漫画「仰せのままに」KWON 感想(8)

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侯爵家のお嬢様セレニーを慕う侍女のディアンが、セレニーの政略結婚を阻止し、身分違いの恋を成就させるための逃亡を助けるために、お嬢様のふりをしてエフェンハルト辺境伯の家に滞在しようとするお話。
エフェンハルト辺境伯がむっちゃカッコいいです。

ピッコマにて。木曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

「仰せのままに」感想(1)
「仰せのままに」感想(2)
「仰せのままに」感想(3)
「仰せのままに」感想(4)
「仰せのままに」感想(5)
「仰せのままに」感想(6)
「仰せのままに」感想(7)
「仰せのままに」感想(8)

 

 

66〜67話

ロウェン公爵は典型的な時代遅れの貴族。

エフェンハルトは、ディアンが匿ってくれるよう要請し、それを受け入れた以上、保護者は私だから、私が対応するので、ディアンは部屋で待つように、心配いらないという。

思い通りに行かない時はどうしたらいいのか、ディアンがテオドアに問うと、テオドアは、「人のすることは大体が思い通りにいかないもの。どうすればうまくいくのか考えながら成功への道を手探りで進むしかない」と答える。

自分の計画は失敗した、失敗の影響をできるだけ小さくする方法を考たいと言って、ディアンはテオドアに協力を仰ぐ。

 

 

ディアンはオットーに馬車の御者をお願いする。
侯爵は器が小さくて流されやすいタイプだから、うまくおだてながらご機嫌をとって馬車に乗せて帰す、そしてそういう事はテオドアが得意だから心配いらないという。

侯爵は金持ちの婿候補を失いかけて興奮状態、婿候補はエフェンハルトの知り合いみたいだからそこをアピールすればなんとか乗り切れるはず。


城のロビーで、ヤンがロウェン侯爵に水気を拭いてはどうか(外は雨)、応接間で体を温めるようにと言うが、侯爵は必要ない、早く娘を出せと怒鳴る。

エフェンハルトが直接迎えると言われて侯爵は「彼に会ったことがある者は貴族にも皇族にも1人もいない、だからセレニーの事を真剣に想っているのかもしれない」と打算的に考える。

 

 

エフェンハルトが出てきて、自分も侯爵もレディー(セレニー)を所有しているわけではないのだから、「娘を出せ」ではなく「娘に会わせてほしい」と訂正しない限りこれ以上言葉を交わさないという。

エフェンハルトはあくまで毅然とした態度で、侯爵をおだてて言うことをきかせるなんてのは無理なので、言い合いが続いたところで、近くで様子をうかがっていた、ディアン、テオドア、オットーは、テオドアを行かせる。

テオドアはタオルを持って侯爵を拭き、コーヒーはどうか等と言いながら、クェルン子爵(セレニーの婚約者候補)と執事は親戚なんだという。

 

 

だからレディーがここにしばらく留まっても、クェルン子爵がプロポーズを撤回することはないと保証するとエフェンハルトはいう。

しかし風邪を引いて出てこれないというセレニーが、本当に風邪なのかと侯爵は言い、セレニーとクェルン子爵が無事に結婚したとしても、若くて健康な男性のエフェンハルトと美貌で知られる女性のセレニーの間に何かあったのではと疑われてしまうだろうから、ただでは済まない。

エフェンハルトが若い男性だという事実は、ロウェン侯爵が口外しない限り誰も知ることはできないとテオドアは言うが、それにムカついた侯爵は、娘の名誉は汚されたから責任をとってプロポーズしろとエフェンハルトに迫る。

 

 

66〜67話 感想

ディアンのロウェン侯爵への評価が、低俗だとか器が小さいとかボロクソなんですが、今のところ、ロウェン公爵の見た目がそれなりに渋いおじさんに描かれているし、強気な態度だけど言ってることはそれほど間違ってるわけでもないしで、そこまでダメな人って感じはしてないです。

でも、最後にエフェンハルトにプロポーズするように言ってきたのは、かなり打算的な考えなんだなーってのがうかがえます。

貴族社会の中では当たり前の事って感じで、はっきりとは説明されないできましたけど、未婚の女性であるセレニーが、同じく未婚の男性のエフェンハルトの城に滞在するというのは、貴族社会の中では二人は男女の仲なのではないか、つき合ってるとか恋人とかいう関係じゃないにしても、その滞在中に体の関係があったのではないかと疑われてしまうってことなんですね。

 

 

