漫画「公爵家のメイドに憑依しました」漫画:Aloha 原作:Jooahri 感想(3)

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WEB小説の登場人物、公爵家の子息のリアンドロの事が気に入っていたのに、悲劇的な結末を迎えたことに憤慨して眠りにつくと、その小説の中の世界にいて、公爵家のメイドになっていたという、異世界転生もの。
彼に同情した彼女が、メイドとしてリアンドロの世話をして、彼と心を通じ合わせていくお話。

ピッコマにて。土曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

「公爵家のメイドに憑依しました」感想(1)
「公爵家のメイドに憑依しました」感想(2)
「公爵家のメイドに憑依しました」感想(3)

 

 

 

※タイトルでは憑依となっている現象についてですが、マンガの中は憑依とも転生とも言われて混在しているのと、一般的にこの手の話ではこの現象を転生と呼んでいるので、以下の文中では転生と呼んでいます。

 

23〜25話

リアンドロは、休憩時間だったり授業を抜け出したりして、イベリナに会いに来ます。

イベリナがメイド仲間にイビという愛称で呼ばれてる事に嫉妬したり、リアンドロを探しに来た先生がイベリナの手の甲にキスをしようとするのを阻止したり、ロレンゾ笑顔を見せるのに嫉妬したり、リアンドロは嫉妬しまくりです。

リアンドロを探しに来た先生は、メガネを取るとかなりなイケメン、美形さんでした。
(でもこの後、特に出てきてません・・)

ロレンゾは、リアンドロのあまりの嫉妬ぶりに、もしかしてイベリナの事が好きなのかとも思いましたが、身分的にあり得ないだろうと思い、ずっと世話してくれたから過剰に慕っているだけだろうと考えます。

リアンドロとイベリナが親しげにしているのを見て、執事はイベリナを睨みつけ、彼女に目を付けます。

イベリナも執事に睨まれたことに気付き、外でリアンドロと親しげに振る舞うのは誤解を生むから気をつけようと思います。

リアンドロ母は、本館に住むようにリアンドロに声をかけますが、今までバケモノと言って放置してきたくせにと思い、冷たく「放って置いてくれ」と拒否します。

リアンドロ父のベラビティ公爵は、皇帝に呼ばれ、リアンドロの呪いが解けたお祝いにとダイアモンド鉱山を授けられます。

皇帝の正式名称は、クレセンゾ帝国皇帝、ヘリオス三世、ロサノ・クレセンゾ。

「皇族の血を共に受け継いだばかりに」と言っているので、ベラビティ公爵も皇族の血を引いているようです。

イベリナの読んだ小説によると、この皇帝が呪いをリアンドロに代わりに受けさせた張本人なので、なぜ呪いが解けたのか知りたくて呼んだのが本当の目的っぽいです。

神託では呪われた者が死ぬまで呪いは解けないだろうと言われていたので、それがなぜ解けたのかが気になっている様子。

 

26〜28話

リアンドロの呪いが解けて半年が経ち、リアンドロは13歳になりました。
背はものすごく伸びて、イベリナの背を越え、服はすぐに小さくなってしまいます。

呪いが解けても無関心だった父が、なぜか週に一度食事をしようと言い出し、嫌々ながらリアンドロは食事に行きます。

新米メイドのフェデリカは惚れっぽく、今夢中なのはグレーの髪の美形騎士のリリアナ。

イベリナはリリアナが最後までリアンドロに忠誠を捧げた騎士で、イケメンに見えるけど女性なことを思い出します。

リリアナは昔から公爵家に仕えていて、リアンドロが小さい頃に発作を起こして辛い時に「自分は大丈夫だから」と大人を落ち着かせている姿を見かけて、尊敬していました。

リリアナは、リアンドロが健康になったのもイベリナのおかげだと思っていて、リアンドロを思う気持ちで共感しあった二人は仲良くなります。

その様子を見ていたリアンドロは、今度はリリアナに嫉妬しますが、彼女はリアンドロを尊敬している騎士で、女性だと聞いて安心します。

それに、一般市民は成人するとすぐ結婚する事が多いけど、イベリナに縁談の話もまだないと聞いてホッとします。

イベリナは、自分が嫁に行っていなくなる事をリアンドロが心配しているのだと思って、「リアンドロを一人にはしない」と言いますが、それは今だけの事だろうと思っています。

リアンドロは今はまだイベリナにしか心を開いていないけど、徐々にいろんな人と関わって人間関係が広がりつつあるから、そのうちイベリナだけじゃなくなるだろうし、イベリナに執着するのは今だけだろうと思っているのです。

けれど、リアンドロはイベリナの考えとは違い、一途にイベリナのことを想っていて、彼女がいればそれでいいと思っています。

 

 

29話

フェデリカとイベリナで、騎士達に差し入れを持っていきます。

イベリナとリリアナの親しげな様子にフェデリカは嫉妬しますが、結局はリリアナが女性とわかり失恋します。

メイド仲間から平民は成人したらすぐ結婚するのが当たり前だと聞き、イベリナは自分の今後について考えます。

小説より早くリアンドロの呪いが解けたけど、まだリアンドロが反乱を起こす可能性はなくなっていない、反乱後の処刑は阻止したいから、リアンドロがハッピーエンドを迎えると安心できるまでは、まだリアンドロの傍にいようと決意します。

リアンドロの呪いが解けてからは1年経過。

 

 

30〜32話

リアンドロは14歳になり、帝国の成人男性の平均身長に達しました。
イベリナは皇都に出て交流を広げてはどうかと提案しますが、リアンドロはイベリナがいればいいと拒否します。
今も、イベリナが他の人と仲良くしてると不機嫌になるようです。

