漫画「Lady Beast 〜レディービースト〜」漫画:ナウ 原作:SWAN 感想(2)

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ランデル王国の公爵家の跡取り息子ながら複雑な生まれのために不遇な子供時代を送ったジンジャー。
グランディア王国の王女なのに、父の寵愛した継母のせいで冷遇されていたエリサ。
政略結婚した二人だったが、ある日、目が覚めるとなぜか体が入れ替わっていた。
愛情の薄い家庭で育ち、似たような境遇の二人が徐々に心を通わせていくお話(たぶん)。

ピッコマにて。日曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

「Lady Beast」感想(1)
「Lady Beast」感想(2)
「Lady Beast」感想(3)
「Lady Beast」感想(4)

 

 

13〜14話

対面式って何だろう?と思ってましたが、読んで字のごとく、グウェン家の者達(個人所有の軍人や使用人)とエリサが対面する、会うっていうものでした。

描かれるのは最後に会うグウェン家の精鋭部隊員達との対面のシーンだけなので、他に誰と対面したのかよくわかりませんが、たぶんグウェン家で働くいろんな人達全部なのかなと思います。

夫と入れ替わっていた時に部隊員達とは会っているため、その時に聞いた酒屋の女性店員にアタックする話はうまくいったのかと、エリサは質問します。
全員振られたけど、それはいつもことだと聞くと、戦場ばかりで女心がわからないんだろうと思い、洗濯やお風呂で清潔感を持つようにとエリサは隊員達にアドバイスします。

その話をエリサがジンジャーにして和んだあと、夜、ジンジャーは4ヶ月遅れの初夜をエリサと過ごそうとしますが、エリサが突然の事に驚いて香油のビンを割ってしまい、結局、そういう雰囲気がぶち壊しになって、ベッドで一緒に眠るだけで終わりました。

ジンジャーはエリサと入れ替わっていた時に、初夜の事で嫌味を言われた事を思い、自分の配慮が足りなかったとエリサを気遣っての事でした。

そのジンジャーの気遣いを感じて、エリサは受け入れ体制OKだと言うんですが、エリサの潔さが男らしく色気のない感じになってしまったため、ジンジャーはやる気になれなくなっちゃったようです。

とはいっても、貴族の成人男子で戦闘経験もあるようなジンジャーは、女性経験あるでしょうし、その程度の事だったら、またいい雰囲気にもっていけるんじゃ?とも思うし、エリスのためと思ってしようとしたんだから、そのくらいで挫けないでやれそうだと思うんですけどね。

15話

翌朝、二人一緒のベッドで目覚めると、また体が入れ替わっていました。
どういうタイミングで入れ替わるのか、前回はなぜ元に戻ったのか、入れ替わりの仕組みは不明なままですが、今回は二人共この後の予定がいろいろあって大変だけど、とにかくがんばろうという事になります。

ジンジャーは、エリサがやっている家の仕事はせいぜい使用人の管理程度だと思っていましたが、彼の予想以上にエリサがこなしていた仕事が多く、驚きます。

そしてエリサが提案しようとしていた兵士の食事改善案を読んで、良い案だと感心して、その案を進める事にし、エリサの事をまた見直して、ますます気に入ります。

 

 

16〜17話

ジンジャーの剣術の師匠で親友の父親でもあるトリガー公爵が突然訪れ、エリサはミスはできないと焦りつつ対面しますが、愛妻家のトリガー公爵の妻に関する悩みを聞き、話をして妻の不機嫌の原因に気付かせてあげます。

原因がわかったトリガー公爵は妻の機嫌をとりに早速家に帰ってしまいますが、公爵の持ってきたお酒を、夫の体は酒に強くて飲めるからと、エリスは大量に飲んで酔っ払ってしまいます。

エリスを心配したジンジャーが様子を見に行くとすっかり酔っ払ったエリスがソファに寝転んでいて、酔っぱらいエリスに絡まれます。

この時、エリスがジンジャーにたぶんキスをして、そのお返しに、「君から先に仕掛けたんだからな」と言って、ジンジャーが応えたようなんですが、ここでこの後、どうなったんだろう?

まさか初めてが、体が入れ替わった状態でって事はないだろうから、キスくらいなのかな。
ジンジャーも自分の体相手にHな事したくないだろうし・・・。

翌朝、目覚めたエリスは昨夜の自分の失態を思い出して、ベッドの上でゴロゴロと悶えてしまいます。
ジンジャーは普通に接してきますが、エリスはジンジャーを見ると胸が高鳴って苦しくなってしまい戸惑います。見た目は自分だけど・・・たぶんジンジャーに恋愛感情を抱いてトキめいちゃったって事なのかな。

18〜19話

ヒルトン侯爵夫人の集まりで気がかりな事があるからとルフェラがエリサを訪ねてきますが、すでにエリサ姿のジンジャーは出掛けてしまった後でした。

一方のジンジャーは、お茶会の話の内容が激つまらなくて辟易していました。
お茶会にはトリガー公爵夫人、トラノイ公爵夫人、フォルテ公爵夫人がいて、グウェン公爵夫人のエリスを合わせて4大公爵夫人が一堂に会していました。

息子の嫁の話題が、家門内の勢力争いの話でもあり、雑談のようにみえて実は重要な内容が隠れているという事に気付いたジンジャーは、エリスが社交場に出る事を心配していた理由に気付き、こんな集まりをこなしてきたエリスを妻に得た自分の結婚運の良さを喜びます。

といっても、まだエリスは社交初めたばっかりだと思うんだけど?

