漫画「トレモロレトラ」桐島りら 感想


<↑コミックの試し読み> Renta!

女子高生と男子高生とロックバンドのボーカルの三角関係の恋のお話。
これより後の作品「世界の端っことあんずジャム」や「いじわるキラーチューン」も女子高生とバンドマンの恋の話なので、作者さんはその設定が好きなのかな。

ピッコマにて。全1巻、完結。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

ストーリー

主人公は、女子高生、太田かずら。
高校に入って初めて彼氏ができて、しかも超イケメンで、友人たちに「王子」と呼ばれてる岩崎。

カズラは岩崎と学校帰りに待合せ場所に行く前にCDショップに寄って、オススメされてたインディーズバンド「LETRA」(レトラ)のCDを聞いて衝撃を受け、まるまる一枚聞いてしまい、岩崎をたくさん待たせてしまう。

岩崎がカズラの誕生日プレゼントにレトラのライブチケットをプレゼントし二人で一緒に行く。
ライブ中、人の波でカズラは岩崎とはぐれてしまい、変な男にナンパされたりするが、それを岩崎は後ろから見ていた。

ライブ後、ボーカルの人が女性に絡まれキスされてるのを見て、顔を赤くしてると岩崎に声をかけられ、手を引かれて人気のないところに連れて行かれ、無理矢理キスされそうになり、岩崎に「あいつ誰だよ、誕生日に他の奴よそ見してんなよ」と言われるが、そこへレトラのボーカルが現れ、「はい、そこまでー。恋はあせらずだよ、少年」と言ってカズラを引き寄せる。

そこへ岩崎の友人達が現れ、彼らもライブに来ていたようで、これからファミレスに行くから一緒に行こうと、岩崎は連れられていく。岩崎もカズラもお互いを気にしつつ、そのまま離れてしまう。
カズラはボーカルに「大丈夫?」と言われてタオルを渡される。打ち上げに行くボーカルが去り際、「お誕生日おめでとー」とカズラに言う。岩崎が言ってたのを聞いてたのかな?
カズラは岩崎が行くのに追いかけられなかったのに、ボーカルから目が離せなかった。

 

学校で、カズラは日直でノートを集めて担任の部屋に行くと、メガネをはずしてソファーで寝ていて、寝顔を見ると、なんとレトラのボーカルだった。
カズラはものすごくビックリするが、ちょうど先生=ボーカルも起きて、驚いて頭突してしまい、二人で倒れる。
驚きすぎてうまくしゃべれないカズラに先生は「ハイハイわかったわかった。なんで僕がここにいるかってーと それはね 僕がカッコの先生だからだよ 太田さん こないだライブハウスにいたよね」と言ってカズラにキスする。
「これでバンドのこと ヒミツにしててよ」
「あたし 初チューだったのに どーしてくれんのよー」
「ま〜っ ごちそうさまー。もしバンドのことバラしたらキスしたこと岩崎くんに言っちゃうからね」
担任の先生=レトラのボーカルは、穂倉凌(ほくら しのぐ)。

部屋を出て、岩崎に出会って、キスしたことが頭にあって、思わず岩崎に謝ってしまう。
(キスのことは言ってない)
岩崎「なんで謝ってんだよ こないだわりかったよ かずらのことすげー好きだからだいじにしよーとおもってたのに あーオレ だせっ」
俺と仲直りしてくんね?と言われて承諾するが、キスしたことが後ろめたくて引きつり笑顔。

 

学校でクラスマッチと言う名のバスケのクラス対抗の試合みたいのがあって、負けたら担任が熱唱することになる。歌ったら歌がうまくてボーカルだってバレると思ったカズラは焦る。
バスケの練習後、穂倉が携帯を忘れていったのを他のクラスメイトに見られないよう、カズラが届けに行くが、途中で着信したメールを見ると、女からのメールが大量にきている。
先生の部屋に行くと女の先生からのクッキーを断ったところを目撃、あの大量のメールも返信せず無視するのか、どうして女の子に冷たいんだと聞くと、穂倉は「好きな女以外何もあげないし 何ももらわない主義」という。

