漫画「精霊王エルキネス」原作:イファン 制作:Nyarrr 感想(4)

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ピッコマにて。土曜更新で連載中。
家族から嫌われ虐待されていた高校生男子が事故で亡くなる。家族に愛されなかったのは生まれる世界を間違っていたためだとわかり、異世界に水の精霊王エルキネスとして転生し、幼い皇帝を助けて世界を巡るお話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

漫画「精霊王エルキネス」感想(1)
漫画「精霊王エルキネス」感想(2)
漫画「精霊王エルキネス」感想(3)
漫画「精霊王エルキネス」感想(4)
漫画「精霊王エルキネス」感想(5)

アルフォンフ帝国への出発準備

72話

アルフォンフ帝国は、ほとんどが砂漠で砂漠のど真ん中に建てられた国。
5つの砂漠があり、バロン砂漠はその中でも涼しくて過ごしやすく、所々に沼地もあり最も気候がいいとされ、大陸で最も大きいオアシスもある。
しかしバロン砂漠は、土中に潜み人を喰うモンスター「地獄の地蜘蛛」の住処があるため、帝国で最も危険な場所でもある。
帝国が何度も討伐軍を送ったが帰還者は一人もおらず、そのため今は誰も訪れない捨てられた土地になっていた。

アルフォンフ帝国までは約9ヶ月、船での移動なら約1年かかる。
エルは霊体で行こうか考えるが、イフリートにその魔剣は人間じゃないと持てないと言われる。

「場所の封印」を解くには剣を目覚めさせないといけないので人間にしかできない。
自我を持つ剣で、その剣自身が決めた方法だからそれ以外は無理。
弱い人間を強くしてこの世を治めさせることがその剣の持つ使命。

移動の言霊(精霊王の技?)は自分以外の他の人は移動させられない

 

イフリートの所から戻って、エルがイサナ達に話をしていると、置いていかれたラピスが「このラピスラズリ様に人間どもの子守をさせるとはな」とすねている。
「君が僕たちの中で一番強いから 信じて任せられるからだよ」とエルが言うと「一番強い」という言葉に満足して、コロッと機嫌を直すラピス。

魔剣は人間じゃないと持てないので、イサナが行くと言うがエイプリルが危険だからと反対、しかし代案はなく、ただ反対しているだけなので、ラピスと口論になる。
エイプリルには、エルとラピスの正体を明かしていないので、彼らは皇帝(イサナ)の従者だと思って発言しているため、イサナが彼らは従者じゃない、失礼な発言はしないでと諌める。

エルがラピスにテレポートを頼もうとするが、ラピスが行ったことのない場所だから、できないと言う。そういう場合は地図を頼りに距離を計算するが、こういう地図は正確でない場合が多く、距離が遠いほど誤差も大きくなり、海の真ん中にでも落ちたらかえって時間がかかってしまう可能性が高い。

 

とりあえず一番近い場所でラピスが知っている所までテレポートしてもらおうとするが、ラピスは動き回るのが嫌いだから、そっち方面には一度も行ったことがないとのこと。

エル「忘れてた・・君 普通じゃないんだったね」
ラピス「当然だ 僕は特別だ」

結局見栄を張っていたんだ、テレポートが仕えるのは大物の賢者たちの中でも一握り、座標から距離を計算するなんてドラゴンにでもなったつもりか、とラピスがドラゴンだと知らないエイプリルが言う。

ラピス「ドラゴンの中でもテレポートができるのは一握りだ 僕だからこそできるのだ」

と言われてエイプリルはわけがわからないが、とりあえず今の時点では彼女には教えてあげないようだ。
結局、呪いを解くにはこれしかないということで、エイプリルは説得される。

主にラピスが説得したので、ドヤ顔のラピスにエルが「グッジョブ!」の意味で親指を立てると、ラピスは前にエルが怒って中指を立てるサインをしたのと同様と解釈したようで、「お前は僕に不満があるとき変な行動を取る」と不機嫌になる。


