漫画「メモリスト」Jaehoo 感想(2)

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各話のストーリーのページです。

ストーリーまとめ、感想はこちら

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

各話のストーリー

0〜4話

主人公は刑事の椿。
中学生(?)の頃、人に触れるとその人の記憶を読めることに気付いた。
人の記憶を読む力を持つ彼はメモリストと呼ばれる(といってもタイトルになっているが、この後この単語は全く出てこなかったと思う)。大学生の頃から他人の記憶を読み取る超能力があるということで騒がれていて、いろいろなところからスカウトがあったが、卒業後は警察庁に入庁し刑事になった。
その超能力を生かしていろいろな事件を解決したが、性格に難があり、生意気で傲慢で、犯人に暴力をふるったり、命令を無視して他の管轄の警察が捜査していた事件に乗り込んでいってしまったりして、他の警察人間からは嫌がられている部分もある。

そんな彼の面倒を見てくれてるのが、おやっさんと呼ばれる年配の刑事、唐沢で、椿と相棒の望月にとって父親のような存在。
また椿は他の署の管轄で数ヶ月かけて捜査していた事件をぶち壊してしまい、停職処分だと本部長に言われるが、処分が確定するまでの間に、応援要請のあった事件をいくつも片付ける。
おやっさんは、これで停職処分は免れるだろうと思う。

大学の教授が講義中に殺される事件が起こるが、講義を聞いていた学生はなぜか教授が殺された場面を覚えていない。
同様に周りに人がいたはずなのに誰も犯人を見ていないし、犯行を見ていない、という殺人事件が4件あり、その特捜班に椿(+おやっさん、望月)が加わることになった。

椿はレイプ事件を一番毛嫌いし感情的になりやすい。最後の応援要請事件は集団暴行事件で、椿は主犯の男を殴ってしまったが、特捜班に配属されることになったため、懲戒は保留となった。

 

5話
2015年12月に神田グループの跡継ぎ神田栄生が眼球と歯を取り除かれ死亡した状態で発見され、拷問されていたようだった。その後、身体に損傷のある同様の手口で2名の被害者があり、4件目の事件は大学の教授が講義中に殺害された事件で、講義を聞いていた学生が多数いたのに誰も事件に気付かなかった。
たまたま講義内容をスマホで動画撮影していた学生がいて、その動画に教授が犯人に殺害される犯行の様子が撮影されていたのに、椿が記憶を読み取っても、誰の記憶にもそれらしき記憶がなかった。

特捜班のメンバーはかつて椿と衝突した人ばかりだった。
検挙率100%のプロファイラーとして有名な初芝美苑も特捜班に配属されていた。

6話
今までの事件が起こった時に周りにいた人物達に、催眠療法をはじめいろいろな記憶を呼び起こす方法を試したが、誰も何も思い出せなかった。彼らは「最初から何も目撃していない状態」だという。

初芝は椿に12月10日午前10時〜12時の間、どこにいたかを尋ねる。
椿は非番だったが、望月を呼び出し飲み屋にいた。
勤務中の望月を呼び出して飲んでいたことをおやっさんに怒られる。
初芝は椿のアリバイを把握していたが反応が見たかったとのこと。
そして疑われたくなければ、明後日の12月17日には飲みに行かないように言われる。

7話
12/17に5件目の事件が起こることを予想した初芝。
おやっさんが昔お世話になった刑事課長のお見舞いに椿を連れて行く。
刑事課長は車の事故で、自分以外の家族全員(妻と子供たち)が亡くなっていた。
刑事課長は椿に記憶を呼んでほしいと頼む。
刑事課長を助けた青年は他の家族の首を刃物で刺していた。

これが5件目の事件だとわかり、何故初芝は17日だと予想したのか聞かれ、昔似たような事件があったのだと説明する。

8話
1998年に拷問され殺害された6件の連続殺人事件があり、それと殺され方、殺された日付が一致していた。
最初の5つの事件は被害者が生きている状態で拷問されており死因がすべてショック死だった。
殺された日付:11/22 11/30 12/5 12/8 12/17 12/20
被害者はみな裁判で運良く逃げ切ったり犯した罪に比べ刑が軽く済んだ前科者ばかりだったため、世論は方ではなく正義が勝ったと殺人犯を味方する声が多かった。
高校生16人を一度に皆殺しにした事件を最後に犯人は消息を絶ち、数年後未解決事件となった。
最後の高校生の事件は後で他の事件に分類された。

椿「あの女のせいで俺の描く通りにいかねーじゃねーか」

謎の男「やった餌を吐き出すとはな まさかこのまま 俺を捕まえられずに終わるんじゃないだろうな?」

9話
椿「積もり積もった記憶の仲を少しでも深くまで滑り込むといつも真っ先に現れ俺の神経を逆撫でする トラウマ」
これは読み取った相手のトラウマが見えてしまい、神経を逆撫でされるってことか?

10話

弁護士の娘が椅子にしばりつけられ包丁で何度も刺されて殺される事件がおこる。
娘が帰宅、知らない男が入ってくるところが描かれるが、父親が帰ってきた時には母親は娘の帰宅を覚えておらず、娘の部屋に行って殺されているのを見て驚愕する。

11〜13話
弁護士の娘の殺害現場にいた椿、おやっさん、初芝。望月がおやっさんに頼まれたことを忘れていることから犯人がまだ近くにいると思い、初芝、椿が外に出て犯人を見つける。

初芝は黒いフードの犯人と対峙し「あなたが殺した人の中には何も罪を犯していない人だって」と言うとフード男は「嘘をつくな 俺が殺した人間の中でお前の父親が一番えぐかったじゃないか」と言う。
椿は犯人の顔を見て名前もわかるが、おやっさん達が来て、気付いてみると椿も初芝もフード男の顔も名前も覚えていなかった。
椿は赤ん坊の頃から覚えてないことは全然なかったので初めての経験に驚いて震える。
(後から思うと、震えるまで演技してるんだ〜と感心する)

14話
根岸、初芝、おやっさんが、フード男と格闘してケガをして入院している椿のお見舞いに行く。
フード男は椿のように超能力者で、記憶を消すことができるのだと推測する。

 

15話
望月は遺族への聞き込みで、娘を殺された弁護士が以前、望月も証人として出席した、わざと人を跳ねた連続ひき逃げ犯の弁護をした時に「遺族ばかりをかばってられない 道連れにする必要はない 生きている人はこれからも生きていく」と望月に言ったことを思い出し、弁護士が泣きながら話している時に思わず「はっ!」と言ってしまい、怒られる。

3件目の事件 殺害された老夫婦の一人息子の新聞社編集長 事実の報道より時代に便乗した記事を主に手がけ訂正記事もかなり見受けられる

殺害された教授の妻 定明代 心理分析カウンセラー

この事件で殺された人間ではなく、その遺族(家族)が悪いことをしている処罰されるべき人間だとわかる。

16〜17話
1998年の連続殺人事件の容疑者だった高屋仁に、おやっさん、望月、椿、初芝で会いに行く。
高屋には2〜3才の娘がいる。
椿が記憶を読み取って、高屋は現場に居合わせただけだと言う。
しかし椿は、望月に言ったこと、高屋の娘にサングラスを渡したこと等を覚えておらず、記憶を操作されているらしきことがわかり、高屋がやったのではないか=高屋が今回の事件の犯人ではないか、と推測する。