クラスマッチでは負けて穂倉はみんなとカラオケへ。穂倉がバレないよう歌わないよう気を使うカズラだが、穂倉はプリキュアの歌を歌い、みんなに大受けで終わった。カズラがジュースを取りに行くとレトラの時の姿の穂倉が来て「誰がかばってくれっていった?」「わかってるよ 秘密守ってくれたお礼ほしい?」と言われ、カズラはキスされるかと思ったが、手を引かれてライブハウスへ。
もう一度お礼がほしいか聞かれ、カズラがほしいというと、「特等席」と言って最前列まで手を引かれていって、穂倉はそのまま舞台に上がり歌い出す。

 

修学旅行に行くことになるが、レトラのライブ日程とかぶる。穂倉は引率で行ってそのまま抜け出して歌う予定。
岩崎はカズラにお揃いのストラップを買ってくれる。穂倉はカズラにはこれがいいんじゃと言ってうさぎの何かを持ってカズラを追いかけてると万引きだと言われてしまい、カズラが買うと言っておさめる。その騒動のせいでカズラは岩崎にもらったストラップを落としてしまい、夜になって気付いて穂倉に店の名前を教えてもらおうとするが、外出禁止だとかわされてしまう。

夕食後にもう一度、穂倉に店を教えてもらおうと会いに行くが、穂倉が行って探してきてくれていて、昼間の万引き騒動のお礼にと、カズラが昼間に眺めていたカンザシをプレゼントしてくれる。
冷えて寒いという穂倉はカズラを抱きしめ「あったけぇー。治った治った」と言って、ライブに行くからもう戻れとカズラに言う。

その後、雨が降ってきたのを見て、カズラは穂倉に傘を届けにライブハウスへ。
バンドメンバー「なんかフロアにずぶ濡れの可愛い女子高生いたよな?」
穂倉「しってる あのバカ娘」

 

夜に出歩いたことを穂倉は怒り「帰れ」と言うが、カズラは「濡れると思って傘、あとカンザシのお礼を言いたくて ごめんなさい」と素直に謝る。穂倉がタオルでカズラの髪を拭いてやってると
カズラ「あたし 穂倉のこと す」
穂倉 「それ以上言うな 多分 いろいろやばいから」
と穂倉は言って、それはアイドルの好きと一緒で勘違い、岩崎くんと仲良くね、と言ってマネージャーにカズラを送らせる。

学校で岩崎は穂倉に「完全に人選ミスだと思うけど」と言いつつ、恋愛相談。
岩崎が、彼女がいるけどまだキスしたことがなくて、でも大事にしたいから彼女がしたいって思うまで待ちたいという話をすると、穂倉は先にキスしてしまったことにちょっと罪悪感。
「二人で温泉旅行にでも行ってキスどころかいろいろと盛り上がってくればいい」とアドバイス。先生がそれでいいのかと言うが、「自分に正直になるよ」と岩崎は元気が出た。
穂倉「あれ?俺 やってもうた?」

 

レトラのニューアルバム発売記念ライブが決まる。
岩崎に二人で温泉旅行に行こうと誘われるとその日はレトラのライブの日と重なっていたが、カズラは承諾。カズラは穂倉に「アルバム発売記念ライブするんだねーおめでとー」と言いに行き、その日は岩崎と温泉に行くから行けないんだと、わざわざ言うが、穂倉には「楽しんできて」と言われてしまう。

当日。穂倉「んーちとまずったかなー」
カズラは岩崎と一緒に出かけて観光を楽しんだあと、宿へ。
二人とも緊張してしまい、岩崎は「あーなんかムリ この空気 オレ トイレ探してくる」と部屋を出ていく。カズラも落ち着かず荷物整理をしているといろいろと変なものを持ってきてしまっていて、化学のノートまで入っていて、そこからレトラのチケットが落ちる。(穂倉は化学の教師)
「よかったら来てね」とチケット裏に文字が。

