小説「(仮)花嫁のやんごとなき事情2 離婚できなきゃ大戦争!?」作者:夕鷺かのう イラスト:山下ナナオ 感想


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中世っぽい世界観で、孤児院育ちの女の子が、お姫様の替え玉として、すぐに離婚するミッションで隣国の皇子に嫁いでいくお話。のシリーズ2作目。
鐘が鳴っている間にシレイネが外に出られたら離婚に応じるって話とガウェインが試練と称して訪ねてくる話。

以下、ネタバレありなので、ご承知の上。

 

「(仮)花嫁のやんごとなき事情1」感想
「(仮)花嫁のやんごとなき事情2」感想
「(仮)花嫁のやんごとなき事情3」感想

かなりざっくりな説明になりますが、冬の何かのイベントで10日間、夕方に鐘を鳴らすのがあり、その鐘が鳴っている間に、黒竜師団の追手をまいて城門の外に出られたら離婚に応じると、シレイネはクロウと取引を結ぶ。一度目は、シレイネがお姫様なので簡単に捕まるだろうと高を括っていた黒竜師団の兵士たちの油断と、彼らの気を引き締めるためクロウが敢えて何も言わずに見守っていたせいもあり、シレイネが勝つが、2回目以降は失敗。

これは自分に不利な条件だったのではと思い始めたところで、フェルのいた孤児院の院長ガウェインが吟遊詩人として試練をしにやってくる。この時期、聖職者の資格を持つ吟遊詩人(?)が、領主への不満をぶつけに、試練と称する問いかけをしながら戦いを挑んでくるというイベントがある。
領主への不満が多ければ試練を挑む者も多い。

 

ガウェインはセタンタ王の依頼で来ていた。
ガウェインはセタンタ王の依頼書を受けて王宮に行ったまま、孤児院に挨拶にも来ずにエルラントに嫁ぐ依頼を受けて行ってしまったフェルのことを心配していて、悪い噂の多い毒龍公クロウのところにいるフェルを心配していた。
ガウェインは、フェルの育ての親でもあり、血の繋がりはないがお互い親子のように思っている。

フェルはまだクロウにシレイネが偽物で召使いのフェルとシレイネが同一人物だと正体がバレている事を知らないので、召使いフェルの姿になって、城の端の建物に滞在することになったガウェインに会いに行く。
そこへガウェインに話をしにきたクロウがきて、フェルがガウェインに抱っこされているところを見られてしまう。クロウとガウェインは話をして、召使いフェルのいた孤児院の院長がガウェインで育ての親でもあることはわかるが、二人の親しい様子にクロウは嫉妬する。

この後、ガウェインが首筋に蝶のあざが出る呪毒にかかっていることがわかる。
この呪毒にかかると、意識を毒に支配され命令された目的を達成するか、死ぬまで解毒できない、かなり厄介な毒で、夕輝晶という高価な石が必要らしく、その呪毒を作れる者がいること自体が珍しい。

 

ガウェインは孤児院の院長になる前、「紅髪の悪鬼」と呼ばれたものすごく強い傭兵として有名だった。
そのため、ガウェインに使われた呪毒は特別に濃い毒だと思われ、死ぬ寸前ぐらいになるまでガウィンを追い込み、体が使い物にならないと毒に思わせて、解毒させようとしたが、ガウェインが頑丈すぎてうまくいかない。

そしてシレイネがガウェインに向かい合い、シレイネの夕輝晶の色に似た瞳でガウェインを見つめながら語りかけ、「戻ってきて」と強く念じたことで、ガウェインの呪毒が解けた。
シレイネ(フェル)の目を見たことで、呪毒が解けたとは明らかにはなっていないが、おそらくそういうこと。

 

ここまでガウェインはシレイネを襲って攻撃していたので、殺そうとしているんだと思ってけど、命令は誘拐して協力者と一緒に馬車に乗せることだったらしい。クロウがかばわないと思いっきり死んでた感じの攻撃とかあったんだけど・・・。