18〜21話
1/12 犯人が動くはずなので、特捜班は高屋を高屋を徹底的にマークする。
結局、高屋を尾行していた捜査員達は記憶を消されてまかれてしまい、病院で手術予定だった男性が霊安室の冷凍庫で死んでいるのが見つかる。
被害者は人権の保障関連の市民団体で活動していた吉川仁恵の弟。

 

22話

リゾートホテルの火災が起こる。(これは後に事件に関係してくる)

吉川の証言で、今回の連続殺人事件の遺族は神田以外、全員、1998年に起きた「新海町女子中学生集団暴行事件」の加害者達が処罰を逃れられるよう手を貸した人間だとわかる。
吉川は神田は知らないが知ってるかもしれない人はわかるという。
事件を闇に葬ろうとした時に率先して動いていた桑原敏郎という人で、桑原が間に立ち、指揮をとっていたらしい。

23話
1998年当時、心理療法士だった教授の奥さんが被害者の所見書を書いた
弁護士は加害者学生の弁護
家族を亡くした刑事課長は集団暴行事件を担当した刑事

被害者である女子中学生は、学校を中退、裁判終了から数ヶ月後に自殺している。
結局、加害生徒16人は処罰を逃れたがその年の冬、全員倉庫に集められ皆殺しにされる事件が起きた。

次長が特捜本部に来て、公開捜査にすると言ってくる。

桑原敏郎は被害者である女子中学生の担任だった人で、今は校長をしている。

吉川の記憶を読み取り、椿は先に桑原のところへ望月と一緒に行っていた。
椿は桑原の記憶を読み取り、次に狙われるのは桑原の娘か愛人だろうという。
「次長ゴミだな」

24話
桑原から読み取った記憶
被害者の女子中学生が加害者の母親に「このクソ女、あんたのせいで、うちの息子が連れて行かれた」と罵倒されながら頭をつかまれている。
次長「転校?あんな生徒は行く先々でこの地域の学校に泥を塗って歩くでしょうに。一生口封じをさせるべきでしょう」
次長「自殺ですか?これで事がまた公になるかもということはうちでどうにかすればいい。そんなことより、神田は隠し子がどれほど大事だったらこんな騒ぎを起こすんだか。その女子生徒が勝手に死んだだけ。あのくらいのことで自殺なんかするか?普通。」

次長も吉川の言う「新海町女子中学生集団暴行事件」のもみ消しに関わっていることが明らかになる。

椿はこれまで千人を読み取り1万人の記憶を見てきた。いい奴悪い奴はどうでもいい。バレた奴バレてない奴が厄介。バレた瞬間逃れようとあがき出す。
次長は今 バレた状態

前に一度人生丸ごと読み取ろうとして死にかけたので要所要所をかいつまんで必要な部分だけ読み取って、残りは読み流す程度。そうじゃないと脳が耐えきれない。

 

25話
椿は次長に呼ばれ、初芝も一緒についていく。
初芝は次長に1998年の新海町事件当時、次長が管轄の署に勤務していた記録を見たと言うが、次長は書類の問題で記録がそうなってるだけで新海町事件は今回はじめて聞いたと答える。

集団暴行事件に関与していた、または主導していた神田一族は、連続殺人事件が注目されうやむやになると思っていたがそうならなかったため、メディア、弁護士、心理療法士、警察と手を組み事件を闇に葬ってしまった

という話を初芝がすると次長は椿が読み取った記憶を立証できなければ意味がないだろうと言う。
初芝は、椿が嘘をついていると言うのか、それとも絶対に明らかにならないという確信があるのかと聞く。そしてすべてが事実であるということを必ず暴いてみせます、そのときは一番最初に報告しに参りますと、初芝は次長に言う。

次長、これだけはお忘れにならないでください。
罪のない人々が殺され、必死に捜査を行う警察が避難されているこの事件は、裁かれるべき人間を守るために繰り広げられているということを

椿がイヤホンをしていたことに次長は怒るが、椿に謝罪しますと握手を求められると「出て行け」と拒否した。

次に桑原が狙われる可能性が高いと判断し、特捜班が容疑者宅周辺に人を配置していたが、犯行予想日は2日後だったのに、容疑者が桑原を連れ去ってしまった。

26話
椿、初芝も捜査員達がやられた現場に来て、やられてしまったおやっさんの記憶を読み取る。
みんなに言わなかったが車のナンバーを読み取った椿は監視カメラの映像から車を探すよう指示する。
椿の乗った車に初芝も乗り込み、一緒に行く。
初芝は、今回の現場にいた人から記憶が消されていないこと、校長の娘じゃなく校長を連れ去った事、計画日時を前倒ししたこと、がおかしいと言う。
また、犯人は自首する可能性が高い、と言う。

 

27話
高屋が校長を椅子にガムテープでぐるぐる巻きにしばりつけ、粉砕機?にかけようとしているらしい。

初芝の話
高屋の今回のメッセージは「おまえに同じ悲劇が襲いかかろうともあんな判断ができるのか?」で以前と異なる。だがこのメッセージは犯人が罪相当の刑を受けなければ説得力がないため、犯人が逮捕されないと完成されない。
自身の思う正義のためなら手段を選ばない高屋がこの殺人事件に求めているものはなにか?

高屋が逮捕された場合のメディアの報道
犯人の殺害動機が事実なら遺族側の立場表明も必要ではありませんか?
遺族への世間の意見にどのようなものがあるかご存知ですか?

初芝
非公開捜査にしてよかったのかもしれない。高屋はこの事件が話題になればなるほど目的達成に近づけたのだから。

高屋が桑原を連れて行ったのではないかと推測する場所へ着く。
椿は、粉砕機に下半身を砕かれている桑原を見つけ、スイッチを切るが、桑原はおそらく絶命している。

椿「違う これは違う」
(ここは椿の計画とは違うから?)

高屋が誰かと電話で話をしている
「ありがとうございます。私はまだやることが残っているのでそちらには行けません 着いたならよかったです 後はよろしくお願いします。残金は約束の日に入金します。」

28話
初芝が高屋に気付き、格闘。銃とハイヒールで攻撃。
銃は椿に言われて、前回と違うのを持っていた。

椿も参戦。ライトがついたり消えたりするので椿が消えたり見えたりしつつ高屋になぐりかかってくるように見えて、正面から横に移動。「俺がお前の記憶を読んでるのに、消さなくていいのかよ」と椿は高屋に言う。

29話
椿 「自首するからって適当なことするとあの世送りにするぞ」
高屋「これで被害者は報われるだろう」
初芝「罪のない人を殺して?」
高屋「画期的なアイディアだった 効果的でもあったし ただ最後まで私の趣味ではなかったがな」

椿と高屋の格闘中に椿は、高屋が人に頼んで娘を隠し、自分はその居場所を知らない事を読み取る。
高屋「もうこりごりだ 記憶を読み取る野郎どもは」

 

30話

高屋が初芝達の記憶を消してさっさと逃げないこと、私の趣味ではない等の言動等々から、初芝は「真犯人は別にいる」ことに気付いて、尻餅をついてしまう。

高屋「あの時あそこに行くんじゃなかった」と思って高屋の回想になる。
完璧だと思えた9回の殺人も警察はすぐそこまで嗅ぎつけてきた
あそこでやめておくべきだったんだ
チャンスが訪れ、悩んだ挙げ句 最後にもう1度危険を犯すことにした

1人の少女の人生を狂わせた16人が1箇所に集まるチャンスなんてそうそうないのだから
その判断が俺の歯車を狂わせた

あらゆる殺害方法を調べていた俺も あんなのは初めて見た
まるで猛獣を解き放したかのように

16人の少年が殺し合っている光景を見ていると近くで少年の声がして話しかけられる

おもしろいでしょ 何かへの恐怖だけ残して他の記憶を消すと
人ってああなっちゃうんですよ
まさかまともにしゃべれなくなるとまでは思ってませんでしたけど
あーおじさんが例の殺人犯かぁ そうなんでしょ?

