漫画「恋癖」緒之 感想(6)

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恋愛のクセが強めな大学生達の恋愛群像劇。
タテスク全193話で完結済み。

comico、LINEマンガで最後の数十話以外は無料で読めます。
(アプリ内で無料でゲットできるチケット等は必要)
元々comicoで連載されていたマンガでcomicoの方が少し安くて、無料話数も多いです。
それとcomicoだと作者さんのあとがきコメントもほぼ毎話読めますよ。

電子書籍で単行本形式にまとまった本もありますが、6巻までで止まっていて最終話までありません。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

「恋癖」感想(1)
「恋癖」感想(2)
「恋癖」感想(3)
「恋癖」感想(4)
「恋癖」感想(5)
「恋癖」感想(6)
「恋癖」感想(7)
「恋癖」感想(8)
「恋癖」感想(9)

 

 

 

77話

成瀬は駅でおじさんにぶつかられてスマホを落とすが、逆におじさんに、ながらスマホを怒鳴られる。
そこへ真央が出しゃばってきて、今の場面を動画に撮っていたと言いおじさんに謝らせるが、実際は動画は撮っておらず、ハッタリだった。

成瀬は真央の腹黒さに感心しつつ、塚本に言われた事を思い出す。

塚本が言うには、真央は塚本が絡んでいる事に気付いているという。
だが真央は、落とし穴を避けるのではなく犯人を突き止めて逆に穴に落とすタイプ。

だからそのために真央は成瀬を取り込もうとするだろうが、プライドが高いから強引な方法ではなく、懐柔しようとしてくるだろう。

真央が急になれなれしくしてきたり優しくしてきたりしたら計画通りなので、うまく乗せられたフリをすればいいと塚本に言われていた。

成瀬は真央の腹黒さをみて、なぜ塚本がそんな回りくどい方法をとるのかを理解する。

電車が人身事故で遅れるとアナウンスがあり、タクシーもいっぱいな状態。
成瀬は真央にカラオケに誘われる。


おっさんがぶつかってきた動画、ほんとは撮ってないだろうなと思った。
真央ならそんな口からでまかせのハッタリなんて、サラッと言えそうだもんね。

70話でなぜ何もせず帰っちゃうんだろう?なんのために成瀬は塚本のバイト先に来たの?って思ってたけど、食べながら用件は話してたんですね。

 

 

78〜84話 成瀬の恋歴

真央の知ってるお店らしきスナックで、一人カラオケを歌う成瀬。
真央は成瀬に恋愛話をふるが、「男という媒体からときめきというコンテンツを消費しているだけ」「薄っぺらい恋愛で経験豊富ぶってアドバイスされても聞き入れる気になれない」と持論を展開する成瀬に、引き気味。

成瀬の考える薄っぺらくない恋愛は、世界を敵に回してもその人だけを想い続けるようなもの。

わたしは「本当の恋」を知っている。

そこから成瀬の過去の恋愛回想へ。

中学の頃、成瀬は女子の間のなにかのきっかけで、ボッチになっていた。
その頃に、臨時の理科担当の教師、安達に出会う。


カラオケってカラオケボックスじゃなくて、スナックかい。
あと、成瀬と真央が会ったの朝かと思ってたら、夜だったんだね。スナック開いてるって事は。
安達先生、前にちらっと匂わせで出てきてたね。


安達先生は、小柄で優しいけどちょっと抜けてる感じの先生で、生徒になめられてしまうタイプだった。
最初はちょっとしたイタズラだったが、安達先生が怒らないのでどんどんエスカレートしていってしまう。

ボッチだった成瀬に毎日話しかけてくれるような優しい先生で、優しい人が損をする事態に、成瀬は苛立ちを感じていた。

成瀬は昼休みに理科準備室に行って、安達先生と話をして過ごすようになる。

 

 

安達先生は学生時代に人間関係を築くのをめんどくさがって、心を許せる友人を作らなかった事を後悔していた。
だから、一人が好きなのは悪いことじゃないけど、成瀬が「一人の方がマシ」と思ってるなら、まだ諦めないでほしいという。

安達先生は、心から自分をわかってくれる誰かがいるはずだという。

成瀬は自分の顔に悲壮感がないので、両親に話しても別に心配ないだろって言われて、実際そうなんだけど、安達先生に大丈夫かと聞かれた時、本当は少しホッとしていた。

だから世界に私を理解してくれる人が一人いるなら、それは安達先生がいいという。

その話をした時、安達先生が成瀬の頭に手を置いたところを、クラスの男子に写真を撮られていて、新たな安達先生いじりのネタにされてしまう。

放課後、成瀬は安達先生が手伝ってほしいと第二図書室に呼び出されるが、部屋に入るとドアを閉めてカギをかけ閉じ込められる。

第二図書室はめったに使われない部屋で教室からも離れているため、すぐに見つけてもらえる可能性が低い。

しばらく経って、安達先生が見つけて出してくれるが、そこへちょうど成瀬の担任の女性教師が来て、安達先生と成瀬の関係を怪しむ。

事情を説明して、翌日、成瀬に安達先生の伝言を伝えた生徒が謝罪するが、おそらく彼は主犯の草野達にやらされただけで、謝罪も草野達の指示だと思われた。

 

