漫画「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」作画:AhBin 原作:Nokki 感想(4)

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交通事故に遭い、気付いたら異世界で10才くらいの少女になっていて、そこは自分が読んだことのある小説の中の世界だったという、異世界転生もの。
舞台は中世の西洋のような世界。

ピッコマにて。金曜更新で連載中。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(1)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(2)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(3)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(4)
「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(5)

 

20話

熱を出して凱旋式に出席できずベッドで寝ているカナリアは自分の体が弱いのが悔しい。
夫の凱旋式に出席しないなんて、本当に体調が悪くても信じてもらえず、陰口をたくさん叩かれるだろうと思うと余計に悔しい。

眠っているカナリアの額に冷たい手が触れる。
眠くて暗くて誰かよく見えないが、気にせずそのまま、また寝てしまう。
(後ろ姿のみだが、たぶんセザール)

カナリアの体調が回復したのは、凱旋式から4日後のセザールの勝利を祝う宴会が開かれる日。

カナリアの兄、イースター家の長男のシェパード・イースターが、勝手にカナリアの宮殿に会いに来て、カナリアに対して高飛車な態度で責める。
皇帝がセザールを離婚させてランカスター公爵の娘と再婚させようとしているから、皇子をつなぎ止めろ、妊娠して子供を作れと言う。

 

 

カナリアは兄の勝手な言い分に怒って、皇后の兄になって権力を振るいたいんだろうが、私は皇后の座に興味はないと言う。

セザールとグレイシーが再婚するのが原作通りな筋書きだし、セザールの足を引っ張りたくない、彼が権力を得るには自分が皇宮から消えるしかないとカナリアは考えていた。

シェパードに月経はきているのか、そっち方面になにか問題があるのかとまで言われて、怒りたいのに泣きそうになってしまうカナリア。

ドア付近に立つ人影に気付いてカナリアがそちらを見ると、シェパードはよそ見をするカナリアに怒って殴ろうとするが、セザールに「他人の夫婦関係にあなたが口出しする資格はないと思うがな」と言われ腕を掴まれる。

セザールに出て行けと言われて、シェパードはおたおたとしながら去る。

セザールとの数年ぶりの再会に、カナリアは背が伸びたなぁと感慨深く見るが、涙を浮かべていた事を思い出して、セザールに背を向けて涙を拭う。

セザールはカナリアを後ろから抱きしめ、一言「ただいま」という。

 

 

21話

凱旋式、行けなくてごめんね。

気にするな

苦労したのは俺の方なのに何でお前が寝込んでるんだ?
この前よりは少しマシになったが顔色は相変わらず良くないな。

と言われて、この間額に冷たい手を当てたのはセザールだったのかと気付いたカナリアは、それを指摘するが、セザールは違うと言い張る。

セザールはカナリアの化粧が濃いというが、それは顔色が悪いから厚化粧で誤魔化しているんだと言い合いになる。セザールはカナリアはすっぴんのほうがマシなんだからという。

勝利の宴に、セザール、カナリアで一緒に出席。
セザールが不在の間はカナリアのパートナーはノアが務めた。

セザールの側近たちと会って、セザールはカナリアを妻と紹介するが、ミラーは冷たい表情で挨拶し、他の面々は今日も来ないかと思ったと言う等、カナリアの評判はよろしくない。

9年前にセザールとカナリアが街を見物に出た時に彼らが見かけていたという話が出る。

ミラーが一緒に来て頂きたいところがあると言って、セザールはカナリアに断って側近たちと行ってしまう。本当は周りの視線が痛くて、カナリアは全然1人で平気じゃなかったが、大事な用らしかったので平気なふりをして食事に集中した。

そこへノアが来る。

周りの人達が、ただの仲には見えない等とカナリアとノアの仲の良さを男女の関係があるのではないかと疑うような声が聞こえる。
カナリアはノアに気にしないよう言うが、ノアは「僕にだって好みがあるんだ」と怒るので、カナリアがノアのほっぺを掴んでじゃれてると、更に周りから「スキンシップまで〜」と言う声が聞こえてきたので、二人は場所を移動する。

