漫画「悪女の定義」作画:Min(REDICE STUDIO) 原作:Sola 脚色:Yuns 感想(1)

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【2019.7.26更新】

ピッコマにて。木曜更新で連載中。

友人に彼氏を取られた女子大生(22)が、ヤケ酒して足を滑らせて川に落ち、気付くと性格の悪い貴族の娘、シャティに転生していた、という異世界転生もの。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

「悪女の定義」感想(1)
「悪女の定義」感想(2)
「悪女の定義」感想(3)
「悪女の定義」感想(4)
「悪女の定義」感想(5)

 

1〜13話

学校でも噂になる程、自分にベタぼれしていた彼氏を友人に取られて突然振られ、友人たちが自分の陰口をたたいているのも聞いてしまい、川べりで一人でヤケ酒していた、女子大生、芙美(22)。
スッキリして帰ろうとしたところ、コケて川に落ちてしまい、思ったより深くて浮上できず苦しみ、気がつくと、見たこともないお姫様のような天蓋付きのベッドに寝ていた。

初めて見る外国人の女性に「お嬢様」と呼ばれるが、その女性が自分の乳母であることがわかり、知らない言葉のはずなのに言葉が理解できる。
最初は夢かと思ったが、何日もそのままなので、自分は死んで他の身体に移ったのかもしれないと思う。

今は、シャルティアナ・アティーゼ・カイロン、フェロン帝国のカイロン公爵家の一人娘。
通称、シャティ。

 

シャティの記憶を読むことができ、目覚める前、シャティは重い病気にかかり何日も意識不明だった。
そしてシャティは、他人にきつくあたるのは日常茶飯事、欲張りで気に入ったものは手に入れなきゃ気がすまない、駄々をこねて大声で叫び当たり散らす、最強最悪のわがまま娘だったということがわかる。

シャティは他人の恋人を狙っていて、その恋人とはフェロン帝国の皇太子。
シャティは、皇太子が交際中の伯爵令嬢アイリーンに、ありとあらゆる方法でいじめて、皇太子におべっかを使ってすり寄っていた。

シャティの父、カイロン公爵はフェロン帝国の宰相で権力もある。
とても若く見える容姿で、イケメン。
父はシャティを溺愛していて、大人しくなったシャティを心配する。
本当はシャティの方がいじめていたステナ伯爵の娘(アイリーン)に、いじめられたのかと言ってくるほど、親バカ。前世では男尊女卑思想が色濃く残る家庭で親は彼女に厳しかった。

 

ここでは愛されているので、親の愛情をたっぷり受けて、今までのシャティのような悪女みたいな行動はせず、両親と仲良く平和に暮らしたいと思う。

だが、シャティが前から望んでいたレジーナになれたよ、と父に言われる。
フェロン帝国は、嫡子であることよりも能力が優先され、皇帝の子供であれば自分の能力を証明して支持を集めることができれば誰でも次期皇帝になれるため、皇太子の抗体も頻繁に行われる。
皇后は皇帝に次ぐ統治者であるため、皇后も同じように熾烈な教育と競争を経て誕生する。

レジーナは皇后候補のようなもので、次期皇后になるための至難な過程の最初の一歩。

平和でささやかな人生を送りたいと思っていたのだが、父がシャティの評価が低いのをがんばって残業してレジーナの権利を手に入れてくれたというし、レジーナは皇帝の命令であって行きたくないと言って拒否できるものでもないので、パパには「すごく嬉しいわ」と言う。

 

レジーナお披露目のパーティー用のドレスを着たシャティの姿を見て、自分でシャティの美しさに見惚れる。
レジーナに選ばれたのは、シャティとアイリーンの二人。
皇太子とアイリーンに会えるチャンスなので、二人との関係を回復させようと思う。

(皇帝>公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵)

ステナ伯爵は調子に乗ってすごく偉そうに振る舞っており、地位に見合わない振る舞いを前のシャティは好ましく思っていなかった。
皇太子、レオフリド・エフィラ・フェレカロンがアイリーンと一緒に登場する。
皇太子は超美形。

皇太子がアイリーンをエスコートし、同じレジーナであるはずのシャティより贔屓した行為に、周りはざわつく。別室で、他の令嬢達が、シャティの陰口を言っているを聞いてしまう。
アイリーンがシャティをかばうが、シャティはそれに違和感を感じ、アイリーンがかばっているようにみせて皇太子との仲を自慢しているように聞こえる。

 

パーティーが始まり、皇太子はアイリーンと最初のダンスを踊る。
皇太子は全てのレジーナと踊るしきたりになっているが、皇太子はシャティをダンスに誘わず無視。
一人立ったままのシャティはあからさまな同情と嘲笑にさらされる。
両親も心配げにシャティを見るが、シャティは堂々としていようと思う。

