WEB小説の登場人物、公爵家の子息のリアンドロの事が気に入っていたのに、悲劇的な結末を迎えたことに憤慨して眠りにつくと、その小説の中の世界にいて、公爵家のメイドになっていたという、異世界転生もの。
彼に同情した彼女が、メイドとしてリアンドロの世話をして、彼と心を通じ合わせていくお話。
ピッコマにて。土曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。
「公爵家のメイドに憑依しました」感想(1)
「公爵家のメイドに憑依しました」感想(2)
「公爵家のメイドに憑依しました」感想(3)
「公爵家のメイドに憑依しました」感想(4)
※タイトルでは憑依となっている現象についてですが、マンガの中は憑依とも転生とも言われて混在しているのと、一般的にこの手の話ではこの現象を転生と呼んでいるので、以下の文中では転生と呼んでいます。
33〜34話
イベリナはメイド長のイレナに呼び出され、「リアンドロがイベリナになつくのは理解できるが、イベリナが変な気を起こさないか心配、自分の立場を忘れないように」と注意されます。
イベリナはムカついて誰かと結婚してやりたいくらいですが、リアンドロは来年には爵位を継いで、エレオノラに出会うはずで、まだ今後の展開が心配だからこの屋敷を離れるわけにはいきません。
メイド達にも噂され、メイド長にも注意され、誤解されることの悔しさを感じて、リアンドロが呪いのことで噂されていた事を思い浮かべ、どれだけ辛かっただろうかと思いやります。
途中でロレンゾに会って、クッキーをもらって食べながら、勝手に噂される事を愚痴って励まされます。
イベリナがまだ結婚は考えてないなら自分もまだ考えてないというロレンゾですが、イベリナにはロレンゾの気持ちは全く伝わっておらず、いつになったらリアンドロでなく自分の事をみてくれるんだろうと思います。
月日は経過して、翌年の夏。
相変わらず噂はなくなりませんが、イベリナは気にしないようにして仕事をしていました。
リアンドロ母は、勝手に家の財産を売って愛人にプレゼントしたり、昼間から酒を飲んだりと、ひどい生活をしていましたが、違法薬物に手を出したとして皇帝から命令が下り、南部の領地に送られることになります。
リアンドロが雨の中、ベルを鳴らしても来なかったからと言って、メイドの仕事場?にずぶ濡れでイベリナを探しに来ます。
その場にいたメイド達は、快くイベリナを送り出してくれましたが、途中でメイド長のイレナに見られてしまいます。
35話
イベリナは、メイドに見られて噂がひどくなること、イレナに見られてまた注意を受けるだろうことに頭が痛くなり、リアンドロを責めたくなりますが、後継者教育や当主の仕事で忙しいリアンドロに迷惑をかけたくないと思い、噂の事等は隠すことにします。
リアンドロは前に約束していた南部の海辺の別荘に旅行に行こうと言いますが、イベリナは貴族とメイドが旅行に行くなんてとんでもないと断ります。
ですが、「約束は守れ」と言ってリアンドロは聞く耳を持ちません。
結局、断りきれないままになりますが、小説通りなら、この後リアンドロは忙しくなって旅行になど行けなくなるだろうと思います。
イベリナの予想通り、皇室から爵位継承の準備を進めるように連絡が来て、リアンドロは忙しくなり、しばらく旅行には行けない状況になります。
イベリナは、体調を崩したメイドの代わりに厨房に手伝いに行き、料理長にロレンゾとの仲を勘ぐられ、今度はロレンゾとかと嫌になります。
イベリナはジャガイモの皮むきをしていて手を切ってしまいます。
「私がこの邸宅を出ていく事になるなんて、あの時は夢にも思わなかった」
36〜37話
イベリナは手を深く切っていたので、休むように言われて、そのまま部屋で暗くなるまで眠ってしまいますが、リアンドロがベルを鳴らしているからと、他のメイドに起こされます。
リアンドロはイベリナのケガに気付くと、「危ない仕事はさせるなと言っておいたのに」と怒ります。
包帯をとって傷を確認し、傷を舐めるリアンドロに驚くのと同時に、ドキドキしてしまいます。
薬を塗り直してくれると言って、リアンドロはイベリナをソファに座らせ、自分は跪きます。
リアンドロは、呪いを解いた時にできた手の平の傷を気にしてそこにも薬を塗りますが、イベリナはその傷はリアンドロを呪いから救った証だから、誇らしいのだと言います。
そこへイレナがやってきて、ソファに座るイベリナと跪いているリアンドロの姿を見られてしまいます。
リアンドロは堂々として、イベリナにそのままソファに座っているように言いますが、イベリナはいたたまれません。
イレナは、リアンドロに調べるように言われていた花の苗の話をして、他にも用件はあるがメイドがいるので話せないと言って去ります。
イレナは、イベリナをこのまま見過ごすことはできないと考えます。
イベリナはタイミングの悪い状況にため息をつき、「リアンドロが自分を特別扱いするから他のメイドがよく思っていない」と話しますが、リアンドロは気にするなと言って「僕にもちゃんと考えがある、いつまでも子供扱いするな」と怒ります。
拗ねるリアンドロに、イベリナが「久しぶりに会ったのにすねないで、私はあいたくて仕方なかったのに」と言うと、リアンドロは「会いたかった」というイベリナの言葉に歓喜して、何度も言わせ「僕も会いたかった」と言います。
いい雰囲気になりかけて、まずいと思い、イベリナは「明日から坊ちゃまじゃなくて旦那さまと呼ぶなんて恥ずかしい」と言って誤魔化そうとします。
「ならリアンドロと呼べ、お前が名前で呼んでくれるのを待っている、メイドじゃなくなればいい」とリアンドロは言い、「僕に考えがあるが、皇帝に会ってからまた話す」と言います。
翌日、イベリナは話があるからとイレナに呼ばれます。
33〜37話 感想
リアンドロ父に続いて、リアンドロ母も表舞台から退場しました。
イベリナによると小説通りの展開なようです。
リアンドロ母は、一応リアンドロ父に何がしかの思いがあって、突然の死に寂しさを感じて荒れていたって事だったんでしょうか?
