漫画「恋癖」緒之 感想(8)

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恋愛のクセが強めな大学生達の恋愛群像劇。
タテスク全193話で完結済み。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

「恋癖」感想(1)
「恋癖」感想(2)
「恋癖」感想(3)
「恋癖」感想(4)
「恋癖」感想(5)
「恋癖」感想(6)
「恋癖」感想(7)
「恋癖」感想(8)
「恋癖」感想(9)

 

 

 

 

放置してましたが・・

感想1〜7まで、ストーリーをそこそこ細かく書いてましたが、それは7までで終わり。
完結してからもしばらく放置してましたが、100話までは完結前に書いていたストーリーのまとめがあったので、文章を見直して載せました。

すっごくおもしろいと思った恋癖ですが、「あの日」に何があったのか?という謎の部分が気になって追いかけ、塚本の恋歴でやっとわかるのか!?と思ったら、まだわからず・・・というのが繰り返されて、ヤキモキするのに疲れて、ある程度進んでからまた読もうと思って、しばらく放置しました。

読まないでいると気持ちが冷めていき、いつの間にか完結していて有料になって読めなくなるというのが私の中でよくあるパターンなのですが、恋癖も似た感じになりました。

完結に気付いて、有料化の前に最後の数話は読みましたが、後で読んでないところを読もうと思ったまま、結局、最後の方が有料になってしまいました。

なかなか読む気になれなかったのは、謎の部分は知りたいという気持ちがあったものの、シリアスな重い感じが増していってたのと、成瀬が真央にひかれる方向に話が進んでいったのが嫌だったので、読むのが疲れそうで、メンタルが相当元気な時じゃないとなーって感じで、その気になれなかったからです。

そして放置して、完結してからもう2年近くたってしまいましたが、先日、LINEマンガで1日だけ全話無料イベントがあって、そこで最後の方を読んで、やっと全話読みました。

ストーリーをまとめる気力はないので、最終話までの感想だけ書きます。

全話を読み直したわけじゃないので、忘れてるところもあると思います。

レギュラーメンバーと言ってるのは、作品中繰り返し出てくる人、
メインメンバーは、その中の成瀬、塚本、里帆、間宮、伊藤、上田、真央を指しています。

 

 

里帆と間宮

里帆のように両思いになると冷める人がいるというのを、このマンガで初めて知りました。

里帆のそういう現象をみて、えっそんな人いるの?って思いましたが、マンガのコメント欄を見て他にもそういう人がいるのがわかり、それが更に驚きでした。

しばらくして蛙化現象という言葉があることも知り、それくらい珍しくはない現象なんだと知ってビックリでした。

それくらい里帆の恋愛観は私にとって未知の考え方だったので、恋愛に関する里帆の感じ方は「へーそんな人もいるんだ」って感じでした。

が、その一方で、恋愛以外の面では、里帆はこの作品中ですごく常識人で、すごく読者(私)が思うことを他の人達にツッコんで言ってくれる人であり、この作品のストーリー中の繋がりに、気付いて繋げて話を進めてくれる人でもありました。

さり気ない気遣いもすごくて、恋愛以外ではスゴくデキる人だった気がします。

間宮はいろんな面で、この作品のレギュラーメンバーの中で、一番普通寄りな青年だったんじゃないかなと思います。

見た目はイケメン寄りだと思いますが、メインメンバーはみんな美男美女でした。

間宮は伊藤に振られ、里帆には振り回され、ちょっとかわいそうな役回りでしたが、その言動はどこにでもいそうな男子大学生で、基本はいい人。

里帆と間宮は付き合ってすぐ里帆の蛙化現象のせいで別れ、そのくせ里帆が実験と称して接してきて振り回されましたが、結局最後は間宮が男らしい態度をとって、めでたく付き合うことになりました。