高屋は思ったより出血があり徐々にフラフラして意識がはっきりしなくなってくる
(それでも椿と互角に格闘していて、かなり肉弾戦が強い人らしい)

そこへ真犯人の声
「おじさん ご苦労だったな
 自分で引き受けておきながら 陰では俺の正体嗅ぎ回ってさ
 記憶は残しておいてやるよ
 俺を追おうが何しようが これからおじさんの好きにしな」

高屋
「待て おまえの計画通り すべて実行したじゃないか 契約を破るのか
 おまえが自首するというあの約束は」

真犯人
「娘もかくしておきながらしらばっくれんな
 自首はするよ でももう少し やることがある
 わかってんだろ?計画が狂ったのを
 それに先に約束を破ったのはおじさんだから
 おじさんの娘でも探しに行かないとな
 やめろだって? 俺も事情があって今は大した手助けをしてやれねーな
 ともかく 幸運を祈る」

「娘だけは」と、なんとかここから抜け出そうと格闘を再開しようとすると椿に向けた手にナイフがあり、高屋は初芝に撃たれて倒れる。
(ここで手助け=ナイフみたいなんだけど、なんでなのかよくわからない。ナイフ持たせて初芝に撃たせて、これ以上ダメージ食らう前に捕まえられる手助け?)

高屋は逮捕されて、病院に入院している。
ニュース報道されるが、リゾートホテルの火災の報道もあり、この事件はそれほど大きく報道されない。

初芝は、リゾート火災が連続殺人を覆い隠すほどの話題になるということを次長が知っていたと分析している。

病院で高屋と初芝の会話

初芝
集団暴行事件をどうにか水面に引き上げようとしたがそれに失敗
最後の日に通話していた相手は共犯ではなく、真犯人から娘をかくまってもらったブローカー
高屋が実際に現場に行ったのは弁護士の家、病院の霊安室、校長の3剣のみ
高屋には超能力がない

校長を殺したのは真犯人との間に摩擦があったからでは?
病院に行ったのもあの遺族を殺そうとしたけど実行できなかっただけでは?
犯人が誰かいいなさい

高屋
脅迫されるのも言われたとおりにするのも別に苦ではなかった
警察の目を引けばそれでよかったし
奴のアイディアが社会に大きな衝撃を与えられるとも思えた
しかし罪のない人々を殺すのだけはどうも納得がいかなかった
俺でなく俺の娘を脅迫材料にするのだって許せなかったんだよ
しかしやつは確かに自首するといった
むしろ警察が先に逮捕するのを望んだ
あの狂った野郎が何を考えていようと俺は
すべてが終われば娘と一緒に消えるつもりだった
なのに奴が裏切りやがった

とリゾート火災のニュース報道をしているテレビを指差す

災害時の手引きに則り宿泊客を避難させたと証言していたが、実際は非難案内の放送等なく自分が先に避難していたリゾートの安全保安チーム長の妻が焼死。

高屋
それとあんたらが勘違いしていることがある
消すんじゃない 持っていくんだよ
相手から記憶を引き抜き あたかも自ら経験したかのように自身に植え付けてしまうんだ
あいつの存在を知ってからもう20数年になる
その間にどれほど膨大な記憶を奪い 吸収してきただろうか
果たして正気を保てているのだろうか?

なのにそんな野郎を捕まえようだって?
10数年追い続けてきた俺すら奴の顔も見たことないというのに
本気で捕まえるつもりなら捜査チームから抜けたほうがいいんじゃないか?
奴が見てるとこで捜査したってそりゃ進展ないだろう

と言われて愕然とする初芝

31話
暴力団事務所のようなところで、何人もの組員を倒し、日本刀を振り回す親玉もやっつけた椿。
おやっさん、望月他何人かと一緒。

脳科学の専門家、分析心理学者達の前で超能力者として講演?ディスカッション?をする椿。

 

32話
【講演で椿の話】
記憶を読み取る際、トラウマのような記憶が一番最初に浮かび上がってくる現象については研究チームさえまだ正確な理由を明らかにすることができていない
(今までに2回位、椿が記憶を読む時に嫌そうな感じで言ってたのがたぶんこのこと。9話など)

超能力者は他にもいると思うが今まで読み取った人の中にはいなかった

自分の力の弱点は何かと聞かれて椿は「人は嫌な記憶を忘れていく動物です しかし時間が解決するという言葉は僕には当てはまりません いつまでも生々しく頭に残っていること 死ぬまで忘れられないということが僕の弱点です 忘れるということは悪いことだけじゃないんですよ」と答える。

(確かに嫌なことを忘れられないのは辛いことだと思う)

誰かが逃げている
テーブルに顔は見えない6人の人が話し合っている
たぶん逃げていた人は裏切り者
我々には心強い味方がいるから大丈夫という

さっき逃げていた人?が黒フードの男に殺されている

33話
松山かつや41才 リゾートホテルの施設管理担当 が死体でみつかる
大学教授の時とほぼ同じ手法

同一犯だと判断されるが、殺害日時も不規則な上に被害者の自宅を荒らし始めた
問題は今までの事件と違う点が1つや2つじゃないこと
目撃者がいた、記憶を消された人間がいない

椿が目撃者の記憶を読むと、黒フードの男が被害者を襲っていた

初芝は、今、姿を消していた
高屋から、真犯人は警察、しかもこのチーム内にいると聞いたことは伝えられている

初芝が高屋に話を聞いた3週間前のシーン
高屋がチーム内に真犯人がいると確信したのはつい最近
初芝達と初めて会った日、病院に行った日、尾行されている事の詳細をリアルタイムで真犯人が教えてくれていた

記憶を読み取る能力者の限界は、聞いたこと話したことは全て読み取れるが考え自体を読み取ることはできないということ

初芝に真犯人を追う気がまだあるなら、椿がどう頑張っても得ることのできない情報を教えてやれる
その代り、条件が1つある

34話
高屋の回想、たぶん真犯人が高屋に今回の事件の話を持ちかけた時

高屋「俺はやらない いっそ殺してくれ、これ以上、失うものもない」
犯人「失うものはいっぱいあるでしょう 歩き始めた子供とか
   また会いに来るって言ったよね がっかりさせないでよ
   誤解しないで聞いてくれ
   おじさんと俺は天国には行けないんだ
   そんくらいわかってんだろ?」

