侯爵家のお嬢様セレニーを慕う侍女のディアンが、セレニーの政略結婚を阻止し、身分違いの恋を成就させるための逃亡を助けるために、お嬢様のふりをしてエフェンハルト辺境伯の家に滞在しようとするお話。
エフェンハルト辺境伯がむっちゃカッコいいです。
ピッコマにて。木曜更新で連載中。
以下、ネタバレありなので、ご承知の上。
「仰せのままに」感想(1)
「仰せのままに」感想(2)
「仰せのままに」感想(3)
「仰せのままに」感想(4)
「仰せのままに」感想(5)
「仰せのままに」感想(6)
「仰せのままに」感想(7)
58〜61話
エフェンハルトはオットーに、辺境伯と明かさずに会ってるので、バレないように会いに行かないとテオドアに答える。
テオドアとディアンは、執事の家に行って、オットーに会う。
ドアを開けてすぐに、オットーの名前を呼んで泣きつくディアン。
テオドアはいつも通り女装しているので、レディードロテアと自己紹介するが、ディアンがオットーに彼は男性だと教える。
他にもあるが(皇族等)、一度に教えるとパンクするだろうから、とりあえず男性の魔法使いだと思っておくようにいう。
テオドアにお腹が空いたから昨日と同じガレットを作って欲しいと言われるが、ディアンはエフェンハルトに作った料理の記憶をそのまま残しておきたいと思って、オットーが好きな朝食メニューがあるからそれにすると嘘をついてしまう。
ディアンはここに来てから、自分が好きじゃない人に対して、自分が正しくて相手は間違っていると思いがちな事に気付いて、それを直そうとしているということをオットーに話す。
オットーは前のディアンも悪くないと言うが、ディアンは今よりいい人になりたいのにオットーはそれが嫌なのかと憤慨する。
オットーは無理するなと言う意味で言っただけだと慌てるが、「死ぬ気で頑張らないと何も変わらない」とディアンに言われた言葉が胸に刺さる。
オットーはディアンの言うことは間違ってないが、このままのディアンでいてほしいと思っていた。
上品なドレスを着たディアンを見て、手が届かない存在になったような気がしてしまったから。
オットーはカールの時もそうだったと回想する。
オットーがカールに、自分にも稽古をつけてくれと頼むとカールは一生懸命教えてくれたが、そのうちカールの真似すらできなくなってカールを避けるようになり、カールもオットーに教えるのを諦めた。
今やカールは国で指折りの立派な騎士で、かたやオットーはただの馬子。
テオドアは体調が優れないから休むと言って、離れを出ていく。
オットーはディアンの掃除を手伝うことにする。
テオドアはエフェンハルトの執務室に行き、オットーとディアンの会話を教えようかと言うが、エフェンハルトは、からかうつもりならもうやめてくれといって断る。
ディアンの馬子オットーはディアンが望むなら1週間留まることを許すが、その後はみんな出ていってもらうという。
テオドアが、何か避けてるか、何かを待ってたりするのかと聞くと、エフェンハルトは「ある約束をしました」と答える。
オットーと掃除をしながら、テオドアがディアンを好きなんじゃないかと聞かれて、ディアンは彼は種なしだからそんなことはないとオットーに教える。
オットーは前回来た時に会った背の高い内城で働いている男のことを聞き、それが辺境伯だと知る。
辺境伯に青い月見草のドライフラワーを渡した事を話したが、ディアンは知らず、後で聞いてみてという。
セレニーと連絡がとれて、事が早く進んでいるらしいことをディアンに伝える。
人を騙すのは孤独で恐ろしいことだと思い知ったとオットーに話すと、オットーにエフェンハルトが好きなのかと聞かれる。
ディアンは最初はごまかそうとしたが、素直に好きだと認め、でも自分は正体を偽っているから告白はしないという。
料理を作って喜んでくれた事が嬉しかったので、できるだけ彼が喜ぶことをしたいと思っていると話すディアンの表情を見て、オットーは今までに見たことのない表情だと思った。