それでも最後の回の様子を見ると、やっぱりどちらかというと里帆に振り回されそうですが、メンタル面は間宮が大きく受け止めてくれて、それ以外のところでは里帆がうまくやってくれる感じの良いカップルになりそうな気がします。

 

 

伊藤と上田

伊藤は、好きな相手をSNS等でストーカーちっくに調べちゃうところがヤバめで、好きな相手とまともに話せない奥手すぎる人ですが、それ以外は普通で、メインメンバーの中ではわりと登場少なめ印象薄めな人だった気がします。

いつものまとめ髪じゃない方が美人に見えました。

上田は地元にいる幼馴染の彼女がメンヘラで、別れたいけど彼女の周りの状況がかわいそうで別れるに別れられずにズルズル続いていました。

彼のどうにかしたいけどできないなんともいえない状況が理解できて、かわいそうでした。

第三者的には、バサッと切って別れちゃえばいいと思うけど、上田は普段ドライな感じに見えて意外とお人好しなので、できなかったんですね。

中盤でやっと別れられた時はよかったって思いました。

別れた後、元カノが意外と元気にユーヂューブに出てるのをみて、上田は複雑な心境になってて、すごい振り回されちゃってて、ほんとにかわいそうだったなー。

そこから、里帆や周りの人たちに応援されて、伊藤と上田は徐々に近づいていきます。

上田は元カノがメンヘラですんごい疲れたので、もう恋愛はしないって思ってたんだけど、伊藤は美人だしいい子だし、徐々に気持ちが向いていって、付き合うことになります。

やっぱり好きって気持ちを向けられてると、好きになれるタイプの相手だったらほだされちゃうよね。

伊藤がやたらと照れちゃう人なので、なかなかまだ普通に仲いいよりちょっと距離がある気がしますが、この二人は里帆たちより普通のカップルな感じがします。

上田は、主に大学のゼミの部屋でいいツッコミをしてくれる冷静でおもしろい人でした。

 

 

レギュラーメンバーな脇役たち

モテない代表みたいな大野先輩と、当て馬というか、メインキャラに惚れるけど相手にされない派手めな子と思ってたアユは、わりと序盤で付き合ってからは、この作品中ずーっと安定の仲良しバカップルで、シリアスの中の癒やしキャラ的存在でした。

最初は、ちょっと実家が裕福っぽい大野に、アユがたかってる感じなのかなーと思ってましたが、ちゃんとしっかり最後まで仲良しでした。

大野がアユのためにお金も時間も貢いで尽くしてる感じはありましたが。

大野先輩はゼミメンバーとのやり取りとか、ちょっとした返しのセリフが小気味よくおもしろくて(「ハイさ」とか)好きです。

間宮の友人、鈴木と山本はどっちがどっちか名前をなかなか覚えられない二人でしたが、一緒にバカなこともするし、助けてもくれるしという、すごくいい関係な男友達で、困ったこともしてたけど(特に山本)うらやましい友達だなーと思いました。

塚本

塚本のビジュアルも中身もむっちゃ大好きです。
塚本がいたからこの作品を読んでいたと言っても過言ではありません。

塚本はナルミとつき合ってた頃、他のこと全部をおろそかにするようになるくらい、ナルミに夢中になってました。

私も塚本と同じように、つき合ったらなるべく一緒にいたい派で友達付き合いもしなくなっていっちゃう方なんですが、授業をサボるとかはしなかったです。

その辺は必要最低限しなきゃいけないことに入ってて、それ以外はできるだけ一緒にいようとしてました。

塚本は真央に言われた言葉で、ナルミに固執してしまうのは自分への自信のなさの表れなんだと気付いて、なにか誇れるものを自分の力で手に入れる、それが彼女とつき合っていく上でも必要なことだって思って、自分のことをちゃんとやるようになって留学にも行こうとします。

