編

13話以降は妊娠、子育ての話です。
まだ続いていますが、私が読んだのは18話まで。
小説の方でその先の話もざっくり読みました。

マンガだと妊娠はあっさり終わって、子育てがメインになるんですが、正直、こういうH寄りなジャンルで、子育ての話を読みたいとは思わないので、これ以降はあんまり興味ないんです。
でも無料で読めたので続きだし、読んでみました。

子育ての話だったら、経験を元にしたあるある話の方がためになるし、おもしろいし、あるよねーって共感しながら、笑えるような話の方がいいです。

もしくは本気で悩んでるような事だったら、検索して経験者のQ&Aとかを探しますし。

内容が子育ての実体験とかじゃないマンガや物語でよく描かれる子供像は、えーそんな子いないよーとか、そんなことしない、言わないっていう、違うことの方が気になってしまいます。

この作品もやっぱりあまり読んで共感するってタイプの話じゃありませんでした。

例えば、生まれてすぐの子供の髪の毛ってほとんど無い事が多いのに、だいぶふさふさだったり。

 

 

生後数ヶ月の子供の夜泣きが結構あると言ってますが、おっぱいをあげると泣き止んでるので、それは夜泣きとは言わないのでは?と思いました。

赤ん坊のうちは授乳間隔が数時間おきなので、どうしても親はまとまった睡眠をとれなくなります。
それが辛いって話ならわかるんだけど。

授乳で泣いて起きてるならそれは夜泣きじゃなくて、ただの授乳なので、授乳間隔からいって当たり前な事で、ほとんどの子がそうなやつ。

「うちの子は夜泣きがあって〜」と言うことじゃない。
夜泣きは何しても泣き止まないやつ。

子供の名前は椛(もみじ)で、才川が名付けますが、ミツキは才川がつけようとする名前がわかると言います。
マンガではその理由を説明しないで終わってしまい、ミツキの思ってた名前が当たったのかどうかもわからなくてモヤッとしますが、小説では理由が説明されています。

 

 

ミツキは子供が6ヶ月の頃、会社に検診に行って、会社の人達から才川がよく子供の面倒を見ているからイクメンだと言われる事に、モヤッとしてしまいます。

マンガではそれが解決するところまで読んでませんが、小説を読むと、才川はちょっと手伝ってるだけでイクメンでいいね、すごいねと褒められるけど、自分はそれよりずっと子供の世話をしているのに褒められないと思ってしまったようです。

でもそれを才川に話すと感情的に言ってしまいそうで、ぶつけたくないから1人で抱えてやり過ごそうとするっていう、理屈では理解できても感情的になってしまうという、それ自体はよくある事だと思います。

何をしても泣き止まない、才川が抱いたら泣き止んだとか、パパが抱っこすると何故か泣き止んで、なぜ?とモヤッとするっていうのも、私も経験ありますし、あるあるだと思います。

 

 

子供がなにをしてもずっと泣き止まず、お風呂に入れて、着替えを用意しておくのを忘れたからちょっとタオルの上に寝かせて取りに行って戻ってきたら、洗濯用石鹸を口に入れようとしていて、思わず子供の手を叩いてしまった、というのがあって、手が届く所に石鹸を置いていた自分が悪いのに、子供を叩いてしまった事に自己嫌悪して、未だに泣き止まない子供と裸のままの自分という修羅場な感じも、子育てではよくある事だと思います。

そこに帰ってきた才川に、あったことをポツポツ話して、「そんなこともあるよ」なんて、言ってくれるなんて、いい旦那さんじゃんと思いました。

「そりゃ思うようにはいかないだろ、子どもは自分の体の一部じゃないんだから」と言われたのも、その流れでミツキの言ったことを肯定してくれたと私は思ったんですが、ミツキがその才川の言葉にカチンときてるのが驚きでした。

さっきと同じような事を違う言葉で言っただけに聞こえたんだけど、ミツキには違ったんだ?

言い方にもよると思うけど、ミツキがこれを肯定と受け取らず、「偉そうに」と思うのはあまり私にはわかりませんでした。

 

 

結局、ミツキは1人でやり過ごそうとしたけど、才川が話をしようとしてくるので、感情的になって泣きながら話して、ぶつかって、こうしようと話し合うことができて丸く収まります。

才川が、ミツキに言ってもらわないとわからないからと、ミツキが最初拒否しても、話を聞き出そうとしてくれたのは、すごくいいなと思います。

そしてそうやって感情的になってしまうのは仕方ない事です。

ざっくりした見方で言うと、感情的になりがちだったり、旦那のちょっとした事に苛立つとか、あるあるな事も描かれているんですけど、具体的な内容はそんなに共感しなかったです。

旦那はこんなにやってると思ってて、妻はたいしたことしてないくせにと思うのは、よくある事だと思うんですが、才川とミツキの場合は違ってて、イクメンと言ってたのは周りの人で才川はそう思ってなかったからね。

 

 

うまくいかなかった話をした時に、こうすればよかったって言われてムカつくのはよくある話で、旦那は解決策を言ってくるけど、妻が望んでるのはそうじゃなくてただ聞いてほしいだけなんだって事。

でも才川はこうすればよかったとは言ってなくて、しょうがないって事を言ってるわけで、その言い方が悪かったって事なのかもしれないけど、しょうがないって言ってくれてるのに、なぜムカつく?って思っちゃいました。

否定的な事を言ってこないし、話を聞こうとしてくれてるし、才川は旦那としてはすごくいい対応してくれてるんですよ。

だから、やっぱりこんな旦那だったらいいよね、っていうのが私の思ったことです。

 

 

旦那がイクメンって言われたことないので、そう言われたらどう思うかわかりませんが、自分ががんばってるのに褒めてもらえなくて不満に思ったってことはないので、そこら辺もあまり共感できなかったです。

大変さをわかってもらえないのはありましたけど、褒めてほしいわけじゃなくて、わかってもらいたかっただけなんで。

これも前にどこかで見た事によると、子育てあるあるみたいですが、子育てしてる女性がほしいのは、共感なんですよ、答えじゃなくて。褒めてほしい認めてほしいってのともちょっと違って、理解してほしいんです。

ここで描かれてるのと、私が感じたことのある不満ポイントが違ってて、あんまり共感するエピソードがなかった感じ。

大筋の出来事は一緒なんだけど、そこじゃないんだよなーっていうか、そこなの?って感じでした。

 

 

小説では、この後、2歳半ぐらいになった子供を保育園に預けて、仕事復帰しているミツキの話が描かれています。

うーん、なんかやっぱり子育て編はいまいち。

マンガで読んで続きが気になって小説を読んでというのは、よくやるパターンなんですが、この作品の場合、kindle unlimitedで商業で出ている方の小説を読めてしまったので、そっちを読んでしまったので、更に投稿サイトの方も、とはなりませんでした。

ちらっと感想を読んだ感じだと、才川がミツキにだけ愛情をみせるのが好きって人が多いっぽいですが、私はそうならなかったなぁと思って。
小説の方もがっつり読んだわけじゃなく、才川はなぜそういう行動をとったのか、という事を中心に気になることを調べる感じで読んだってのもあるかもしれません。

でももう、マンガも小説も部分的には何度か読み返したりしてるし、これ以上はいいかなって思います。
好きなのは才川とミツキの中身よりも外見、マンガの方だし。
そしてこの先ってもう子育ての話しかないし。

 

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