高屋の条件は娘を助けてほしいということだったが、初芝は自分が殺した人の娘に頼むのかと言う。
高屋が「前にも言ったが お前の父親は死ぬに値した」と言うと初芝は高屋の首を締め「あの時どうして殺さなかったかというと、真犯人がいるなら高屋の死も計算の内だろうと思ったから奴の思い通りになるのが嫌だっただけ、何より楽に死なせたくなかったから」と言う。
高屋「証拠品保管室にある俺の資料を見れば お前の探している真犯人の手がかりがある
   集団暴行事件 そこに奴がいる」

初芝は、高屋が「捜査チームを抜けた方がいいんじゃないか」と言ったことを考えている
常に作戦に加わっていて最も接点のある人物
おやっさん、望月、椿 の顔を思い浮かべる初芝。

 

35話
初芝、おやっさん、望月、椿が殺人現場に向かう。
殺害されたのは、倉田ふみこ 夫がリゾートホテルの安全保安担当者。
倉田ふみこもリゾートホテルの総責任者と親戚関係にある

現場の様子を見て、揉み合いで荒れたのではなく、何かを探して荒らされた部屋の様子だと思う。
上の階の住人が目撃者で、廊下にいる時に、ここから誰かが出ていくのを見た
という話を聞いて、特捜班がここに来ることになった理由を教えてくれと初芝が聞く
次長の指示だった。初芝は次長に電話し、リゾート火災と特捜班の事件を関連付けるものなんてまだ1つも出ていないという。
世間を騒がせているリゾート火災事件、100人以上の死者を出したのに関係者は過失を認めていない、罪を逃れようとしている奴がいるという状況を見て真犯人は何を思う?と言う次長。
(ここで初芝は次長が意図的にリゾート火災関係者の殺人と特捜班の連続殺人を結びつけようとしていると考えたのだろう つまりリゾートの殺人は、特捜班の連続殺人の模倣犯で別、リゾート殺人には次長が関わっている可能性も考えたかもしれない)

次長との電話の後、先に戻ると言って去る初芝。
証拠保管室に行き、記憶を読まれても大丈夫なように気をつけて、高屋の資料を読む。
(高屋の資料って高屋が集めた真犯人の資料もあったの?)
気になる資料があり、高屋はどうやってこれを入手したのかと思う。

リゾート火災の事故発生後から逃走中だったリゾート総責任者早川善一の遺体がリゾートホテル内で発見、というニュースを見て、「そんなはずが 俺の勘違いだったのか?」と思う高屋。
黒フードの男が入ってきて、高屋の口をふさぎ、ナイフで何度も刺して高屋を殺害する
(最初から高屋の両手がベッド脇の柵に手錠でつながれてたけど、どこか痒いとかも何もできないけど、こんなのありなの?と思ったけど別の時は手錠がない時もあるし犯人がやった?にしても高屋がおとなしく手錠されるか?)

これは真犯人の行いじゃない。真犯人を装った黒フードがいる。

 

36話
高屋はまだ息があり医師が対応して手術室に連れて行こうとしている
高屋「何がなんだか もうここまでか・・姫の顔を最後に見たかった」(思う)
そして高屋は周りを取り囲む人間の中に、こいつが真犯人か、という人物をみつけ「まさか」と思う
高屋は死亡する

椿が高屋の記憶を読み取り、早く初芝に連絡をしろと言うが、初芝にはもう誰も連絡を取れなくなっている。

ここで33話の途中から3週間前に戻っていたというより、33話冒頭で3週間後だったところに戻り、初芝は新海町にいる。新海町で街の人に聞き込みをしたが徳永の名前を出すと誰も話をしてくれず、今や街中の人に警戒されていて何も話を聞き出せない。

徳永蘭(とくながらん)
1998年の女子中学生集団暴行事件の被害者
両親を早くに亡くしおばあさんと一緒に暮らしていた中学生
成績優秀で明るい性格だった彼女は集団暴行事件に遭い、しばらくして自殺

真犯人の能力、他人の記憶を奪い自分の物にする力は他人の経験を奪うのと同じで魅力的な力ではあるが、自分の記憶を保てないと錯乱状態になるのではないか、その危険を犯してまでも20年以上前の暴行事件を裁こうとしているのは、被害者である徳永蘭と真犯人がかなり近い間柄だったからではないか、と初芝は推測した。

そこへ記者の遠藤が初芝に声を掛ける

37話
リゾート関係者の5人目の被害者
前野さや が冷凍倉庫で遺体で見つかる 自宅は荒らされていた
5人のうち2人は火災に関係が見られず、真犯人が狙う動機が見当たらないが
数日前に遺体で発見されたリゾート総責任者早川の側近だったという共通点がある

少し前まで模倣犯だと言っていたのに、特捜班リーダーの根岸が、リゾート関係者殺害事件と連続殺人事件の犯人を同一犯とみて捜査を進めると言い出し、おやっさん、望月達は驚き、椿は「上からの指示だろう 初芝さんがいれば」と言って、根岸と揉めてるところへ、マスコミの遠藤がやってくる。
遠藤は初芝から伝言があると言う。

38話
遠藤は1998年の女子中学生集団暴行事件の取材をしろと言われ2ヶ月前から新海町に取材に来ていて、最初は初芝同様、徳永の名前を出して嫌がらせもされたが、謝る等して受け入れられていて、それなりに話を聞けていた。遠藤はやっと帰社命令が出てちょうど戻るところだったが、初芝の話術にかかり、初芝と1週間行動を共にし、その1週間にあったことが特捜班の捜査に役立つはずだから伝えてくれと言われたという。

39話
遠藤が初芝と過ごした1週間の出来事

初芝は事件よりも徳永蘭について知りたがっていた
初芝は、数日前から誰かが自分のことを監視していると気付く。

徳永蘭の当時の同級生で今は教師の男に話を聞きに行く。
彼は徳永蘭に好意的で、明るくイイ子だった同級生の無念の死に、(今の連続殺人?)事件のことは調べて知っていた。
徳永蘭の死後、彼が学校の荷物を渡しに、徳永のおばあさんの家に行った時に、殺されたリゾート総責任者早川善一がいて、「徳永蘭さんは悪くない 悪いのは私をはじめあいつら」だといって謝罪しているのを聞いた。

「真犯人は1998年の高屋の殺人を真似た、とすると8人の犠牲者がでるはずだが、まだ7人
 高屋の記憶を調べても最後の一人は出てこなかった」と椿が話す。
それと早川の関連は?と考えるがわからない。

 

40話

初芝、遠藤は徳永蘭とおばあさんのお墓に行った時に茂木に出会う。
茂木は耳が遠く、誤解があって、最初、初芝達を襲うが、初芝が以前出会った時と今の様子から耳が遠いのではと推測して手話を使う。
手話で「弟を探している」

特捜班、現在。
徳永蘭は一人っ子という記録なのに、なぜ初芝は弟を探していたのか。

初芝が高屋から話を聞いた病室での会話(34話)の続き

高屋
集団暴行事件 そこに奴がいる
当時 俺はあの事件に着目していた
もし加害者どもが無罪となれば あれほどまでに
俺の嗜好に合う奴らはいないからな
そういうわけでいろいろ調べたのさ
事件を追いかけ あちこちで写真を撮っておいた
写真に写っていたのは 被害者を追いかけ回して責め立てる加害者の親たちばかり
だけどこれだけは間違いない あんたなら見つけられるだろう
膨大な資料のどこかに潜んでいる 怪物の姿を