ラピスが一発でテレポートできないにしても
まずエルが精神体で洞窟の場所を探す
そこに向かってラピスがドラゴンになって飛んでいく(契約者だからすぐ探せるかと推測)
ラピスが洞窟に着いたらテレポートでクルモアに戻って、他の人達を引き連れて洞窟までテレポート、って感じで、今分かってるラピスの能力をフル活用すれば、普通に行くより早くつけるんじゃないのかなと思いました。
ほぼラピスががんばるだけなので、ラピスが承知してくれないかもしれないけど。

あとトロウェルにいい方法がないか相談するとか、やろうと思えばできると思うんだけどなー。

 

73話

アルフォンフ帝国に行くことになったが、エイプリルをどうするかで、エルはイフリートに頼みに行く。
イフリートは商団が監視されているからと断るが、それならエイプリルをエルリエンの神殿に預けるとエルが言うと、エルリエンに恋していて女性との接触を避けたいイフリートが、自分が匿うと言い出す。
ただし、イフリートは忙しくずっとエイプリルを見ていることはできないので、保護者としてラピスを置いていくようにという。

部屋に戻ってラピスに残るよう頼むが、エルの予想通り、ラピスは断る。
「一番強いから」と言っても同じ手は通用しないと言われてしまう。
そして「僕を嫌っているくせに、こういう時だけ利用しやがって」とラピスが言うが、エルは嫌っているつもりがないのでどういうことか聞くと、ラピスは「白々しいな、目には目を歯には歯を」と言って、親指を立てるポーズをする。

それを見てエルは大笑いし、それは相手に「君は最高だよ」って言いたい時に良い意味で使ってるんだと説明。それを聞いてラピスは「つまりこの前は僕を褒めていたと?僕が最高だと?」と言って機嫌を直し、ここに残ってやると言う。
そして「何か忘れてないか?」と催促してくるので、もしやとエルが親指を立てると、ラピスは「やっぱり僕は最高か!」と顔を輝かせていい笑顔で喜ぶ。

 

エルは、ラピスはこの世で一番単純なドラゴンだと確信した。

エルとイサナはもう出発したようで、港で。
大公の右腕のカリブディス公爵、最年少のソードマスターで大公が最も信頼する騎士、を港で見かける。
エルは風の匂いを感じるが、カリブディス公爵が精霊士と聞いたことはないとイサナは言う。

エルは風の精霊王ミネルバのことを思い出す。
他の精霊王たちに比べ、ミネルバは風の領域からなかなか出てこない。
イフリート曰く、ミネルバは昔から遊戯にも、他人と交渉することにも興味はなく、自分の領域の中で過ごすことを好むらしい。


アルフォンフ帝国ってイフリートによると1年もかかるみたいなんだけど、そんなに長くラピスと離れちゃうの?って思いましたが、エルやラピスにとって1年なんてたいした時間じゃないのか、それには何も触れてなかった。エルはまだ人間の感覚の方が強そうだからちょっと違うか。
他に方法がないからしょうがないってことなのかな。
でもクルモアに来た時よりもずっと時間かかるよね。
何かしらあって、ショートカットされるのかな。

 

74話 シャンパン傭兵団、魔界

久々のシャンパン傭兵団のみんな登場〜。

クルモアを出発して1週間くらいらしい。
へロールが旅の経費が入った袋を落としてしまったせいで、みんなで野宿。
そのせいで、あーだこーだと言い合いのケンカ。

最後の方で出来た2カップルが、それぞれ男の肩を持ってイリル、シェリーが言い合い、口を挟んできたマイティに矛先が変わって言い合い。
それをマシューは「寒さを忘れるにはケンカが一番、無駄に体力を使ってしまうのがデメリットだけどまあいいか」と余裕で傍観している。

マシュー(トロウェル)は「エルは元気にしてるかな」とエルのことを考える。

いくら不安定でも水の精霊王だ
時間が経つほど本能がエルを動かすだろう
けどやっぱり心配
ここまで気になる理由はわからないけど悪い気はしない
今までの精霊王たちとは全く違うタイプ

同じ精霊王たちを仲間ではあれど
ここまで気にかけたいと思ったことはなかった
僕がどんなことをしてもエルだけは僕を見捨てることはないような気がする
一緒にいるだけで胸がいっぱいになる
こんな感情は生まれて初めてだ
エルに出会って初めて
僕が自分を独りぼっちだと思っていたことに気付いた

