ランデル王国の公爵家の跡取り息子ながら複雑な生まれのために不遇な子供時代を送ったジンジャー。
グランディア王国の王女なのに、父の寵愛した継母のせいで冷遇されていたエリサ。
政略結婚した二人だったが、ある日、目が覚めるとなぜか体が入れ替わっていた。
愛情の薄い家庭で育ち、似たような境遇の二人が徐々に心を通わせていくお話(たぶん)。
ピッコマにて。日曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。
「Lady Beast」感想(1)
「Lady Beast」感想(2)
「Lady Beast」感想(3)
「Lady Beast」感想(4)
36話
「模擬戦にルフェラが出る」「エリサが懐妊した」と噂が出回り、状況がよろしくないとラゴルがジンジャーに報告します。
グウェン家にはまともな跡継ぎが出来ない呪いをかけられたという縁起の悪い噂があります。
先代は遊び人だったのに血の繋がった子供は婚外子のジンジャー1人だけだから。
そんなジンジャーを引きずり降ろそうと狙っている敵がたくさんいます。
エリサが模擬戦に出ないのは妊娠したせいという噂があり、それが妊娠してなかったと明らかになれば、やはり呪いのせいで子供が出来なかったんだといって、ジンジャーを貶めるために、わざと妊娠の噂を誰かが流したのだろうとジンジャーは言います。
エリサに模擬戦は危険だから出てほしくないが・・と言うジンジャーにエリサはもともと出るつもりだったのだからと模擬戦に出ると申し出ます。
ジンジャーは必ず守るから、戦場では必ず俺の指示に従うと約束してほしいと言います。
37話
エリサはマークビルに、トラノイ家のレディーは7年経っても模擬戦で子供の頃から仕えていた騎士が目の前で失明した事がトラウマになっている事や、模擬戦で死ぬことは滅多にないが腕や足を失うことはあって、兵士は死を覚悟して臨むと聞いて、怖くなりますが、ジンジャーが危険だと言っていた意味を知って、気が引き締まります。
兵士たちがエリサのために一致団結して進んで訓練をしていると聞いて、ジンジャーはムッとしてしまい、更に彼らに負荷をかけるような訓練を指示します。
それはたぶん嫉妬なんだけど、ジンジャーは自分の気持ちをごまかしているようです。
38話
エリサの部屋の暖房が故障しているので、ジンジャーは執務室を一緒に使おうと言ってくれます。
そのジンジャーの優しさに、自分はあなたの特別になれるのかと聞きますが、グウェン家の妻だから今も特別だと言われて、「妻だから特別だ」というだけなのだと、エリサは落ち込みます。
このやり取りで、ジンジャーはエリサが自分を本気で愛してるのだと気付き、自分があげられない唯一のもの=愛を望まれて、悩みます。
彼女が辛そうな姿を見たくなくて優しくしたけど、期待させるつもりはなかったはずなのに。
39話
それ以来、ジンジャーは変わらず優しいけど、自分との間に距離ができた、確実に何かが変わったとエリサは感じていました。
エリサが屋敷の庭で愛読書を読んでいるとギリアンがやってきて、エリサが読んでいる本の話をします。
ギリアンは「強姦された女のヒステリックに周りが振り回される話で好きじゃない」と冷たい表情で言いますが、エリサは「夫人が不幸な事故を乗り越え、お互いを思いやる素晴らしい親子で、とてもいい話だ」と言います。
それを聞いたギリアンはエリサの言葉にどれだけ慰められたか、いつか話しができる機会があるといいと言います。
どうも、この小説の内容がギリアンの個人的な事情と似通っていて、それゆえに嫌っていたけれど、エリサの解釈を聞いて救われたという事のようなんですが、ギリアンの事情が全くわからないので、どこがどう慰められたのか、さっぱりわかりません。
ギリアンが登場してから、ジンジャーと過去にあったこと等、いろいろ謎なままはっきり明かされない事情が、ちょいちょい出てきて匂わされるだけで終わってて、消化不良なままです。
