漫画「JANE」橘瑞樹+櫻林子 感想


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宇宙船JANET Vth(通称JANE)の艦長、真昼狼(まひるらん)を中心として、クルー達の活躍を描くSF。
1991〜2001に、JANEとして全8巻、JANE NULLALIVEとして全2巻、コミックが出ていて、最近、続編のJANE Reposeが連載されていて、2巻出ているようです。

ReposeはPixivコミック(JANE)で連載されているようで、最新話は読めます。

私はピッコマで読んだので、JANE 7巻まで読んでの感想です。
Pixivコミックで今読める分は読みました。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

 

最初の話は、紹介文によく書いてあるように、JANEクルーの一人、ゼウス・フォーマンがキャプテン(艦長)にプロポーズして、JANEがザワザワする話。
キャプテンは、金髪金眼の超イケメンで、中身もカッコいいので誰もが憧れる人なので、「そんな人にお前が!?」みたいな目でフォーマンは見られてしまいます。

が、実は本当はシェルヴァンタ人のレーダ・ヴェルラにプロポーズしようとしていたのに、大きすぎる花束で前が見えず、緊張してテンパってたせいもあって、前を確認せずに言ったら、ちょうどレーダが屈んで、キャプテンへになってしまって間違えただけ。
レーダとフォーマンは付き合ってなかったけど、レーダもフォーマンに好意を持っていたので、お祝いを言いつつも複雑な心境だったのでした。

 

ということなので、さっさと間違えたと言えばいいだけだと思うのに、レーダへの再プロポーズだけじゃなく、周りに間違えだったとさえ、なかなか言わないので、ものすごく焦れったい。
ちなみに全員男同士で、キャプテンはノーマルなので、考えさせてくれ、と答えました。

レーダはシェルヴァンタ人と地球人のハーフですが、シェルヴァンタ人は寿命が短く25才くらいで、ハーフだからどのくらい延びるかわからないけど、残り数年しか寿命がないだろうという人なので、フォーマンは焦っていたのです。
結局誤解は解け、レーダはOKして、クルーみんなに祝福されて、艦内で結婚式を挙げました。

という、最初の話はわりと軽い感じです。

物語の冒頭から、既にJANEのクルーは気心の知れた人たちという感じの会話で始まるので、まあ、これから新しい船に新しいクルーが乗るよって話じゃなければ当たり前といえばそうなんですけど、「あれ?これって前作とかあるのかな?」と思ってしまいました。

しばらく読むとあまり気にならなくなりましたが、最初は会話の雰囲気が古いマンガっぽいな〜って思いました。

 

そしてクルーがたくさんいて、しかもフォーマン、レーダのようにストーリーのメインに関わるエピソードがあればいいですが、この後はそうでもなく、作戦の中の戦闘員とか程度のちょっと出で、人が結構でてくるので、キャラがなかなか覚えられませんでした。

それに加えて、地球人サブキャラの、美形じゃないモッサリ気味のキャラ達の見た目が似てて、区別がつきにくく、名前もなかなか覚えられないし、「それって誰だっけ、これって誰だっけ」と常に思いつつ読んでました。

キャプテンと副長のラシード・ジャクスは一番の中心人物&美形なので、もちろんわかるし、アンドロイドのマキシムなんかもわかりやすい。

わかりにくかったのは、ドクターのロッド・ハミルトン、技術関係の主任?ローディン。
そしてエピソードがあったけど、フォーマンも顔がはっきりしてないので、見分けにくかった。技術関係の人ってことで、見た目はわりと違うんだけどローディンとフォーマンがごっちゃになった。
ドクターもそこそこ出てくるんだけど、最初の頃とちょっと印象が変わるせいか、見分けにくかった。

 

そして戦闘部員の人たち。
美形さんは多いんだけど、出番が少ないので、誰が誰ってなかなか覚えられませんでした。
色黒の黒髪のシンシア人、クライブと、戦闘部員の隊長っぽい人の印象が似てたり。