だから義務として管理してきたこの世界が
息苦しかっただけの精霊界が少しずつ大切に思えてきた
きっとイフリートも同じ
イフリートも前は見せなかった表情を今は自然と見せるようになった
見えない変化が少しずつ僕たちに起きている
ミネルバ 君にもこの気持を感じてほしい

なんだか悲しい気持ちになった
これと似たような感情を僕は過去に何度も経験したことがある
だけど 今回はなんだか耐えられそうにないよ ミネルバ

 

【魔界】
デルオンが、魔界の主 魔王カリュドリアンに会う。
魔王の傍にはセルフィスがいる

水の精霊王がスワルトの皇帝を手助けしているというのは本当かと聞かれて、事実だと答えるデルオン。

デルオンは、エルに聞いた子供の生贄の話を思い出し、人間を生贄に捧げることは古代でもよくやっていたことだが、「今回だけは何かが引っかかる」と思う。

デルオンに向かって魔王は「ルカルエムを呼べ」と言う。


トロウェルが最後に「なんだか悲しい気持ちになった」と言ってる所からのセリフの意味がよくわからない。最初の方でちょっと出たきり、まーったく何も関わってこなかった風の精霊王ミネルバの名前がやたら登場しだしたので、そろそろ関わってくるのかな。

魔神はまだちゃんと姿が出てきてませんが、魔王はやっと登場。
やっと中心人物たちが出てくるのかな〜。
魔界、魔族関係は、エルが遊戯に出てからのスワルト関係の話の黒幕っぽいから、まだすぐに全容は出てこないかもしれないけど、この作品はわりとサクサク展開していくので、焦れったくなくてイイ!
エイプリルがサクッと見つかったりね。

 

75話 ルカルエム

デルオンが魔王の命令を受けて、ルカルエムの邸宅に会いに行く。

暗黒騎士ルカルエム。
魔界の四大公爵の一員で第一公爵。
魔族の再年長者であり魔界の始まりから存在していたといわれる

穏やかな性格で田園生活を楽しみ言動に気品があって
いつもやさしく微笑み、礼儀正しい魔族
「華やかではあるが名ばかりの公爵」といわれることもあるが
それはルカルエムの正体を知らぬ者達の評価

邸宅は魔界の中心部にある。
とても気安くデルオンと話し、女性っぽい雰囲気で丁寧語で話すルカルエム。

魔族が魔界に追い出される前、神界に住んでいた頃に
天神が彼の領域に魔族達が入ってくるのを防ぐために作った植物の「天上の木」を育てているルカルエム
天上の木の花と枝は毒性を持ち、魔族が持つ魔力に反応する

 

その天上の木にルカルエムは乗っかって枝打ちし、分泌された猛毒の樹液を舐めていた事をデルオンは見たことがある。魔王でさえ舌が触れた瞬間麻痺してそのまま溶けてしまうはずの樹液を。
天上の木を増やしたのであげると言われるがデルオンは断る
デルオンは彼がその気になればあの植物で魔界を征服することもできると考える。

同じ公爵のはずなのにデルオンはルカルエムの前では体が勝手に固まってしまう
ルカルエムは非常に優しい印象だが、わざとそういう風に行動しているところがある

デルオンは怒る魔王より笑顔のルカ(ルカルエム)に恐怖感を覚える。
魔神が俺の全てであり人生そのものだとしたら
ルカルエムは高すぎて登ることのできない巨大山脈の頂のような存在
今の魔王への忠誠心が弱いのもルカがいるからかもしれない

 

王より強い魔族
魔王の座に興味がなく自ら希望して公爵になったとはいえ
彼はいつでも政権交代が可能な人物
魔王にとって非常に厄介な存在なため本城に呼ぶことは滅多になかった

魔王がルカルエムを呼んでいると伝える。
デルオンが任務に失敗したからだろうというと、何があったか気になると言われ、普段は優しいが本城の仕事には厳しいルカルエムに魔王の命令を無視して自分勝手にやっていたことがバレたらまずいと思うデルオン。