カナリアはセザールに、ここで待つよう言われていた事を思い出すが、大丈夫だろうと思って行ってしまう。

 

 

22話

セザールが戻ってきて、いないカナリアを探し回る間に、ノアとの仲を噂する声を聞いてしまう。
そしてカナリアとノアが抱き合うように向かい合って楽しそうに話している様子を見て、ショックを受け、頭を抱えて椅子に座ってしまう。

そこへカナリアが来て「ここで何してるの?もう用は済んだ?」と声をかける。

プイッと顔をそむけるセザールに、よく拗ねるのは相変わらずだとカナリアは思う。

カナリアはセザールの手を取って一緒にテラスに行こうと誘う。
ここは出征前にセザールがカナリアを抱きしめたテラス。

花火が上がり、それを見上げるセザールの横顔を見て、やっとセザールが帰ってきたことを実感したとカナリアは言うが、セザールはまだ実感が沸かないという。

「本当は出征したくなかった、皇位継承は諦めるからもう放っておいてくれと、あの女に頼みたいほどだったよ。」

「何でそうしなかったの?」

「さあな」と言って、セザールはカナリアの頭をくしゃくしゃとなでる。

カナリアは、もうすぐここでの生活も終わりだと思う。
まだ皇后が権力を持っているから、セザールにとって、ある意味これからが本当の始まりかもしれない。

「南部にいた時 何百回と考えた。」
「必ず生きて帰って・・・」

に続けてセザールが言ったことが、花火の音で聞こえない。

大きな悩みから開放されたようなセザールの顔を見て、私は安心してここを離れてもいいような気がした。

 

 

23話

皇帝ディートリヒがランカスター公爵(グレイシーの父)に、10年前に結べなかった縁を今からでも結び直すのはどうだ?と言って、第一皇子(セザール)とランカスター家が手を結んで、相変わらず元老院で権勢を誇るファーンハム家(皇后の実家)を抑えて、第一皇子の皇位継承を進めようと考える。

皇帝が暮らす太陽宮の応接間に、セザールは生まれて初めて招かれた。

そこには、皇帝、セザールの母である皇妃リリア、グレイシー・ランカスターがいた。

元々セザールと縁談があったのはグレイシーで、お似合いだと言って皇帝は、もう一度縁を結び直したらどうだと勧める。

離婚を勧める皇帝に、カナリアは何も罪を犯しておらず、罪のない正妃を追い出せば問題があるとセザールは言うが、理由などいくらでも後付け出来ると言われて不貞の話を出されると、セザールは興奮して机をバンと叩く。

そしてセザールがまだ首都に帰ってから半月も経っていないから、この事はもう少し時間を置いてから話し合うという事になる。

会談後、セザールとグレーシーは会話の中で、お互い結婚するつもりがない事を確認する。

グレーシーは父が、セザールの初の勝利の知らせを受けた時からグレイシーと結婚させてセザールを皇帝に即位させる計画を立てている、しかし自分に全くその気がないことを知った父がショックで倒れる場面を想像するのは面白いという。

セザールは今までのグレーシーは全て芝居でこれが彼女の本当の姿なのだと知って驚くが、こちらの方が自然でずっといいというと、グレーシーはお二人ともよく似ているという。
グレーシーはカナリアの事を言っているが、セザールにはわからない。

いいパートナーになれそうだと言ってグレイシーは去る。

セザールはカナリアに会いに行く。

 

 

24話

朝、グレイシーとセザールが太陽宮に一緒に招待された、離婚しないようにしろとカナリアの母が言いに来た事を思い出して、ため息を付きながら釣りをするカナリア。

侍女のアリスが皇子はきっとカナリアを捨てない、捨てたら絶対に許せない、噂が立つような招待は断るべきだと憤慨していると、「断れなくてすまないな、だが皇帝陛下の招待を断れる者はこの宮殿にいないだろう」とセザールがやってきて、アリスはビックリして倒れる。