(初芝が見た写真の中に、徳永のおばあさんに隠れて少しだけ見える小さい子供のような姿が写っている写真があるが、こんな暗いちょっとしか写ってないのでよくわかったな、というレベル)

41話
茂木との会話
後天的なものなのでしゃべることはできる
蘭の弟は知っている 町の人達が知らないというのが何故なのかは茂木も知らない

もう会社に戻らないといけないという遠藤に、初芝は特捜班に伝えてほしい内容を考える

98年の事件と比較して、弁護士の中3の娘だけ、28ヶ所が9ヶ所に刺された数が減っていた
リゾート関係者もあの連続殺人と同じ方法で殺害されている

記者の遠藤の話を聞き終えて、もっとはっきりしたヒントがあるかと思ったという根岸に、おやっさんはそれ以上何も言わないよう口に手を当てる

おやっさん
初芝さんの伝言をそのまま伝えてくれたにも関わらず意味がよくわからないのは
記者に知られるにはまだ林情報が織り込まれているからじゃないだろうか
弁護士の娘の遺体に残された真犯人のためらい
初芝さんが新海町で探している徳永さんの弟
過去の連続殺人と多少違うが同じ方法で殺害されているリゾート関係者たち
そして被害者が出るのを止められないという情報をあえて付け加えたのは
これから発生する事件の殺害方法に注意しろって意味か?
わかった!初芝さんのヒントの意味が

黒フードの男に椅子に縛られ脅されている男
黒フード男は「タンスの下」と聞き出し、書類とメモリカードを発見し誰かに報告している
脅された男は、隙きを突いて警察に通報

遠藤は、1つ残らず伝えるとは言ったものの言い忘れがあったらうまく伝わらないし、なかなか難解なヒントだと思いました。遠藤が記者だからちゃんとメモして伝えてくれるだろうという前提なのか?

 

42話
通報があり、通報者はリゾート関係者、黒フードの男に襲われているということで特捜班に連絡がくる。おやっさんは初芝さんのヒントから、弁護士の娘の刺された数の違いに注目、今回の犯人が今まで追ってきた真犯人じゃなければ、間違いなく真犯人のミスも真似するだろうという。
黒フード男に殺害されたリゾート関係者の刺し傷の数は9ヶ所だった

黒フード男が警察に追われ、路地に追い詰められるが、黒フード男が警官を撃つ。

43話
黒フード男がいるのが、椿、おやっさん、望月がいる現在地に近いとわかり彼らが行くと連絡
椿は、まだちゃんと体調が回復してないし、おやっさんは車に残るように言う

黒フード男は警察無線を聞いている

黒フード男が誰か目上の者から指示をされている回想で
「視線が真犯人に注がれてはいるが、椿の超能力は我々の足手まといになるだろう
 我々の言うことを聞かないのなら何の意味もない
 殺さなくとも 暴れられないくらいに 痛めつけてやれ」
と言われている。
警察無線&椿に言及していることから、二人とも警察関係者だと推測される

車に残っていたおやっさんは銃声を聞き、出ていく
撃たれた刑事たちのところに椿、望月が行き、望月に残るように言って椿が追う

44話
椿が車に轢かれそうになったところを、おやっさんが椿を押して身代わりになり、おやっさんは重症で、椿は無傷、椿がおやっさんの手を取るがニヤッとしただけで何も言わず、おやっさんは息を引き取る。
黒フード男は、椿を狙っていたのでしまったと思うが、そのまま車で逃走。

刺されて殺されたリゾート関係者は、リゾート総責任者早川の親族というだけで火災事件とは何の関係もなく、黒フード男が室内を荒らしたのも少なく防犯カメラに何かを抱えた様子が映っていることから、今まで探していた物が見つかったのではないかと推測された=特捜班の追っている犯人とは別。
特捜班リーダーの根岸は、上層部の判断は間違っていたのかと愕然とする。

3日後、おやっさんの葬儀。椿は葬儀には姿を見せなかった。
おやっさんの納骨堂?で、おやっさんが過去に言っていたことを思い出している。
誰かに「椿のことで苦労が絶えないですね」と言われているおやっさんが
「いや、私のせいであいつが苦労しているんですよ
 あれはダメこれもダメと小言ばかり言われて
 時々あいつのしたことにスカッとする あいつを見てると
 私のなりたかった警官はこういうのじゃなかっただろうかと思う
 正義のために 火の中水の中飛び込んでいくそんな警察のことです」

椿「嬉しかったけど 俺はそんな立派な人間じゃねーよ」と言っておやっさんにタバコを捧げる。

黒フード男が持ってきた書類とメモリカードを手にし
「こんな呆気なく奪われるなら側近や家族を危険にさらすべきじゃなかっただろう 早川社長」
という次長。

黒幕が次長だとわかる。黒フード男に次は新海町に行けと指示する。

 

45話
おやっさんの死に本当にショックを受けているのは、椿、望月の二人。
模倣犯だろうが真犯人だろうがあの2人にとっちゃどうでもいい そいつしか見てないだろうからな

車椅子の神田会長を始め、1998年の女子中学生集団暴行事件のもみ消し関係者が一同に集まり、早川社長が隠していたメモリカードに記録されていた音声を聞いている。次長が説明しつつ見せている形。
当時、彼らに不利に働く恐れがあった証拠とそれを始末した記録、通話や金銭のやりとり記録を早川が集めていた。
神田会長「口止め料にとリゾートの入札に力を注いでやったというのに」
資料は全て焼却した。

初芝が茂木に話を聞いている。

茂木は成人した頃から聴覚が衰え始め、子供達にからかわれると徳永蘭がいつも助けてくれていた。
そして徳永蘭の傍にはいつも、弟の蓮が一緒にいた。

46話
茂木の話す徳永蘭と蓮の話

蘭は学校が終われば家に直行し、おばあさんと蓮の夕食の支度
その後バイトに出かけ0時や1時まで戻らない毎日
そんな状況でも学業を疎かにせず勉強も頑張っていて
それなのに疲れた顔1つ見せたことありませんでした
蘭は、あの家の家長だたんです
蓮も蘭に負けないくらい優しく賢い子でした
新海町で蘭と蓮を知らない人はいないほどに
だからなおさら町内の人の言動が理解できないんです
まるで私がおかしいように扱って

捜査線上に蓮という名前はない
現在は仮名を使い記録は超能力で消し去ったんだろう

蓮は人見知りが酷く、口数が少ない子でした
茂木ともなかなか打ち解けてくれなかった
内気で体が弱く蘭がいつも心配していた
学校でいじめられることもよくあった

蓮が格闘技を習いたいというので、お世話になった恩返しに茂木が会費を払って、茂木の知り合いのボクシングジムに通えるようにしたが、その知り合いが入院してジム通いが中断していたのに、蓮が同級生達3人を相手にケンカで勝ち、茂木に話しかける関西弁もケンカも知り合いに瓜二つで、ビックリして声が出なかったことがあった。
その後もいろんな人のモノマネをするのですぐに慣れた。