許してもらえないだろうが、ここを去るときには自分の過ちについて謝罪するつもり。
オットーに話したら少しすっきりした。
オットーはディアンに、お前はよくやってる、これからも頑張れよという。
ディアンがモップを持って外にいると帰ってきた執事ヤンに会う。
掃除をしていること、エフェンハルトに服やエプロンを買ってもらったこと、キッチンを借りたこと等の話をして、ディアンはヤンにりんごをもらってアップルパイを作ることにした。
58〜61話 感想
オットーが同じスラム街出身の仲間のカールやディアンに引け目を感じて、自分との違いを感じちゃうのが、切ない。
オットーがカールみたいになれなくたって、平凡な召使いで終わったって、悪い道に進まなければ、それはそれでいいと思うけど、身近な人間と自分を比べちゃうのもわかります。
そしてディアンも向上心があるから、自分を置いていかないでってオットーは思ってしまうんだね。
ディアンに「オットーは好きな人」と言われて、赤くなるけど、ディアンが言う好きは友達としての好きだからね。
そしてでもディアンがエフェンハルトの事を好きだと聞いても、それほど落ち込まないんだなぁと思いました。
いやコミカルな感じじゃなく、真面目に静かに落ち込んでるのかな。
今まで見たこと無いディアンの表情に、自分に勝ち目はないと痛感してしまったのかもしれない。
オットーとディアンが結ばれないだろうことは最初から推測できてしまうので、オットーが切ないなぁ。
「ある約束をしました」の内容をエフェンハルトはテオドアに教えたんだろうか。
今までの言動からすると約束の内容は教えてないだろうなぁ。
62話
ディアンはアップルパイを作って、エフェンハルトにもおすそ分けしてあげようと考えていた。
ヤンは執務室へ行く。
テオドアは執務室のベッドで寝ていた。
女装のままでは休めないだろうに、病人に気を使ってあげてとヤンはエフェンハルトに注意する。
テオドアも留まるという話から、みんな1週間後には出ていってもらうとエフェンハルトが言うのを聞いて、ヤンが出かける前の昨日は、ディアンに半月留まっていいと言っていたのに、なぜ変わったのだろうと疑問に思うが、「この件についてはこれ以上触れるな」と言われてしまう。
エフェンハルトは祭りについてどう思うかヤンに意見を聞く。
他の領地では5月の建国記念日の頃に祭りをする事が多い。
ヤンの故郷では宝探しや天灯を空に飛ばす、ヤンの故郷には川があるから見物だろうという話から、エフェンハルトには湖があるから真似してやろうとヤンはエフェンハルトに勧める。
いい考えだが、急だと領民が大変だから今年はやらない、それにテーマが恋だと参加しづらいと感じる人がいるかもしれないから、もっと万人受けするテーマにしようとエフェンハルトはいう。
それを聞いてヤンは、恋に傷ついた経験があるんだろうかと考える。
ヤンはエフェンハルトに、ディアンが人手が足りなくて困っていたから手伝いに離れに行ってはどうかという。
63〜65話
エフェンハルトは馬子もいるし手伝う必要はないだろうというが、結局、ディアンのところへ行く。
しかしディアンに手助けは必要ないと言われて執事に騙された事を知るが、ディアンにお言葉に甘えて手伝ってほしいと言われて、アップルパイ作りの手伝いで、牛乳を振ってバターを作る。
テオドアに食べさせるためになぜそんな手間のかかることまでするのかとエフェンハルトに言われて、ガレットはエフェンハルトだけのメニューだからガレットを作るのは嫌だったと答える。
エフェンハルトがガレットを受け取った時にとても嬉しそうだったので、またその顔が見たくて、というディアンの言葉を聞いて、驚いて赤い顔になるエフェンハルト。
そしてここにいる半月間、エフェンハルトの食事を作らせてほしいとディアンはいう。
エフェンハルトはディアンの好きなことをしてもらって構わないと答え、半月後ではなく1週間後に去ってもらうと伝えようとするが、それを言えず、食事を楽しみにしているとだけいう。