セザールはグレイシーと一緒に太陽宮に招かれたことでカナリアが落ち込んでいるのではと様子を見に来たのだが、気楽に釣りをしていたカナリアに安堵するものの、カナリアがセザールと離婚して、セザールがグレイシーと結婚する事を当たり前のように話すので、怒り出す。

カナリアは原作通りの展開を受け入れているので、皇帝になりたいならランカスターと手を組まなければ、今までずっと苦労してきたんだから身分のしっかりした令嬢と結婚して平和な暮らしを手に入れて幸せになるんだというが、セザールは「本当にそれで俺が幸せになれると思うか?」と言って、傷ついた顔をして去ってしまう。

カナリアにはセザールが傷ついた理由がわからない。

 

 

25話

セザールが傷ついた顔をして帰った日から3日たったが、あれ以来セザールとは顔を合わせていない。

カナリアは今までケンカしても見せたことのなかったセザールの傷ついた表情の理由を考えてもわからず、以前自分で元の世界の言葉でまとめておいた原作のストーリーを書いたノートを見て考える。

原作通りだと22歳でセザールはグレイシーと結婚するが、1年早く帰ってきたから、まだ離婚の話をするのが早かったのだろうか、まだ自分はセザールのそばにいられるのだろうかと考える。

そこへグレイシーが来て、太陽宮に招待された件の話をしにくる。
セザールは離婚を望んでいないと告げられ、カナリアは驚く。
そしてグレイシーも、セザールとの結婚を望んでいない、今の皇太后も元々は妾で、先帝の正妃でさえ息子を皇帝にできず宮殿の隅に追いやられた、そんな危うい立場など望まない、夫や息子に頼らない自分自身の権力がほしいのだと説明する。

グレイシーはセザールと結婚する気がないからそれを利用して自分の立場を守ればいい、私は味方とも言えるのだとカナリアに告げるが、カナリアは離婚を拒んでいると思われている事に腹を立て、離婚して慰謝料をもらって気楽な人生を送るんだという。

グレイシーが屋敷に帰ると従姉妹のレイモンドがいて、グレイシーがセザールと結婚したらレイモンドを正式なランカスター家の後継者として公表するのはどうかとグレイシーの父に打診されたのだという。

まだレイモンドには告げないが、爵位は決して簡単には譲れないとグレイシーは内心でレイモンドに宣言する。

 

 

26話

側近ラオは、太陽宮での晩餐以降、セザールの機嫌が悪いと感じている。

セザールはラオに何か悩みがあるのか聞かれ、ある軍人の話として、戦場から戻ったら妻に離婚の話を切り出されたのはなぜか、という話をするが、ラオはそれはセザールの話だとすぐに察する。

それがセザール自身の話だと全く気付かないジャックスは、他に男ができたんだろうという。

男の気配などなかったと言おうとするが、セザールはノアとカナリアの噂を思い浮かべてしまう。
ノアは優しくて自分の代わりにカナリアの面倒を見てくれただけだ。

ジャックスがカナリア妃の事なのかと遅れて気付き、それなら好都合じゃないかと言うと、セザールに出て行けと言われて追い出される。

ラオは、まだカナリア妃の事を完全に信用はできていないが、会ってみてわかった事は、自分の事ばかり考えている人ではないということ、だから今回の事もカナリア妃の本心ではないかもしれない、理由を聞いてみては?とセザールにアドバイスする。

離婚の話を聞いた瞬間、頭が真っ白になって何も言わずに帰ってきてしまったと思い、セザールはカナリアに会いに行く。

宮殿を出ようとしたところで、「そんなに急いでどこ行くの?」とカナリアに声をかけられる。
遊びに来た、いい天気なのに仕事ばかりしていてはダメ、一緒にどこかに出かけようとカナリアに言われる。

カナリアのいつもの様子と笑顔を見て、やはりあの話は本心ではなかったんだとセザールは思う。

 

 

27〜28話

少し戻って、皇子宮に来たところのカナリア。

カナリアはとりあえず離婚の話は先送りして、まずはセザールと仲直りしようとセザールに会いに来た。

カナリアは部屋を追い出されたジャックスに会い、今日も仕事で、皇宮に休日があるのかと聞かれるくらい彼らがずっと仕事をしていることを知って、セザールはブラック企業の社長みたいだと思う。

