漫画「リンジー&リンジアン」作画:Achim 原作:Oh Yoon 感想(2)

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ピッコマにて。土曜更新で連載中。

諜報活動を行っている組織で働くリンジー。
男装して男の使用人として伯爵家を探る任務を命じられる。
男の使用人リンジアンとして伯爵家で働く、リンジーのお話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「リンジー&リンジアン」感想(1)
「リンジー&リンジアン」感想(2)

 

16〜20話

イェルシカが見ててくれたので、早々に助かりそう、と思ったリンジアンですが、結局わりと早めに助かったものの、助かるまでの展開が思ってたのと違いました。
フィアンがリンジアンを気に入ってたみたいだし助けてくれるのかなと思ってたし、もしかしてでもイェルシカはリンジアンを気に入らないみたいだから言わないでおくとかあるのかもと思ったりもしましたが、どっちも逆でした。

イェルシカはフィアンにリンジアンの事を報告し、最初はフィアンになぜ助けなかったかと問われて、ちょっと言葉に詰まるが、「リンジアンを買った者の正体を突き止めるため様子を見たが、連れて行かれた先が侯爵家だったので伯爵家の騎士である自分が出ていくと家同士の争いになるので立ち去った」と答えると、フィアンは「賢明な判断だ」という。

そしてイェルシカの方が助けに行くよう勧めたのに、フィアンが断ってました。

人生がめちゃくちゃになる、降って湧いた不幸なんて、この世界ではよくあることだし、僕たちはそんな経験を何度もしてきたけど、誰も助けてくれなかった、自分自身の手で生き延びた、同じことがリンジアンにも起こっただけの事で、嫌気が差すほどありふれたことさ、とかなり暗ーい表情で、フィアンはイェルシカに話す。
そして「何もしなくていい」という。

 

カルティルス侯爵がフィアンの所へ来たときの会話が出てきて、カルティルス侯爵はフィアンが伯爵家に来る前の事を知っているらしきことがうかがえる。
カルティルス侯爵はフィアンに金を貸して欲しいと頼んでいて断られると、フィアンの正体をバラすと脅すが、既にいろいろな噂話がたくさんあるから「どうぞ」と言われる。そして実際にそうしたらフィアンが何をするかカルティルス侯爵は知っているからできないだろうと逆に脅しをかけられる。

カルティルス侯爵家の地下の拷問部屋みたいなとこで、リンジアンは縛られて椅子に座っていて、カルティルス侯爵はアルケミストの作った幻覚剤を飲んでいる。
カルティルス侯爵はナイフでリンジアンを切り刻もうとする。リンジアンは自分に手を出したらフィアンが黙ってないというが、カルティルス侯爵はフィアンにとってリンジアンなど取るに足らない存在だという。

ナイフで襲いかかられたがリンジアンは反撃し(椅子には縛られていなかった様子)、やり合って形勢が逆転したところで、兵隊か警察?みたいな人たちが突入してきて、カルティルス侯爵は捕まってリンジアンは助かる。

兵隊か警察に、今夜あの侯爵家で奴隷の取引が行われると匿名の投げ文があったため、彼らはカルティルス侯爵家に突入したらしい。

 

屋敷に戻ってきたリンジアンがフィアンと夜中に散歩しての会話。
カジュタンがリンジアンを売った事、イェルシカがそれを目撃していた事をフィアンから聞き、フィアンがリンジアンが捕まっている事を知っていて何もしなかった事を悟って、カルティルス侯爵の言った通りだとショックを受けるリンジアン。

カジュタンはフィアンが罰として街から追い出したとのこと。

フィアンに「僕には君を助ける時間が十分あったのにそうしなかった、そうすれば君がケガをすることもなかったはず、って言ったら怒るかい?」と聞かれて、「どうして私がそんなことで怒るのか、どうして伯爵様が私を助けなければならないのか、一介の使用人のために貴族の立場に背かれるなんてあり得ない、全く心配には及ばない」とリンジアンは答えるが、それを聞いてショックを受けたような様子のフィアン。

 

カルティルス侯爵は、遅効性の毒を使った毒針を頭部に刺され、牢の中で暗殺された。
高山地帯だけに育つラトゥナタンという入手困難な花から作られた毒。
それほど実力のある暗殺者がこの地に存在するということ。