ビアンカが悪い噂を広めているからエリス(ジンジャー)を迎えに行けとルフェラに言われて、エリスはヒルトン侯爵家に行かされます。

ジンジャーは突然エリスが来たのは何かあったからだと思ってすぐに待合室に行きますが、お茶をこぼした使用人を気遣って手を握っているエリスを目撃し、手を握るなんてやりすぎだと怒ります。

俺が他の女性の手を握っていたらどう思う?とジンジャーに聞かれて、エリスは嫌だとは思うけど、自分たちは政略結婚した間柄で、自分の父も母を蔑ろにして他の女に尽くしたのだから、自分もいずれそうなるだろうと思っていて、「いつかは他の女を作るだろうけどそうなっても何も言わない」とジンジャーに言います。

ジンジャーは「他の女を作る気はない」と答えますが、エリスを愛してないかもしれないけど、人生の伴侶として尊重しているのに、エリスが自分を信じてない事に腹が立ちます。

ジンジャーもエリスと同じ様に両親のせいで愛を信じてないんだけど、ジンジャーの方は、愛自体を否定していて、愛なんて必要ない、自分は愛になんて囚われない、と考えてますが、エリスは愛はほしいけど自分が愛を得る事を諦めている、期待して傷つくことを恐れているので、二人の愛に対する考え方は違っています。

二人共、お互いを好きになりつつあると思うんだけど、ジンジャーはエリスに愛情を感じている事を認めるのに時間がかかりそうで、エリスは傷つくのを恐れて諦めが勝ってしまって進んでいかなそう。

 

 

20〜22話

急ぎの手紙で知らせを受けてヒルトン邸を去り、ジンジャー達は騒ぎを起こしたルフェラを迎えに治安対策本部に行きます。

ルフェラが留置所に入れられたのは、ジンジャーと血の繋がりがない事をあげつらってきた女性をルフェラがぶったせいでしたが、こういった事は今までにもよくあった事らしいです。

ルフェラは先代公爵夫人の遠い親戚で、生まれてすぐに両親をなくし、先代公爵夫人の兄カルト侯爵の勧めでグウェン家に入ったという事情があり、それを快く思わない連中に陰口をたたかれてきました。

エリサもリズ王妃の不倫相手との間に産まれた娘だと噂されてきた事を知っているジンジャーは、侮辱に耐えてきたエリサに「君は強い、ルフェラを気遣ってくれてありがとう」と言いますが、褒められなれていないエリサは照れてしまいます。

停めておいたグウェン家の馬車が、新しい治安対策本部長、ゲイル・フォルテに無断駐馬で牽引されたと聞き、「体が元に戻ったらただじゃおかない」と激怒りするジンジャー。

ゲイル・フォルテって今まで出てきてたっけ?これから出るのかな?

他の馬車が来るまで、ルフェラは空気を読んで別行動します。

エリサが、今日は商店街のお祭りの最終日だと言い、とても行きたそうな顔をしたので、ジンジャーはお祭りに行く事にして、二人で出し物のステージを見たり綿あめを買ったりして楽しみます。

綿あめをすごく気に入ったらしいエリサを見て、綿あめ職人を雇おうかと考えちゃったり、祭りで楽しそうにするエリサを見て喜んだり、ジンジャーはやっぱりエリサの事好きだよねって思うんですけどね。

別行動してたルフェラの大声が聞こえてきて、またもやルフェラが何かやらかしてました。

ルフェラはキッパリ断ってるにもかかわらず男2人組にしつこく絡まれてて、ジンジャーの姿のエリサが声をかけても、ジンジャーの見た目が美形なので優男だと思われて相手が怯みません。

本来の体ならもちろんジンジャーが負けるわけはないんですが、エリサの体では男二人相手は不利だと考え、とりあえず先手をとって強気に物申します。

エリサも勇気を奮ってジンジャーの前に出てかばいますが、結局、相手が動いた隙にルフェラが反撃し、さらにエリサ姿のジンジャーが相手を投げ飛ばしてやっつけました。

役に立てなかったエリサは、ジンジャーに謝り、気落ちしてしまいます。

いつも自分に謝ってばかりのエリサは人間不信なのだとジンジャーは分析します。

いつも人に囲まれていた自分とは違って、ずっと一人で寂しい思いをしてきたエリサは、人を信じること自体が不可能だったのだろうけど、そんな不幸な人生を歩んできた彼女の心を開かせるにはどうしたらいいのだろうと思い悩みます。