まあ、現代日本でも、若い女性が若い男性の家に泊まったって言ったら、つき合ってるのかと思うし、体の関係があったのではと疑われちゃいますよね。どっちかに彼氏彼女がいれば浮気を疑われる行動ですよね。

それと同じと考えれば、確かに、なんですが、なんせ、家がでかいので、そういう感覚だとは思いませんでした。

同じ城、屋敷にいたって顔を合わせないとか普通にあるような規模の大きさらしいですからね、貴族の家って。
それに当人達だけじゃないしね、いるのが。
召使いとかいっぱいいるわけで。(エフェンハルト城にはいないけど)
同じ宿に泊まったみたいな感覚で考えてました。

それとオットーに御者をやらせようとしてるけど、侯爵が乗ってきた馬車の御者だっていると思うんだけど、なぜなんだろう?

 

 

68話

テオドアは、ロウェン侯爵はプロポーズを要求しただけで、受け入れるつもりはないだろうと考える。

先代の財産を使い果たした侯爵が望むのは、過去の栄光を取り戻す事ができるほどの富。
侯爵は大陸で最も名誉ある男が自分の娘にプロポーズをするという名誉を利用したいだけで、散々利用した後に捨てるはず。

彼に告白された娘の名は大陸中に知れ渡り、彼の名誉を欲する者が一番高い額を払って娘を手に入れ、侯爵は金を手に入れる。

だからすぐに断るべきだとテオドアは思うのに、エフェンハルトはすぐに返事をしない。

 

 

100年間誰にも姿を見せなかったくせに出会ってからたった3日の女のためになぜ?


ディアンの髪は魔法に必要なあの宝石と似た感じが・・
レディーに関することなら 私のほうがずっと詳しいので・・


まさか、ディアンが妖精女王なのかとテオドアは思いつく。


ディアンはオットーにエフェンハルトのところに行って、「返事をしないように」と伝えさせる。
だが、その伝言を聞くとエフェンハルトは、微笑んでから、プロポーズすることをロウェン侯爵に承諾する。

 

 

侯爵は、建国記念日に首都で開かれる宴会に出席して、正式なプロポーズをするようにとエフェンハルトに告げる。しかし必ずしもプロポーズが受け入れられるとは限らない、娘の意見を尊重するつもりだとも付け加えるが、エフェンハルトはそれも了承する。

そしてロウェン侯爵は満足して馬車で帰っていく。
オットーと共に。

エフェンハルトは、テオドアに、ディアンは近くで聞いていたようで驚いただろうから、どうかよろしく伝えてほしいと言う。

少し出かけてくると言って、エフェンハルトは湖の畔にやってくる。
畔に立つ小屋を見ながら、よく崩れずに残っているなと思う。

建国神話で、湖の畔で森の番人として暮らしていた少年が湖にいた妖精女王の手を引いて世の中に連れ出したという物語が語られているが、その少年の名はヘリオスではなくバゼルだった。

 

 

68話 感想

ロウェン侯爵の思惑は、テオドアが推察した通りなんでしょうね。
セレニーの価値を上げるためにエフェンハルトの人前でのプロポーズを要求し、より金持ちな家と結婚させようとしてるってことなんでしょう。

なぜエフェンハルトがここで承諾したのかはわかりませんが、あと2日くらいでこの物語は終わるはずで、建国記念日がいつなのかわからないけど、その前に決着が付くだろうから、プロポーズすることにはならないでしょう。

侯爵を穏便に追い出すために使われただけですね。
この物語的には。

でもなんか高飛車な態度の侯爵がぎゃふんと言わないまま、侯爵の思い通りになったみたいな感じで終わったのが、ちょっと悔しいような。

後で、エフェンハルトのプロポーズどころか、娘は金にならない男と結婚しちゃってるってことがわかるわけだから、侯爵の思い通りにならないのは確定してはいるんですけど。

 

 

そしてオットーはまた行ってしまいました。
ロウェン侯爵が来たときの御者はどうしたんだろう?という疑問は解消されないまま。

ディアンがここを去る際に馬車と御者が必要だとして、ロウェン侯爵が乗ってきた馬車と御者が残ったんでしょうか?だったらオットーじゃなくて、乗ってきた馬車と御者でいいんじゃないのって思うんだけど、そこらへん、どうなんだろう。

テオドアが、ディアンが妖精女王なのかと考えつくってことは、それがあり得る事だからなんですよね。
ディアンが妖精女王でもおかしくないって事なんですよね。

次の話からエフェンハルトの昔話になります。
そこで今までずっと謎だった部分がやっと語られるのかな?