告発の投げ文には奴隷商談の証明となる書類が添えられており、匿名で侯爵を告発した人間は、警護班の誰にも気付かれることなく消え去った。
警察?では、その人物と、カルティルス侯爵を暗殺した人物は同一人物で、あえて侯爵を捕らえさせ、牢に入れた状態で隙を狙って殺したのだろうと推測する。

警察かなんかの金髪&金ヒゲの偉い人が、徹底的に調べるよう命令する。

リンジアンは、昔、体質の問題で月経が来ないと言われていた。
でも、結婚するつもりはなかったし、楽だし別にいいかと思っている。

リンジアンがレイラ(リンジアンと仲のいいメイド)と屋敷の庭で話をしていると、フィアンが女性連れでやってくる。そしてリンジアンと仲良くしていたレイラを気にする様子でレイラに名前を聞いてくる。それを見てフィアンと一緒にいた女性エリティアは「フィアンが新しい使用人に夢中だという噂は本当だったのね」という。

 

フィアンは「とっても大事にしてるんだ、可愛いだろ」と言ってリンジアンの頬をつつく。
エリティアから怒りの波動を感じて去ろうとするリンジアンに、フィアンが「服が濡れている、この前みたいに風邪をひかないように」と言って自分の上着をリンジアンにかける。

フィアンから離れてから、レイラが「伯爵がリンジアンを誘惑している気がする、あんなふうに親切にする姿を初めて見たし、リンジアンへのスキンシップもやりすぎだ」という。
それは不要になった彼女を捨てるための作戦だとリンジアンは答えるが、エリティアが言っていた噂が気になる。

翌朝、リンジアンがフィアンを起こしに行くと、フィアンはもう起きて身支度を済ませていて驚く。
フィアンは今日は休日で何も予定がないと言い、リンジアンは休日にいつも何をするのかと聞く。
リンジアンが、洗濯したりゴロゴロしたり、たまに外食や登山というと、フィアンは登山をしようという。

フィアンが登山用の服?を買いに来ていて、リンジアンの分も買ってあげると言うが、リンジアンは給料から天引きしてほしい、でなければ戻ってから返すと言うと、フィアンはダメだという。

 

カルティルス侯爵の事を匿名で投げ文したのは、イェルシカかと思いましたが、そうだとすると暗殺したのもイェルシカということになって、投げ文と暗殺は計画的犯行なようなので、そこまでイェルシカの独断でやるかな?という気もしました。
フィアンはハッキリ何もするなと言ったので、やったとしたらイェルシカの独断。
投げ文まではあるとしても、暗殺まではどうなんだろう?

それとも投げ文はイェルシカだったけど、暗殺を指示したのはフィアン?
自分に何かしたらどうなるか知ってるだろう、とフィアンは16話でカルティルス侯爵を脅してたので、リンジアンを助けようとはしなかったけど、自分に何かした事の仕返しとしてやったのかな?

そしてこのリンジアン誘拐事件でのフィアンとリンジアンのそれぞれの反応がいまいちよくわからず。
あれだけ黒い顔して、よくある事だ、何もするなと言ったフィアンが、リンジアンに助けに来ないのは当然と言われて、ショックを受けた風なのはなぜなんでしょう。
助けないとは言ったものの、リンジアンに助けを期待してないと実際に言われるのはショックだったってこと?
そしてリンジアンと仲良くしてたレイラを敵視するかのような態度は嫉妬?
微妙な表情のみで心情が出てこないので、フィアンがリンジアンをどう思ってるのか、よくわかりません。

 

そしてリンジアンの方も、フィアンがリンジアン誘拐を知ってて何もしなかった事にショックを受けた風だったのに、直後に、フィアンが何もしないのは当然、なぜ怒るんだ?くらいの言い方をするのも、なぜなんだろう。まあでもリンジアンの方は、ショックは受けたけど、使用人という立場なんだから当然だとも思ったってことなのかな、とも思えます。

やっぱりフィアンがすごく謎。

それとさりげなくリンジアンが「兄さんの影武者は忙しいから」と20話で回想しているのはキベルのことなのかな。キベルってユーシーゼンの影武者なのか?キベルにしかできない仕事って言ってたのって影武者のことなのかな。

そして私はこの作品、わりと面白いと思うんですが、ピッコマのハートの数を見ると、人気がないみたいで、ちょっと意外でした。
私的には同じ頃に始まった「悪女の定義」よりもこっちの方が面白いんですが、ハートの数は1/10で圧倒的な差です。