ディアンはこれからも時々一緒に料理をしようと誘い、エフェンハルトは承諾する。
執事ヤンはテオドアに、楽な服としてエフェンハルトの服を渡す。
エフェンハルトに仕えるのは大変じゃないかとテオドアが言うと、ヤンは、やりがいのある仕事に満足しているが、エフェンハルトの本音をもう少し聞きたいとは思っていると答える。
しかし相手のすべてを知ろうとしたり知っていると思うことは、その人を無視する行為なのかもしれない。
自分の物差しで相手を決めつけ、その他の部分を認めないという。
ただ、エフェンハルトが今、ディアンのおかげでいつになく生き生きしているので、二人が結ばれないとしても、いい思い出を作って欲しいと思っている。
と、ヤンはテオドアに言う。
アップルパイが焼き上がり、ディアンは少し冷ましてから食べようと言うが、エフェンハルトは焼き立てをすぐ食べたいといって、アップルパイを手で仰いだりして構うので、仕方なく一切れあげる。
エフェンハルトは冷ます様子もなく一口で全部飲み込んでしまい、とても喜んだ様子で「本当においしい」と言うのだが、ディアンはそれでは味がわからなかっただろうと、口の中の火傷を心配し、味音痴なのではないかと思う。
パイが冷めるのを待ちながらお茶にしようということになり、エフェンハルトがコーヒーをいれてくれる。
コーヒーを挽いたりいれたりする器具はフランツ(セレニーの婚約者候補でヤンの親族)が他の大陸で使われている道具を仕入れてくれたのだが、それについてはディアンに言わないことにする。
コーヒーと紅茶は飲み物という点では一緒だが、属する文化が異なる。
紅茶は貴族とサロンの文化。
コーヒーは市民とコーヒーハウスの文化。
コーヒーハウスは最初、女性の出入りは禁止されていたが、10年程前、エカチェリーナ皇女(テオドアの異母姉)が男装で出入りし始め、その後、彼女がドレス姿で出入りしたのがきっかけで女性の出入りも定着した。
エフェンハルトは人前に出るのは好きではないが、ディアンはエフェンハルトが思慮深い素晴らしい方だから、世の中のためにはエフェンハルトのような人が権力を持つべきで、エフェンハルトの人格を人々に知らしめるためにも、人前にどんどん出てほしいと思っていると話す。
人前に出ないのは理由があると言って、エフェンハルトがその理由を語りだそうとしたところで、テオドアが来て、ロウェン侯爵が来て娘を連れてこいと大騒ぎしていると知らせる。
62〜65話 感想
テオドアが体調悪いといって、ベッドで寝る程なのが、何か彼には持病とかあるんだろうかと気になったんですが、そういえば、テオドアはオットーを離れに泊まらせて、自分は温泉で夜を明かして徹夜してたんでした。
だから眠くて寝てたってことなだけなのかな。
でもそれにしては眠いじゃなくて、体調が悪いって言ってたのが気になるんですが、そこは翻訳なので、どうなのか微妙なところ。
ディアンはエフェンハルトの喜ぶ顔が見たい、ガレットはエフェンハルトのためのもの、って言って、ほぼ告白したみたいな感じになってますが、エフェンハルトは一緒に半月いたらディアンが死んでしまうかもしれないと思ってるので、ディアンと一緒にいるのは楽しいけど、その部分は覆せないんですね。
なぜディアンが死ぬのかの事情はまだ出てこないので、なんとも言えないまま・・。
人前に出ない理由として、老けないとか何かしら打ち明けようとしてたんでしょうか。
特に内容的にはたいした進展はなく、ディアンとエフェンハルトが一緒にアップルパイを作って、楽しい時を過ごしたよっていうだけのお話でした。
あと、ヤンもエフェンハルトが食事を必要としない事や老けない事は知ってても、妖精女王と何があったかとかは知らないんだなぁと思いました。62話。
不老とかは一緒にいたらバレるけど、過去の出来事は知らせる必要はないもんね。
エフェンハルトを治めるのに必要な事以外は知らせてないんですね。