そしてその協力者=同じく呪毒にかけられてたのはシレイネの侍女のラナで、ガウェインを救ってほっとしている間に、シレイネはさらわれ馬車に乗せられてしまう。
シレイネがうまく光る石を落として目印にしたので、クロウとガウェインはそれを馬で追い、あと一歩でシレイネが川に落ちてしまうが、クロウが飛び込んでシレイネを捕まえ、ガウェインが引き上げて助ける。
馭者も同じく呪毒にかけられており、黒幕はわからなかったが、クロウはこれで終わらせるつもりはないと言う。

ガウェイン以外の呪毒にかけられてた者はかけられていた間の記憶を無くしているらしい。
はっきりとはされていないが、ガウェインだけ記憶が残って解毒されてのは、おそらくシレイネ(フェル)が、瞳を使って解毒したから。
なぜフェルにそういう力があるのかは不明なままだが、のちのどこかできっと出てくるんだろう。

 

他に前の孤児院の院長は、ガウェインをかくまってくれた恩人だが、すぐに亡くなってしまい、孤児院に引き取られたばかりのフェルの面倒を見るのに、ガウィンは怖がられて泣かれてしまって途方に暮れたので、前に恩人前院長に「わしは父親で、お前は母親だ」と言われた事から、女言葉を使ってみたらうまくいったので、そういう経緯でオネエ言葉を使うようになり板についてしまったという事情な模様。
だからたぶんガウェインはゲイとか「心は女性」なわけではないんだと思う。
年齢不詳で、若く見えるようだが、それなりに名の知られた強い傭兵だった&フェルを小さい頃から面倒を見ていた事から、40歳前後なのではないかと思う。

ガウェインをライバル視していたクロウだが、彼には親としての情しかないとわかって、安堵するものの、フェルは昔ガウェインと結婚すると言っていたという話を聞いて、またクワっとなる。

そして落とし穴に落としたりシレイネの協力を得たりするなど、真正面から戦って勝ったわけではないものの、ガウェインを倒したので、無事セタンタ王の条件をクリアし、離婚はしないことになり戦争も回避されたし、ガウェインも死なずにすんだ。
そしてクロウが本気でフェルの事を想っているんだということをガウェインは見て取り、とりあえず一応ということではあるけど(今はシレイネの偽物役のままだから)、クロウのことを認める。

 

そして、エピローグの後の短い話で、本物のシレイネがやっと登場。
どうやら、今回の呪毒の黒幕は、本物のシレイネだったっぽい。
ガウェインを使って、フェルを連れ戻そうとしていたようだけど、ただそれだけなのかな?
呪毒なんていう物を使う事自体がそうだけど、ガウェインが死ぬかもしれない目に合ってたし、フェルもクロウがかばわなければ死にそうになってたし、やっぱりかなり腹黒い感じの人物っぽい本物のシレイネ。
ちょっとだけの話なので、まだまだ謎が多いままです。

2巻では最初から、クロウはフェルの事がすごく好きって事がはっきりしてるので、シレイネに素直に表現できないけど、でもしっかり会おうとしたり、ガウェインに嫉妬したりするクロウを微笑ましくラブコメらしく読めました。

 

フェルの方は仕事、任務、偽物っていう枷があるので、クロウにひかれてはいても、恋と認めてどうにかしようとは考えられない状況。
これをどう結ばれる所まで持っていくんでしょうか。
まあ、もう既に両思いではあるので、今のところ問題はフェルの身分がクロウに釣り合わないってとこでしょうね。そこがどうにかなれば、クロウもフェルの正体をバラして正式に本物のフェルと結婚する方向に持っていくんだろうけど。

おそらくフェルがシレイネとそっくりなのも何か秘密があるんでしょうね。
フェルが孤児で、その両親や家系の事が何もわかってないので、「実は〜」という事情は今のところ何でもありな感じで出せるだろうし、実は身分の高い生まれって事になるんじゃないかなぁ。

この冬のイベントが実はクリスマスだったらしいというのが、あとがきでわかりました。
そういや冬って言葉は出てきてたかもしれないけど、あんまり季節がどうとか意識して読んでなかったな。

 

「(仮)花嫁のやんごとなき事情3」感想

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