それと◯◯人だからうんぬんとか、今まで特に説明でてきてないのに、星の種族の特徴を当たり前のように、知ってるのが前提な感じで話されると「んん?」ってなりました。
「シンシアーナにかなうと思ったのか」=身体能力が高く力が強いシンシア人が本気を出したら勝てるはずがない、みたいなのとか。
その世界の中では当然な会話でしょうが、読んでる人に優しくないので、説明がほしかったです。
だから「あれ?前作とかあったのかな?」って思っちゃったんですよね。

それとSFらしい、科学の話が結構出てきます。ワープの新しい技術に関する説明とか、理論とか。それが結構小難しくて、SFも科学も好きだけど、読んで理解するのが面倒で読み飛ばしてました。

最初のフォーマン&レーダの話は、フォーマンが美形さんではなかったし、なっかなか言わないのが焦れったすぎたし、それほど面白かったわけじゃないんですが、それでも続きが気になって読みました。
間に女性のドクターリン・リベラルタが休暇中にある惑星で事故にあって、それをキャプテン達が助けるという短編が挟まって次の長い話になります。
リンはここで初登場?って感じの人だったので、JANEのクルーの番外編ぽく描かれても、誰?って感じでした。

 

次の話といっても次の話が2〜7巻にわたって描かれるので、これがJANEの話といってしまってもいい感じですが、すごく面白かったです。

JANEが新しいワープ技術の実験をするんですが、3年前?にあった宇宙船の実験での事故が絡んできたり、政治的な話があったりの、裏で陰謀がいろいろあるのと、キャプテン達が海賊船に乗り込んでいって戦闘するアクションな部分で、すごくドキドキして、面白かった。

この話の最後は、黒幕だった提督とキャプテンが、それぞれの考えを述べる長い会話で、ここもなかなか小難しいことを言っていたので、ちゃんとは理解できてないかも。
一番最後に、この提督が殺害されたというニュースがモノローグで書かれて終わってたんだけど、彼は消されてしまったってことなんだろうか。

最後の小難しい話のところで、黒幕提督が「若い頃は正義を信じて〜な感じだったけど今は〜」みたいな話をしていて、そういうのはよくある話ですが、ふと思ったのは、副長のラシードは寿命300才の種族で、外見はキャプテンと同じくらいだけど実年齢は80才くらいなので、ラシードも地球人の感覚で言ったら、もうおじいさんだし、提督みたいに諦めちゃうとかそういうことあったりするんだろうか、ということ。

まあ、ラシードは基本的に落ち着いてるし、それなりに達観した経験豊富な人って感じは醸し出してるな。それに現実世界でおじいさん、おばあさんだからといって、落ち着いているわけでもないし、感情的な人だっていっぱいいるしな。

 

2巻以降の「ケイロンの足跡」がすごく面白かったのと、だんだんクルーを覚えてくると、JANEの楽しい仲間たちって感じになってきて、もっといろんな話を読みたくなりました。
でも、この後って、巻数でいうと3巻でおわっちゃうんですよね・・・。
NULLALIVEというタイトルがついた巻を入れても。
短いなぁ。ケイロンで5巻以上かけてるのに。

でもなんかもうちょっと、わかりやすくうまくキャラ達を登場させ活躍させられないかなぁ〜とは思いました。

そして20年近くたって最近、続編が描かれているらしいですが、短編の集まりという感じで描かれてるっぽいです。pixivコミックで読める分だけ読みましたけど。
キャプテンの子供時代が、妹の書いた童話で書かれていて、単純化されてるので、詳しくはわからないけど、お母さんは癖のある人だったんだろうか。
お母さんと妹の暮らしから逃げて、叔父さんのところへ行ったっぽいけど。

雰囲気がちょっと古い感じはしますが、キャプテンを始めとする美形さんがたくさんでてきて、ストーリーも結構おもしろかったです。

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