 

安達先生が生徒を学校に監禁したとか、二人はできているんじゃないかとか、生徒のカバンを盗んで中身をチェックしていたとか、悪意のある噂が流れる。

成瀬を閉じ込め、安達先生のいる理科準備室に成瀬のカバンを置いておいたり、担任の先生が通りかかるようにしたり、噂を流したりしたのは、おそらく全て草野を中心にした生徒のやった事。

担任の先生や他の教師は、問題児の草野があやしいと思っていても、草野の親に注意しても通じない親なので、時間の無駄だとして問題に向き合うことを放棄していた。

安達先生は、成瀬を閉じ込めたのはお前じゃないのかと草野を問い詰めるが、のらりくらりとかわされ、逆にロリコン教師と罵られて、草野を階段から突き落としてしまう。

草野は頭を3針縫っただけですむが、安達先生は自宅謹慎処分になり、保護者会が開かれる事態になる。

成瀬は街の書店で偶然、安達先生に会う。

本当に突き落としたのか、何か理由があったのか、先生は絶対悪くないと、成瀬は先生に言うが、安達先生は、「成瀬は最後まで味方でいてくれたのにこんな先生で申し訳ない」と言って去ってしまう。

その言葉を聞いて、成瀬は安達先生はもう学校に戻る気はないんだと確信した。

家に帰って、成瀬は母親に、自分の気持を打ち明ける。

学校でボッチで本当は心細かったこと、そんな時に安達先生が声をかけてくれて安達先生だけが唯一の心の支えだったこと、先生がクラスで生徒に酷い扱いを受けていたこと、根も葉もない噂に苦しめられたこと。

母親は気づかなくてごめんねと最初は理解を示してくれる言葉をかけるが、成瀬が「先生のことを好きだった」と言った事に対して「お願いだから、二度とそんな気味の悪いことを言わないで」と言ってくる。

なぜ母親が先生を悪く言うのか最初は理解できなかったが、性的な関係を想像していたのだという事に気付いた。

成瀬にとっての恋は、同情と信頼と安心感だったのに、世間一般的には、恋愛感情=性的対象で、そう思われたことにショックをうけた。

大切な心の支えだった先生への気持ちを汚された気がした。

今は自分の方がズレているんだろう、普通の恋愛をしている人からみたら成瀬の気持ちは恋愛とは呼べないのかもしれないと思っているが、性欲が前提にある恋愛観を受け入れられない。

それに対して真央は、多感な時期にそんなセンシティブな噂の対象にされたらそういう事に嫌悪感を持つのは仕方ないと思うし、人それぞれだから別にいいんじゃない?と言う。

後ろ暗いことがないのかと真央に聞かれた時に一番最初に思い浮かんだのは安達先生だった。
先生が好きだったのに何もできなかった後悔が強烈に記憶に残っていたから。

あなたは誰を思い浮かべるのかと成瀬に問われて、真央は奈留美を思い浮かべていた。

そして真央は、成瀬に特別に教えてあげるという。

 

 

77〜84話 感想

何を教えてくれたのか、は次の話じゃなく、少し空いて91-92話で出てきます。
次の話から別の人達の話になるので、うまく気になるような描き方をしているというか、ジレッたいというか。

連載中だと間が空いて忘れちゃうというのもあるので、こういう気になるところで終わって、次の話ならまだしも、しばらく空いて続きって、正直、わかりにくくなるよなぁと思います。
今はもう完結してるから続けて読めるのでマシですが、それでも何だろう?ってすごく興味をひかれて別の人の話になっちゃうと、なんだよーって思って、最初、別の人の話に入りにくい気持ちになります。

成瀬と母親の気持ちのすれ違いは、成瀬がまだ好きに性的な気持ちが入ってないのにそういう目で見られることの気持ち悪さも、実際そういう教師の話もたくさん聞いているから心配になってしまう親の気持ちもわかります。

でもここではやっぱり、母親が子供に寄り添ってあげるべきだったんじゃないかなぁと思いました。
読者目線で客観的に知ってるからじゃなく、親の立場でこの成瀬の話を聞いても、先生が心の支えだったんだっていう成瀬の気持ちをくんであげられたんじゃないかなぁと思います。

この母親は先生のことをよく知らないのに、学校で聞いた話と偏見を優先させて、気持ち悪いと拒絶して理解しようとしませんでした。

それもよくある人の姿だなぁと思いますが、壁を作って拒絶して理解しようとしない態度は残念なことだなと思います。

 

「恋癖」感想(6)

 

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