少年をみつけたら直ちに報告するように命じられていたが、水の精霊王という思わぬ存在にでくわした。その精霊王と少年は契約関係にあり、精霊王は人間のふりをして少年と共に行動していた。
同じ時期に正体不明の者が合流したが、薄っすらと感じる気運はドラゴンに近いがそのわりにかなり強く、昔見たドラゴンロードを上回るほどの気運だったので、彼の正体を推測するのが難しい。
万が一を考えてもう少し様子をみようと思っていたら正体がバレてしまった。

 

と説明すると今回はただ運が悪かっただけとルカルエムにいわれ、罪を問われない事に驚くデルオン。
任務で疲れただろうから休むように言われる。

デルオンが魔王に会いに行く。
前に呼ばれたのは36年前。

誰にも知られていないルカルエムのもう1つの役目は魔神の代理人
魔神の代わりに魔王に彼の意思を伝える者
彼の力は魔王より強く、寿命が遥かに長い理由でもある

歴代の魔王は皆、彼の助言により魔界を管理した
カリュドリアンも同じく一日中ルカルエムと時間を過ごしていた時期もあった

デルオンとセルフィスは使い物にならず、ジャークを送ろうと思ったが繁殖期で卵を管理しているので忙しい。

 

カリュドリアンはルカルエムに、イサナを殺せと命ずる。

一般的に精霊王は魔族の力では太刀打ちできない存在で、魔王も例外ではない
1つの世界を司るという点では同じだが精霊王達は独自の力を持つ、神に準ずる存在

ルカルエム
しかし私なら精霊王との真っ向勝負を避け、少年だけを殺すことが出来る
しかし、常に私を警戒して魔界の外に出られないようにしていた魔王が
あの少年を殺すために魔界から出るように命じた事が、気になる

カリュドリアン「お前が私を助けることこそが魔神の意思を成し遂げること」

と言われ、ルカルエムは思う
「魔神の意思、私の知らない魔神の意思なんてあったか」

「魔王の仰せの通りに」とルカルエムは答える。

魔神はまだちゃんと出てきてませんがエルリエンに残した手紙の感じでは随分飄々としたかる〜い雰囲気っぽくて、ルカルエムも同じ感じっぽいです。
二人とも気安い感じで実はスゴイってタイプなのかな。
一応言うことを聞く体で、独自判断で動くんだろうなぁ。

「繁殖期で卵を管理」とか謎な魔界の状況も説明出てこないのでわかりません。

まだまだ先だろうけど、なぜカリュドリアンが魔神から離れてしまったのか、っていう事なんかもいずれ出てくるんだろうなと思います。

 

76話 ミネルバ カリブディス公爵

【風の領域で】

ミネルバが精霊ジンから報告を受ける
「彼」は人間の男と一緒だが同行人はまだ彼の存在に気付いていない様子
彼の近くで水の精霊王をみかけた

彼が「結局またこの世に出てきてしまったのね」と思うミネルバ。
エルが彼の気を感じても正体までは気付けなかった様子にエルらしいというミネルバ。
ジンがエルに教えようかと言うとミネルバはその必要はないという

エルでよかった、トロウェルだったらその場で消されていたはず
彼は「愛してる」と言った冷たい人

昔トロウェルに言われた言葉
ブラスター?人間ごときに力を分けるなんて正気か?
彼は君を愛してなんかいないけど
君が彼を愛していることは知ってるはず
可愛そうなミネルバ
何を言っても君の耳には届かないだろうね
でもいつか君はきっと傷つくことになる

ミネルバ
あの時思い止まることができていたら
後悔することもなかったかもしれない
でもあの時の事を嘆く日ももう残りわずか
もうすぐすべてが終わる

 

【カリブディス公爵】

ここ1ヶ月、大公の騎士たちが変死体で発見される事件が起きていて、20人が既に犠牲になっている
被害者たちの共通点はオークの群れから奪った「魔法の武器」を所持していたということ
そしてその武器も現場からすべて消えていた

騎士団1つが全滅した
調査団の報告によると強い魔法が発現されたらしいが親衛隊の中に魔法士などいないはず
あの日、騎士団と戦った相手は本当に親衛隊だったのか?