という茂木の話を聞いて、初芝はモノマネではなく、高屋に聞いた「記憶を引き抜き自分が経験したかのように植え付けた」のだと思う。つまり蓮が真犯人。

その頃から蓮は少しずつ明るくなっていきました
それを見て蘭もおばあさんも喜んでいましたが
そんな蓮の姿はそう長くは続きませんでした
「あの事件」が起きてしまって

蘭は学校を休み、昨日からしゃべらず、おばあちゃんの部屋に閉じこもっていると言う。

 

47話
おばあさんに事情を聞く茂木
蘭がアルバイトに行った後、いつもより帰りが遅いから夜中に蓮と探しに行ったが、帰ってきたら蘭がいた。そして帰ってきてからずっと蘭は閉じこもっている。

蓮は蘭の記憶を読み取っている

アルバイト先で、男達に、寒いしこれ飲みなと言われる
「起きたぞ」「おいそこどけ」ビデオを撮っている男、ズボンを脱いでいる男がいる
(おそらく蘭が薬入りの飲み物を飲まされ、意識を失っている間にレイプされ始め、意識を取り戻してからも続いたのだと思われるが、匂わされるだけでレイプシーンはない)

蓮「なんだよ これ なんだよ あいつら誰だよ なんで姉ちゃんに」
蓮は茂木に聞き返されても何も答えず外に出ていき、茂木は追いかける

高校の前で座って待つ蓮。
蘭を襲った男を見つけ、カッターを手に近寄っていくが、茂木に止められる

明るくなった蓮
それを喜んでいたおばあさんと蘭とは違って
私はどこか不安だったんです
気のせいでは済まないほど
奇妙な行動を何度も目にしましたから
小学6年生らしからぬ言動
日を追う毎にそれが目立っていき
やがて蓮は抜け殻のようになってしまいました
ところがあの日の蓮は違ったんです
非常に強い意志を感じました

茂木が蓮に言う
おじさんに話してみなさい
蘭に何があったのか知ってるんだろう
蓮は何もするな
蘭を悲しませた人に仕返ししようとしてるんだろう
警察がいる、裁判だってできる
蓮がこんな事をすると蘭がもっと悲しむぞ

蓮が泣きながら言う
ホントに僕は何もしなくていいんですか
誰かが代わりに助けてくれますか
僕がやんなくても姉ちゃんを助けてくれるんですか

家でおばあちゃんが蘭に話しかける
蓮が今日、カッターを持って男子校に走っていった
何があったか知らないがおばあちゃんと一緒に警察に行かないかい
しっかり泣いてよく考えて出ておいで
いつも蘭の傍には、おばあちゃんも蓮もいるんだから

蘭が出てきて泣きながらおばあちゃんに抱きつく

茂木
あの日、警察に被害届を出しました
私はそのときになって蘭に何が起こったのかを知ったんです
蓮が泣いたのはあの日が最初で最後でした
蓮は一切泣かなくなったんです
あの日以降、何が起きても

48話
おばあちゃんや蓮だけでは難しいこともあったので代理人になって力になるため、その頃、補聴器をつけ始めた。
蘭の証言を基に16人の学生が捕まった。
犯行を首謀した学生は当時そこの地域で名を馳せていた神田建設社長の長男。
蘭は心理カウンセリングも受け、周りの友人は心配して励ましてくれた。
犯人達さえ処罰されれば、蘭はまた日常を取り戻せると思っていたが、それが本当にバカげた考えだったと後になって気付いた。

神田建設社長が蘭達の家に来て頭を下げて謝罪し、示談の話をしてお金の用意や転校先、引越先の手配などをするという。蓮は大人びた口調で、「息子が少年院に入るだけじゃ足りないと思って、マンション、金、名門校の話をしたのでしょう?これからも法を守って生きていくなら、息子は裁かれて当然、マンションや名門校の事は今する話じゃない」と言う。

神田建設社長は引き下がるが、車に一緒に乗ってたのは早川?で、早川が勧めて神田が来たらしく、世間体がなければ来なかった、もうこれ以上示談の話をするつもりもないらしい。

示談なんて上辺だけで、神田達は既に加害者生徒達が罪に問われないよう、記者、カウンセラー、周囲の人々、警察に働きかけていた。
そして蘭はこの時、自分たちの味方は一人もいないということを知っていた。
(カウンセラー、担任の言葉、警察で女性警官じゃない相手にもう一度詳細を言えと言われる等の自分への対応から感じていた)

蘭と蓮が夕暮れの土手で二人で会話。
蘭が家のことを最近できないでいるから、蓮に家のことをちゃんとやるように頼む。
これからは蓮が全部やることになるから。
(という蘭は、自殺を考えていたんだろうか?)

49話
蘭と蓮が夕暮れの土手で二人で会話の続き。
蓮が蘭に「秘密を教えてあげようか」と言って話すが、蘭は「すごいじゃん」と言うものの、「想像力が豊かなのはいいこと」と信じていない様子。

祖母は周りの圧力に負けて、加害者の一部と示談に応じてしまった。
唯一の味方の身内が倒れ、蘭はまた部屋から出てこなくなった。

裁判の結果は、初犯かつ未成年ということで、示談が成立した加害者は無罪、起訴した6人の内4人は保釈、刑事処罰は誰一人として受けない、というものだった。

その頃くらいから蓮は子供らしさがなくなり近寄りがたくなり、重たい空気に包まれているようだった。
判決が出て、祖母、蘭、蓮は少し離れた場所に引越した。
引越し後、茂木は彼らと疎遠になってしまい、蘭が転校したこと、神田建設の幹部(早川?)が蘭の家に謝罪に行ったことは後になって知った。
彼らは事件を思い出すようなものはすべて断ち切ったのだろう、茂木が自分から訪ねていく勇気もなかった。
次に茂木が蘭の家族に会ったのは蘭の葬儀の時で、自分を責めていた祖母もしばらくして亡くなった。

茂木が知っているのはここまでだと言う。

初芝が蓮の顔を覚えているか茂木に聞くと、覚えているがもう子供の頃の面影はなくなっていたと言い、3〜4年前に蓮に会ったという。

茂木は蓮に会えて嬉しいのと同時にいろんな感情が混ざって涙が止まらなかったという。

初芝は写真を確認してもらおうとする。
茂木が当時集めていた資料を初芝に渡そうとして探しに行くと、ドアの陰に銃を持った黒フードの男が見える。

 

50話

茂木が黒フード男に銃で肩を撃たれる。
2発目以降は近所の者に怪しまれるからと、黒フードが茂木を歩かせてどこかへ連れて行こうとするところへ、初芝が襲いかかり、茂木も応戦して、二人で逃げる。
初芝は電話で状況を伝え、救急車を頼む。
茂木は写真を見せてくれと言ってスマホの写真を見て「上から4番目の名前が違う」と言い、初芝もそれを見て蓮が誰かを確認し「まさか」と驚く(読者には見えない)。

黒フードが追いついて、面倒なことをしやがって、携帯の位置追跡をすればすぐわかると言う。
もう一人黒フードが来て、面倒なことをするのはどっちだと言う。

51話
黒フード同士が戦い、ニセの黒フードのフードが外れ、正体は、おやっさんが昔お世話になった刑事課長で、集団暴行事件のもみ消しにも関わり、真犯人の標的で家族を亡くした刑事課長だった。

真犯人は、偽物がマネをしているのを見ていたが、真犯人の計画は仕上げの段階だった。
早川は、寄付や慈善事業をしたり心理治療を受けながら生きていて蘭達の墓にも行って謝罪する等、人一倍罪悪感を感じていたようだが、真犯人はシナリオを完結させるため実行の日を待っていた。(早川の愛する者が最後の標的?)