カナリアは、そんな仕事中毒のセザールに今日は思いっきり遊んでもらおうと決めた。

皇室の権力を使ってレストランを貸切にして食事をしたり、ショッピングの楽しさを味合わせようとブティックでセザールの服を試着させて買ったり、舞台を見に行ったり、夜まで1日中外出を楽しんだ。

服の試着中にカナリアはセザールの体中にある傷痕を見て、ハッとする。

カナリアはセザールに、ここは戦場じゃないから、ちょっと油断したりミスをしても人が死んだりしない、常に神経を尖らせる必要はないんだから、もう少し肩の力を抜いてもいいんだよと言う。

たまには好きなことをして人生を楽しんで、楽しまなきゃ損だよ。
(私がいなくなってもね)

別れ際にセザールは、先日何も言わずに帰ってしまったことを謝る。


何か理由があるからあんなことを言ったんだよな?
今すぐ その理由を話してくれとは言わない
ただ俺は 待つよ

お前が俺を信じるように
俺もお前を信じてるから


原作とずれていくストーリーのせいで不安になっていたからなのだろう
思わず話してしまいそうになった

私は違う世界から来た存在で
これからのことを全て知っていると

 

 

20〜28話 感想

カナリアののほほんとした雰囲気はいいなぁと思う。
セザールが噂に疑心暗鬼になってしまってもカナリアのいつもの雰囲気に、宴の時も外出の時も、癒やされ救われている。

花火の音で聞こえなかった事はきっとカナリアに会いたいとかそういうことだったんだろうなと思うけど、まだセザールがカナリアを好きなことをカナリアには気付かせない展開なんですね( ´ _ゝ`)

セザールの側近たちにはまだまだカナリアは周りの噂通りにしか思われてないようで、(まあまだ会ったばかりだし)、理解してもらえるには時間かかるのかなぁ・・・。

カナリアの方は男女の愛情なのか、長らく一緒にいた同志としての情なのかわからないけど、それでもセザールの事を特別に想っているだろうし、セザールの方はカナリアを心の支えにして戦場を生き抜いてきたんだからカナリアに強い想いを持っているだろうし、二人の関係は恋というような浮かれた感じではないけど、両思いなのは確実なのになぁ。

 

 

カナリアは原作のストーリーを知ってるだけに、自分が処刑される部分は変えようと努力して、変えるのに成功したのに、セザールとこのまま一緒にいようとは思ってないんだよね。

それはセザールのことを思うがゆえでもあって、彼が皇帝になるにはグレイシーの家の権力を味方に付ける必要があるからで、切ない。

原作通りの筋書きだし、その方がセザールのためだから、皇宮を去ることをカナリアは受け入れてしまっている。
自分が処刑される事が避けられればそれでいいと思っている。

だからセザールが離婚したくない、カナリアと一緒にいたいと思っている事に気付かないんですね。
その部分で今のところすれ違っちゃってるけど、グレイシーも爵位を継ぐ方向でがんばろうとしてるし、離婚しない展開になっていくんだろうけど、カナリアはいつセザールの気持ちに気付くんだろうか。

 

 

セザールはカナリアを信じてるのに、カナリアが諦めて達観しちゃってるから、すれちがっちゃって傷ついてるセザールがかわいそうです・・・。

カナリアの兄、母は初めて出てきたと思いますが、ダメダメな欲深い人達なんですね。

あと気になったのは、23話で太陽宮での晩餐の後、すぐにセザールはカナリアに会いに行ったと思うのに、24話で探し回ってカナリアに会ったのは昼間ということ。

晩餐って夜だよね。
その後に会いに行ったのに、カナリアは釣りをしてたのはなぜ?
まさか夜に釣りしてないよね。

まあ皇帝達と会った時、食事はしてなかったけどね。
この後も晩餐って出てくるんだけど晩餐っていう訳が間違ってるのかな?

 

「よくあるファンタジー小説で崖っぷち妃として生き残る」感想(5)