そこへ皇子の一人がシャティにダンスを申し込む。

後日、シャティは前のシャティがしでかした事を思い出し、恨みを買った人リストを作っていたが、友達の恋を邪魔する、友達の人間関係をぶち壊す、友だちの前で大暴れ等、たくさんありすぎて頭を抱える。

 

1ヶ月後、シャティは宮廷へ。
宮廷の庭で、皇太子とアイリーンが散策しているのに出会い挨拶するが、皇太子は無言。
普通に挨拶して去るシャティを見て、アイリーンは「カイロン公女はなんだか少し変わられたみたいですね」と皇太子に言うが、それでも皇太子は何も言わず、シャティをジーッと見てるだけ。

シャティはアイリーンに今までのシャティの行為を謝罪しようと、一緒にお茶をする。
シャティは謝り、アイリーンは感じよく接してくれるが、またさりげなく皇太子が自分に好意を向けていることを誇示するような言い方をしていると感じる。
おとなしそうにみえて、実は、ただ大人しいだけの令嬢ではないのかもしれない。

 

レジーナには侍女がつくことになっているが、アイリーンには数人の侍女を付けられているのに、シャティには屋敷から一緒に来た乳母だけ。
カイロン公爵は皇太子に侍女候補のリストを渡しているのに、仕事が忙しいといってなかなかシャティに侍女をよこしてくれない。

シャティは父、カイロン公爵に会って、侍女の話をし、もうリストは送らず皇太子に選んでもらうように頼む。そうすれば侍女の中に皇太子のスパイが入ってくるだろうとシャティは予想する。
皇太子から侍女が派遣され、シャティはわざと意地悪をして、スパイをあぶりだそうとする。

父に会うため&侍女がついてないことを周りにアピールするため、図書館に行った帰り、パーティーでシャティとダンスを踊ってくれた第五皇子カイラード・オブス・フェレカロンに会い、宮まで送ってくれる。
シャティがダンスを踊ってくれたお礼を言うと、カイラードは踊りたいと思った相手を誘っただけで、むしろ自分がお礼を言う方だという。

 

そして、シャティは、ポエット伯爵の令嬢ヘルマをスパイと断定する。

皇太子とレジーナは週に1回、二人で一緒に食事をとることになっている。
皇太子との食事の時に、侍女の話をだしてヘルマだけ少し気に入ったとシャティは言う。
すると皇太子は「くっくっ」と笑い「完全に人が変わったわけではないようだな」っと言う。

それ以外に会話のないまま、食事が終わり、席を立った時に転けそうになったシャティを皇太子が助けるが、顔を見合わせて皇太子は照れたようで、すぐにシャティを押し離し、「気をつけ給え」と言って後ろを向くが、皇太子の耳が真っ赤になっているのにシャティは気付く。

部屋を出た後も、挨拶するためにシャティも出てくるのを待っていてくれたりする皇太子に「そんな風にマナーを守れるなら、はじめからそうしてればいいのに」と思う。

 

1〜13話 感想

転生したら悪女で、でも自分はおとなしく慎ましく暮らそうと思ってたら、皇后候補になっちゃって、宮廷内の権力抗争に巻き込まれざるを得なくなってしまったって感じです、今のところ。

あれだけ周りに酷いことしてきたわがまま娘でも両親は溺愛してるっていうのが、「外科医エリーゼ」に似てます。父は有能な人っぽいのに、娘の周りが見えてないんだろうか。

侍女の中のスパイを見極めるのに、自分が意地悪しても我慢して、いい顔してきた人っていうだけで、スパイと断定するのは安易すぎでは?と思ってしまいました。
それだけじゃ、単にそのくらいでへこたれないでちゃんと仕事をしようとしてる人なのかもしれないし、それだけでスパイとは言い切れないんじゃないのって思います。

 

アイリーンはいい人なだけじゃない人のようですが、それでも今のところ、ただ皇太子と自分が仲良いってことを言外に言ってるだけなので、腹黒いとまでは言えず、よくわかりません。
シャティが言ってる、貴族の令嬢の会話術もなんかイマイチぴんとこない感じというか、裏の意味って言っても、結局たいしたこと言ってないじゃんって思いました。

そして今のところ、一番謎なのが皇太子。
ほとんど無表情無口なので、シャティをどう思ってるのか、よくわかりません。
アイリーンのことも、アイリーンを優先して一緒にいるってだけで、会話の様子もほとんどなくて、すごく好きって思ってるのか、アイリーンへの愛情がどれだけのものなのか、わからないです。