真犯人
リゾート火災が故意だったのかミスだったのか知らないが、百を超える罪のない人々が、自分のことしか考えていない奴らの犠牲になったのを知った時、呆れてものもいえなかった。
自分たちの家族がどうして真犯人に殺されたのか知っていたのに事実を隠蔽するのに忙しいお前たちにとって、そんなのは痛くも痒くもないことだった。それが家族であろうと百を超える罪のない人々であろうと。

「よくある暴行事件で済む話だったのにそれを掘り起こしたのはお前だ。なぜ私の家族が犠牲にならなきゃならないんだ。」という刑事課長に真犯人は「その答えはあんたが1番よく知っているはず。怒りにかられて高屋を殺したあんたなら。俺も同じことやってんじゃーんってね。」と言う。

刑事課長が至近距離で撃った弾も避ける真犯人に驚く刑事課長と初芝。
その種明かしを真犯人がする。

人間が何かをするとき、その信号を贈るのは脳だ。
いくら俊敏に行動したって脳が発したその信号を読み取ることができたなら、いろんなことが可能となる。視線、呼吸、筋肉の動き、人の動作の1つ1つをリアルタイムでチェックできる俺にはどこを見て、どこを狙い、いつ動き出すのか、すべて丸わかりなんだよ。
訓練を受けた人間ほど読み取りやすい。
狙いを定めず連射されると俺も困るけどさ〜。

それを応用すると、脳の信号をチェックしてるだけじゃなく、奪うことも可能。
やられる側は何も感じないだろうが、人の動きを少し止められるようなもの。

それを聞いて、初芝は自分の予想を遥かに超えた能力で、「こんなの怪物だ」と思う。

52話
真犯人に襲いかかり、肉弾戦をする刑事課長だが相手にならず、逆にボコボコにされる。

真犯人は一生隠れているつもりだったのに、またこうして出てきたのは、真犯人の大切な人を彼らがまた奪ったから。(大切な人はおやっさん。おやっさんを殺したのはニセ黒フード=刑事課長)

真犯人「俺はお前たちを殺しはしない。記憶だけいただくよ。その代わり死ぬまで『あの日の記憶』だけを背負って生きていけ」

刑事課長は叫び声をあげ、その後は「あぁ、うっ」等しか言わない。
(『あの日の記憶』はおそらく家族が亡くなった車の事故の日)

初芝は茂木を逃がそうとするが、茂木は逆に初芝をかばい、「銃弾を避ける相手にかなうとは思いませんが」と言いながら真犯人に向かって行く。
真犯人は茂木のパンチを受け止め、「僕ですよ、僕」と言って、フードをとる。
茂木「え? れ、蓮」

 

53話
真犯人、黒フード男の正体は、蓮=椿だった。
想定外過ぎて、初芝は笑ってしまう。

初芝「あなたについての情報は全て嘘だったのね」
椿 「はい マスコミで報道されている内容は全て『こういうことにしておこう』という僕の設定です」

僕に関する研究資料やプロフィールをでっち上げるなんてたやすいこと。
だから茂木の知る僕が本当の僕。

茂木がケガをしているので、もう失礼するという椿。
茂木は彼らの会話が聞こえない。

椿は初芝のことは好きだという。
初めて会った時の目と記憶、初芝は自分と似ていると思った
その証拠に初芝は高屋を殺さなかった、機会を作ってあげたのに

椿
弁護士の娘を殺した日、平常心を保つのがやっとだった
平常心を失った状態ではミスが増える
自分一人で大丈夫だと思っていたが、弁護士が思いの外早く通報したので、アリバイを作るために高屋を呼ぶしかなかった

けれど初芝は高屋を結局殺さなかった
それは高屋がより確かな手がかりを持つ人物であることを知っているから
法で高屋を裁くには限界があるということを誰よりもよく知っていながら、せっかくのチャンスを見送ってどうするんだ

初芝が「徳永さん」と呼ぶと椿は、姉の復讐を心に決めてからその名字は名乗ってきていないので椿と呼んでくれという。
何の知識もない状態で、いろんな人の記憶を奪ってきたせいで「徳永蓮」だった時のことをもうよく覚えていない
それにその名前で呼んでくれるのは、おじさん(茂木)一人で充分。

初芝
自首はするつもりなさそうね
課長と同じように残りの人達も精神崩壊に追い込むつもりなんでしょう
その後は今まで通り悪を取り締まろうと?
何かを正そうとするのは間違っていない
だけどこのまま全てを隠して生きていくなら
彼らとなんら変わらないじゃない
自分の持つ力で法をくぐり抜け 罪を正当化し それによって大切な人を失う
これからいくらいいことをしても自分の犯した罪を償わない限り
そのループは永遠に終わらないかもしれないわよ

椿「おい これ以上何か言ってみろ」

54話
初芝は銃を持っていておそらく1発弾が残っている。
そして椿の弱点を見つけたので100%命中すると宣言する。

椿「残念だな せっかく残された人間の痛みを共感し合えそうな相手をみつけたと思ったのに」
初芝(それも共感できたかもしれないが、私が共感できると思ったのは犯人を捕まえるのに手段を選ばないということ)

椿は茂木を座らせて初芝に向かって行くが、初芝に腹を撃たれる。
椿じゃなく茂木を狙えば椿がかばおうとすることが、初芝の言った弱点だった。

弾切れでこれからどうするつもりだと椿が言うと
決着を私がつける必要はないと初芝は言う。

初芝は高屋の残した資料を見た時に「私が新海町にいると知れ渡れば真犯人は間違いなくここにやってくるだろう」と書いたメモを、新海町で記者の遠藤のポケットに忍ばせていた。
遠藤が特捜班に初芝の伝言を伝えた後、ポケットのメモに気付いて根岸にメモを見せた。

初芝はもっと早く来ると思っていたが、このタイミングで根岸達、特捜班のメンバーがやってくる。椿が黒フード姿でここにいることに驚くが「とりあえず一緒にきてもらおうか」と言う。
椿「こりゃやられたな 初芝さん」

 

55話
根岸は椿にどういうことか説明しろというが、初芝が答える。
「リゾート関係者の殺害に関与していないにしても 神田グループ跡継ぎにはじまり 霊安室で見つかった遺体まですべて椿さんの犯行です」
椿 「それを証明するには証拠がまだ揃ってないだろ」
初芝「それは逮捕してからでも探せるもの」

「手を後ろに回してうつ伏せになれ」と言われて椿は両手をあげるが、近づいた刑事の腕を掴んで倒す。「シラをきる気は毛頭ないけど、おとなしく捕まる気もない」
倒された刑事は、なぜここにいるのかわからなくなっている。
椿「俺も早く病院に行きたいし ここであったことはなかったことにさせてもらう」