なるべく一緒にいる部分は同じだったけど、その理由の部分が私とは違うのか、私と違って行動がグイッと変わるんですよね。

私は離れたくないから留学なんて行けませんでしたし、授業行かないまではしないけど、留学とか長期に離れるようなことはできず、つき合ってる間はずーっとそういう付き合い方でしたが、私の場合たぶん相手に固執してたとか、自分に自信がなかったとかではないのかなぁという気がします。

自分にすごく自信を持ってたというわけでもないけど。

だから、一緒にいたい派なのは一緒だなーと思ったけど、ええぇ?気付きの後は留学行けちゃうの?って驚いて、私とは違うなーと思いました。

 

 

塚本とナルミとあの日の真相

塚本がずっと知りたいと思って探っていたこと、「あの日」に何があったのかですが、結局、ナルミの言ってたことも真央の言ってたことも嘘でした。

塚本が聞いた電話の声は、ナルミの妹のマナミで、ナルミもマナミも、性的なことや暴力的なことはされていませんでした。

真央が劣等感につけ込んでマナミを利用して、ナルミをハメたのが「あの日」でした。

彼が事業を立ち上げるのに利用するためと、ナルミが真央の虚言癖や、他人を貶めて自分が優位にたち自尊心を保っていることを指摘して痛いところをついたことに対する仕返しで、彼女を貶めるためでした。

なぜナルミが嘘をついたのかというと、塚本にこの件に関わらせないようにするため。

ナルミは真央に、彼女がその頃に必死で築いてきたものを台無しにされ、絶対にいつか真央に同じ気持ちを味わわせてやると思った時に、自分が真央と同類だと気付きます。

ナルミは人を蹴落とすことでしか自分を救えない人間で、塚本は自分を救うために他人に優しくできる人間で、性質が違うから一緒にはいられないと思いました。

事情を話せば一緒に悩んで苦しんでくれるだろうけど、感情を共有していくうちに塚本が自分みたいになるのが嫌だったから言えなかったということでした。

塚本のためのようでいて、結局そのせいで塚本はこの数年、このことに囚われて調べ続けていたわけですが、ナルミは自分勝手な理由で塚本を振り回してしまったことを謝ります。

塚本はナルミのために何かしようと思って動いてたのに、そもそもナルミから間違った情報を与えられてたし、ナルミは自分たちで復讐しようと動いてたので塚本の助けは必要なかったし、188話で自分で言ってるように蚊帳の外で空回りしてただけ、ナルミに振り回されただけでした。

ナルミは謝ってはいるけど、塚本のこの数年間はなんだったんだと思うとやるせない気持ちになります。

塚本はナルミの行動力や前向きなところを尊敬していて、素敵だと思っていたけど、ナルミの方も塚本の自分とは違う、人に優しい性格をまぶしく感じていたんですね。

そして自分のような性質の者と一緒にいちゃいけない、彼を汚してしまう、みたいな感覚で、彼をきれいなもの、自分を汚いものってみてたのかなと思います。

ナルミは整形前だってきれいな方だったのに、なぜか自己肯定感が低いんですね。

あの日のことを塚本にもちゃんと話して、彼が共感してくれても、塚本はナルミの悪い部分に染まらず、逆にナルミを引き上げてくれたかもしれないし、そこは別に自分を卑下せずによかったんじゃないかなと思いました。

でもナルミは引いちゃったんですよね。

別に引かなくてもよかったと思うけど、ナルミはそういう選択をして、だから彼らは別れてしまったんですね。

ナルミが妹と似てると言われるのが嫌だったのがなぜなのかとか、彼女ががんばってた理由の根本のところがよくわからないですが、ナルミは今も何かコンプレックスみたいなものを抱えてるようにみえました。

彼らはほんとはもっとうまくいく道もあった気がするんだけど、彼女が彼から身を引いた理由の部分が彼女の中で解消しないと無理なのかなぁと思いました。

それでいてやたらコミュ力が高いとか、ナルミもなんかよくわからない人だったなぁと思います。


長くなったので、続きは次のページに。

 

「恋癖」感想(9)

 

 

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