オークからの戦利品のうち残っている武器、剣と槍15本をすべて回収させた
「箱に入れて鍵をかけ海に放り込め」と命令する

戦利品を所有している生存者は私のみとなった
特別な何かが宿っている気がして妙にそそられて手にした剣
犯人は必ず私を探しに来るだろう

武器が消えると連続殺人事件も止まった

皇帝が行方をくらましてから2ヶ月
皇帝を探しているカリブディス公爵は、領地に忍び込んだ少年二人、クルモア公爵について聞きまわっている者たちについての報告を受ける。

 

大公への捧げ物を保管しているというコンテナを開けさせると中には子供たちがいた。
開放しろと命令する公爵。

そこへ魔法のかかった最上級の魔具である武器を海に捨てたことに伯爵が抗議に来る。
公爵は伯爵に部下の命と武器を天秤にかけたのだなという。
伯爵は、公爵が最近大公と疎遠なことを揶揄してくる。
優れた狩人は狩りが終わると猟犬も一緒に殺して食べると言い、大公は調理の準備を終えたという噂があるといってくる。

そこへ突然、誰かが来て「この武器を捨てろと命じたのは誰だ?」と問い、公爵が私だと答えると、素早い動きで公爵に斬りかかり、「よくも俺様の武器を海に捨ててくれたな、招待状、確かに頂戴した」という。

やっと一番出番のなかった風の精霊王ミネルバがちゃんと出てきました。
ミネルバの悲しい恋の話が絡んでるんですね。
でももうすぐすべてが終わるってことなので、ミネルバは何か動いてて、ブラスターを通して魔王の事にも絡んでくるのかな?

 

77話 メテの武器奪還完了 ブラスター覚醒

前話の最後で突然登場した長髪の男
(53話で親衛隊に武器を貸してくれた人)

最初、武器が1ヶ所に集められているのを感知した時、こちらの意図に気付いた人間共の動向に興味が湧いたが、まさか全部海に捨てられるとは思わなかった。

長髪の男が、武器を追っていくと、一度海に入った物はブルードラゴンである私の物だと、ブルードラゴン(名前不明)に言われ、ブルードラゴンはラピスのせいで新しい水の精霊王に挨拶できなかったとラピスに怒っているらしく、一晩中お願いしてやっと返してもらえた。
長髪の男はラピスと兄弟らしく、「ラピスの肩を持つなんて!」と言われているが、この辺りの事情は不明。

ソードマスターは人間の限界を超えた存在
その境地に達してから公爵は一度も負けたことがなかった

が、公爵は壁を背に座っており壁には血がついていて瀕死の状態。
長髪の男は余裕で立っている。
余波を受けてか、公爵に抗議していた伯爵も血だらけで倒れている。

 

【公爵の回想】
あなたがいくら汚れても私の血で覆うことを誓います
ですからあなたは振り返らず前だけを見てください

命令だ、そなたは私より先に死ぬな

ああ、あの時私は誓った
今にも壊れてしまいそうな、あの後ろ姿を見ながら
必ずお守りする、と
(おそらく公爵と大公の昔の会話)

そこへ「守りたいものがあるか?」と、公爵の剣、ブラスターが語りかけてくる。
私は守護者の信念を守るために作られた存在
君のその切実な想いが私を目覚めさせた
私と契約するか?
君に力を与えよう、信念を守るための力を

公爵はその提案を受け入れ、ブラスターと契約する。

孤独な道を歩む者よ
世界の息が変わる時まで
私は君のそばにいよう

公爵が動き出し、長髪の男が気配を感じられない動きをする。
精霊の力を感じるがただの精霊ではなく、精霊王の力だと感じる。

水の王は治癒と活力を
火の王は力と能力を
大地の王は洞察力と予言を
風の王は防御と護身術を

ミネルバの風の幕は人の気配を完全に消し、その存在自体を影に変える

昔ミネルバが契約した人間のために自分の力を封印した剣を作ったという噂があった
その剣を作るために、ある上級精霊が犠牲になり自らの寿命も削ったため
風の精気を大きく失ったと

 