岩崎が部屋に戻ってきて「カズラ!やっぱオレ・・ カズラ?どした?」と言うと
「岩崎ごめん あたし 好きな人ができちゃった!」とカズラは言う。

 

ライブハウスで、カズラがいないことを確認して「あ〜太田さん 大人の階段登っちゃったのネーおじさんツラいわー」という穂倉。
歌っているとカズラが最前列にいるのを発見し、カズラのところへ行って耳元で何かを言うがカズラには聞こえない。

ライブ後、楽屋で。
「あんまおじさんをドキドキさせないでよねー 本気にしたらどうすんの?」
「いっつもそうやってあたしを翻弄しやがってー穂倉のバカァーあんたのせいで岩崎キズつけちゃったんだからームカつくー」と言ってカズラは穂倉にキスをする。
「本気じゃなきゃあ こんなことしないよぉ」
「太田さん 先生ね 欲しいものは絶対欲しいんだよね」
「ライブん時言ったのはね」
「まぼろしかと思った」
と言いながらは穂倉はカズラにキスしそうな体勢。
そして二人の顔は見えないまま、穂倉が部屋の電気を消す。

それは一瞬のできごと でも もう消えない まぼろし
《おわり》

 

感想

だいぶ前に試し読みを読んで、ずっと気になってた作品。
この表紙の絵がものっすごくカッコいいと思ってました。思ってます。
2話でのワンカットなんだけど、2話で見るより、この表紙の濃い色が付いてるのが、線を少し見えにくくしているからなのか、表紙の方がものすごくカッコいい。

「世界の端っことあんずジャム」も途中まで読んだことあるけど、それ以降の作品の絵柄よりも、この「トレモロレトラ」の絵柄のほうが好き。
穂倉がすごく色っぽくてカッコよくて。

それともうひとり、カズラの彼氏の岩崎も王子と言われるに充分なイケメンで、すっごくカッコよくて好き。それなのに結局振られちゃうのが可愛そうでもったいなくて。
そりゃあ穂倉もカッコいいし迷うけどね。

 

岩崎はちょっと焦って無理矢理キスしようとしちゃったけど、そのくらいは若いんだから、しょーがないよ、それにちゃんと謝ってたし、大事にしたいからって、カズラを待ってくれてたのに、それなのに、穂倉に持ってかれちゃうってー、かわいそすぎる。

でもライブハウスで、はぐれたカズラを見つけてたのに男に絡まれてたのわからなくて嫉妬しちゃって、声かけられなかったのかな?あそこは「何故声かけない?」と思っちゃったんだけど。

そして温泉旅行で部屋に戻ってきた時、「カズラ!やっぱオレ」って何言おうとしてたのー?気になるのに、あれで終わっちゃうって・・・。
カズラが「好きな人ができちゃった」って言った後のリアクションをせめて描いてほしかった。何もなしって、更に岩崎がかわいそすぎるよ・・・。
ほんとに岩崎いい奴だし、カッコいいしだったから、穂倉を選ぶのも仕方ないと思うけど、岩崎がかわいそうで仕方なかった。
あそこで岩崎が終わりになっちゃって、リアクションが描かれてないのが不満。
ちゃんとそこは描いてほしかったなー。岩崎が何を言おうとしてたのか、わかるように書いてほしかったなー。

 

ピッコマで読んで、あとがきとかなかったんだけど、コミックで読めばあとがきとかで何か書いてあったのかなぁ・・・。

あと、最後はもうちょっとちゃんと穂倉とカズラが結ばれたってわかるような絵で終わってほしかったな。キスシーンとか。たぶんキスしてるだろうけど、キスしてるとこは見えてなくて、穂倉が部屋の電気を消して、このままここでキスの先のことをするのかって感じで終わってたけど、ライブ後の楽屋で初めてHするなんて嫌だよね、初な女子高生が。

1巻しかないわりに、ストーリー展開いろいろあって、キャラもカッコよくてかわいくて、よかったけど、最後の終わり方が、岩崎がリアクションなしのあれで終わっちゃうのと、カズラと穂倉の二人もちゃんと写ってない終わり方がいまひとつで、残念でした。

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