根岸が銃を撃とうとして揉めるがその隙に望月が椿の太ももを撃つ。
望月「記憶を守るためには仕方がない」

望月
先輩、答えてください
嘘だったんですか
これまで一緒にやってきたこととか
唐沢警部への気遣いだとか
ああいうの全部 演技だったんですか

椿「あーあ 感傷にひたってブツブツブツブツ 恩知らずもいいとこだ」
初芝「望月さん ダメッ」

望月が銃を撃ち、うずくまる椿の横に血が見える

3日後

ニュース報道
リゾート関係者が相次いで殺された事件で、3日前
容疑者が現場にて緊急逮捕されました
2日前に開かれた記者会見で警察は容疑者は警察で詳細についてはまだ捜査中であると発表しました
犯人の殺害動機をより詳しく捜査するため
警察は有名プロファイラー初芝美苑さんに応援を要請したとのことです

望月が初芝を迎えに行き、椿の病室に連れて行く
そして初芝は「はじめまして椿刑事」と挨拶する

56話
逮捕された容疑者は、ニセの黒フード、おやっさんが昔お世話になった刑事課長だった。
刑事課長からは話は聞けず(まともに話せないため)、初芝が警察からもらった資料には核心的な内容がなく刑事は事件の状況をほとんど覚えていないので、役に立てるかわからないが、最善は尽くすと初芝は言う。

3日前の場面に戻る。
茂木が救急車で運ばれていく。
根岸は「まだ現実を受け入れられない」と初芝に話し、初芝に謝りたいことがあると言うが、初芝は自分が今こうして生きているのは根岸の迅速な判断のおかげだと言って礼を言う。

初芝は望月のところへ話をしに行く。
望月は感情的になったことを謝る。
心境は察するが真実を知るには彼が無事でないといけないと初芝は言う。

望月が何を見ているのか尋ねると前に椿が見せてくれた教授が殺された講義の映像で、何百回も見たのになぜ突然見せたのか気になって見ていたという。
そして初芝は椿と一緒に次長に会った時も椿がその映像を見ていたことを思い出し、望月に見せてもらう。
証拠資料として残っている映像は3分ちょっとなのに、それは5分あった。
そこへ椿から電話がかかってくる。
「ふぅ 死ぬかと思ったよ マジで」

次長に会った時も椿がその映像を見ていたことにどういう意味があるのかが、全話読み終わってみてもわかりませんでした。

57話
初芝「誰が携帯をあなたに」

椿
あー初芝さん もうすぐ意識失いそうなんだけど
その前にケジメってのをつけた方がいい気がして
望月には悪いと思ってる
おやっさんを最期まで見届けてくれてありがとな
まさか撃たれるとは思わなかったけど クッソ痛ぇ
手遅れになる前に 失望させたこと謝りたい 悪かった

そして初芝さん
もしこの世に俺に対抗できる平凡な人間がいるとしたら
それはきっとこの人だろうなと思ったのが
初芝さん あんただった
ただ いくら立派でも失敗は付き物だ
まずデータを信じすぎていたという点と
俺を捜査力の欠ける そしてそれを超能力でカバーしているだけの刑事だと考えた点
20年仕込みのキャラクターだ 騙されるのも無理はないけど
そこが残念だったかな

まあでもあんたが特捜班を引っ張ってくれたから
かなり惜しい推理なんかも飛び交って多少ハラハラしましたよ
初芝さん すげーわ

根岸が走ってきて、関係者全員の無線に椿の話してる声が流れてると言う。
非番で飲みに行った日にいつもと違うところが椿になかったかと初芝に聞かれて、望月は椿が鼻歌を歌っていたことを思い出す。

椿
もう犠牲を出したくない
死ぬ理由のない人達が
俺の復讐のせいでみんな死んだから
意識が遠のいてきた それじゃ

初芝は早く全員に無線を切るように、と怒鳴る。

椿「ふぅふぅ もう遅い」

初芝が落とした望月のスマホから講義の映像が流れ、鼻歌が聞こえる。
映像に入っている音声
「なんの音だ? 授業中に誰が鼻歌なんか」
「今だ おじさん 電話は切るな」
黒フードが講義室に入ってくる。

現在に戻って。
初芝と望月を病室の窓から見下ろす椿。
「ふぅ これでまた少し 寂しくなりそうだ」


初芝は椿が解決できずに初芝に依頼された事件2つや、茂木だけ記憶を奪っていないことを思い浮かべていた。それはつまり、椿が能力を相手に発動するのに自分の声(鼻歌など)を使っているからということなのか。
椿が解決できなかった事件で「障害」と言っているのはおそらく聴覚障害。茂木に対しても、お世話になったからと言っていたが、本当のところは耳が聞こえない(聞こえにくい)から記憶を奪えなかったということなのか。

「非番で飲みに行った日」の話なんて出てきたのは6話。それが何の日なのか何の意味なのか、覚えてなくて最初の方を読み返してやっとわかりました。
その日は12/10で教授の殺された日、つまりその映像が撮られた日で、望月を呼び出してアリバイを作ったけど鼻歌で能力を使って望月の記憶を操作してたということなんですね。

 

58話

血だらけで倒れている次長。
根岸「神田の会長が殺害されてから1週間しか経ってないというのに」

刑事課長の件も解決した初芝が、また本庁から協力を要請されたらしい。

初芝
刑事課長の件に加え、特捜班の刑事たちの記憶が3ヶ月近くも消えてしまっていたのを調査していたところ 私もまた特捜班の一員であったことを知ることとなった
過去3ヶ月の私の行動を確認しようとしたときにはもう
通話履歴やカードの明細 周辺の防犯カメラ映像など何も残っていなかったのだ
仕事を後回しにして調べ回ったのに
私ももう引退するときがきたのだろうか

本庁が呼んでいるのに椿に連絡がつかないと怒り、唐沢くんがいないから収集がつかないとこぼす本部長
連絡をしてみると言う望月

望月からの電話を切る椿
茂木と2人で話をしている

茂木
そうか そういうことだったのか
何を言えばいいのやら
よくやったとも言えないけど
かといって自首しろとも言えない
ただ・・・蓮の気持ち 痛いほどわかる
それで これからどうするんだ?

【高屋が刺された時の場面】
椿が高屋の記憶を読む
「ちっ初芝さんに あれこれ全部 えっ?」

【高屋が鏡に向かって話をしている】
これを例の刑事が見たところでどうにもならないだろうけど
ことの結末を俺は見ることが出来るだろうか?
まあ・・そんなことはどうでもいい
実はこの計画の結末より気になることがある
おまえの選択だ
おまえの計画をはじめて聞いた時
本気で狂った野郎だと思った
しかし それと同時に
純粋すぎるんじゃないかとも思った
手を汚す価値もない奴らに
おまえと同じ喪失感を与えてやろうだなんて
ともかく おまえも悪事に手を染めたわけだ
犯した罪はまたおまえの大切な誰かの死を呼ぶだろう
果たしてその時 おまえがどんな選択をするのか
俺はそれが非常に気になる

人混みを歩きながら「ひゅーひゅー」と鼻歌?を歌う椿。
道行く人のいろいろな記憶が見える
女性を襲おうとしている男の記憶が見え、バッと振り返る椿

ここで終わる