その剣、ブラスターだとわかり長髪の男は焦る。
ただでさえドラゴンを斬れる力を持っている奴に精霊王の力まであるとはヤバイ
助けを呼ぶべきか?代父のトロウェルに・・

けれどもプライドの高さから助けは呼べず
武器も全て回収できたし今日の所はこれくらいにしてやる
貴様の部下を皆殺しにしてもいいのか?
等と、都合のいい言い訳を言って、さっさとトンズラする。

公爵は煙に巻かれた感じで、わけがわからないまま相手が消えたが
私の部下が巻き込まれないように先に身を引いてくれたのだろうか?
案外悪人ではないのかも、と良い方向に解釈していた。


大公もまだシルエットのみで、ちゃんと出てきてない人物ですが、大公&魔王が今回のいろんなことの黒幕なようで、悪役っぽいので、昔はいい人だったけど変わっちゃったんでしょうか。
53話で親衛隊に武器を貸してくれたドラゴンっぽい人物の正体がハッキリしました。
ラピスの兄さんでした。ブルードラゴンに言われてた肩を持つ云々が何の話かわからないけど、ドラゴンだからかプライド高いんですね、やっぱり。

 

アルフォンフ帝国への船旅

78話 メテはラピスの兄 エルフ

逃げた長髪の男が、一息ついて考え事をしている
ミネルバの力を得て更に強くなり人間はもちろんドラゴンでもあいつの気配を感じ取れない、アイツを野放しにしてよかったのか?精霊王達に知らせるべきなんじゃ?
だめだ、それだと俺の失態までバレてしまう
俺は今日ここに来なかったことにしよう

と考えていると、ラピスに頭をたたかれ、挨拶される。
長髪の男はラピスの兄だった。

エル達は船で出発して1ヶ月
ラピスの渡した通信石で、エルとラピスは会話している。
通信石は魔力を注入すると近くのものを映し出す
ラピスは通信石で毎日連絡してきているらしい。

ラピスの兄の名前はメセテリウス、略してメテ。
500歳違いの兄。
詳しい事情はわからないがメテが起こした騒ぎで、官邸の一部が崩壊し指揮官が首都に移送され尋問を受けることになったため、大公の追撃隊が撤収した
大公の騎士のほとんどが死亡したが、彼らはブラスターを手に入れた

 

昔ミネルバが作った剣でミネルバの力が強く宿っている
精霊王の力が宿っている数多くの精霊剣の中でもとりわけ危険なもので、人間の手中に入ってはいけないため、遠い昔に地下の奥深くに封印したもの

誰が封印を解いたのか聞き出そうとして、メテに逃げられたがおそらくメテの仕業。
昔から古代遺物を集めると言って土をほじくりかえしていた

そのブラスターを追撃隊の指揮官が持っており、覚醒済み。
イサナが大公の右腕といっていたあの男。
港でエルが精霊士じゃないのに風の匂いを感じたのはその剣を持っていたから。

ブラスターを地下に埋めたのはトロウェルなのでトロウェルに連絡してみろとラピスはエルにいう。
アイツはキレるとどう出るかわからないから、八つ当たりされたくなければ水の精霊ではなく大地の精霊に連絡を頼むようにアドバイス。
現精霊王の中で一番性格が悪いのはトロウェルと言っても過言ではない
過去のワースト1は先代のエルキネス

トロウェルが優しいと思っているようだがやつを知らないからだ
お前が見たここ数ヶ月の姿が奴の全てじゃない

 

ラピスの忠告に従うのがシャクで水の精霊シキュエルを送った
トロウェルからの返事は「セミの羽化にすぎないから、気にしなくていい」とのこと。
トロウェルは怒ってなかった様子とのことで、ラピスの言うことは信じないと思ったエル。

トロウェルはエルには今のところとても優しくしか接してないから、トロウェルの怖い面はエルはまだ知らないんだよね。シャンパン傭兵団でだって、傭兵団の中では無表情くんだったみたいなのに、エルには全然態度が違って笑顔を見せてて傭兵団のみんなも驚いてたもんね。
エルがこの世界に戻ってまだ数ヶ月か、そりゃあ数千年の付き合いのあるラピス、トロウェルに比べたら知らないことだらけだろうね。
そして、セミの羽化とか例えで伝えて、詳しく説明しないのは、あえてなの?
まだまだ知らないこといっぱいのエルに自分で考えさせるため、そのものズバリは教えてあげないのかな?