シャティをジーッと見つめてた理由も、「完全に人が変わったわけではないようだな」と言って笑った理由もなんなのか、さっぱりわからないです。

表紙絵が皇太子がシャティを抱えてる絵なので、この二人がカップルになっていくのかなーと思いますが、今のところ、皇太子が謎すぎて、そうなるとしても、まだまだ先は長そうです。

 

14話

シャティはスパイについて考えて、ヘルマがスパイなのは確実だけど、皇太子のスパイじゃなくて、アイリーンのスパイだと考えれば、全てのつじつまが合うと考えつく。

第五皇子カイラードをお茶会に誘う手紙をわざとヘルマに持たせ、こっそり後をつけて、アイリーンに渡しに行くのを確認した。

シャティが「皇太子のスパイじゃないかも」と考えてたので、やっぱりそうでしょ?って思ってたら、スパイなのは確実で別の人のスパイって方向にいったので、結局あの推測方法が正しいのは変わらないんだ!?と思いました。

アイリーンのスパイだと考えれば全てのつじつまが合うって、「つじつまが合う」って程のあれこれなかったと思うんだけど・・・。

皇宮での権謀術数が描かれていくっぽいけど、その策略とか考えが、なーんかちゃちい感じ・・・。
そこはサラッと気にしないことにして深く考えてはいけないんだな、この作品は。

 

アイリーンは、今までの見た目と違って、意外と腹黒いんですね。
最後は、ちょっと悪そうな顔してました。
アイリーンが普通にいい人とか、今までにちらっとあったように皇太子との仲を自慢する程度の人じゃ、皇太子とうまくいったまま、シャティとくっつくことにならないもんね。

ただ、スパイを使ってるだけで、そこまでっていう程のことなのか?悪女なのか?と思います。
スパイを使ってるのはただ情報を得てるだけで、その情報を使って悪いことをするかどうか、だと思うんですけど。スパイを使うこと自体も、悪いといえばそうかもしれないけど、権力ある身分の高い人達だったら、情報を得るためにスパイを使うのは、善悪関係ない気がします。

 

15話

ヘルマがアイリーンにシャティが書いた第五皇子への手紙を見せた。
魔法の封蝋で閉じられていて開けられないので、内容は読めない。
アイリーンは、シャティと第五皇子が通じているんじゃないかといい出す。

レジーナは他の皇子と結ばれるのは可能だが、それには皇太子の許可が必要。

それを聞いてシャティはアイリーンが第五皇子とのスキャンダルをでっちあげようとしていると考える。
自分には2回目の人生ならではの洞察力があるから、それを武器として、悪女になってやる、とアイリーンと戦う気満々になる。

 


まだシャティの侍女が来て初日だったんだ!?と思いました。
初日でいきなりもうスパイ確定しちゃって皇太子にカマかけるまでしてたんですね。

「2回目の人生ならではの洞察力」って言うけどシャティって16歳くらいだとして前世は22歳まで生きて16歳になったんだから、2回目の人生って言っても5〜6年多いだけじゃないの?
と思ったけど、一応シャティのそれまでの人生の記憶を読むことができるから、記憶を読めば若い時代だけだけど2人分になるのか。

とはいっても、人生で失敗して何年か巻き戻って転生(タイムリープ)してやり直すわけでもなく、前世で専門的な知識を得ていたわけでもなく(普通の大学生だった)、武器というほどのことだろうか?と思ってしまいました。
友達だと思ってた人に裏切られ悪口言われて痛い思いをしたっていう、わりと人生でありがちな経験をしただけのような気がするんですが。

なんかいちいち大げさでツッコミどころが多い漫画だなぁ。

 

16〜18話

皇室衣装職人のマイロット男爵が、衣装合わせに来る。
彼は天才と言われ腕を認められて平民から男爵になった人物で、皇室専属の彼にドレスを作ってもらえるのは、レジーナの特権の1つ。

シャティは、ばあやが帰ってくるまでは侍女をイジメて様子を見る作戦を続行するらしく、この機会も利用して、わざとドレスを気に入らないと言って何度も試着を繰り返す。
マイロット男爵はちっとも気に入ってもらえずに放心状態になった後、闘志を燃やしたようで、次は必ず公女の気に入るドレスを持ってくると言って、次の日程を決めて去る。

 

シャティも疲れたので散歩に行くと言うと、侍女のラブエルが同行すると名乗り出る。
どういう魂胆かと疑るが、ラブエルはシャティの父が何度も頼み込んで侍女になってくれた人で、味方だとわかる。