そこへエリサが来て、また昼間の事を謝ってきます。
エリサはジンジャーに呆れられ、役立たずなままだと父と同じ様に他の女にいってしまうのではないかと焦っていました。

ジンジャーは何度も謝ってくるエリサに、対等な立場なのだからこれ以上の謝罪は不要だと言いますが、謝罪を受け入れてもらえなかったと思ったエリサは、愛想を尽かされてしまったのではと怯えます。

更に、自分は何をすればいいのかと問うエリサに、ジンジャーは無理に何かをする必要はないと言うのですが、グランディアにいた時と同じ様に、何もせずじっとしていろという事なのかと悲しくなってしまいます。

けれども、エリサの手に触れながら、「ゆっくりでいいから俺に心を開いてくれないか?」と言うジンジャーの言葉を聞いて、エリサは嬉しくなります。

エリサはジンジャーの優しさは嬉しいけれど、本気で彼を愛してしまいそうで怖くなります。

 

 

23〜25話

それから5日間、エリサはジンジャーを避けて会わないように部屋に籠もり、本を読んで彼を好きになりそうな自分の気持ちを制御しようと試みますが、うまくいきません。

業を煮やしたジンジャーがエリサに会いにきますが、聞いても自分を避ける理由を話さないエリサに怒って出ていってしまいます。

彼のことを既に愛してしまっているとエリサが気付いたその夜、この状況から抜け出したいと神に願いながら眠ると、翌朝、元の体に戻っていました。

その後、ジンジャーとエリサはあまり話をしないまま、1ヶ月経ってしまいます。

トリガー公爵家の長男ギリアンから、ジンジャーを人間らしくした恩人であるエリサに会いに行くという手紙がきて、ジンジャーはイラッとします。

ランデルの4大公爵家が皇帝陛下の前で覇を競う模擬戦という行事が近々ある予定で、その中のメインイベントの花戦は、家門を代表する女性を花として選び、最後までその花を守り抜いた家門が優勝となる競技で、公爵が既婚の場合は通常、夫人が花となります。

既婚なのに夫人が花にならないと、夫婦仲が円満ではないのではないかと邪推される事にもなるのですが、ジンジャーは花は危険でエリサに花はさせられないから、ルフェラを花にすると言いますが、エリサはみんなやってることだから自分が出ると反論します。

思わずカッとなって「言うことを聞け」とジンジャーは怒鳴ってしまいますが、それにビクついたエリサの様子を見て、エリサが暴力をふるわれたことがあるのだと察します。

一国の姫であるエリサが暴力にさらされた事がある事に怒りがわき、ジンジャーは誰に暴力をふるわれたのか聞き出そうとします。

エリサは、父の妾、レイラ夫人の娘に、男を奪ったと責められて、いきなり平手打ちをされた事がありました。エリサは父にすべてを話すと言って反抗しましたが、その後、レイラ夫人の所有する倉庫に半日閉じ込められて、謝らせられました。

それ以降、エリサはレイラ夫人に何も言えなくなり、気に入らない事がある度に、エリサ夫人に倉庫に閉じ込められるようになりました。
唯一の味方の祖母は体の調子が悪くなっていて、祖母の回復を願っていたけれど、叶うことは無く、助けてくれる人はいませんでした。

「俺が君に手を上げると思うか?」とジンジャーはエリサに問いますが、レイラ夫人も最初は優しかったのだとエリサは答えます。

彼女に愛されたくて心を許したから深く傷ついたので、同じことをジンジャーにされたら耐えられないから、これ以上、ジンジャーを愛してはいけないのだと思っていますが、ジンジャーには言えません。

「腐った垣根に身を預けたらケガをするのは当然だ、この俺が君一人支えられないと思うか?」とジンジャーは言いますが、「甘い言葉はいつも嘘でした、あなたの事も信じられません」とエリサは答えます。

ジンジャーが「君のことが心配でおかしくなりそうだ」と言ってエリサを抱きしめると、「本当に身を任せても支えてくれますか?この気持ちが大きくなって愛になったらその時もこうして抱きしめてくれますか?」と思いながらエリサは涙を流しました。

 

 

13〜25話 感想

これでエリサはジンジャーを避けるのをやめ、ある程度受け入れる事にしたようです。
この後、ラゴルの話の26話を挟んで、27話から二人はラブラブになりますが、いきなりな感じで、話を読み飛ばしたかとちょっとびっくりしましたが、そういう事なんだろうと思います。

ここで「この気持ちが大きくなって愛になったら」ってエリサが言ってるんだけど、23話の終わりで彼を既に愛している事に気付いてたと思うんだけど?

これは「愛」っていう言葉に関する翻訳の仕方、言語の違いによる矛盾なのかな?

まあとにかく、エリサの方は傷つくことに怯えつつも、ジンジャーを愛してる事を自覚して、全開ではないけど、それを受け入れつつあるようです。

2回目の体の入れ替わりが終わりましたが、その仕組みについては、ギハスエル(魔物)討伐が原因という事以外、結局よくわからないままです。

入れ替わり中、エリサ姿のジンジャーが、目を白く描かれて呆れた様子を表現されてるのが、おもしろかったです。

 

「Lady Beast」感想(3)