40話
そこへジンジャーが訓練を早めに終えて現れ、ギリアンと言い争った後、エリサを連れて去ります。
ジンジャーは長い付き合いのギリアンが真面目な顔で女性と話すのを見たのは初めてで、その視線に好意が感じられた事に、苛立ちを感じていました。
エリサはジンジャーの不機嫌に気付いて問いますが、理由は教えてもらえず、気になって眠れないので、お酒を飲んで酔っ払ってしまいます。
41話
エリサがテラスで夜風にあたっていると、ジンジャーもやってきて話をします。
エリサはジンジャーになぜ自分を避けるのかと聞きますが、ジンジャーに避けてないと言われ、本当は全部わかってるくせに、私の気持ちを揺さぶっておいて何も言わずに避けるなんてと思って、ジンジャーに「ひどい」と言います。
エリサは酔っているので、気持ちを素直にぶつけてしまいます。説明不足ですが。
「避けるな」「支えてくれる」と言ったくせにというエリサに、ジンジャーはエリサを抱きしめながら、「俺が全部悪かった」と謝ります。
この二人のやり取りで、どこがどうなって気持ちが通じたのか、正直よくわかりませんが、ジンジャーはエリサをかわいいと思って、エリサの愛情を受け入れかけているような感じになってきました。
42話
エリサは昨夜、お酒を飲んで酔っ払った後の事を覚えていないようで、ジンジャーと話したことも夢にでてきたような気がするという、ぼんやりとした記憶しかありません。
ジンジャーは朝食の席で、エリサに、模擬戦の訓練も重なって忙しくて会えなかっただけでエリサを避けていたわけではないと説明します。
エリサは昨夜ジンジャーと話をしたことは思い出さないままですが、避けられていたのではないとわかって、喜びます。
43話
ラゴルとルフェラがエリサに会いに来て、精鋭部隊のみんながエリサ奥様のためにがんばって訓練しているという話と、模擬戦の勉強頑張りすぎないでねという話をします。
エリサはジンジャーと一緒にいられるのが嬉しくて、つい張り切ってしまっているのですが、正直には言えません。
エリサはルフェラから、ジンジャーの子供の頃のやんちゃ話を聞きます。
ジンジャーは子供の頃、剣術の練習帰りと嘘をついてラゴルと一緒に山に登って埃だらけで帰ってきていたのですが、乳母にバレて叱られても諦めずに、いつも怒鳴られていました。
バレたのは道中に独特な香りのする薬草が生えていて、それが服についたためでした。
その薬草のあった場所は、今回の模擬戦の開催場所でモングス山にあり、獣よけの効果があるので覚えておいてとラゴルに言われます。
ラゴルはジンジャーの指示で、エリサの教育係に専念するために所属が移り、エリサ専属の使用人、教育係兼、遂行者になりました。
その後、エリサはラフェルと街に買い物に行きましたが、行ったという話だけで買い物の描写はありません。
44〜45話
夜、エリサはラゴルを付き人にしてくれた事で、ジンジャーにお礼を言いに行きます。
エリサが喜ぶ様子にジンジャーも嬉しくなりますが、あまりにエリサがラゴルの有能さ等を説明するので、だんだん嫉妬してきて、「ラゴルには教えられない、俺から学ばないといけないこともあるだろう」と、キスの仕方を学べただろうと言います。
エリサは、からかわれてドギマギして退室してしまいますが、毎日のようにからかわれるのが嫌ではありません。
翌日、エリサは訓練場で模擬戦で使う護身具、武器から相性のいい物を選ぶためにいろいろ試します。
それらの物は長い年月をかけて魔塔で作られたもので、魔法がかかっていて強い魔力は必要ありません。
しかし弓は暴発、レイピアは触れた瞬間スパークして廃棄、結界魔法がかかった盾は重すぎて持てず等々、結局1つも合うものがありませんでした。
ジンジャーはその結果に怒って、魔術師に作り直しを命じます。
兵士達は、エリスお気に入りの香りや音楽付き等の無茶な要求を言いたい放題しますが、ジンジャーは安全で使いやすい物を4日以内に作るように命じました。