シャティは更に「私は必ず皇后になる、邪魔をする者はそれが例え皇帝陛下であっても許さない、それでも私についてくるか」という確認をとり、ラブエルが「それでも気持ちは変わらない、あなたは皇后になる方だ」と言うと、味方ができたことに安堵して涙をこぼす。

先日招待した第五皇子カイラードとのお茶会。
チャンドラム公爵家の息子、ユタバイン(シャティの幼馴染)の騎士叙任の祝賀パーティーの招待状を出して、一緒に行ってくれるよう誘おうとすると、察したカイラードがシャティが言う前に片膝をついて誘ってくれる。

アイリーンのスパイ、ヘルマがちゃんと聞いているのを確かめ、わざとアイリーンに伝えさせて、シャティと第五皇子のスキャンダルを広める絶好のチャンスとして、アイリーンもそのパーティーに出席させる魂胆。

最後に赤毛の侍女が腕組みをして立っている姿でおしまい。

 

なんか急にシャティが皇后になる気満々になっています。
アイリーンがスパイを自分の所に送ってたってのに気付いて闘志を燃やしたようですが、だからってそれがなぜ皇后まで目指すことになるのかっていうのが、よくわかりません。

シャティ父のカイロン公が送り込んだ侍女のラブエルも、シャティが皇后にふさわしいとか言っちゃってるけど、侍女になっての5日間、意地悪ばっかりしてたシャティを見てダメだと思ってたけど、今日の散歩でメイドが悪口言ってた時のシャティの対応を見て、戦略的に考えてるんだなって思ったからという事のようですが、それだけで?

皇后にふさわしいとまで思えるような姿あった?って思って、どこを見てそう思ったのか全くわかりません。
そしてラブエルが味方だとわかってシャティが涙するシーンも、ほんとは敵ばかりの宮廷で1人がんばってきたシャティに同情する所っぽい感じで描かれてる気がしますが、本心ではないにしても侍女に意地悪するのをがんばってただけじゃんって感じで、涙する雰囲気に全然ついていけません。
シャティは他人に嫌な思いさせるのに精を出してただけで、自分は別に嫌な思いしてないしね。
ダンスの時くらい?

 

唐突な感じで皇后を目指すとか言い出しちゃうし。
アイリーンにもただスパイを送られてただけで、具体的には何も嫌がらせされてないしね。
なのにやたらと憤慨して対抗意識を燃やしちゃったのが不思議。

元々穏やかに暮らしたいと思ってたなら、レジーナを断ることはできない状況だったにしても、何もしないで、選ばれないで終わればいいんじゃないの?
こうせざるを得ないという状況じゃないと思うので、突然のやる気に唖然です。

最後の赤毛の侍女は、まだ第五皇子が見えるくらいの時に腕組みして立ってるのは、ダメなんじゃないだろうか。

 

19話

シャティは第五皇子カイラードにときめきを感じるが、この状況で親切にしてくれる人ならカイラードじゃなくてもときめいたに違いない、頭を冷やそうと思って、現世にいた頃の昼ドラ代わりの何かを思いついて、外出しようとする。

そこへ前回腕組みをしていた赤毛の侍女、エディスがシャティに話があるので人払いして欲しいといって、侍女を辞めたいと言ってくる。

シャティは、侍女に意地悪して辞めたいと言ってきた人を懐柔して自分の味方にする作戦に引っかかる人がついに現れたと思って喜ぶ。

 

なんでまだ意地悪を続けてるんだろう、これってただ意地悪&ワガママなやな奴になってるじゃんって思ってたけど、そういう意図もあったんだっけ・・。
「今は圧倒的なカリスマを見せつけるべき時」って、自分で思ってるとこがスゴイね。
普通の女子大生で友人に裏切られて恋人を奪われて人間関係失敗してた平凡な人が、カリスマを見せつけようと思ってできるもんなの?と思ってしまいました。( ´ _ゝ`)ふ

それと、何か緊急を要するような事じゃなく、ただ辞めたいっていうだけの事で、主人が日中の出かけようとしてるのを遮ってまでしてわざわざ人払いさせて言うっていうのが驚きです。
この世界の常識がどうなのかわからないけど、辞めたいなんていうのは、夜とか、せめて暇そうな時に言うもんじゃないのか。これから出かけるって言ってる主人の予定を邪魔して言おうとするのがスゴイよ。態度が偉そうすぎて驚きです。侍女は召使いよりは上で、貴族がやってたりするからそんなに身分が下ってわけじゃないみたいだけど、どうなの?って思ってしまいました。

 

「悪女の定義」感想(2)

 

《転生先の女の子が悪女という似た設定のお話》