あまり詳しく母の気持ちは出てこなかったけど、それなりに夫の事を愛していたけど、夫に愛人がいたから自分も愛人を作っていて、本当は母の方は父に愛情を持ってたのかな?
リアンドロに対しても、呪いが解けてからは父は全く何もなかったけど、母は一応話しかけてました。
リアンドロに冷たい対応されてましたけど。
父よりは母は少しは人間味があったのかな。
まあなんか描かれ方が中途半端なので、推測する以上の事ができません。
呪いが解けて以降は、ぐんぐんと月日が経っていってます。
たぶん、37話以降での爵位継承とエレオノラとの再会からまた大きく話が動いていく予定で、それまではさーっと月日を経過させてるのかなぁと思います。
35話最後、とても気になる言葉で終わってました。
この言い方だとイベリナがこの邸宅を去ることになるのは確実なようです。
37話最後でイレナに呼び出されて、そういう展開になるのかなぁ。
リアンドロが皇帝に会いに行ってる間にそうなっちゃうのかなぁっていう気がします。
もちろん帰ってきたリアンドロは激怒するだろうし、イベリナを取り戻そうとするだろうけど。
リアンドロは、元々の家の爵位が公爵という高い身分を持っていて、かつ跡継ぎだから、かなりな権力を持てる立場にはいるんだけど、まだそれを思い切り使えるようにはなってないからね。
この後、爵位を継承して、そこからって感じかな。
リアンドロの発言から推測すると、イベリナをメイドじゃなくて自分と結婚できる身分にさせようとしてるんじゃないかな。
平民をどこかの貴族の養子にして結婚するってのが、よく貴族社会の話の中で出てくるパターンだし。
そういう事を皇帝に相談してやろうとしてるんじゃないかなと思いました。
でも35話での言葉からすると一旦この邸宅を出ることになっちゃうようなので、リアンドロの策略を実行する前に、彼の意に反してイベリナが邸宅を追い出されちゃうのかな。
身分としては問題ないくらい高い身分を持ってるから、リアンドロががんばれば、ただメイドで平民だっていうだけのイベリナをどうにかするのは可能な気がします。
高すぎる身分が邪魔をする可能性はなきにしもあらずですが、今のところ、まだ皇帝、ディエゴ、エレオノラの思惑がわかんないので、なんとも言えないなぁ。
37話でイレナがさらっと言ってる花の苗の話ですが、たぶんイベリナ、リアンドロが夢で見たひまわりなんじゃないかなぁと思いました。
これは読み返さないと気付かなかったと思います。
イベリナは、リアンドロが見た目大人になったせいで、リアンドロを異性として意識するようになったみたいですね。
周りの噂を否定して、イレナにも男としてみていないとは言ったけど、あの時点でもそういう気持ちは芽生えてきてたと思います。
ただ、身分差の事は重々承知してて、自分がリアンドロと結ばれるなんてあり得ないとも考えてるから、否定したけど。
イベリナがリアンドロの世話を始めて呪いが解けるまでと、解けた後では、解けた後の方が何年か経ってて、期間的にはずっと長いので、イベリナは結構長い間、周りからリアンドロに特別扱いされて妬まれて注意されて、リアンドロに優しくしたい気持ちと周りの目を避けたい気持ちの板挟みになって大変だったんだなぁと思いました。
この後、イベリナが邸宅を去る展開になるなら、しばらく辛い感じになるかもしれないけど、「今まで俺を蔑ろにしてきたくせに、ふっざけんなよー」と、リアンドロがかっこよくイベリナを助けてくれるのを期待してます。