45話最後にギリアン・トリガーの妹、トリガー公爵家の令嬢、ジュリアがちょっとだけ登場します。
たぶん26話で、ジンジャーにとって「人生で唯一記憶に値する女」と言っていた「あの人」が彼女なんじゃないかなーと思います。
ジンジャーの「あの人」は黒髪の後ろ姿だけしか出てませんが、トリガー公爵家の令嬢の肖像画だけ無い理由をラゴルがエリサに話せない事や、ギリアンとジンジャーの間に何かあった事等から、たぶん彼女でしょう。
ギリアンが「あいつ(ジンジャー)をもう自由にしてやれよ」とジュリアに言って、またまた意味深な感じで匂わせるだけで、何の説明もなく終わってしまいました。
次の話でジュリアが出てくるのかなーと思ったら、全く出てこなくて、たったこれだけの登場。
ジンジャーとトリガー家の間にあった事は、匂わせるだけでちょっとずつ出てきて、もったいぶるみたいですね。
でも、こういったストーリー的な部分があまり進まず、たまーにしか出てこないと、正直、覚えてられないというか、今回は続けて読み返したのでわかりましたが、ギリアンもたまーに出てこられても、「この人誰だっけ?」になっちゃいます。
ジンジャーの今までの言動から、ジュリアはちゃんとした恋人とか、恋愛感情を持った相手ではないでしょうが、自覚はなくてもそこそこ気持ちが向いていた女性って事なのかもしれません。
きっと今後、エリサの気持ちを乱す存在として登場するんだろうなぁ。
でも波乱を呼ぶだけで、ジンジャーとエリサの仲は壊れないと思いますけどね(*^^*)。
46話
模擬戦でエリサが使う護身具は結局、破ると移動できるスクロールになりました。
香りや音楽は無理だったけど、安全で使いやすい物で、ジンジャーは出来に満足し、魔術師達に褒美をやる事にします。
スクロール5枚のうち、練習に3枚、本番に1枚(模擬戦で魔法アイテムは1回しか使えない)、残りの一枚はエリサが自由に使っていいと言われて、すごく喜びます。
移動範囲は、屋敷からなら少し離れた郊外まで、訓練中なら山の一帯で、位置を把握していれば行ったことのない場所にも移動可能。
ジンジャーが訓練の様子を見に訓練場に行き、マークビルから訓練は順調だと話を聞いていると、エリサの足が大変な事になったと、侍女が慌てた様子で知らせに来ました。
気になるところで終わってしまいましたが、またスクロールが予期せぬ動きをしてエリサに何かあったのかな?
マークビルがちゃんと事前に試したのにエリサが使うとおかしな事になってたのは、エリサに何か魔道具をおかしくさせる要因があるとかって事なのかな?と思いますが。
それと移動に使えるスクロールに、すごいすごいとエリサは喜んでましたけど、1回しか使えない使い捨ての物が、たったの5枚だけって、もったいなくて使い所に悩みそうなんですけど。
「屋敷内なら好きなところに行ける」なんてジンジャーも言ってたけど、1回しか使えない物を屋敷内の移動なんかに使いたくないよね?
私には、何か危険が迫った時の緊急避難用に持っておく、みたいな使い方しか出来ない気がするんですけど、エリサは1枚だけ1回しか自由に使えない物を、気軽にどこかに遊びに行くのに使えちゃうのかなぁ。
帰りの手段は別に用意しないとだし・・・。
模擬戦だって、これで安心みたいな感じになってたけど、いやいや1回しか使えないんじゃ、やっぱり身に危険が迫った時の緊急避難用にしか使えなくて、「これで安心」って感じじゃない気がするんだけど。
無いよりは安心さはあるにしても、危機の時に使うって感じで、通常の戦術の一部としては使えないよねって思うんだけど、さてどう使われるんでしょうか。
模擬戦の話が最初に出たのは、2回めの入れ替わり直後、ジンジャーがこの後の予定として模擬戦がある事を考えた時で、15話です。
模擬戦とは何かの説明がされた24話前後からでももう20話くらいたってて、随分長いなぁ。