 

エルはイサナにカリブディス公爵の事をきく。
名はファイラン、平民出身の騎士で現在30歳。
18歳でソードマスターになり、翌年19歳で実力が認められて公爵爵位を得た
カリブディスという苗字は爵位を授かる時に先皇からもらった
寡黙で目立たない人だが、兵士たちの間ではかなり評判がよく、統率力がある。

その座に上るまで彼を裏で支えたのが大公。
彼は魔神殿で下働きしながら剣術を覚えてたところを大公が才能をかって後援者になった
公爵は大公に忠誠の誓いをした
大公が大神官たちを代表する神官長になれたのも公爵のおかげ、背後でいろいろないけないことを進んでやった、という噂がある。
他にも皇族出身の大神官がいたが、一番下の叔父が落馬事故で急に亡くなったのも公爵の仕業という話もある。

公爵も大公と同じような人の可能性が高いかもしれない
そんな人の手に精霊王の力が入ったことをミネルバは知っているのだろうか
そもそもなぜ問題が起こりそうだと予想できる剣を作ったのか
誰よりも理性的なミネルバが

 

船は中継地の港に着く。
ここはエルフの領域へ数日の距離
帝国の影響力がほとんど及ばない中立地帯。

エルフは4つの種族がある

《ノーマルエルフ》
最も知られているエルフで、大多数を占める
森に住み、野菜を好む
肌が真珠のように白く髪と目の色素が薄い

《ハイエルフ》
エルフの貴族階級で司祭長の一族
神族に近く、外見はノーマルエルフとほぼ同じ

《ダークエルフ》
砂漠に住み、肉類を生で食べるのを好む
黒い肌とグレーの髪が特徴
彼らの街は神出鬼没で蜃気楼王国とも呼ばれる

《ブルーエルフ》
海岸と岩島に住み、海産物が主食
青色の肌と銀の髪が特徴

ダークとブルーは閉鎖的なため正確な居住地を知るものはいない
エルフは基本排他的だがブルーエルフは特に攻撃性が強く、モンスターに近い
昔いた人魚の姿をしたセイレーンという一族が変化したのがブルーエルフという説がある

エルフは同じ一族でもお互いの領域を侵害しない
人間にも排他的なので人の住む街に来ることはほとんどない
エルフ一族は人間より長生きする

という話をエル達がカイに聞いているとエンディールという名のエルフが近くを通る。
ノーマルエルフは性格が非常に優しいので悪い人に騙されるんじゃないかと心配とカイが話していると、エンディールが、荒い調子で口汚く怒鳴っているのが聞こえてきて、エルとカイのエルフへの憧れが砕け散る。

 


船に乗って、あっという間に1ヶ月経過してました。
クルモアに来るまでの期間がよくわからないけど、同じくらい?
そこまではあんなにいろいろあったのに、1ヶ月も平穏に何して過ごしてたんだろう?と逆に気になる。

まあ今目指してる目的地まで1年かかるってことだから、今までと同じペースで描かれてたらいつ着くんだって感じになるけど、でもこの後のエルフの話もしばらく続くし、どうなるのかなぁ。

私的にはラピスと毎日連絡とってるのは嬉しい事だけど、話の中ではちょいちょい登場するわけでもないので、せっかくラピスと同行する事になったのにそれほど経たずにすぐ別行動になってしまって残念。
ラピスはいつまた一緒になれるんだろう。

そしてなんでエルはラピスにあんなに厳しい態度なんだろう。
まあ最初にいきなり監禁されたし第一印象は悪いだろうし、性格は俺様だけど、そんなにわーわーいうほどじゃないと思うんだけどな、エルの事好きだからエルには優しいし。
エルがわーわー言い過ぎ、怒りすぎなところはあんまり好きじゃないので、怒るんじゃなくて、ツッコミ入れる程度にしてほしいな。

漫画「精霊王エルキネス」感想(5)