リアンドロ父の公爵が、領地を回るという建前の愛人との旅行中に馬車のスリップ事故で転落死します。

葬儀でディエゴとリアンドロは顔を合わせます。
ディエゴは、リアンドロの呪いの模様が消えたのを興味深げにジロジロと見て頬に勝手に触り、リアンドロに怒られます。

ディエゴは、父である皇帝がリアンドロに呪いを代わりに受けさせた事を知りません。

その様子を陰から覗いていたイベリナは、小説ではこの後、エレオノラをめぐってどんどん険悪になる二人の関係と、最後に負けるのはリアンドロな事を考え、彼を不憫に思います。

葬儀が終わって部屋に戻ったリアンドロは、イベリナに「頭なでて」ともたれかかり甘てきます。

大変な役目を終えてがんばったリアンドロに今日は甘えさせてげようと、膝枕をして頭をなでてあげます。

リアンドロ母が、自分も涙一つ流さずにいたくせに、リアンドロが悲しまない様子に「それでも人間か」と言ったという話を聞いて、イベリナは「まともに育てもしなかったくせに偉そうに」と怒ります。

「お前はいつだって僕の味方だな」

「お前だけは絶対 離さない」

と言ってリアンドロはイベリナを抱きしめますが、「なに言ってるんですか」とまともに受け取ってくれないイベリナに、がっかりします。

イベリナはこの時は、自分が貴族令嬢に転生していたらリアンドロと結ばれる事もできただろうかと考えますが、メイドじゃなかったら世話をしたり呪いを解いたりできなかった、リアンドロが幸せにさえなってくれればそれでいいと考えました。

「待ってくれ 僕が大人になるまで」

イベリナがまだ結婚を考えてないことを確認した後、リアンドロはこう言いますが、イベリナは大人になったら嫁ぎ先を見つけてくれるんだという意味だと受け取ります。

リアンドロ父が亡くなって2ヶ月経ち、リアンドロ母は堂々と愛人を邸宅に呼び、自分の役割を放棄して、すべてメイド長に一任しました。

そのためリアンドロは、跡継ぎ教育と同時に執務をこなさねばならず、寝る間もないほど忙しい日々を送るようになり、拠点を本館に移しました。

4日会えなかったからと、仕事終わりの夜中にリアンドロはイベリナの部屋に会いに来ます。
階段に一緒に座り、リアンドロはイベリナにもたれかかって甘えますが、誰かに見られたらとイベリナが心配するので、少しの間一緒にいてくれるだけでいいと頼みます。

リアンドロはイベリナの手のひらの傷跡にキスをして、自分の頬に当て、「ちょっどだけこうさせてくれ」と言います。

部屋に戻る途中、一緒に歩いているところをメイド長に見られてしまい、メイド長はイベリナに注意しなければと思います。

 

 

23〜32話 感想

呪いが解けた後のリアンドロの身体の成長がスゴいです。

そしてそこから月日もぐんぐん過ぎていきますが、呪いが解けて半年で小学生ぐらいな感じの見た目から、すっかり青年って感じの見た目に急成長しました。

14歳で成人男性の平均身長って、この世界ではよくある事なのかな?
比較対象がいないのでなんともいえないけど。

とにかくもう既に大人サイズにまで急成長です。

「平民は成人するとすぐ結婚が当たり前」って話が出てくるけど、成人て何歳なんだろう?

最初が16のイベリナにもうそろそろとか言ってるから、16ではないんだろうな。
18なのか20なのか。

リアンドロは、呪いが解ける前は自分のイベリナへの気持ちが恋愛感情だと気付いてない感じでしたが、その後、「これは恋なんだ!」って彼が気付く描写は特になかったものの、今は恋愛感情だと自覚しているようです。

アピールしてるのにイベリナが気付かないことに苛立つようになってます。

イベリナも、最初はちびっこリアンドロに恋愛感情なんてあるわけないじゃーんって感じでしたが、リアンドロが急成長して大人な見た目になったせいか、ドキッとするようになってきました。

でも、ここからはよくある「身分の差」に悩むようになるんですね。

今までと違ってリアンドロと自分が一緒になる事を未来の1つとして考えたりはするようになるけど、身分差があるから絶対に無理だと考えています。

そして周りからの嫉妬と、立場をわきまえろという厳しい目。

今までリアンドロを放っておいたくせに、世話をしなかったくせに、というのは棚に置いておいて、特別扱いされるイベリナに嫉妬するメイド達と、貴族に平民がなんて立場をわきまえろと厳しい目をむけてくる執事やメイド長。

今までの扱いがどうだろうと、身分制度のある社会では、どうしても世間からはそういう扱いになるんですね。

今までの扱いの恨みはリアンドロはしっかり忘れず根に持ってるけど、爵位を継いで周りを掌握してからじゃないと権力をふるえないからね。

リアンドロ父は亡くなったので、遠くない未来に爵位は継げると思いますが、こういう世界は手続きとかルールの関係で、数ヶ月から数年かかったりとかしちゃうだろうし。

リアンドロ父、ものすごく影の薄い存在だったなぁ。
親として最低な暴言を吐くイケメンなだけだった。
呪いが解けて半年してから週一で食事を提案してきたのとかなんか意味があったんだろうか。

そしてちょい役ながら、結構イラッとくるのがメイド仲間のフェデリカ。

惚れっぽいダメな子なだけだったら微笑ましくみていられたけど、自分が惚れた騎士と仲良くしてるイベリナへの嫉妬とか、リアンドロに特別扱いされる事への嫉妬が、結構イヤ〜な感じで、人間の負の面を見せてくれるなぁと思いました。